2007,04,22, Sunday
「死斗・男たちの挽歌」(1980年・S55・3月25日OA)
――若年寄・岩倉忠敬(平田昭彦)の手によって正体を暴かれた江戸の牙にかつてない危機が!(↑まさにそのまんまの展開なので予告編引用) 金の力で老中に成り上がろうとする岩倉は、異を唱える軍兵衛さまが邪魔。そこでさしたる証拠もなく、今評判の「江戸の牙」の黒幕が彼で、実行犯は本所方だあ!とでっち上げた。しかしそれがズバッと大当たりだったせいでメンバー全員大弱り。 岩倉の動きを見越して、新米同心ズだけは南町へと栄転させておいた軍兵衛さまだが、剣さん・半さん(坂上二郎)・兵さん(藤村俊二)は徒(=かち)目付に捕らえられてしまう。だが伝さん(若林豪)が槍やらバズーカやら白装束やらを囲炉裏の下に隠してから捕まったので、岩倉の腹心・檜垣(山本麟一)ら徒目付は証拠を見つけることができない。 それぞれ別部屋に囚われる4人。DVDのあらすじには「江戸の牙には過酷な拷問が加えられる」なんて文言も入っていたので「つ、剣さんがあんなことやこんなことに・・・?」と、何かこう美女シリーズっぽいものを想像してドキドキしたが、一番頑丈そうな伝さんがスタンダードな“竹刀でビシバシ”を一手に引き受けてくれて後のメンバーは無傷だった。そして次は兵さん、というところで脱獄を決行(このシーンの剣さんは珍しいことにものすごく焦っており、自分は何もせず他のメンバーを急かしまくっている)、難を逃れていた志乃さん(白都真理)の助力を得て、蟄居を命ぜられている軍兵衛さま宅から軍兵衛さまと雪さん(竹下景子)を救い出した。 面目丸つぶれの岩倉はニセ江戸の牙を暗躍させ、軍兵衛さまの朋輩・秋月(幸田宗丸)を殺害したり、罪の無い町人たちを襲うという作戦に出た。すっかり評判が地に落ちてしまった江戸の牙。一同を集めて先の台詞を口にする軍兵衛さまに対し、それは岩倉を殺ってからだ、それまで命はお預けしますと反論する4人だが、軍兵衛さまはダメだと言う。なぜならそれは「ワシも行く」からだった・・・! 父の身を案じる一方で「これを剣さまへ」と大事なお守りをことづてた雪さん(ワシにはないのか←軍兵衛さまの心の声)は、先に志乃さんと江戸を脱出。牙たちはツートップで岩倉邸へと歩みを進めるのだが、既に牙対策を練っていた岩倉の槍攻撃やら無差別鉄砲攻撃でかなりピンチに。しかしあわやというところで、一緒に来たはずなのになぜか姿が見えなかった軍兵衛さまが颯爽と現われ、形勢逆転。第1話の岸田森さんを髣髴させる往生際の平田さん(=岩倉)を地獄に送ったメンバーは、哀愁を帯びたムード歌謡(「過去」)をBGMに、いづこともなく去ってゆくのだった…。 *戦隊モノの最終回っぽく(?)予定調和で華麗に大団円。とはいえ、普通は先にニセ牙を出して本物をおびき寄せ捕縛、というのが王道パターンだと思うのだが、最初に理由もなく捕まって(でも実際は理由オオアリなので)なんだか話がムダに込み入っていたような気もした。
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2007,04,22, Sunday
Part2(DVD-BOX2下巻)には、#1「炎上!赤馬を斬れ」など計8本を担当したメイン監督、池広一夫氏(映画では「女妖剣」「悪女狩り」などの眠狂四郎シリーズや若親分シリーズ等で有名)のインタビューが収録されている。
