2006,10,15, Sunday
地獄の左門 十手無頼帖(1982年・S57・1月29日OA)
泣く子も黙る丑三つ時(推定)。ひとんちの蔵から小判ざっくざくの箱を運び出さんとする黒装束集団に突如ふりかかる天の声(文字通り)。 「おう不知火、あいかわらずの荒稼ぎだな」 「て、てめえ、地獄の左門・・・!」 天井からスマートに降り立った与力装束の男(天知茂)は盗人連中を不敵に見据えた。 「そんなに死にてえか・・・死にたきゃとっくりみせてやらあ、神山左門の地獄の舞だ!」 べらんめえ調で言い放つなり唸りを上げる白刃! バタバタと倒れ伏す悪党たち!十手まるで飾りモノ(というより持ってたかどうかも不明)! ・・・とまあオープニングから怒涛の暴れっぷりを披露してくれた南町与力・神山左門さまは、最近とみにのし上がってきた豪商・丸屋利兵衛(成田三樹夫)の悪事を暴こうと奮闘中。上司であるお奉行(いれずみ判官=遠山金四郎!:片岡千恵蔵)の制止もなんのそので追いつめるのだが、ワルぶりでは一枚上手の丸屋ミッキーは老中や勘定奉行と結託し、左門さまへと魔手を伸ばす。留守中に奥方は何者かに強姦されショックで自害、左門さま自身は金山探索のための囚人監視、という名目で孤島へと飛ばされてしまった。 部下を2名引き連れて荒くれ者たち(いつもの天知ファミリー御一党)と金を探すことになった左門さまだが、丸屋の策略によって何者かに命を狙われまくる羽目に。丸屋と繋がっている刺客は誰か? 奥方を死に追いやった「右胸に傷のある男」は? ぶーたれる浪人組、怪しい極道医者、きわどい場面でいつも現場をうろちょろしている正体不明の女など、敵味方が入り乱れて謎を呼ぶ(それなりにサスペンスな展開)。 だがどんな状況でも、絶対死なないばかりか怪我すらしそうにない落ち着き払ったコワモテ左門さまに適う者がいるはずがない。真相を究明し、金までちゃっかり掘り当て密かに江戸へ戻った左門さま一行は、丸屋たち黒幕を例の地獄の舞で一網打尽にしてのけて(やっぱり十手は使っていなかったが、裁きはお白州で行なった模様)無敵のハッピーエンド。神津善行氏の黄門チックなリズム&軽快なトランペットの音楽が盛り上げてくれた。 *もともと神山左門というキャラクターは「大岡越前」から来ていると思っていたのだが、「江戸の牙」&「闇を斬れ」を経由したせいかどうか、家紋だけでなく性格もワイルドに変貌していた左門さまに軽く眩暈。 吟味方与力じゃなかったのか左門さま。十手持っててくれなきゃダメだ、人をばっさばっさ斬っちゃダメだよお!(特にオープニング)・・・もしや「十手無頼帖」とは「十手に頼らない」って意味なのか? *エンドクレジットで役名が「神山左門」ではなくストレートに「地獄の左門」になっていたことにも眩暈 *原作は川内康範氏とのこと。「月光仮面」や「レインボーマン」の原作者だ。・・・左門さまも彼らと同列ってことか
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2006,09,24, Sunday
「日本怪談劇場 怪談・雪女」(1970年・S45・9月26日OA)
有名な雪女の伝説を、脚本:宮川一郎さん、監督:土居通芳さん、主演:天っちゃんの新東宝トリオで描いた作品。 巳之吉(天知茂)は独り者の木こり。一昨年母を亡くし、父は彼が子供の頃、渡し守の小屋で共に一夜を明かした際にナゾの凍死を遂げていた。 ある日、巳之吉は雪の中に倒れ伏している女・おゆき(村松英子)を助けた。身よりがなく、京に行くつもりだったというおゆきは、介抱の礼にと巳之吉の身の回りの世話をするうちに居ついてしまい、余所者を嫌う周囲の反対を乗り越えて、やがて彼らは夫婦になる。 10年後。