2008,12,21, Sunday
東芝日曜劇場 #255 「壬申の乱」(1961年・S36・10月15日OA)TBS 21:15-22:15
【国造りの苦しみ】(以上、朝日新聞縮刷版より引用) *壬申の乱の敗者である大友皇子をどう演じたのか、やはり「なーむ君」みたいな髪型だったんだろうか、賞はとれたんだろうか等々、いろいろ気になる作品だ(…そんなはりきった作品なら映像を残しておいて欲しかった!)
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2008,12,05, Friday
「闇に光る眼 (前編)」(1963年・S38・3月5日OA)CX 21:30-22:00
出演: 倉田典膳(中村竹弥) 杉作(片山豊) 吉兵衛(森健二) 小野(戸浦六宏) 佐々木(山岡徹也) 暗闇お兼(北川千鶴) 『前夜の乱闘で、天狗は、ばけもの坊主、めくらの法師など不思議な連中に会う。彼らは何者なのか、天狗はいぶかしがる』(週刊TVガイド誌よりあらすじ引用) *朝日新聞縮刷版には、この前編にのみ名前が竹弥さんの次に載っていた天っちゃん。“不思議な連中”のひとりか? ※(2009.9.2追加)朝日新聞大阪版よりあらすじ引用: 天狗(中村竹弥)は古寺で坊主の妖術にかかって気を失うが、この古寺に興味をおぼえ調べてみると、連日、仮面をつけた武士が会合していた。ほかに片山豊、森健二、喜多川千鶴らが出る。 *「妖術を使う坊主」よりは「仮面をつけた武士」っぽいが、はたして。
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2008,11,09, Sunday
「こぶつき浪人」(1971年・S46・2月13日OA)
四国入りした十兵衛(山口崇)は、チビッコお遍路(実はニセモノ)の吉松(梅地徳彦)の勧めで入った飯屋の片隅で飲んだくれている超ロン毛浪人・新堂左馬之助(天知茂)に出会った。吉松の“ちゃん”である左馬之助は、自慢の剣の腕で道場破りに出かけ、道場主からちゃっかり小判をせしめて華を持たせてやる、というセコい方法で日銭を稼ぐ男。そんな腕がありながらもったいない、自分より強い奴がでてきたらどうするんだ、とたしなめる十兵衛の言葉なんてどこ吹く風だ。 7年前に乳呑児(=吉松)をかかえて転がり込んだ居候先の喜兵衛(池田忠夫)の薬代や、吉松の世話を引き受けてくれた娘のお新(生田悦子)に渡す生活費などをそうやって工面する左馬之助。彼に密かに惚れている(が、親も周囲も公認なのに左馬之助が相当にオクテなので停滞中の)お新は身を案じて「もっとほかのことはできないんですか」とやんわり詰るのだが、弱った顔をしながらこちらも馬耳東風の左馬之助である。 そんな折、本陣のお姫様が宿場を通りかかり、ひょんなことから吉松が遊び相手に選ばれた。姫の乳母・藤乃(藤田佳子)は、吉松のお守り袋を見てがく然とする。彼こそは、7年前に夫を亡くし困窮した末に置き去りにした我が子だったのだ。すぐさま側近の吉田弥惣右衛門(小笠原弘)を連れて左馬之助のもとへ赴き、息子を引き取りたいと申し出る藤乃。10両を無造作に目の前に置かれた左馬之助の表情がみるみる険しくなった。「不承知だ!」 金を突き返し彼らを追い払った左馬之助だが、話を聞いていた十兵衛からは、吉松の将来のためには実の親に返す方がいいのではないかと痛いところを突かれ、お新からは、私があの子を育てたんです、絶対離しません!と詰め寄られる。俺は剣も吉松も捨てられない未練な男だ、と自分を嘆く左馬之助は、俺達の勝手であいつの将来を台無しには出来ぬとお新を諭し、泣く泣く吉松を手放すことを決めた。 ところが吉松は、(吉田に頼まれた)昼間の道場の一味に連れて行かれそうに。