2007,03,10, Saturday
#102「真夜中の標的」 (1967年・S42年 OA)
巷で金庫破りが頻繁に起きていた。自分ちの管轄じゃないから助かったよアッハッハ、といつもながら呑気で陽気な高倉キャップ(宇津井健)はじめ東京パトロールの面々のもとへ、ガードしていた宝石店の品物が丸ごと盗まれたという不名誉な知らせが入る。店に出向いた高倉たちは、でかい高級外車でビルに乗り付けた眼光鋭い男に遭遇。彼は宝石店のビルのオーナー、百億の財を持つ三東不動産社長・相良泰介(サガラタイスケ:漢字は当て字:天知茂)だという。 金庫破りの手口は一連の事件と同じ。そのあざやかな腕前から、8年前にムショを出て行方不明となった天才金庫師・マジックの健こと黒木健二(クロキケンジ:漢字は当て字)の名前が浮上する。10年前の黒木の写真を見て高倉は驚いた(合成チックな写真にこっちも驚いた)。先程見かけた相良に目つきがそっくりだったのだ。早速調べを進めたところ、戸籍もまっとう、指紋も違うという結果になるが、高倉ひとりだけは「あの目つきが気になる」と相良=黒木説を曲げない。 そのころ相良は須藤という男を訪ねていた。新東宝の僚友(=宇津井さん)の強引な推測通り相良は元・金庫師の黒木であり、その腕を借りたい昔の仲間の須藤が、彼を釣るため手口を真似た犯行を手下に繰り返させていたのだ。もう二度と金庫は破らないと誓った相良=黒木は誘いを撥ね付け、自分を真似たチンピラ金庫師の右手を潰すが、須藤は本物の相良の実妹・信子(ノブコ:高須賀不二子)を利用し、正体を世間にばらされたくなければ協力しろと迫ってきた。 同じく仲間だった相良を間接的に死に追いやり、戸籍を奪った負い目のある相良=黒木は、信子に全財産を託し須藤の手から逃そうとする。最初は彼を憎んでいた信子も、魅惑の横顔にほだされてか良い雰囲気に。しかし須藤たちに見つかってしまい、信子を人質に捕られた相良=黒木は、金庫破りを強要される。 2重扉の厳重な金庫のダイヤルをひとつひとつ慎重に合わせてゆくマジックの健(手つきと目つきがたいそう色っぽい)。最後の扉を開ける直前、須藤は相良=黒木に銃を突きつけた。が、功を焦った須藤がうっかり非常ベルを鳴らして動揺する隙に相良=黒木は銃を奪う。両者が睨み合う最中に高倉キャップが登場し、どうも彼を見ると殺傷能力が落ちる(気が抜ける)相良=黒木は、それでもいちおう須藤を台尻でどついてから銃を高倉に手渡した。拘束された彼の背中を、信子は涙で見送るのだった・・・。 *横向きやら正面向きやら目だけやら、とにかくアップが多用されていて、「キレ者」という言葉を身体全体で表わしているかのような36〜7の天っちゃん(役設定は42歳)を存分に堪能。切ないギターのBGMも雰囲気を盛り上げていた。 *しかし『マジックの健』・・・かっこいいんだか笑えるんだか微妙なネーミングだ(ラスベガスの金庫を開けて名を挙げたのでそんな名前になったそうだが) *須藤の手下の一人、信子にナイフを向ける男にぴっちりポマード漬けの髪型&あごひげの宮口二郎さん。師匠以上にコワモテだった。
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2006,09,09, Saturday
「男の争い」(1966年・S41・3月25日OA)
ビル内で金庫破りが頻繁に起こっていると、ビルのオーナー・大沢から監視要請を受けた東京パトロール。しかし彼らが張り込んだ翌日もまた、とある会社の金庫が破られた。侵入形跡がまるでないことから、内部の犯行ではないか(狂言ではないか)と推測した高倉キャップ(宇津井健)の疑惑のターゲットに浮上したのが、大沢の娘・冴子と恋仲の、くだんの会社社長・立花(名前や肩書きがなかなか出てこないので「あんた誰」状態がしばらく続く天知茂)。 高倉の推測は当たっていた。立花は八年前に妹を陵辱・自殺に追い込んだ大沢に復讐するため、会社の二重帳簿を盗み出し、不正を白日の下にさらそうとしていたのである。東京パトロールとの息詰まる攻防の果て、大沢の金庫から二重帳簿を手に入れた立花だったが、最後に高倉に阻まれる。だが大沢の社会的信用を失墜させたことで彼の復讐は達成された。ただひとつの誤算は、冴子を本気で愛してしまったことだけ・・・。 暗い過去を背負った非情の男、でも生来の優しさが見え隠れして・・・という十八番のキャラクターでノリまくっている天っちゃん。いつもながら一本気な宇津井氏との対比もはっきりしていて見どころが多かった。 *得意のボーリングを披露するシーンあり。しかもそのあと、ロッカールームでユニフォームを脱ぎ上半身を露わに(視聴者サービスというよりは、彼の正体を知る上で重要なシーンなのだ、念のため)。新東宝時代は骨と皮だった天っちゃんだが、意外と着やせするタイプに成長していた←どこを見とるんだ
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2006,07,02, Sunday
「高倉キャップを消せ!」(1966年・S41年・7月15日OA)
高倉キャップ(宇津井健)以下ガードマンの面々が警備している会社・ナニワ産業の周辺を、黒い背広&サングラスのヤーさんスタイルの胡散臭い男がうろついていた。彼はムショ帰りの佐野(通称ジョー:天知茂)。バーテンだった弟・清二の事故死がナニワ産業によって仕組まれたものだと疑う彼は、弟が働いていたクラブにドラマーとして潜入、証拠を掴もうとするのだが…。 ジョーは復讐に燃える孤高の嵐を呼ぶ男(ドラム・ソロは吹き替えだったようだが、顔では立派になりきっていた)。サングラス姿もドラマー姿もやたらとカッコいいのだが、周りの言葉にコロッと騙されていいように使われる、ちょっと単細胞なヤツだ(天っちゃんが眉根のクレバスを深めて必死になる分、余計に微笑ましくなるというか)。とにかくナニワ産業の社長(戸浦六宏)が悪いと信じ込まされ、彼を襲おうとするもガードマンたちに阻まれ、邪魔するんならオマエからやってやる!と高倉キャップに宣戦布告。 顔はひたすら物騒なので部下たちは警戒するが、高倉キャップだけは初めから「あれでなかなか可愛いじゃないか」などと、付き合いが長くなければ到底言えないようなセリフを口にしてジョーを擁護、狙撃されかけた時も、彼の仕業ではないと言い切る信頼ぶりを見せていた。ラスト、何もかもうまく収まってから「オレはオマエが好きだ。友達になろう!」とか言っちゃう宇津井氏の(いつもの)一本気な愛情表現にたじたじしながら、一発アゴにパンチをくらわせる天っちゃんがいい味出していた(またお返しに一本背負いをくらって大げさに倒れてやるあたりもナイス友情)。 放映は1966年(S41)7月。前年は「孤独の賭け」や「ミスターシャネル」などのTV番組(どっちもすごく観たい!)で主役を張っていたとはいえ、やくざ映画で死にまくっていた頃でもあり、色んな意味でどっちに転ぶか判らないきわどさのようなものが独特の魅力を醸し出している天っちゃん35歳だった。 *そういえば「泣いてたまるか」も同時期だが・・・雰囲気が全然違うからビックリだ!
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