一子・定吉を授かり幸せに暮らしていた巳之吉夫婦だが、雪が深くなる度、また巳之吉が父親の死因について誰かに語ろうとする度に、おゆきは突然ひとが変わったようになるのだった。巳之吉は、まるで年をとらず美しい彼女が自分や息子を置いて京へ行きたいのではないかと不審を抱く(かくいう自分だって10年経ってもそんなに年取ってないのだが、それはともかく)。そしてその不審を助長するような出来事が度々起こり、それがきっかけとなって、父親が凍死した時の状況を思い出した巳之吉は、おゆきこそが父を殺した雪女だと確信、周囲に告げてしまう・・・。 天っちゃんに気のいい(弱い)木こりなんてかなり無理めのキャラだと思っていたら、天井からナタがぐさっと落ちてきたり、食料に毒ダンゴが混じってたりの既成観念を打ち破るサスペンスな展開。「俺を殺してまで京に行きたいのか・・・!」と疑心暗鬼の塊になる巳之さんはどうかすると雪女より顔が怖くなっており、ラストも、約束を破ったせいで殺しに来たおゆきさん=雪女に、自分から「さあ俺を連れて行ってくれ!」と積極的にアプローチしていたあたりがなんだかとても天っちゃん的で、その熱意にほだされた(溶けた?)おゆきさんが消滅してしまうのも一理あるなあと感心した(脚本の宮川さんのお蔭か)。 セットも子役も学芸会レベルだが、そんな中でも大真面目に苦悩して演じきっている天っちゃんと、クール・ビューティーな村松さんに脱帽。
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2006,09,08, Friday
「影なき男の影」(1982年・S57)
御名目金と偽り貧乏人から金を搾り取る札差しが横行していた。借金を苦に命を絶つ人々が後を立たない中、悪徳札差し宅を襲い、小判を町人にばらまく「稲妻組」という義賊が登場。銀に赤の縁取りの稲妻マークを背負った、賊というより族っぽい稲妻組ヘッドの正体は、半蔵(千葉真一)の長屋に住む寺子屋の先生兼傘張り浪人の村上新八郎(小道具のボロ傘使いも粋な天知茂)。 新八郎は妹・妙と二人暮らし。十五年前、紀州藩士の父は上司の罪を着せられた上に切り殺され、一家惨殺から辛くも生き伸びた新八郎は、六歳の妹を連れて山中を彷徨う内に稲妻組に助けられ、そのまま賊の仲間になったのだった。 *当時まだ少年だったのに、たった十五年で苦みばしった中年になるのか、といった細かいことは考えてはいけない(きっと苦労したのだ、そう思おう)。 妙の体を張った偵察によって、札差しの扇屋(北町嘉朗)と江戸家老・榊原が父を殺した下手人と判明。しかし扇屋たちは稲妻組へのワナを仕掛けていた。自らも父を殺され家を追われた半蔵は、似た境遇の彼らにシンパシーを抱き新八郎に警告するのだが、ワナと知りつつ新八郎は扇屋へと向かう。影の軍団の助成もあって、父の宿敵・扇屋をみごと討ち果たした兄妹。だが榊原が寄こした鉄砲隊が目の前に迫っていた・・・。 「人にはそれぞれ過去がある。人にいえないこともある・・・」 復讐のためとはいえ、妹を巻き込んで盗賊に身をおとさねばならなかった新八郎。眉根のクレバスと物悲しいピアノのBGMが彼の苦悩に彩を添え、深みのある仕上がりとなっていた。鉄砲隊に集中砲火を浴びてなおひとくさり口上を述べてから切腹して果てる(ネタバレ失礼)あたりの渋さも見逃せない(脚本は宮川一郎氏。さすがだ)。
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2006,08,30, Wednesday
「葬式は俺がやる」(1985年・S60)
