■ADMIN■
ADMIN ID:
ADMIN PW:
■CATEGORIES■
■POWERED BY■
BLOGN(ぶろぐん)
BLOGNPLUS(ぶろぐん+)
■OTHER■

素敵なこの人 [1]
素敵なこの人(1983・S58・9月19日OA)

*聞き書きその1

檀ふみ(以下、檀):ニヒルで冷徹なハードボイルド役ならこの人。テレビで冷たさの中に甘さを漂わせ、女性の心をとらえて離さない。今夜の「素敵なこの人」、天知茂さんです。どうぞ、本日はよろしくお願いいたします。(画像)

天知茂(以下、天):どうも。 (画像)*歯の浮くような紹介台詞に戸惑い気味

檀:天知茂さんは昔、俳優生活をスタートしたばっかりの頃に、大変な下積み時代というか、大部屋時代があったと伺いましたけれども。

天:ええ、ありましたねえ。

檀:そしてまた、九死に一生を得たことが二度ほどおありになるとか。

天:ええ、まあ、今となればどうってことない病気なんでしょうけどね、終戦直後でしたからねえ。肺炎ってのになって。

檀:そういうお話を今日は、大変お若かった頃の下積み時代とか、大変お苦しかった時代のお話を伺いながら30分過ごさせていただきたいと思っています。どうぞよろしく。

タイトル「無名の青春 夢に生き、生命燃やして」

+ + +

檀:天知さんは、最初から俳優になりたかったわけですか?

天:うーん、あのねえ、僕自身がまあ、なりたいっていう、もちろんそれもありましたけれども、僕のお袋がね。僕、名古屋なんですけどね、生まれも育ちも。名古屋は芸どころっていうでしょ。

檀:名古屋のかたっていうのは、芸事がお好きなんですか。

天:うん、だから別にその、プロになるとかならないとかって関係なく、踊りだとか、お三味線とか、そういうものを習わせるっていうのが割に一般的にあったわけですよ。

檀:ああ、土壌として。

天:うん、で、お袋が大変そういうことが好きでしてね。お袋自体が…これはもう、うんと古い話ですけれどもね、明治時代の話だけれども…娘義太夫ってのがね、大変はやった時代があるんだそうですよ。今でいえば、ロックみたいなもんなのかなあ(笑)で、その娘義太夫…「太夫」っていうんですけどね、その太夫に、お袋がなりたかったみたいなね、夢があったわけですよ。

檀:夢を果たせなかった。

天:それをまあ、いわば僕に賭けたっていうのかなあ。

檀:ご兄弟は何人かいらっしゃるわけなんでしょう?

天:ええ、兄弟は4人いましてね。その僕は末っ子なんです。

檀:えっと、どういう…? 男、女はどういうふう…?

天:全部、男なんですよ。

檀:全部男の子で、全員にお母様は習い事を?

天:いや、僕だけ。っていうのはね、僕はお袋の大変遅い子でしてね、40…いくつの子なのかな。とにかく大変遅い子なので、生まれる前は女の子であったらと思ってたらしいんですよね。上3人が男でしょ。だからせめて最後は女、って風に思ってたわけなんですね。

檀:じゃ、女に生まれるように女に生まれるようにって?(笑)

天:もし女に生まれてきたら、踊りをやらせようとか、…

檀:娘義太夫にさせようとか(笑)

天:そうそう(笑)で、そんなことを思っていたら男だった、と。んー、なんだけれども、なんか、男なんだけどいいや、ってんでね(笑)それでそのまま、そういうこと習わせろ、みたいなことになって。

檀:どんなものを習ってらしたんですか?