まず『天知さんの思い出』として、とにかく真面目で、そのくせお酒が飲めないのに照れない人だったと、明智シリーズを例に挙げてエンターテインメントに徹していた姿を強調しておられた。後にシリーズを担当したが(北大路版第1作「妖しいメロディの美女」)「あれは照れるとダメだね」とのこと。 ただ、天っちゃんは真面目すぎて面白味が無いので、周りでもって弾ませて作ったのだとか。家に呼ばれる機会があったものの、相手が飲めないのに行ってもねえ、とお酒好きらしいコメントも。彼は自分が飲めないのに人を集めて、映画や芝居の話をするのが好きだったそうである。 他のメンバーでは、(若林)豪ちゃんも真面目で、天っちゃんといろいろと張り合っていたこと、特に殺陣師が天っちゃん御用達の人(安川勝人さん)だったのが豪さん的にはちょっと気に入らなくて、立ち回りの区別にうるさかったことを語っておられた(あと額の横スジを気にする余り、後家人鬘ではなくムシリになったということも)。 殺陣に関しては、監督自身は二刀流は型になっちゃうので好きじゃないんだけど天っちゃんがやりたがった、でも殺陣はショウタイムだと思っていたので、キザな立ち回りでも許容したのだそうである。 *坂上二郎さんは結構デリケートで、おひょいさん(藤村俊二さん)と張り合っていたらしいけれど、チームワークは良かったとのこと。 *新米同心ズでは、京本政樹が若いくせに走るのが遅かったり男っぽくなかったりで一番ダメだと思ってたそうな。 *Part1(DVD-BOX1下巻)の松尾監督同様、池広監督も「非情のライセンス」第3シリーズで2本監督を請け負っている。
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2007,04,16, Monday
「瓦版・醜聞を追え!」(1980年・S55・3月18日OA)
これをモノにできれば瓦版の売り上げ倍増まちがいなし、といわれる最近のネタは“菊と刀”ならぬ(むろん“菊とバット”でもなく)“菊と牙”。菊は人気女形の菊之丞(大出俊)、牙はもちろん江戸の牙である。 ゴシップをダシにして金を揺する悪名高い瓦版書きの寺岡祥風(青木義朗)は、このふたつを執拗に追いかけていた。茶店で偶然会った際、彼の日頃のアコギな振る舞いを軽くいなした剣さん(天知茂)に対し、祥風は「俺がほんとに書きたいのは江戸の牙ですよ、義賊だ世直しだと騒がれているが、しょせん奴等はただの人殺しだ。意地にかけても正体を暴いてみせるぜ!」とふてぶてしく言ってのける。それに少なからずムカッときたらしい剣さんは「果たして、おめぇさんに出来るかな…?」と思わず宣戦布告、かえって祥風の探索範囲を絞る結果に。 またタイミングの悪い(良い?)ことに本所界隈にいた雪さん(竹下景子)を発見した祥風は、彼女の父、大番頭・朝比奈軍兵衛(三船敏郎←今回も不在)と本所方(=剣さん)の関係にピンとくる。だが、祥風一味に詰め寄られピンチの雪さんを「どこのお嬢さんか知らないが早くお行きなさい」と白々しく庇って雑魚を釣り具で(文字通り)釣り上げた剣さんは祥風に言い放った。「江戸の牙がただの人殺しなら、おめえさんたちはただのゴロツキだ。本所方をなめるんじゃねえぜ! 俺の獲物はな、もっとでけえものだ。・・・江戸の牙よ。」この壮大な変化球攻撃に、さすがの祥風も言葉がない(しかし結局、朝比奈との“祖父の代からの主従筋”を調べられては撹乱にすらなっていないと思うのだが)。 一方、菊之丞の方は、かつての刃傷沙汰を掘り返され、当時その場にいた芸者で、今は呉服問屋の内儀に収まっているおせい(二宮さよ子)との関係をスキャンダラスに書き立てられて休業を余儀なくされていた。おまけにおせいに金をせびった祥風は、二百両を持ってきた彼女を力づくで犯す。 翌日、おせいは冷たい骸となって川に浮かんでいた。当時の刃傷事件を担当し、菊之丞とおせいの身を案じていた半さん(坂上二郎)の怒りは爆発。「俺と半さんで十分だ」という剣さんと共に、ふたりだけで祥風の元へと乗り込むのだった。 短筒で対抗する祥風だったが、あっさり半さんの槍でかわされ、瓦版舞い散る中で斬られ地に伏した。「俺は書けなかったが、てめえらの正体は必ずばれるときがくる・・・」そう捨て台詞を吐きながら。 *・・・で、最終回に突入するという訳だ。 *普段着を脱ぐと白装束(袴ナシ)。 *祥風のネタ控えによれば、剣さんの父上の名前は「精太郎」。 *「わたくしはもう、剣さまと会わぬほうがよいのでしょうか・・・」切ない恋心を露わにして去ってゆく雪さんの背中を、じっとみつめる剣さん。ポーカーフェイスすぎて心情がわかりません。
