2009,07,27, Monday
地獄の左門 十手無頼帖3 女菩薩(にょぼさつ)供養(1983年・S58・7月8日OA)
土砂降りの中、旅籠に潜伏している押し込み強盗たち。突如現れた十手持ちと乱闘になり、裏へ逃げ込むとそこには地獄が待っていた…! かくして神山左門(天知茂)の地獄の舞を目の当たりにした連中は豪快に皆殺しの憂き目をみるのだった(毎回オープニングから屍累累)。 さてそんな左門さまの好物はいなり寿司である。気の利く小者の与吉(尾藤イサオ)の恋女房・おこう(一柳みる)がこしらえてくれたおいなりさんをぱくついていると、これまた大量のいなり寿司を携えた同心・若月俊之介(香山武彦)が母親と来訪。左門さまんちの切れた鰹節を巡って「うちに高級なのが」「いえ私どもの家のも上等です」などとちくちく張り合いだしたところへ割って入った左門さま、おこうに財布を渡して鰹節を買いに行かせた。 ところが数日来の大雨で永代橋が流れ落ち、二十名が命を落としたその中におこうの姿が。質の良い鰹節を求めて遠出した結果の悲劇に泣き崩れる与吉と幼い娘に、左門さまも言葉がない。しかし、溺死者に混じって橋大工の刺殺体が発見され、天災だと思われた橋の崩壊の裏に、普請奉行や大工連中の利権が絡んだずさんな手抜き工事があることが浮かび上がる。 恋女房の死、そして事件が上層部の指示で天災として処理され悶々としているところへ、義憤にかられたかつての博打仲間の藤岡重三郎(中谷一郎)&お浪(池波志乃)のコンビに会ってしまった与吉は、自分たちの手で連中に一泡吹かせてやろうぜ、と熱く唆されて十手を返上、普請奉行の娘・お園(山本みどり)を人質にとる計画に加担してしまう。そして、与吉を心配して尾けていた左門さまは、藤岡たちのアジトに囚われの身となった。隙をみて帯に仕込んだヤスリで紐を切り、素手で藤岡を圧倒した左門さまだが、真相を突き止めるために彼らの話に乗ることに。 お園の父、堀留丹波(仲谷昇)は自己保身のために娘の身代金をケチったばかりか、約束を違えて刺客たちを放ってきた。そんな中、高熱に倒れるお園。左門の必死の看病(背中マッサージ&胸に辛子塗布)も空しく、病状は悪化の一途をたどる。父の所業に心を痛めながら、一目惚れした左門さまに看取られてお園は息を引き取った。 新しい永代橋の建設を巡って再び繰り広げられる裏取引。入札の瞬間、堀留の一味だった与力の前田(北町嘉朗)を引き連れた若月がこれを阻止。そして、死化粧を施したお園をお姫様抱っこした左門さまが現れ、悪どい連中にまたしても地獄の舞で引導を渡した。 ようやく事件は落着。屍の山を築いた左門さまは与力株を没収されたが、何やら裏の仕事を任されたようで、さばさばした表情で与吉家族と共に江戸を後にするのだった。 *シリーズ3作目。直属の同心やら岡っ引き(もうひとりは岡部征純さん)やらを引き連れ、至極まっとうな任務に就いている左門さまだが、やっぱり皆殺しモードで襲いかかる連中を片っ端から地獄へ送りこんでいた。どやさ! *おこうさんといいお園さんといい、間接的には左門さまが死に加担しているように見えなくもなかったが、誰も何も言わないところが男前の特権だろう(そうなのか)。 *お園さん役、なぜだかずっと若村麻由美さんだと思い込んでいた。似てませんかね…? って、そもそも年齢的におかしいと気づかんかな>自分
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2008,08,08, Friday
地獄の左門 十手無頼帖4 声を盗まれた娘(1984年・S59・3月15日OA)