天:いやー、僕はね、定かじゃないんですよそのへん、はっきりいって。はっきり覚えている頃には、なんかもうやめちゃってた、ってこともあるんですけども。まだ小学校に入る前にね、日本舞踊だけはやってたみたいですね。っていうのは、そんな写真が残ってますから。それでね、今の七代目の菊五郎さんじゃなくて、六代目の菊五郎さんのところへ、弟子入りをするっていう話があったんですよ。

檀:本格的なんですね、結構。

天:そう、それもある人の紹介がありましてね。すっかりおやじもお袋もそういう気になって。で、あわやもう弟子入りっていう寸前までいったんだけれども、結局それはねえ、まだそんな子供だから、誰か…お袋ならお袋が、絶えずついていかなきゃいけないってことですよね。だから、それも大変だというんで、結局その話は、いつのまにかご破算で。これはだけど、僕は実際には知らないわけですよね。

檀:でも、もしそういうふうになっていたら、今頃は…

天:そうなんですね、歌舞伎のほうでね(笑)ですからまあ、そんなような話は後になってなんとなく聞かされたりなんかして、なんとなく役者に役者に、という意識が絶えずあったことはあったんですね。

檀:お兄さま方は、何をなさってらっしゃるんですか?

天:うちの家業が、最初は自動車の…タクシーですね、今でいえばね。それで、僕が生まれた頃は、タクシー会社をやってたんです。それから寿司屋になっちゃったんですね。ですから、兄貴たちはお寿司屋を手伝ってたんです。

檀:そのおひとりのお兄さまから…今、写真屋さんをなさってらっしゃるお兄さま、ですね。お小さい頃の天知さんのお話を伺ってまいりました。

VTRの薫兄さん(画像):あのー、弱いんですねえ、とにかく。生まれ落ちからですねえ、なんかひ弱で。いわゆるその、病気はやるし、もうとにかくねえ、いつまで生きるかわからないっていうぐらいね、弱かったですね。ですから、あの弱い弟がですね、頑丈にですねえ、堂々とした体躯でもってね、不眠不休でやっててもバテないっていうね。誠に不思議だと思いましてね。小学校に入る前、とにかく弱いもんですから、お袋も非常に気を使いましてね。小学校の1年生に入学してもね、とても1人では行けないもんだから、とにかく授業が終わるまで、学校でね、廊下で待ってると。まあ雪が降っても雨が降ってもね、お袋もえらかったと思う。1年間とにかく耐え抜いてやってきたんだから。たいしたもんだと思いますよ。それがまあ、だんだんこう、成長するに従いましてね、写真にもございますけれども、丹下左膳の格好はするわね(画像)、雪之丞変化の格好はするわね(画像)、安兵衛の格好はするわっちゅうんでね(画像)、映画見てくると、必ずうち帰ってきてね、再現するんですね。そのままの格好でね、山口町の町中を歩くわけですよ。だからもう近所でもね、有名人ですよ(笑)ほれまたあの小ちゃな役者がきた、とかいうことでね。

天:フッ(照笑)

檀:ほんとに役者になるべくしてなったというか…

天:でもね、ああ言ってるけども、そういうふうにしちゃったのは、親兄弟ってとこもあんですよ(笑)

檀:お兄さまも大変、お年が離れてらっしゃいますか? 可愛がってらしたような…

天:そうですよ、ですからまあ、兄っていうよりは…親父が戦後すぐに亡くなりましたから、そういう意味で、親父がわりっていうこともありましたね。

檀:で、また、お体が弱くて。ちょっと想像もつかないけれども。天知さんぐらいのお年だと、戦争のときはどんなふうに…?

天:いやもう、これは大変でした。中学でしたけれども。まあ、中学の1年はなんとか満足に学校行ったんですけど、2年生の2学期のときでしたかねえ、だんだんもう、戦争が激しくなってきて。学徒動員というのがあったんです。

檀:働くんですか。

天:ええ、いわゆるあの、飛行機を作るとか、軍事工場という工場に学生全部が行って、働くということになって。僕らは三菱発動機という工場へ…名古屋ですけど、働きに行かされてたんですね。そのときに大変な空襲がありまして。