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2007,04,14, Saturday
「栄光 なにするものぞ」(1980年・S55・3月11日OA)
油問屋の赤城屋(内田稔)に拾われ養子になった弥一郎(佐藤仁哉)は、エリート出世コースの登竜門である昌平坂学問所のナンバー2の秀才。ある日トップの学生・美濃部が辻斬りに遭い命を落としたことから、ナンバー1に躍り出た。 弥一郎には恋仲のお美津(三浦リカ)がいるのだが、お美津の父・同じく油問屋の近江屋(加賀邦男)は、ウチと赤城屋とは格が違う、あんな男と付き合うな、と猛反対していた。しかし赤城屋の姦計により、近江屋は不正疑惑でしょっぴかれ拷問死、弥一郎は養父とつるんでいる勘定吟味役・横森(田口計)の養女との婚約を強引に迫られ、お美津に会うことも叶わなくなる。 弥一郎が婿入りすると知り、河原で自害しようとするお美津。そこへ赤城屋の雇ったごろつきが現われて弄ばれそうになるが、近江屋の件を調べるために小田原へ行っていたはずの剣さん(天知茂)がナイスなタイミングで登場、事なきを得た。 だが赤城屋は弥一郎に「お美津は死んだ」と告げ、ナンバー1のハクを付けて婿入りさせてやるんだ有り難く思えと祝言の日取りをさっさと決めてくる。近江屋の獄死、そして美濃部の横死が赤城屋の仕業であること、しかも新妻・お万(関根世津子)が養父である横森の夜伽をさせられていたことを知った弥一郎は、養父と横森に刃を向けた・・・。 と、別に牙メンバーがいなくても話がさくさく進んでいくのだが、美濃部殺害の現場に居合わせて口封じのために殺された学生がたまたま新米同心ズの友達、それからお美津が志乃さんの知り合いだった、という伏線があるので、あわや返り討ちに遭いかけた弥一郎は志乃さんに助けられ(最近アクションづいてる志乃さんだ)、まさに鬼畜な悪党コンビはさっくり地獄へと送られておしまい。 *戦闘中、剣さんの“すちゃちゃちゃ納刀”の真似をして、納刀せずに後ろの敵を刺しちゃってウケてる兵さん(藤村俊二)が可笑しかった。 *ラスボスが死ぬ間際に油倉庫の蝋燭を落っことし、地面に流れた油に火が付いちゃってかなりやばい状況になっていたのだが、いつもながら悠長かつ華麗に納刀する剣さんの落ち着きぶりはさすがというべきか(いや少しは焦ったほうがいいんじゃないかと)
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2007,04,10, Tuesday
「笑って泣いて 長屋の恋の物語」(1980年・S55・3月4日OA)
お咲さん(山村葉子)の小料理屋で一杯やってる剣さん(天知茂)の背後で、眼帯の用心棒・鬼丸(八名信夫)が気の弱そうな若者・伊之(永井秀和)に何か良からぬことを強要していた(この段階で剣さんがもっと彼等の話を真剣に盗み聞きしていればこの後の惨劇は防げたのではないか、というツッコミはなしとしよう)。 そしてその夜。番頭・伊之の手引きによって西海屋に強盗が押し入り、一家を斬殺したうえ放火。殺すなんて約束が違うと鬼丸を詰った伊之は一味に監禁されてしまった。一方、伊之と夫婦になって西海屋を継ぐ予定だった女中頭・およね(瞳順子)は殺しの一部始終を目撃し辛くも逃げのびたのだが、恋しい伊之も死んだと思い入水しかける。 と、それを助けたのが本所方御用達の八百屋・一心太助ならぬ佐助(なべおさみ)。気はいいが慌て者の佐助はおよねを長屋に連れ帰り何くれとなく世話を焼き、すっかり夫婦気分。町で鬼丸に追われるおよねを助けた剣さんが本所方へ誘うも、佐助の過剰な親切ぶりで気が晴れるらしいおよねちゃんは長屋に腰を落ち着けた。 彼女のために強くなりたいと願った佐助は道場へヤットウを習いに行くが、実はそこは当の鬼丸たちのアジトだった。偶然にも隠し部屋に監禁されている伊之を発見、それがおよねちゃんのイイ人だと知らずにいつもの親切心から連れ帰ったことで、晴れて恋人たちは涙の再会を果たす。だが伊之を逃がしたことが鬼丸たちにバレ、身も心もズタズタにされる佐助(でも死なない)。 西海屋襲撃は、ライバルの南蛮屋(外山高士)が長崎奉行の大草(大ボス:早川雄三)とつるんで画策したものだと判明。西海屋跡地にちゃっかり店を建てた南蛮屋の祝いの席に、寒参りの太鼓と共に、ゆらゆらゆれる南無妙法蓮華経の文字が現われた…。 *皆で南無妙法蓮華経を見せながら後ろ向きで口上。最近凝ってるなあ。(でも内容自体は“魚河岸の政”のマイルド・バージョンといった感じで少々ぬるい)。