幕府から御用金を受けた商人宅に押し入り、皆殺しの上に金を奪う「御用党」なる盗賊たちが跋扈していた。今夜も仕事をさくっと終えた有能な彼らだったが、小柄ながらも眼光鋭いひとりの浪人(ロンゲを後ろで束ねた、相対的に恰幅の良い天知茂)に出くわしてしまいケチがつく。浪人の名は、武州から上京してきたばかりの近藤勇。忍びの技にも動じないふてぶてしい近藤さんに、たまたま物陰から見ていた半蔵(千葉真一)配下のガマ八(大葉健二)も舌を巻く。 ならず者に襲われている娘・美和(佐藤万理)を救った縁で逗留先をゲットした近藤さん、正体を探りに屋敷に忍び込んだガマ八を難なく縛り上げ、救出にきた雲水(=半蔵)と対峙するが、身軽さの面で分が悪く(恰幅がいいから、ではなくて相手が千葉ちゃんだから)引き分けに。ところが翌晩、またもや雲水姿の男が襲い掛かってくる。近藤さんを江戸へ呼び寄せた刀根(黒部・ハヤタ・進)や加賀藩の剣持(北町嘉朗)は、そいつをやっちまえとそそのかすのだが、目つき同様アタマも鋭い近藤さんは片方がフェイクであることに気付いており、なにやらキナ臭い陰謀をかぎつけてもいたのだった。 次の日、近藤さんの為にお茶を点てる美和の仕草がおかしかった。実は美和たちこそが「御用党」一味で、刀根や剣持がその黒幕なのだ。しかしいつのまにやら近藤さんに惚れていた美和に毒殺は無理というもの。彼女の愛に救われた近藤さんだったが、彼を抹殺せんと一味は飛び道具などを用意して迫り来る。そこを助けてくれたのが半蔵。半蔵から御用党の次のターゲットを聞いた近藤さんは、彼らを阻止すべく立ちはだかった・・・! 立ち回りはてんこもりだわ女性に惚れられるわ子供には笑顔だわ、誰が主役ですか、な回(主演の千葉ちゃんより長く画面に映っていたに違いない)。幕末には疎いので良く分からないが、近藤勇ってこんなひとでいいのか? 新撰組なんか要らんだろう、こんなに強けりゃ! *数年後、新撰組を作ってからまた半蔵と出会う、というようなナレーションが流れていたが、天っちゃんが生きていたらそういう話も出来ていたんだろうかと思うと残念だ(初回放映は1985年6月) *タイトル「葬式は俺がやる」の意味が掴めなかったのだが(たしかに放映の1ヶ月後にお葬式だったんだけどそれは関係ないとして)・・・俺と組まないか、と近藤さんに言われたときの半蔵の答えにヒントがあったのだろうか? それとも美和さんのためのセリフ? *千葉ちゃんの歌(エンディング)を初めて聴いたが・・・天っちゃんの方が上だと思っていていいんだろうか
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2006,07,13, Thursday
「田沼意次没落の日」(1981年・S56・9月29日OA)
溺愛していたジュニア・意知(原田大二郎)の横死に動転する田沼意次(三國連太郎)。お前らが側に付いていながらどういうことじゃあ!腹を切れえ!と家来をベシベシどつきまくり、棺に抱きつき泣き崩れる半狂乱のダディを見ていると、前回ジュニアをぶった切った新さん(天知茂)がすこぶる悪いヤツに思えてきたりもする(それくらい三國氏の演技が濃いのだ)。 だがそこは天下の田沼意次。登城の際に愁傷に(というかしらじらしく)お悔やみを述べる闇狩人の総元締めの白河藩主・松平定信(沖雅也)にチクリと釘刺すのを忘れないばかりか、大目付に過去の行状を調べられそうになるとすべてジュニアの責任にして罪を逃れ、一方で精鋭部隊を呼び寄せて「死人(=しびと)狩り」(=闇狩人たちの抹殺)を命じる老獪さを披露してくれる。 追求の目がよりいっそう厳しくなったものの、ここまで来たら打倒・意次も果たさねば!と意気込む安斉さん(山城新伍)たちだったが、殿(=定信公)からOKサインが出ないうちは下手に動くな、ひとまず言われた通り江戸を離れようと新さんは(自分も悔しそうだが)仲間を諌める。 だが精鋭部隊は容赦なく彼らに迫っていた。