檀:名古屋も空襲がひどい時期っていうのがあって。

天:ええ、こりゃもう大変でした。B29という爆撃機ですけども、80機ね。その三菱発動機ってのは大変大きな工場でしてね。まあ名古屋には軍事工場ってのは大変多かったんです。

檀:特に狙うんですか。そういう工場を。

天:工場に80機きたんですよ。まあいくら大きな工場だとはいえね、80機が全部、その工場を叩き潰すためだけにきたわけですから。それがもう、名古屋のまったく初めての空襲でした。

檀:どうなさったんですか。

天:それはもうねえ、空襲の怖さなんて何も分からない訳でしょ。話に聞いたりっていう程度ですから。…ですから僕らは、防空壕からね、なんとなくこう顔突き出して、…

檀:それはもう、空襲警報があって、防空壕にいらした…

天:それがね。防空壕といえば…僕たちの、まあ5〜6人ずつ入るグループになっているわけです、防空壕というのは。広場にたくさんあるわけですけれども。たまたまねえ、空襲のあった日、僕たちのグループの防空壕が雨漏りをしてましてね。まあ当然、ほかのとこ入らなきゃいけないわけです。沢山あるわけですから。たまたまねえ、ひとつのところへ僕入ろうかなと思って片足まさに突っ込んだんですね。そのときに、その、ひとつの防空壕の方から、「おーいこっち来いよ」と呼んでくれたんです。

檀:誰が…?

天:それが誰だかはっきり分からないんです、未だに。それで、呼んでくれたんで、とにかくまあそっちに移ったんです。それからまあ空襲になっちゃったんです。ぽんぽんぽんぽんと爆撃になっちゃいましてねえ。それで、僕の入った防空壕も生き埋めっていうか、ドアが開かなくなっちゃったわけです。

檀:すごい空襲だったから…

天:はい。それでまあ、やっとなんとか出て来たら、最初に僕が片足を入れた防空壕には直撃弾が落ちて、もちろん、大きな穴ぼこだけで。

檀:亡くなった方は…? みんな亡くなって…?

天:ええ。

檀:ご存じの方もみんな亡くなって…?

天:そうですね。ですから、たまたま僕は、片足を突っ込んだときに、誰か呼んでくれた、それがだから…

檀:お名前を呼ばれたわけですか?

天:そうです。『おい臼井(ウスイ)こっち来いよ』…臼井ってのは本名ですが、こっち来いよ、ってふうに呼んでくれたんで。さてね、それが誰だったのか、はっきり今ね、申し訳ないんだけれど、思い出せないんですよね。

檀:あの、当時の防空壕仲間に(笑)今日いらしていただいていますので…

天:名古屋から!?(笑)

檀:ちょっとお話を伺ってみたいと思います。どうぞ、お入りになってみてください。

[2]に続く)

*珍しいトーク番組の前半(3分の1)部分。空襲のくだりはシリアスな話なのだが、結構客観的かつ淡々とした語り口だった。

| http://www.amachi.info/blog/index.php?e=549 |
| バラエティ等 | 11:09 PM | comments (x) | trackback (x) |
『薔薇合戦』
『薔薇合戦』(1950年・S25)

会社乗っ取りに失敗した挙句に病死した夫の後を継ぎ、パトロンの助けを借りて新会社を設立した真砂(三宅邦子)には2人の妹がいる。やり手かつ男前の宣伝部長・園池(鶴田浩二)に心ひかれながらも、姉の言いなりに社員の日夏(永田光男)と結婚する雛子(若山セツ子)、自由意思での“試験結婚”と称して雑誌記者の江島(大坂志郎)と同棲生活を始める千鈴(桂木洋子)。大なり小なり上り調子の三姉妹だったが、やがてそれぞれが関わる男のために破滅が訪れ…(最後は、鶴田さんが美味しいとこどりする)、という展開。

この映画にノボル君19歳が出ている根拠は、1983年放送のトーク番組「素敵なこの人」で、当時のノボル君から貰ったという手紙を同級生が持ってきて、その中にこの作品に出ている旨が書かれていたことに因る。…なので、どこかにいることははっきりしているのだが、例のごとくコレと確定するには至らなかった。