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2007,04,08, Sunday
「女郎蜘蛛が泣いた」(1980年・S55・2月26日OA)
剣さん(天知茂)にホの字の蕎麦屋「白菊」の色白女将・おきく(村松英子)は、かつて世間を賑わせた義賊・土蜘蛛一味の頭目の養女で、“女郎蜘蛛”と呼ばれた凄腕の錠前破り。頭目が部下の裏切りで憤死した際、弟の佐吉(下塚誠)と共に泥棒稼業から足を洗っていたのだが、当の裏切り者・竜次(片桐竜次)がニュー土蜘蛛一味を率いて悪逆の限りを尽くしているのを知った佐吉が彼を糾弾するも逆に捕らえられ、おきくは弟の命と引き換えに盗みを強要される羽目に陥ってしまった。 「俺は“女郎蜘蛛”を見付けたら斬らなくちゃならねえんだ。俺はそんなことはしたくねえ。…分かってくれるな」おきくの正体、そして苦境を知った剣さんは、彼女を制して単身で土蜘蛛一味のアジトへ乗り込む。が、佐吉を助けた後で落とし穴に落とされあろうことか気絶。しかも逃したはずの佐吉はすぐに捕まってしまい、結局おきくは寺社奉行の屋敷へ忍び込むことに。 彼女が将軍家拝領の壺を盗んでいる最中、剣さんはいつのまにか二本差しを取られ念入りに縛りあげられた揚句、えらく大掛かりな時限爆破装置まで備えられて大ピンチ。しかしそこは誰あろう剣さん、機転を効かせまくって脱出すると、おきくと竜次の取引場所へとダッシュする。 だが時既に遅く、壺をゲットした竜次一味に佐吉は斬られ重傷、おきくも凶刃に倒れていた。竜次を叩き斬った剣さんは「旦那にだけは見せたくなかった…」そう呟いて胸の中で動かなくなったおきくの肩の女郎蜘蛛の刺青を、そっと隠してやるのだった。 そして江戸の牙は、竜次たちを動かしていた寺社奉行職を狙う白木(川辺久造)と火盗改めをまとめて成敗。生き残った佐吉の幸せな生活を確認し、剣さんは朝の散歩(=エンディング)へと向かった。 *潔いほどネタバレしていた最初の頃と違って、近ごろの予告編は少しは危機感を抱かせてくれる作りになっている(今回でいえば、殺陣の場面で剣さんの姿を映していないとか)。少しだが。 *明智センセイ並の脱出力の剣さん。もうすこし味方を頼ってもいいんじゃないのか。 *出陣部屋に竜の屏風。剣さんの睨みと併せて怒りMAXな様子がよく表れていた。 *「何者だ」と問われニヤリと笑う剣さんの背後からひょいひょい出てくる3人。ああ戦隊チック(というより身長・体格差を考えると特撮チックというべきか)。
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2007,04,07, Saturday
「生か死!? 暁の脱出作戦」(1980年・S55・2月19日OA)
何かの所用で外泊した帰り道、風邪を引いてリタイヤした兵さん(藤村俊二)を置いて独り本所へと足を進める半さん(坂上二郎)は、途中の板橋宿・亀屋で一夜を明かすことにした。 宿の客は、駆け落ちしてきたお嬢さんと手代、大金を店からパクッってきたような番頭風情、島帰りの胡散臭げな男、疲労の色濃い鳥追い女、そして眼光鋭い怪しい浪人5人組。自分たちを使い捨てにした藩への復讐のため、国許から送られてくる千両箱を襲撃しようと準備している浪人グループは、たまたま宿の女将(榊ひろみ)とその娘(斉藤浩子)にライフルを見られてしまったため、宿の客を一人残らず自室に監禁する。 