大小を取られてピンチの左馬之助だったが、刀を投げてくれた十兵衛のおかげで見事全員を倒して息子を取り返す。おまけに十兵衛は、藤乃から今後一切吉松から手を引くという証文を取り付けたうえ、高松藩への仕官のため、左馬之助に推薦状までしたためてやる。「酒は一滴も飲めない」だの「一子吉松と、妻のお新を連れて…」だのという文に困惑しまくる左馬之助だが、周囲のあたたかい祝福に送られて、新しい生活に旅立つのだった。 *強い奴が現れてやられちゃったりする話なんだろうか、と序盤は心配したが、予想外にホームドラマだった。道場主と試合中に値段を交渉してる時の「ダーメ♪」というおちゃめな言い方だとか、半分泣きそうな顔で「俺は未練な男だ…」と心情を吐露するところとか、(当時はこの手の役も多かったようだが)少なくとも会田@非ライを過ぎると滅多に見られない挙動が面白い。 *藤乃が来たときの表情の変化(黒目がちだったのが、だんだん憤ってきて三白眼になって睨むあたり)がこれまた素晴らしかった。さすが眼ヂカラ男!←だれも呼んでない *ただ、左馬之助が吉松を拾った経緯をもっと掘り下げてほしかったなあと思う。せめて回想シーンくらいあってもよかったのになあ(そんなに髪がロングじゃない頃の姿も見てみたかったというかなんというか)。
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2008,10,27, Monday
「(静の巻) 群狼の都」(1964年・S39・11月22日OA)TBS 20:00-20:56
出演:田村高広、天知茂、鳳八千代、水島道太郎、戸浦六宏、金内吉男、美川陽一郎 脚本:生田直親 *いまのところ5話目だけに天っちゃんの名前を確認。判明しているキャスティングは、坂本竜馬=田村高広、土方歳三&人斬り以蔵(二役)=戸浦六宏、高杉晋作=木村功、近藤勇&松平容保(二役)=中村竹弥、勝海舟=神山繁、井伊直弼=山村聡。朝日新聞縮刷版にはあらすじがなかったのでなんともいえないが、竜馬と良い勝負に目立っていて、1回で出番が終わってしまう(?)ような幕末の人物というと誰だろう? ※(2009.9.2追加)朝日新聞大阪版よりあらすじ引用: 勤皇を志して京へ上った浪士たちはオオカミのように市中をさまよっていた。奇襲で岡田以蔵(戸浦六宏)と知り合った田中新兵衛(水島道太郎)は、月形半平太(金内吉男)に以蔵の帰参を許してほしいと頼むが、“人きりの出入りは無用”と断られる…。
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2008,10,14, Tuesday
「なぞなぞナーニの巻」(1970年・S45・4月5日OA) NET 20:00-20:56
出演:緒形拳、朝丘雪路、雷門ケン坊、天知茂、中山仁、中村竹弥、高松英郎、京春上 片目片腕、白の着流し、腰に妖刀ぬれつばめ…の異様なスタイルの丹下左膳は、昭和の初め林不忘の発表以来、何度も映画化、劇化された時代劇のヒーローだ。新番組は新しい人物を加え、自由な脚色を加えた家庭向きの娯楽もの。脚本・押川国秋。(以上、朝日新聞縮刷版より引用) *初回と#2「とんとんトンガリ長屋の巻」(こんな調子で全話ほんわか和み系のタイトルが続く。中身もそんな感じなのか?)にしか名前が確認できない天っちゃん。原作には弥三郎なる人物は出てこなかったと思うので、“自由な脚色”の一環かもしれない。
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2008,10,11, Saturday
「宮本武蔵の首を取れ!」(1979年・S54・3月6日OA)