夜、長屋にいるところを急襲された新さんは腕を射られてちょっとピンチ。咄嗟に逃げ込んだ民家には、ひとりの女性(松坂慶子)がいた。「まあ、新次郎さま」「おしのさん!」そうか良かったね知り合いで、って誰。 どうやら第2話目に出てきた人らしい(見逃してるっちゅうねん) 馴染の女性に傷の手当をしてもらって思い出話に花を咲かせている運の良い新さんとは裏腹に、安斉さんは江戸を離れる前に渚さんとしっぽり、などと不埒な考えを起こしたせいで渚さんの家の前で田沼精鋭にとっ掴まってしまい、えぐい拷問(=両足に釘刺して蝋燭ともして逆さづり、という気合の入りよう)を受ける羽目に。覚悟を決めた安斉さんは忍んできた哲三(三浦浩一)の助けを断り、彼を逃がすために自害して果てた。 だが屋敷を出る際に銃弾を受けた哲三も、いつもの寄り合い場所に着くなり倒れた。「お嬢さん(=渚さん)と海が見たかった」と呟き、渚さんの腕の中で息を引き取った哲。ちょっぴり手持ち無沙汰な新さんは安斉さんと彼の死にただ嘆くばかりだ。そして哲三の亡骸を船に乗せて海へ流そうとした二人だが、水中から表れた精鋭部隊に襲われ、渚さんがあえなく落命。哲と二人、仲良く手をつないで海へと旅立つことになってしまった。 仲間をほんの数分の内にバタバタと亡くした新さんは、最愛の(?)隠密わんこ・火山をおしのさんに預けると、数十メートル先から殺人オーラを振りまきつつ田沼意次の駕籠を急襲し、命を落とそうとする。のだが、他でもない松平定信公から止めが入ってしまう。ダディを無傷のまま(駕籠から出しもしないで)引き返させた定信公に詰め寄る新さん(そうだよな、せめて顔くらい見たいよな)。老中である田沼を殺れば政局が乱れて幕府が立ち行かなくなる、とすこぶる正論な(だが闇狩人たちの存在意義を真っ向から否定するような)理屈を並べる定信公、いざとなったら及び腰である(城内でダディ毒気に中てられたのか?それともポスト田沼を狙うが故の姦計か?) 死に場所を求める新さん、かくなるうえは将軍さまに直訴しようと向かった休憩所に、時の将軍・徳川家治さまがしずしずとおな〜り〜。演じているのはなんと天っちゃんだ(なんと、といってもオープニング映像の中で既に「家治:二役」と出てくるネタばらしの速いことといったら)。訴状を受け取ってもらえて(自分に)、やっと切腹しようとしたら将軍さま(自分)からも止めが入ってやっぱり死ねない。死人が二度も死んでどうする、生きてその身を役立てるようにと優しい言葉を(自分に)掛けてもらった新さんは、もう一度白河藩に戻って欲しいという定信公の頼みを断り、市井に生きる決心をして、おしのさんや火山に見送られながらいずこともなく去っていった(海岸を歩いていただけかもしれないが)。 そのしばらく後、田沼意次は失脚、松平定信が老中になりましたとさ、のナレーションでお終い。 *仲間が全員死ぬ、というのは「テレビドラマ 伝説の時代」で読んで知っていたのだが、前々から「目的達成のためには犠牲はやむを得ない」という新さんのスタンスが全面に押し出されていたせいもあってか、皆さんなんだかあっけなく逝ってしまわれた。やっぱり仲間はわんこだけで充分だったのかもしれない(失礼) *しかし将軍さまと二役ってのはさすがに驚いた。画面がディープすぎてそれまでの展開を忘れそうになったほどだ。天っちゃんを説得する大事な役をこなせるのは天っちゃんしかいなかったというわけか。でも将軍さまと瓜二つだったら、他に闇狩人活動の仕方があったろうになあ。 *その将軍さま(=家治)、史実では田沼失脚より先に謎の病死を遂げているそうだ。やっぱり新さんに関わるとロクなことはなかったりして。 *とにかく、最終回でお腹いっぱいにさせてくれた新さん(天っちゃん)にアプローズ(=拍手)。楽しめました!
