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闇を斬れ#23
「顔を焼かれた女」(1981年・S56・9月8日OA)

田沼の口利きで新たに南町の筆頭与力に就任した中山帯刀と部下の岡部(若い!けどあんまり変わらない阿藤海)により、闇狩り詮議が一段と厳しくなった。安斉さん(山城新伍)の情報を探ろうとして失敗した小料理屋の女将をあっさり消し、さらに、アンチ田沼の商人たちをわざと中山の家紋をちらつかせて白昼惨殺、闇狩人を誘い出そうとする中山&岡部だが、それが罠だと気付いた新さん(今回はまた「静」のひと:天知茂)は動こうとしない。

そんな中、新さんをこっそり付ける御高祖頭巾の女がいた。下手人は中山たちだと書かれた投げ文の達筆文字を見た新さんは、ひとりの女を思い出す。「しのぶさんだ・・・」いきなり言われてもそれ誰だよ知らないよ!と画面にツッコんだ視聴者(=私)のために、話は3ヶ月前にさかのぼる。

夜の街角で男たちに襲われていた米問屋・越後屋の娘を助けた際、耳が不自由な彼女は筆談でお礼を書いてくれた。小料理屋で同席し、まるでどこぞの探偵さんのように「美しいひとだ・・・」と彼女にうっとりしまくる新さんだったが、越後屋が火事との知らせに急ぎ駆けつけると、彼女の両親や番頭は、何者か(=実はこれも中山&岡部の仕業)に斬られて死んでいた。幼い弟(たぶん殺された模様)を探し、新さんの制止を振り切って半狂乱で炎の中へ飛び込んだきり行方がしれなかったその娘こそ、しのぶさんだったというわけだ。「でもなぜそのひとは顔を見せないんです?」そう問う哲三(三浦浩一)に「美しかったからなあ・・・」と意味深に呟く新さん。

一方、小唄の師匠・渚さん(坂口良子)にゾッコンの同心・山村(穂積隆信)は彼女に付きまとっているうちに、渚さんが闇狩人の一員ではないかとの疑いを濃くしていた。だが根が単純なせいで、たいてい渚さんやかつての先輩・安斉さんがうまく丸め込んでいたのだが、ある日、山村の上司・岡部は渚さんを強引に拉致してしまった。

渚さんの身を案じる哲三や安斉さんは気が気ではないが、新さんの腰は相当重い。しかしそこへ頭巾のしのぶさんから、渚さんは中山の屋敷に連れて行かれたとの文が届いた。今度はすだれの陰から姿を現してくれたせいで「あんたのカタキは俺たちが討つ」とすっかりその気になった新さんは闇狩りに一直線。彼らを待ち受けていたはずなのになぜかしょぼしょぼな警護をかいくぐって渚さんを救出(by 哲三)、岡部を爆殺(by 安斉さん)。新さんは久々にキメ台詞途中の「その闇に差す一条の光!」でキラ〜ンと刀を光らせてザコをばさばさ退治、大ボス・中山をみね打ち(というより柄や素手でボコボコに)してから、しのぶさんに止めを刺させてあげた。

両親たちの仇を討ち、頭巾を取ったしのぶさんは仏門をくぐった。
涼しげな風鈴の音色を聞きながら長屋でアンニュイに寝転ぶ新さんの胸に去来したものは何だったのか・・・。

*序盤は渚さんの周辺で話が進んでいたので、しのぶさんの唐突な出現には戸惑った。しかも新さん、全然動いてなかったくせにイイトコ取りしてるし。まったく効率の良い男だ(主役の特権か)

*中山に止めを刺す際、火事で焼け爛れた顔が露出してしまったしのぶさんを見ないように、そっと背を向ける新さんがオトコマエ

*だがやっぱり人間の味方には非情のライセンスだったりするんだな

*ところで「顔を焼かれた」のは、火事の際に制止しきれなかった(しかも安否確認せずに立ち去ってしまったらしい)新さんに、という意味にもとれないかこのタイトル

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| TVドラマ(時代劇)::闇を斬れ | 11:31 PM | comments (x) | trackback (x) |
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