(↓BSフジからあらすじ引用) 武術の達人・宮本武蔵が登場。はたして、武蔵の真意は?*「お家のため、お命申し受けまする…!」冒頭いきなり襲いかかってきた刺客(=吉郎くんの父)を眉間ひとつ動かさず瞬殺した武蔵。外記派の人間を血祭りに上げているコワモテ連中(宮口二郎ら)の稽古を請け負い、監物と堺屋の小判入り饅頭箱談合や外記暗殺の計画にも顔を出すその真意を測りかねる十兵衛だったが、川で魚取って、岩窟に籠ってトンカンやってるかと思えばひたすら書き物に没頭しているストイックな彼を、かつて命を救われたというおえんは「あったかくって、優しくって、いつもアタシの頭の上にいてくれて…」とベタ褒め、『おてんとさん』と呼んでひたすら慕っている(「夜はひっこんじゃう」のも言い当て妙とのこと)。 「久々に、生きた御仁にお目にかかった…」とすれ違いざま一目で十兵衛を認めた武蔵(その前に腕試しに来て惨敗した弟・左門の立場まるでなし)は、外記暗殺当日の朝、止める十兵衛と刃を交わす(お互い、前身頃をバッサリ)。武蔵が白装束を着けていたことに驚く十兵衛。彼は大方の予想通り、藩のために捨て身で監物一派を成敗しようとしていたのだった。真相を知った十兵衛と左門は(余計な)助太刀をかってでて、かくして武蔵は一番弟子(=宮口さん)を斬り捨てただけで事件は無事収束した。 ところが、こっそり十兵衛に稽古をつけてもらっていた吉郎が、父の仇である武蔵に突っ込んできた。刀も抜かずに少年を待ち受ける武蔵。と、ここでまた十兵衛が(余計な)止めを繰り出して吉郎を岩窟へ連れてゆき、武蔵が弔いのために彫り続けている石仏群を見せて宥めるのだった。 *とにかく静かな佇まいの天知武蔵。何しろスーパー剣豪だけにすべてにおいて余裕があるのだが、余裕ありすぎて印象が薄まったというか、特別出演なんだからもうちょっと活躍場面を作ってほしかった。宗矩VS武蔵とか(部長の勝ちか?) *武蔵は2度演じている(1度目は1962年のドラマ「佐々木小次郎」)が、やはり本人もどこかで語っていたように、どっちかというと小次郎キャラの方が似合うような気もする。…天っちゃんは何をやってもスマートにキメる分、野性味に欠けるからなあ。 *薄紫の頭巾で人斬りに勤しんでいた宮口さん、予告で思わず間違えてしまったくらい師匠に似ていて驚いた(右斜め下を向きながら刀の血をバッと払う仕草と横顔がもう激似!)
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2008,09,14, Sunday
「音なし片手剣法」(1967年・S42・5月8日OA)TBS 19:30-20:00
『主膳(天知茂)は君命で新吾(田村正和)暗殺の旅に出る。跡を追った主膳の妹三千代は家老図書の一味に襲われる』(朝日新聞縮刷版引用) ↑それで三千代ちゃんが新吾に救われ、斬るに忍びなくなって云々、というベタな話なのかどうかは不明 *とても詳しい放映リスト(印玄さんのHPより) http://www9.big.or.jp/~rokugen/ingen/jyuubanlist.html *1970年版「新吾…」では徳川吉宗役でレギュラー出演(放映リストはこちら)。しかし、いくらなんでも39歳で松方弘樹のパパ役ってどうなんだろうか。
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2008,09,01, Monday
「四谷怪談」(1972年・S47・7月21日OA)