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2006,07,07, Friday
「暗殺・血染めの死闘」(1981年・S56・9月22日OA)
冒頭、新さん(天知茂)ら闇狩人たちの今までの仕事ぶりがフラッシュバックされ、気付いたら(話が一つできそうな展開だったのにえらくあっさりと)また無実の藩がお取り壊しの憂き目に遭っていたりして、とうとう白河藩のお殿様から「意知(=田沼ジュニア:原田大二郎)斬るべし」の命が下った(怪我を負いながら文を新さんの長屋まで届けにきた隠密わんこ・火山、おつかれさま)。 しかし田沼ジュニアが黙って討たれるのを待つ訳はない。闇狩人周辺の唯一のウィークポイントともいえた、安斉さん(山城新伍)の愛妻・おまささん(結城しのぶ)を拉致、無事に返して欲しければ鳥飼新次郎(=新さん)を倒してこい!と安斉さんに迫る。かくして天っちゃん VS 山城さんの闘いが2度に渡って繰り広げられるのだが、お互い斬る気ナッシングなので形ばかり剣を合わせてぐだぐだやっているうち、おまささんは凶弾に倒れ、安斉さんの腕の中で息を引き取ってしまった。 怒りに燃えた闇狩人たちは田沼ジュニアが乗った駕籠を急襲するが、駕籠の中の人物は影武者だった。屋敷に乗り込み、田沼配下の者たちと剣を交えながら本物を探す一行。あっいた!と思ったらまた偽者だ(いちいち断末魔の表情で殺される原田氏、ナイス演技)。ジュニアの匂いを覚えているらしい隠密わんこ・火山の助けを借りて、奥座敷で茶を啜って余裕ぶっこいている本命を発見した黒衣装・袴履きの新さんは、すっと腰を下ろすと刀を背中に回し(ゲン@無宿侍!)、にっくきジュニアと対峙する。その鋭利な格好の良さだけでも眼福だというのに、あとがまた天っちゃん独壇場といおうか、あくまでふてぶてしいジュニアを前にして、刀をぐさっと畳に突き刺す! がばっと上着を脱いだら白装束(お経@江戸の牙は書いてありません)! 渾身のキメ台詞「今の世の中真っ暗闇よぉ・・・(中略)・・・闇を、斬るっ!」のあとずばーっと殺陣! のフルコースで魅せてくれた。死闘というほどのもんじゃないとはいえ(血染めも無いし) いちおう後ろに控えていた安斉さん以下お仲間たちからもそれぞれ太刀を浴び、「父上〜」と呟きながらジュニアは絶命した。「次は意次(三國連太郎)の白髪首を必ず・・・!」兼子様&千草さんの墓前で眉根のクレバスも濃厚に誓いを立てる新さん。次回はとうとう最終話。どうなる、どうする闇狩人! *史実ではジュニア意知は江戸城内で旗本・佐野政言に私情で斬られて落命、それがきっかけでダディ意次は失脚・謹慎となって家督を次男に譲るそうだ。ということは、ジュニアが死んだ時点で「これがきっかけで田沼時代は終わりを告げる云々」とナレーションを入れて大団円にすればけっこうスッキリと収まっていたと思うのだが、もういっちょ行くらしい(苦笑) *腐れきっているとはいえ、仮にも「政治家」を暗殺するってどうなんだろうなあと思ったりするとこのシリーズの意味自体があやしくなるから深く考えないでおこう
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2006,06,29, Thursday
「大江戸・浪人皆殺し」(1981年・S56・9月15日OA)
一刀流の達人・川野十蔵(名前もじってますな:川辺久造)は要人の暗殺計画に加わり、妻子を国許に残して江戸へ出奔した男。胸を患って寺に厄介になっているうち、田沼派の某悪徳商人に腕を見込まれ、仕官のクチを世話してやるから8名の浪人たちを消してくれと依頼された。同じく雇われた男たちと次々に(とはいえ刀は既に竹ミツなのでただ居るだけなのだが)浪人を殺めていく十蔵。 そんな折、街で見かけた金魚屋(=哲三:三浦浩一)が提げていた折り紙がハッと目に留まった。その特徴のある折り方はもしやと思い尋ねると、母が死んだため、父を頼って上京してきた長一郎という少年が折ったのだという。それは息子の名前に間違いなかった。