それぞれ訳ありなメンツだけに、どろどろした人間模様が繰り広げられる狭い部屋。金をやるから逃がしてくれと懇願した番頭風情、撃ってみやがれ撃てねえだろといきがったシマ帰りが続けて斬殺。浪人のリーダー(上野山功一)がキレ者で、半さんも迂闊に身動きがとれない。 一方、残りの本所方メンバーは、小料理屋でお咲(=武田の咲良子姫:山村葉子)の誕生日を祝ってのんびり一杯やっていた。しかし半さん達がなかなか帰ってこないことで夜も眠れない心配症(部下思い)の剣さん(天知茂)、伝さん(若林豪)、志乃さん(白都真理)はそろって板橋宿へと向かい、事の真相を知るや反撃の準備を開始するのだった。 *兵さん抜きでの戦闘(おひょいさん怪我でもしてたのか?)。しかし半さん、旅に出てたのにそのいつもの白装束はどこで用意したんだ! ←お約束、お約束 *鳥追いルックで板橋宿に行った志乃さんが、次のシーンでは普通の町娘スタイルになってたのも謎だ ←だからお約束 *やけに気のない(棒読みの)「江戸の牙参上」も気になった<剣さんの口上
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2007,04,04, Wednesday
「悲愁 錦絵の女たち」(1980年・S55・2月12日OA)
錦絵に描かれた美女たちが次々にかどわかされる中、女を物色して歩く隻腕の浪人が出没。長崎から来た彼、坂田源三郎(亀石征一郎)は伝さんのかつての試合相手で、2年前に離れ離れになった恋仲のお藤(三浦真弓)を捜していた。お藤に横恋慕した与力の大崎(宮口二郎)が、彼女の父のライバルである肥前屋(小林重四郎)と結託し、父を罠にかけ斬首、逃げる坂田とお藤を追いかけ、坂田を銃で撃った揚句にお藤を連れ去ったのだ。 往来でお藤と瓜二つのお島(三浦真弓:二役)という水茶屋の女に出会った坂田は驚愕する。さらに、美女拉致事件の現場にも彼女の姿が。果たしてお島の正体は? 美女たちはどこへ? 江戸に来ている肥前屋、大崎の背後に控える小笠原肥後守(ラスボス:北原義郎)のもとへ潜入した志乃さんの運命やいかに? …とまあ久々のサスペンス時代劇スタイル。明智センセイばりの情報収集力で唐突な真相を明かしてくれる剣さん(素手で乱闘した以外はたいして見せ場もなかった天知茂)に、ここは素直に驚こう。 *いつのまにか小料理屋を開いている武田の咲良子姫=お咲さん(#14「秘境 女軍団逆襲す」参照:山村葉子)。なんでも剣さんの尽力があったのだとか。アフターケアも万全ですな>剣さん *志乃さんが不在だったため、とうとう新米同心コンビが十手が乗った三方を発見してしまう。が、それについてのアフターケアは一切なしでエンディングへ。微妙にガードの甘さを露呈させているのは最終話への布石か(あと6話だし)。
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2007,04,02, Monday
「渡る世間の鬼を斬る」(1980年・S55・1月29日OA)
金策のため賭場を開いてアコギな取立てをする御家人が横行し、同じく賭場の稼ぎを収入源としている岡っ引きの茂十親分(深江幸喜)は大迷惑。茂十の下っぴきでとにかく親分命の幼馴染コンビ、才助(北條清嗣)と与吉(伊藤敏孝)は、自分たちの判断で御家人・三沢(北町嘉朗)宅へと押し入り金を盗もうとした。が、与吉が命を落とした揚句、余計なことをしやがって!と才助は親分に大目玉を食らう羽目に。 与吉の妹・おせき(秋谷陽子)は、剣さん(天知茂)と結託して才助に足を洗わせようとするのだが、茂十親分みたいなビッグな男になるんだと頑固に言い張る才助は聞く耳を持たない。やがて与吉を殺した三沢の用心棒・梶原(中原博久)が茂十の子分達に斬殺され、三沢VS茂十グループの抗争は激しさを増してくる。なぶり殺しに遭う梶原を助けるでなく黙って見ていた剣さんは新米同心コンビから臆病者呼ばわりされるが、ちゃっかり浪人姿に扮すると三沢に近づき、梶原殺しをタレ込んで用心棒に収まった。 