浪人だがこざっぱりした色男・民谷伊右衛門(天知茂)は、友人の秋山長兵衛(戸浦六宏)の勧めで伊藤家のお梅(吉岡ゆり)と対面する。食事も喉を通らぬほど伊右衛門に恋い焦がれているお梅のために、乳母のお槇(高森和子)が長兵衛と図ったのだ。 按摩の宅悦(殿山泰司)の口添えで雇った小者の小平(北町嘉朗)は民谷家伝来の印籠をちょろまかすわ、男の子を産んだ妻のお岩(円山理映子)は産後の肥立ちが悪いわ赤ん坊は泣きわめくわ、おまけに借金取りの茂助(鮎川浩)は金を催促しに来るわで、伊右衛門の不快指数は上昇の一途。と、そこへ現れたお槇が金を用立ててくれたばかりか、お岩に伊藤家伝来の秘薬まで持ってきてくれた。この“秘薬”がまさか物騒なシロモノだとは全く知らない伊右衛門は丁寧に礼を述べ、お岩も「伊藤様のお宅へお礼に行ってねアナタ」と夫を快く送り出す。 ところが長兵衛と共に伊藤宅に向かうと、お梅の父・喜兵衛(見明凡太朗)が「どうか娘を貰ってはくれまいか」と切り出すではないか。願ってもない話とはいえ、妻子ある身故さすがにそれは…と固辞する伊右衛門だったが、さっきのあの薬は奥方の容貌を変えちゃう毒だから、これを機に追い出してしまえと唆されたうえ、お梅が失恋ショックで自害しかけたこともあって、自分と長兵衛の仕官を条件に、つい承諾してしまう。 帰宅すると、お岩の顔は無残に崩れ始めていた。一瞬驚いたものの、すぐに冷酷な表情になり「金が要る」とお岩の着物をくるくる剥ぎ、蚊帳と一緒に質屋へ持って行く伊右衛門。そしてその後入ってきた宅悦に事の真相を知らされてお岩は逆上、柱に刺さった刀ではずみで喉を切ってしまい、「恨めしや伊右衛門どの〜」と呪詛を吐いて事切れた。まもなく帰ってきた伊右衛門は、お岩の死にびっくりするが、これ幸いとばかりに、(納戸へ縛っておいた)小平を斬り捨て、不義密通の事実をでっち上げて戸板にくくりつけるのだった。 そして祝言の夜、お岩&小平の活躍(?)で伊藤家の面々は伊右衛門の手に掛かり皆殺し。赤ん坊の声が耳について離れない伊右衛門は悪夢に苛まれ、浄念(明石潮)の寺に駆け込んだ。浄念は、宅悦が連れて逃げた伊右衛門の子が寺にいることを告げ、子供に会いたいという彼の願いを却下、お前はもう死んだのだ、かくなるうえは頭を丸めて菩提を弔えと、庭の真ん中にどーんと置いてある「俗名 民谷伊右衛門」と記された墓を指さす。 だが、そんな都合の良い展開は許さないわよッ!と再び現れたお岩の亡霊を追い払っている内に、役人を引き連れた長兵衛が寺にやってくる。狂乱の内に長兵衛と相討ちになり、自分の墓の前で伊右衛門は絶命した。「お岩…許せ…」と呟きながら。 *脚本は宮川一郎さん、監督は山田達雄さん(新東宝な方々)。「伊右衛門は薬の中身を知らなかった」「致死性の毒ではなかったが、お岩さんは自分で死んだ」など、鶴屋南北の原作に沿ったつくりになっているのだが、中川信夫監督のあの傑作と比べてしまうと少々物足りなさを感じてしまった。伊右衛門がどっしり構えすぎていて(←いろんな意味でどっしり)、お岩さんへの罪の意識などが希薄だったように思う。ただ、崩れ顔のお岩さんを初めて見るシーン、あっと驚いた後にだんだんクールな三白眼になっていく表情の変化は、色悪の面目躍如といった感じで絶品。
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2008,08,30, Saturday
「追われ者の掟」(1973年・S48・1月18日OA)
腹痛で倒れた河童の喜八(「き」は七三つの「き」:左とん平)は、「私は医者じゃない」と言いながらどう見てもそれらしき風貌の男・小川宗順(天知茂)に救われた。百姓や寺子屋の子供たちから「せんせ〜い♪」と慕われ懐かれているこの宗順、医術の腕もたいしたもので、喜八と落ち合えた秋月隼人(主役:高橋秀樹)も目を見張った。ところが侍を見かけると周囲が過剰反応、「せんせいはワシらだけのせんせいじゃ!」「せんせいを護るんだー!」と彼を必死に匿おうとする。 実は宗順は、さる藩で御典医を務めていたのだが、そこでもたぶんモテモテだったのだろう、ひとりの女性を巡ってある武士の反感を買い、斬りかかられたところを逆に斬り殺してしまい、武士の弟二人に仇として追われる羽目になったのだ(問題の女性は自害したとのこと)。