だが少し前、白昼で罪無き浪人を追いつめて惨殺したのをじっと見つめていた少年の存在を彼は思い出した。まさかあれが息子だったのか・・・? 悲惨な己の姿を顧み、父子再会を逡巡するうち、十蔵は浪人襲撃を妨害する小奇麗な身なりの深編み笠の浪人に出くわす。男は笠を取ると、オレの顔に見覚えがあるならこんなことは止めろ、熱い正義感に満ちていた頃を思い出せと迫った。果たして、その顔を見て十蔵は驚いた。かつて町道場で共に剣を学んだ白河藩士・鳥居ショウジロウだったからだ!(うわあビックリ(嘘):天知茂)。今までの浪人襲撃は、すべてこの8人目、闇狩人のリーダーと目される彼をおびき出すために仕組まれたことだと知り、揺れる十蔵。息子が世話になったという、死んだ妻に瓜二つの小唄の師匠(=渚さん:坂口良子)や、咳の発作で苦しんでいた際に偶然助けてくれた按摩(=新さんに頼まれた安斉さん:山城新伍)の親切な言葉で、ようやく足を洗う決心をつけた十蔵だが、様子が怪しいと悟られ、長一郎を人質に捕られてしまった。 「息子を返してもらいたければ、鳥飼(=新さん)を斬ってこい」 刀を貰い、長屋で鳥飼に対峙した十蔵は、果たして彼を斬ることが出来るのか・・・? ・・・とはいってもこの十蔵さん、登場したときから既に「ワケあり浪人かつ労咳もち」という薄幸オーラを振りまいていたこともあって、まるで勝負にならなかった。何しろ相手は、たとえ罪無き浪人たちや子供の命が掛かっていても「オレは今ここで殺されるわけにはいかん!」と打倒・田沼の大義に燃えまくってる男なのだから始末が悪いったらありゃしない(だからどっちの味方だよ>自分)。もう判ったからホラあっち行って! ってな具合に扱われ、よろめいているところを元・仲間の浪人連中にぐさっとやられた可哀相な十蔵さんは、駆けつけた息子の顔を見てから息を引き取った(合掌)。 *旦那(=新さん)は相変わらず何考えてるのかわかりゃしねえ(まったくだ)とぼやく哲に渚さんは、「(旦那は)命を捨てる日をじっと待ってるんだよ」と優しく諭す。で、来週そろそろなわけか。 *ラスト、安斉さんに預けていた隠密わんこ・火山が自分で長屋に戻ってきたときの新さんの嬉しそうな顔ったらなかった(「素」だ、素!)
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2006,06,25, Sunday
「十六文からす堂2」~初夜は死の匂い~ (1983年・S58)
お紺さん(浅茅陽子)との祝言を夜に控えたからす堂(天知茂)。仕事帰りに弟のいる本家へ寄り、新婦のお紺さん他お仲間が待つ長屋に急ぎ戻ろうとしたところ、複数の浪人たちに襲われる若い男女に遭遇した。襲った連中は、昼間からす堂の元へ来ていた兇悪な人相の男たち(主役に匹敵するコワモテ・山本昌平ら)。若侍(高岡健二)は肩を切られて川へ転落、女は駆けつけたからす堂の胸の中で「オオツ・・・」と呟き絶命してしまう。 番屋へ届けたからす堂先生だが、「女を殺したのはからす堂」などと書かれた文が投げ込まれたりして、なかなか返してもらえない。一方、待ちぼうけを喰らったお紺さんの元へ、川へ落ちた瀕死の若侍が転がり込んできた。傷のショックで記憶を失くしてしまったという男だったが、番屋で女の死体に対面したときの表情の揺れをからす堂は不審に思う。そんな折、タイミングよく大津屋(久米明)と名乗る男から観相の依頼を受けたことで、事件の真相が明らかになった。 若侍・光一郎は亀山藩主の長子なのだが、家老の鮫島(高橋長英)が自らの妹である今の正室の幼子・光三郎を推していることから藩内の意見が割れ、やがて命を狙われるようになった。光一郎を慕う峰村はひとまず実家の大津屋へ光一郎を匿おうと、手だれの部下・おはるを付けて密かに屋敷を抜けさせたのだった。 戻りたくないと言う光一郎を説得し、からす堂は屋敷に向かった。 死相が表れている家老。藩主不在というのに、艶やかな色気を醸す正室。 そして、隠居の身という、藩主の弟(内藤武敏)にも死相が・・・。 光一郎を襲った連中の雇い主・「首筋に痣のある男」の正体は? 事件の本当の黒幕は誰なのか? 