初登場の気合い十分のテーマソング(作詞:川内康範、作曲:吉永豊の「吹きだまり」。歌はもちろん天っちゃん)を引っ提げて地獄の舞を披露してくれていた神山左門さま(天知茂)は、深編み笠で江戸へ急ぐ途中、黒覆面の男たちの襲撃を受けた。左腕をざっくり斬られてフラついていた彼の難儀を救ってくれたのは町医者の井上一道(小池朝雄)。たまたまお医者に拾われたのはラッキーとはいえ、左腕が元通りに動く確率は五分六分、なんてことを一癖も二癖もありそうな小池さんもとい一道先生に言われてちょっとメランコリックな左門さまである。 町奉行・遠山左衛門尉(北町嘉朗)から、近ごろ市中を騒がす稲妻党なる賊の一掃を依頼され、左門さまは内通者を突き止める使命を帯びて火盗(=火付盗賊改め)に配属された。お頭・内藤(御木本伸介)から手厚いバックアップ態勢を得たものの、火盗与力の面々からネチネチと嫌味をされるわ、怪我した左腕はまだ痛むわでツイてない日々が続くが、一道先生んちの玄関で痛い方の腕にぶつかってきたおしま(萬田久子)という女とまんざらでもない仲に。 そんな折、稲妻党に襲われた直後の田島屋に駆け付けた左門さまは、屋敷内で震えていた少女・おそでを発見した。惨劇を目の当たりにした彼女は口がきけなくなっていた。左門さまはおそでを自宅に匿ったことを公言し、火盗内のスパイを焙り出そうとする。はなっから左門さまに対立し、挙動が怪しかった与力の島崎(伊吹剛)が留守中におそでを拉致、すわこいつが!?と思われたが、彼は単に御禁制の危な絵(=春画)をこっそりスケッチしてるだけの土曜ワイドな男だと判明。本当の内通者は、まっさきに左門さまに懐いてきた同心・沢村(山本紀彦)だった。ちゃっかり右腕的存在に落ち着いた島崎の爪楊枝拷問(&左門さまの怖い顔)に恐れをなし、御高祖頭巾の女に頼まれ賊と通じていたことを自白して、沢村は切腹。左門さまはその女がおしまだと直感する。 一方、一道先生は、田島屋襲撃ニュースにえらく動揺していた。なぜならおそでは、養女に出した実の孫。だがその事実を先生は左門さまにまで隠そうとする。上方では義賊だった稲妻党の突然の変節、上方から流れてきた一道先生――稲妻党の元ヘッドは、一道先生自身だったという真相に気付き気付かれた左門さまと先生は、何も知らないおそで(左門さまのお手玉歌ではなく手毬唄で声を取り戻したのはちと残念)を引き込みに使った極悪非道な現ヘッド・芳太郎(深江章喜)捕縛まではと協力体制を敷く。 左門さまにメロメロになってしまっているおしまは、次の襲撃場所と時間をそれとなく知らせるのだが、彼女の恋心を見抜いていた芳太郎は1日早く襲撃を決行。だが後添えとして屋敷に入り込んだおしまは閂を外さず、仕方なく裏口に回った芳太郎一味はそこで、彼らの裏をかいた凶悪な面相の左門さまに出くわした。 「地獄の左門の地獄の舞……六道輪廻の旅の供養にせい!」 そんな怖いキメ台詞を怖い顔でキメられては(しかも左腕は完全回復)、さしもの稲妻党も形無しである。だが左門さまの制止を振り切ってやってきた一道先生が芳太郎の刃に倒れ、おしまもまた左門さまの刀を奪い取り自害、彼女を連れて逃げるつもりだった左門さまを嘆かせた。 事件は解決した。左門さまはおそでちゃんや島崎たちに名残惜しまれながら、再び江戸を後にする――。 *シリーズ最終話(時代劇スペシャル枠が終わってしまうせい)なのがもったいないくらいノリノリな話。個人的に、奉行所で与力としてまっとうに働いているオリジナル左門さま@大岡越前が好きなので、今回はそれもたっぷり堪能できて眼福だった。 *1作目は千恵蔵御大が演じていたお奉行様(遠山の金さん)に今回扮するのは先日の上映会ゲストの北町さん。天っちゃんとのシリアスな場面で「この二人、昼ごはんは中華(=ラーメン)だったのかな」などと想像してしまって弱った(苦笑)