行き倒れたおゆき(光川環世)を救ったことで村に居ついた宗順自身は、ライフワークである蘭学書の翻訳が済むまでは死ねないと思いつつ、いつの日か仇討たれる運命を享受していた(そしてそんなストイックな宗順におゆきさんはもうメロメロ)。 一方、諸国見廻役である隼人が今回この地を訪れたのは、病弱の幼き藩主に代わって親族でもある自分が実権を握りたい、との家老・溝口光貞(神田隆)の申し出の是非を調べるためであった。なんの支障もなさそうだったが、「殿様は毒を盛られているのでは…」と疑問を持っている藩主付きの老女の願いを聞き、薬湯茶碗を喜八に盗ませて、宗順の元へ持って行かせる。 茶碗に付着した成分を調べた宗順は、患者(それが殿様だと彼は知らない)を連れて来いと喜八を急かした。隼人は溝口の目を巧みにくらませて殿様を城から拉致、宗順に診せたところ、腸がねじれて緊急手術が必要だという。設備もないこんな場所で、と一度は渋った宗順だが隼人たちの励ましで手術を決行。しかし、彼を長兄の仇とつけ狙う日引兄弟(兄の裕太郎役は江守徹)、そして溝口率いる刺客たちも村に迫っていた。 手術の場に乱入した日引兄弟は、人助けに懸命な宗順に躊躇し(ついでに村人たちに捕縛され)、溝口たちは(いちおう主役なので)隼人がひとりでばっさばっさと成敗。そうこうしているうちに殿様の手術も(マスクなし・焼酎ぶっかけ・麻酔なし・ギャラリー大勢という凄まじい条件のなか)無事成功した。 手術を終えた宗順は「もう何も思い残すことはない」と、ようやく完成させた翻訳本をおゆきに手渡し、日引兄弟との果たし合いに臨む。しかし喘息の発作に襲われた兄・裕太郎(江守さん)が薬湯の世話になったうえ、先ほどの件もあって兄弟の剣は重い(「さあ、どこからでもかかってきなさい!」と言いつつまるで隙のない構えを取ってる相手のせいもある)。 と、そこへ隼人が颯爽と現れ、おもむろに宗順の髷を切り落とした。これを持って国に帰れ、そう諭す隼人に兄弟はほっとしたように頷き、おゆきを筆頭とする村人たちは、大切なせんせいの無事に心から安堵するのだった(ラストは、命を救われた殿様からの御典医の勧めを断って、村の医者として子供たちと仲良く戯れている宗順が映っておしまい)。 *脚本がいつもの宮川一郎さんだけに、とにかくせんせい、モテすぎ。 みんな寄ってきて離してくれないんだもんなあ。まあ良い漢だから仕方がない(←贔屓目)。ただ追われ者になった経緯は、「宗順、おしのさんをワシに譲ってくれい」「いや、おしのさんは…」「お前なんかに渡すものかあ!(シャキーン)」「お、おやめ下さい! あっ(ぶすっ)」「おのれ…宗順(がくっ)」ってな風にジェラシーMAXの日引長兄のひとり相撲だったのだが、肝心の宗順のおしのさんとやらへの愛の有無がはっきりしていないのでいきなり感が漂っていた(彼女が自害したのは、もしかして日引兄が好きだったからという可能性もあったりして)。 *せんせい恋しさのあまり、彼を殺しにきた日引兄弟にメスを持って突っ込んでいった情熱家のおゆきさん。光川さんってどこかで見たことあるなあ…と記憶を手繰ったら非ライ第1シリーズ#31「兇悪の報酬」の「殺してやるわ、会田を…!」のあの彼女だった。なんだか納得。(非ライの方が数か月後)。
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2008,08,08, Friday
地獄の左門 十手無頼帖4 声を盗まれた娘(1984年・S59・3月15日OA)