前回よりミステリ仕立てで、からす堂先生以下長屋の皆さんたちが協力して真相に迫っていく様子がテンポ良く描かれていた。からす堂先生の、静から動への変化がこれまた素晴らしい。冷静な推理力を働かせる前半、びしぃっ!とキマった(今回は槍までぶんぶん振り回す)立ち回りを披露してくれる後半、それからもちろん、お紺ねえさんとの微笑ましいやりとり。どこをきっても魅力満載だ(褒めすぎか)。 *高橋長英氏の迫真の毒殺演技(ネタバレ)がすごかった・・・その前に同じ場所でお茶点ててもらって飲んでたからす堂先生がああならなくてよかった(そりゃ主役だから) *首筋に痣のある男、意味深に顔を隠しているようなので誰なのかと期待したら・・・「どうりでまだ見てないと思ったよ!」な人だった(すみませんゾル大佐←またネタバレ)
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2006,06,22, Thursday
「顔を焼かれた女」(1981年・S56・9月8日OA)
田沼の口利きで新たに南町の筆頭与力に就任した中山帯刀と部下の岡部(若い!けどあんまり変わらない阿藤海)により、闇狩り詮議が一段と厳しくなった。安斉さん(山城新伍)の情報を探ろうとして失敗した小料理屋の女将をあっさり消し、さらに、アンチ田沼の商人たちをわざと中山の家紋をちらつかせて白昼惨殺、闇狩人を誘い出そうとする中山&岡部だが、それが罠だと気付いた新さん(今回はまた「静」のひと:天知茂)は動こうとしない。 そんな中、新さんをこっそり付ける御高祖頭巾の女がいた。下手人は中山たちだと書かれた投げ文の達筆文字を見た新さんは、ひとりの女を思い出す。「しのぶさんだ・・・」いきなり言われてもそれ誰だよ知らないよ!と画面にツッコんだ視聴者(=私)のために、話は3ヶ月前にさかのぼる。 夜の街角で男たちに襲われていた米問屋・越後屋の娘を助けた際、耳が不自由な彼女は筆談でお礼を書いてくれた。小料理屋で同席し、まるでどこぞの探偵さんのように「美しいひとだ・・・」と彼女にうっとりしまくる新さんだったが、越後屋が火事との知らせに急ぎ駆けつけると、彼女の両親や番頭は、何者か(=実はこれも中山&岡部の仕業)に斬られて死んでいた。幼い弟(たぶん殺された模様)を探し、新さんの制止を振り切って半狂乱で炎の中へ飛び込んだきり行方がしれなかったその娘こそ、しのぶさんだったというわけだ。「でもなぜそのひとは顔を見せないんです?」そう問う哲三(三浦浩一)に「美しかったからなあ・・・」と意味深に呟く新さん。 一方、小唄の師匠・渚さん(坂口良子)にゾッコンの同心・山村(穂積隆信)は彼女に付きまとっているうちに、渚さんが闇狩人の一員ではないかとの疑いを濃くしていた。だが根が単純なせいで、たいてい渚さんやかつての先輩・安斉さんがうまく丸め込んでいたのだが、ある日、山村の上司・岡部は渚さんを強引に拉致してしまった。 渚さんの身を案じる哲三や安斉さんは気が気ではないが、新さんの腰は相当重い。しかしそこへ頭巾のしのぶさんから、渚さんは中山の屋敷に連れて行かれたとの文が届いた。今度はすだれの陰から姿を現してくれたせいで「あんたのカタキは俺たちが討つ」とすっかりその気になった新さんは闇狩りに一直線。彼らを待ち受けていたはずなのになぜかしょぼしょぼな警護をかいくぐって渚さんを救出(by 哲三)、岡部を爆殺(by 安斉さん)。新さんは久々にキメ台詞途中の「その闇に差す一条の光!」でキラ〜ンと刀を光らせてザコをばさばさ退治、大ボス・中山をみね打ち(というより柄や素手でボコボコに)してから、しのぶさんに止めを刺させてあげた。 両親たちの仇を討ち、頭巾を取ったしのぶさんは仏門をくぐった。 涼しげな風鈴の音色を聞きながら長屋でアンニュイに寝転ぶ新さんの胸に去来したものは何だったのか・・・。 *序盤は渚さんの周辺で話が進んでいたので、しのぶさんの唐突な出現には戸惑った。しかも新さん、全然動いてなかったくせにイイトコ取りしてるし。まったく効率の良い男だ(主役の特権か) *中山に止めを刺す際、火事で焼け爛れた顔が露出してしまったしのぶさんを見ないように、そっと背を向ける新さんがオトコマエ *だがやっぱり人間の味方には非情のライセンスだったりするんだな *ところで「顔を焼かれた」のは、火事の際に制止しきれなかった(しかも安否確認せずに立ち去ってしまったらしい)新さんに、という意味にもとれないかこのタイトル