騒ぎが大きくなると立場上困る三沢は茂十に手打ちを持ちかけ、賭場へ押し入った子分の三つの首を差し出せと要求。実は才助&与吉が忍び込んだ夜、三沢宅に借金のカタでとじ込められていた娘たちを半さん(坂上二郎)と伝さん(若林豪)の二人が救っていたのだ。後の二人(=半さん&伝さん)のことは知らんがとりあえず才助はお渡ししやすぜ、とあっさり自分を引き渡そうとする親分に、ようやく才助の目も覚めた。そしてあわやという瞬間、どこからか(って本所方から)江戸の牙が現われ、タチの悪い腫れ物の膿をまとめて掻き出した(←汚い喩えby 剣さん) 後日。変わり身が早いというか意外と楽天家だった才助がおせきちゃんと縁日で傘売りをする様子を、剣さんはにこやかに見つめるのだった。 *天っちゃん的には『なんで俺じゃないの?』とそれなりに気にしていたに違いない(推定)オープニングの立ち回りがようやく剣さんバージョンに。・・・とはいえ、少々もっさり気味というか、いつものラストの殺陣の方が数倍カッコいいような気がする。 *前回で北町奉行所をかき回したあとではえらく小粒な敵だった。親分といっても岡っ引きだし、御家人役は天知ファミリーの番頭格・北町さんだし。 *伝さんの三枚目キャラ復活。 *梶原役の中原博久さん(←EDクレジットによる)、どう見ても顔は中田博久さんに見えるのだが・・・。
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2007,04,02, Monday
「恐怖の人間狩り」(1980年・S55・2月5日OA)
鉄砲組組頭・織部(伊達三郎)の屋敷側の幕府御用地には薬草が生えていて、それをこっそり採りにいった町人達が戻ってこないという噂が広まっていた。そんな折、長屋住まいのおみよちゃん(仁和令子)の父親が、やはり薬草を採りに行き射殺体で発見される。御用地へ不法侵入したかどで八丁堀は罪人扱い。もしもの時にはワシがかつて世話になった剣さん(天知茂)を頼るのじゃ、とおとっつぁんに言われていたおみよちゃんは必死の思いで本所方を訪ねるが、当の剣さんは話だけきいてプイといなくなってしまう。 またしても新米同心ズから冷たい目で見られる剣さんだが、実はもうシマ帰りの遊び人に扮して織部の屋敷に潜入する算段を立てていた。中間部屋へ入り込んだ精吉っつぁん(=剣さん)は、織部が廻船問屋・西海屋(武藤英司)とつるみ、若年寄の妾の子・辰之助(荒谷公之)を利用してなにやらよからぬことを実行中であることを掴む。 町人に化けた兵さん(藤村俊二)が囮として御用地へ入ったところ、早速捕まって射撃場へと連行された。妾腹の子という境遇ゆえか歪んだ人格を持つに至った辰之助はガンマニアで、町人たちを狙撃のターゲットにしていたのである。的にされかけた兵さんの窮地を、剣さんは銭形平次ばりの投擲で救った。 一方、つれない剣さんを追い求めて過労で倒れたり口封じのため狙われたり散々なおみよちゃん(最初の段階で「心配するな」くらい言ってやるべきじゃなかったのか>剣さん)。彼女のイイ人、和吉(菅野直行)までも西海屋の手下に捕まり拷問の憂き目に。和吉を救うために自ら飛んで火に入り、恋人ともどもあわや辰之助の餌食になりかけたおみよちゃんを助けにきたのは、なんと志乃さん(白都真理)だった。←実に珍しいアクションシーンあり 志乃さんに二人の救出を任せた江戸の牙たちは織部の屋敷を急襲、ガンマニアな若殿もなんのその、全員をさくっと地獄へ送った。 *前回から挿入された剣さんのオープニング殺陣がプチ・リニューアルしていた(ちゃんと納刀まであって、スピーディーに)。天っちゃんのコダワリを垣間見た気が。 *囮になることを決意した兵さん、「俺はやるよ」と半さんの前で剣さんのすちゃちゃちゃ納刀をマネ。 *戦闘中に何かぽとっと落としませんでしたか剣さん。
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