初登場の気合い十分のテーマソング(作詞:川内康範、作曲:吉永豊の「吹きだまり」。歌はもちろん天っちゃん)を引っ提げて地獄の舞を披露してくれていた神山左門さま(天知茂)は、深編み笠で江戸へ急ぐ途中、黒覆面の男たちの襲撃を受けた。左腕をざっくり斬られてフラついていた彼の難儀を救ってくれたのは町医者の井上一道(小池朝雄)。たまたまお医者に拾われたのはラッキーとはいえ、左腕が元通りに動く確率は五分六分、なんてことを一癖も二癖もありそうな小池さんもとい一道先生に言われてちょっとメランコリックな左門さまである。 町奉行・遠山左衛門尉(北町嘉朗)から、近ごろ市中を騒がす稲妻党なる賊の一掃を依頼され、左門さまは内通者を突き止める使命を帯びて火盗(=火付盗賊改め)に配属された。お頭・内藤(御木本伸介)から手厚いバックアップ態勢を得たものの、火盗与力の面々からネチネチと嫌味をされるわ、怪我した左腕はまだ痛むわでツイてない日々が続くが、一道先生んちの玄関で痛い方の腕にぶつかってきたおしま(萬田久子)という女とまんざらでもない仲に。 そんな折、稲妻党に襲われた直後の田島屋に駆け付けた左門さまは、屋敷内で震えていた少女・おそでを発見した。惨劇を目の当たりにした彼女は口がきけなくなっていた。左門さまはおそでを自宅に匿ったことを公言し、火盗内のスパイを焙り出そうとする。はなっから左門さまに対立し、挙動が怪しかった与力の島崎(伊吹剛)が留守中におそでを拉致、すわこいつが!?と思われたが、彼は単に御禁制の危な絵(=春画)をこっそりスケッチしてるだけの土曜ワイドな男だと判明。本当の内通者は、まっさきに左門さまに懐いてきた同心・沢村(山本紀彦)だった。ちゃっかり右腕的存在に落ち着いた島崎の爪楊枝拷問(&左門さまの怖い顔)に恐れをなし、御高祖頭巾の女に頼まれ賊と通じていたことを自白して、沢村は切腹。左門さまはその女がおしまだと直感する。 一方、一道先生は、田島屋襲撃ニュースにえらく動揺していた。なぜならおそでは、養女に出した実の孫。だがその事実を先生は左門さまにまで隠そうとする。上方では義賊だった稲妻党の突然の変節、上方から流れてきた一道先生――稲妻党の元ヘッドは、一道先生自身だったという真相に気付き気付かれた左門さまと先生は、何も知らないおそで(左門さまのお手玉歌ではなく手毬唄で声を取り戻したのはちと残念)を引き込みに使った極悪非道な現ヘッド・芳太郎(深江章喜)捕縛まではと協力体制を敷く。 左門さまにメロメロになってしまっているおしまは、次の襲撃場所と時間をそれとなく知らせるのだが、彼女の恋心を見抜いていた芳太郎は1日早く襲撃を決行。だが後添えとして屋敷に入り込んだおしまは閂を外さず、仕方なく裏口に回った芳太郎一味はそこで、彼らの裏をかいた凶悪な面相の左門さまに出くわした。 「地獄の左門の地獄の舞……六道輪廻の旅の供養にせい!」 そんな怖いキメ台詞を怖い顔でキメられては(しかも左腕は完全回復)、さしもの稲妻党も形無しである。だが左門さまの制止を振り切ってやってきた一道先生が芳太郎の刃に倒れ、おしまもまた左門さまの刀を奪い取り自害、彼女を連れて逃げるつもりだった左門さまを嘆かせた。 事件は解決した。左門さまはおそでちゃんや島崎たちに名残惜しまれながら、再び江戸を後にする――。 *シリーズ最終話(時代劇スペシャル枠が終わってしまうせい)なのがもったいないくらいノリノリな話。個人的に、奉行所で与力としてまっとうに働いているオリジナル左門さま@大岡越前が好きなので、今回はそれもたっぷり堪能できて眼福だった。 *1作目は千恵蔵御大が演じていたお奉行様(遠山の金さん)に今回扮するのは先日の上映会ゲストの北町さん。天っちゃんとのシリアスな場面で「この二人、昼ごはんは中華(=ラーメン)だったのかな」などと想像してしまって弱った(苦笑)
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