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大奥(1969) #52(終)
#52(終)「華麗なる終焉」(1969年・S44・3月29日OA)

薩長軍が迫る中、江戸城内では夜を徹しての評定が行われていた。戦を避けたい慶喜(天知茂)は、大半の家臣の意見とは逆にただ一人和平を唱える勝安房守(夏目俊二)の真摯な提言に、既に人民の心が幕府から離れていることを悟り、城を明け渡して寛永寺で沙汰を待つと決心した。

――花もまた 哀れと思へ 大方の 春を春とも知らぬ我が身を――

徳川家を自ら売り渡すのかと詰る家臣たちの中、慶喜の苦渋の決断に勝は涙した。

出立前、美賀子(谷口香)に「笑って余を送り出して欲しい」と言う慶喜だが、永遠の別れかもしれぬ上、彼の子を身ごもっている美賀子には難しいことだった(泣き崩れる彼女と抱き合ってる時に「ご出立〜」で上様出番終了)。

*この後柳川(加賀まりこ)が美賀子や西尾(萬代峰子)たちすべての大奥の女たちを退避させ、日誌を焼き捨ててピストル自殺、そして怨霊(&語り手:岸田今日子)のホラーな一人芝居が強烈に印象深い最終回。

*史実では側室も数人いた慶喜だが、本編では正室一筋で、大奥的には非常に面白くない上様だったといえる(カッコいいから許すが)。

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| TVドラマ(時代劇)::大奥(1969) | 12:03 AM | comments (x) | trackback (x) |
大奥(1969) #51
#51「幕末の恋人たち」(1969年・S44・3月22日OA)

将軍となって5年目に初めて江戸入りした(前回の経緯がリピートされる)慶喜(天知茂)だが、薩長軍が迫る中、好戦派の重臣たちに囲まれて苦悩の色は増すばかり。結局、勝安房守(夏目俊二)の言に沿って恭順の意を固めるが、大奥古参の西尾(萬代峰子)はその決断が情けなく、女中たちを薙刀の稽古に打ち込ませる。西尾から上様が腑抜けなのはお前のせいだと暗に詰られて立つ瀬のない正室の美賀子(谷口香)は、「徳川の名を傷つけず、名誉ある休戦に持ち込みたいからだ」とコーヒーを啜りながら彼女にだけ真意を吐露する慶喜に、留守の間ずっと眺めていたという、上様直筆のフランス語が書かれた扇子を取り出しながら「私を徳川家の御台と思って下さいますか」と彼にとっては当然のことを聞かずにはいられなかった。

そんな折、有栖川宮と親交のあった和宮に取り成しをしてもらえまいか、と慶喜に頼まれた美賀子は、柳川(加賀まりこ)を伴って和宮に会いにゆくが、宮様は上様のフランスかぶれが殊の外お嫌いだ、と侍女に拒否される。それでも嵐の中、一晩中部屋の前に座り続ける美賀子。朝になり慶喜の命でようやく戻った彼女は、高熱を発して倒れた。熱に浮かされながらも力不足で申し訳ないと謝る美賀子に、慶喜は自分のふがいなさを責め、涙ながらに許しを請うのだった。

*菊絵(高田美和)が死にに行く近藤数馬(河原崎長一郎)の元へ押しかけて自害する悲恋のくだりは略(って、こっちがたぶんメイン)。

*今回は普通の上様ルック。

*和宮に会見拒否されたのは、和宮役が美空ひばりだったから(#49)というのも大きいと思う。

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| TVドラマ(時代劇)::大奥(1969) | 12:02 AM | comments (x) | trackback (x) |
大奥(1969) #50
#50「最後の将軍とその妻」(1969年・S44・3月15日OA)

十四代将軍家茂が急逝、次の将軍には一橋慶喜(天知茂)が就任した。京で朝廷との交渉にあたっている慶喜が一度も江戸入りを果たせないでいる間、大奥では御台所・美賀子(谷口香)が御付の柳川(加賀まりこ)と共に、フランスから殿が取り寄せたカーペットや応接セットを並べたり、殿の誕生日にフランス料理をふるまったりして、古参の西尾(萬代峰子)の神経を逆なでしていた。

平目のムニエール好きな愛しい殿の写真を前にして手紙を認める毎日の美賀子に対し、慶喜(ちょんまげにナポレオン風軍服)は薩長の倒幕路線を憂い、大政奉還を決意していた。そこへ帝崩御の報せが入り、板倉(中山昭二)ら重臣は次の若い帝が薩長の言うなりになるのではと反対するが、名を捨てて実を取ることを選んだ慶喜の決意は変わらない。

しかし自ら大阪まで引き、朝廷と和を結ぼうとする慶喜の思惑とは裏腹に、薩長との軋轢は増すばかりで、遂に江戸でもいざこざ勃発。数では勝っているのだから攻め込みましょう!と目の前で腹をかっさばく血気盛んな侍もいて、精神的に追い詰められる慶喜。そして彼の制止も空しく戦は始まり、鳥羽・伏見の戦で惨敗した慶喜は、「ワシは江戸へ帰る!」と宣言、大阪城から姿を消した。

消息不明になった上様を案じて毎夜仏間で手を合わせる美賀子の元へ、ずぶ濡れの慶喜が帰還。久々の再会を喜ぶ間もなく、朝敵の烙印を押されてしまった…と嘆く慶喜と美賀子はただ固く抱き合うのだった。

*逃げ帰ってくるなり大奥入りですか殿!と突っ込みたくなる展開だったが(脚本は高岩肇&宮川一郎)、彼が大奥に入らないとドラマは始まらないので仕方がない。

*フランス軍服にちょんまげ、ってのはいろいろと微妙ないでたちだった。

*実家に薩長関連者が出入りしていることを白い目で見られる奥女中に高田美和さん(上様との接点まるでなし)。

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| TVドラマ(時代劇)::大奥(1969) | 12:01 AM | comments (x) | trackback (x) |
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