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2006,06,18, Sunday
「十六文からす堂1」~江戸占い 謎を斬る~ (1982年・S57)
深編み笠に黒の着流しの浪人・からす堂(天知茂)は江戸で評判の手相・人相見。ぴたりとよく当たるのはもちろん、見料を取り損ねるウッカリさんでもあることが人気の秘訣だ。そんなからす堂にゾッコンなのが、芸者を辞めて小料理屋「たつみ」を切り盛りしているお紺さん(浅茅陽子)。彼もお紺ねえさんを憎からず思っているようだが、彼女の熱~い眼差しと誘いをすっとぼけてかわしてしまう毎日。 ある日「たつみ」に、深編み笠の青年・二ノ宮豊作(金田賢一)が転がり込んできた。ならず者たち(リーダーは宮口二郎)に襲われていた瀕死の男・文吉を偶然助け、五十両を預かった彼は、金を奪わんとするその男たち(高利貸の用心棒)に追われていたのである。文吉は、昼間からす堂の元へ来たおたねという女の息子。からす堂はお紺さんの協力を得てならず者を捕縛、悪徳高利貸(北町史朗)に一泡吹かせた。 江戸に来たのは23年前に毒殺された父親の仇討ちのためだという二ノ宮は、からす堂の腕を見込んで助太刀を頼む。彼と同じ妾腹の子であると言うからす堂はシンパシーを感じ快く引き受けるが、彼の身を案じるお紺さんは気が気ではない。折りしも、からす堂の長屋へ身なりの良い腰元が現われ『屋敷へ戻ってくれ』と懇願するのを立ち聞きしたという小料理屋の板前・多吉っつぁん(茶川一郎)から「所詮は身分違い、諦めなせえ」と実におせっかいな忠告を受けたお紺さん、ショックを受けて小料理屋を出、芸者に舞い戻ってしまう。 しかし、多吉っつぁんが見た腰元はからす堂(本名・唐津栄三郎)の妹で、正妻の子である弟・新之助に家督を譲るために浪人になった兄を頼ってきたのだということをからす堂本人から打ち明けられ(さらに嬉しいプロポーズの言葉までもらって)、お紺さん大安心。 突然上役から蟄居を命ぜられた弟・新之助を見舞ってくれと妹に頼まれたからす堂は実家へ出向く。奥祐筆・大串(御木本伸介)の元に配属された新之助は、大串が内緒で貰ってきた賄賂をうっかり落として周囲にバラしてしまったことを告白(ウッカリ・ブラザーズかこいつら)。実はこの大串(にちゃっかり成りすましていた悪党・西川)と、今は廻船問屋の主人に納まっている大黒(待田京介)こそが、二ノ宮が探している父殺しの下手人だった。 ふたりを集め、自分の首を賭けて勝負に出るからす堂。 「おふたりに死相がでております。命はあと五日」 だが唐津家との関係を知られ、弟が更に苦境に陥る。 からす堂は決定的証拠を握れるのか? 二ノ宮はうまく仇を討てるのか? 運命の刻限が迫る! ・・・って、別にそこからスリリングかつハードな展開にはならないのだが、ならず者→悪徳高利貸→大黒→大串という悪人連鎖を探り当ててゆくところは推理モノとして楽しめた。しかしからす堂先生、黒いほっかむりして奉行所へ忍び込むのはどうかと(原作を知らなかったときは、「この人は公儀隠密か何かなのか?」と思ったもの)。 *落ち着き払って実にイヤミな(でもって負けるときは心底悔しそうにしてくれる)待田京介さんとの対決は実に面白い(「魅せられた美女」も好き!) *からす堂先生の殺陣は、刀を頭上でくるくるっと回したりと、スマート&スピーディー。でも「きゃ~、先生~、逃げて~!」ともれなくお紺ねえさんがしがみついてきたりもするので、彼女を守るのにちょっと大変そうだ(笑)
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| TVドラマ(時代劇)::十六文からす堂 | 12:39 AM | comments (x) | trackback (x) | |