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2007,06,17, Sunday
地獄の左門十手無頼帖2 将軍暗殺!(1983年・S58・1月21日OA)
またもや冒頭から盗っ人相手に華麗なる地獄の舞を披露してくれた南町与力・神山左門さま(十手は何のためにあるのでしょうか:天知茂)だが、帰宅途中に屈強な侍たちに拉致された。連れて行かれた先はラスボス、じゃなくて善人サイドの老中・阿部伊勢守(丹波哲郎)の館。金の力で幕府を食いモノにし始めた河内屋親子(幸田宗丸&岸田森)の増長を阻止するため、通り名通り地獄へ行ってくれと頼まれた左門さま、丹波さんを前にすると新東宝時代の習性でついパシってしまうのか二つ返事で承諾、“神山左門”の葬式を出して“武州無宿の左平次”に身をやつし、まずは伝馬町牢屋に潜入する。 身振り手振りはなり切っているが顔が顔だけに早速「おメェ、岡っ引きだろ!」と皆にヤキを入れられかけた左門さま=左平次に、三次という男(石橋蓮司)が助け舟を出してくれた。実はこの三次こそ、河内屋の抜け荷の証拠を掴むためにコンタクトを取ろうとしていた男。上手い具合に当の本人からアニキ~♪と相当に惚れられてしまった左門さま=左平次は、ムショを出たあと彼と妹・おぶん(佐藤万理)が住む長屋に身を寄せることにした。そこへ、ならず者(福本清三さん他)に追われていたナゾの女・おあき(あべ静江)まで転がり込んできて同居する羽目に。 三次に紹介してもらった“仕事場”には、荒くれ男たち(宮口二朗さんら天知ファミリー)が揃っていた。で、ここでも「左門の旦那じゃないですかあ」と超高速で正体がバレる左門さま=左平次(だからその顔が問題なんですってば)。見かねてフォローしてくれた、既に潜伏中の伊勢守の密偵はそのために身分が暴かれあっさり抹殺されたものの、河内屋の用心棒(元は大塩の残党)・倉沢(原田大二郎)らの疑惑をかろうじて晴らした左門さま=左平次は抜け荷の現場を突き止め伊勢守に報告。しかし急行した目付は倉沢に消され、イッてる河内屋ジュニア・仙之助(岸田さん)は証拠隠滅のために三次を含む人足たちを銃殺、小屋に火をつけて皆殺しにしてしまう。 虫の息で長屋へ辿り付いた三次は、おぶんに河内屋を頼るよう言い残して絶命。彼のおかげでようやく黒幕を断定できた左門さま=左平次は河内屋へ乗り込むが、墓暴きまでして疑っていた親子に捕らえられ、気分が良くなりなんでも自白してしまうという怪しげな薬をかがされピンチ到来。だがそこはダテに地獄を見ていない左門さま、あくまで左平次だとシラを切り通し、証拠の台帳までちゃっかり頂戴して伊勢守宅まで無事に逃げ帰った。 進退窮まった河内屋親子は将軍暗殺という大胆な策に打って出た。菩提寺参拝に来た上さまに毒入り茶を持ってきたのは、仙之助の命令で左門さま=左平次の身辺を探っていたおあき。だがいつしか左門さまと恋に落ちてしまった彼女の心は揺れていた。それを見越して天井から上さまを銃で狙う仙之助。さあどうするどうなる・・・! と、そこへ正装に戻って警備中の左門さまがダッシュしてきて上さまに冑(?)をぶん投げお茶を阻止、天井や地下からの攻撃を難なくかわして(上さまを放り投げたりもして)またもや地獄の舞を繰り広げ、暗殺を防いだ。しかし被弾したおあきは、左門さまの腕の中で静かに息を引き取るのだった・・・。 *潜入捜査、というより本来の自分を殺してまで左平次になりきった、気合MAXの左門さま。腰を落とした重厚な殺陣に加え、おあきさんとの絡みや麻薬でぼーっとなっているときの色っぽい表情などが見どころである。モチ肌露出度も高い。 *でもやはり左門さまは「大岡越前」のときのクールで落ち着いた風情が好きなんだよなあ。
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2006,10,15, Sunday
地獄の左門 十手無頼帖(1982年・S57・1月29日OA)
泣く子も黙る丑三つ時(推定)。ひとんちの蔵から小判ざっくざくの箱を運び出さんとする黒装束集団に突如ふりかかる天の声(文字通り)。 「おう不知火、あいかわらずの荒稼ぎだな」 「て、てめえ、地獄の左門・・・!」 天井からスマートに降り立った与力装束の男(天知茂)は盗人連中を不敵に見据えた。 「そんなに死にてえか・・・死にたきゃとっくりみせてやらあ、神山左門の地獄の舞だ!」 べらんめえ調で言い放つなり唸りを上げる白刃! バタバタと倒れ伏す悪党たち!十手まるで飾りモノ(というより持ってたかどうかも不明)! ・・・とまあオープニングから怒涛の暴れっぷりを披露してくれた南町与力・神山左門さまは、最近とみにのし上がってきた豪商・丸屋利兵衛(成田三樹夫)の悪事を暴こうと奮闘中。上司であるお奉行(いれずみ判官=遠山金四郎!:片岡千恵蔵)の制止もなんのそので追いつめるのだが、ワルぶりでは一枚上手の丸屋ミッキーは老中や勘定奉行と結託し、左門さまへと魔手を伸ばす。留守中に奥方は何者かに強姦されショックで自害、左門さま自身は金山探索のための囚人監視、という名目で孤島へと飛ばされてしまった。 部下を2名引き連れて荒くれ者たち(いつもの天知ファミリー御一党)と金を探すことになった左門さまだが、丸屋の策略によって何者かに命を狙われまくる羽目に。丸屋と繋がっている刺客は誰か? 奥方を死に追いやった「右胸に傷のある男」は? ぶーたれる浪人組、怪しい極道医者、きわどい場面でいつも現場をうろちょろしている正体不明の女など、敵味方が入り乱れて謎を呼ぶ(それなりにサスペンスな展開)。 だがどんな状況でも、絶対死なないばかりか怪我すらしそうにない落ち着き払ったコワモテ左門さまに適う者がいるはずがない。真相を究明し、金までちゃっかり掘り当て密かに江戸へ戻った左門さま一行は、丸屋たち黒幕を例の地獄の舞で一網打尽にしてのけて(やっぱり十手は使っていなかったが、裁きはお白州で行なった模様)無敵のハッピーエンド。神津善行氏の黄門チックなリズム&軽快なトランペットの音楽が盛り上げてくれた。 *もともと神山左門というキャラクターは「大岡越前」から来ていると思っていたのだが、「江戸の牙」&「闇を斬れ」を経由したせいかどうか、家紋だけでなく性格もワイルドに変貌していた左門さまに軽く眩暈。 吟味方与力じゃなかったのか左門さま。十手持っててくれなきゃダメだ、人をばっさばっさ斬っちゃダメだよお!(特にオープニング)・・・もしや「十手無頼帖」とは「十手に頼らない」って意味なのか? *エンドクレジットで役名が「神山左門」ではなくストレートに「地獄の左門」になっていたことにも眩暈 *原作は川内康範氏とのこと。「月光仮面」や「レインボーマン」の原作者だ。・・・左門さまも彼らと同列ってことか
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