【それっぽいが決定打に欠ける人たち】
その1(真砂さんの化粧会社の社員)
その2(同じく社員。だがこの角度になると自信なし)
その3(試写会に来た青年。パンフを見ているお兄さんもそれっぽいが、メイクが濃すぎな上に顔を上げるとかなり別人率アップ)
その4(バーテン。ちょっとふっくらしすぎているので、こちらのビアガーデンのお兄さんの方が妥当かもしれない)

| http://www.amachi.info/blog/index.php?e=5 |
| 映画::清水次郎長 | 11:33 PM | comments (x) | trackback (x) |
『森繁の新婚旅行』
『森繁の新婚旅行』(1956年・S31)

四国の田舎町に左遷されたマイペースな新聞記者・森文吾(森繁久彌)は、ひょんなことから平家の末裔の御姫様・平小路敦子(紫千鶴)と祝言をあげることに。新婚旅行に東京見物としゃれこもうとするが、彼のスケジュール表をくすねた田舎の高校生たち(三木のり平など)がそれを修学旅行用に使ったおかげで、どこへ行くのも彼らと一緒で…というどたばたコメディー。

思いがけなくクレジットの3〜4番目の真ん中に名前があった天知茂24歳(誕生日前)は、森の同僚の新聞記者(冒頭のシーンでいえば、たぶんこれ←括弧内)。1度もアップが無いばかりか正面すら向いてくれない、(探す)難易度の高い役なのだが(この角度が最高←画面中央)、同じく同僚役の高島忠夫が「森さんはまっさきに会計課に顔出すんですよ」と言った後の「相変わらずだなあ」と、新婚旅行ときいて「ほう、じゃホヤホヤってわけだな」の台詞の言い方でなんとか確定できた。

台詞があったシーンの最後に森繁さんから「シケた顔してんな、お前」とアドリブめいたツッコミを入れられていた天っちゃん。新年早々(1月14日公開)こんな出番ではシケざるを得なかっただろう。

*この後、クリスマスパーティーとやらで歌い踊るシーンになるのだが、そこにはいなかったような気がする(とんがり帽子かぶって踊ってたら、それはそれで凄いんだが)。

| http://www.amachi.info/blog/index.php?e=118 |
| 映画::新東宝 | 11:03 PM | comments (x) | trackback (x) |
雲霧仁左衛門 #13(終)
「大波乱! 処刑の日」(1979年・S54・9月25日OA)

弟・伊織(=雲霧仁左衛門:天知茂)の身代わりとして自ら“仁左衛門”を名乗って捕縛された辻蔵之助(根上淳)。白洲に引き出された彼は眉根を寄せて淀みなく質問に答えるが、火盗改め方長官・安部式部(田村高広)は一目見ただけで別人と確信(それまでのお頭の露出が多すぎたせい)、5年前に病死したという弟こそが首領ではないかと推測するのだが、何も言わなかった。

一方、保土ヶ谷(=待ち合わせ場所)にいなかったお千代(大谷直子)の消息を気にかけながらも箱根で腕の刀傷の治療に手間取っていた当のお頭は、熊五郎(谷隼人)から兄を侍として厚遇してくれている式部の様子を聞いた。そんな折、#10で火盗改めに惨殺された鳩栗の大五郎の弟たちが、雲霧引き回しを先導するはずの式部の暗殺を計画していることが判明。兄上の最後を汚す行為は許さない、と怒りに燃えたお頭は暗殺阻止を決意、「何もかも、終わりに近づいたようだな…」と思わせぶりなセリフを吐くと、忠吉(立花正太郎)や熊五郎(谷隼人)を連れて再び江戸へと向かう。

引き回し一行の休息ポイントを一望できる旅籠の一室には、既に思いがけない先客、お千代たちがいた。“雲霧捕まる”の報を聞き矢も盾もたまらず江戸に舞い戻った彼女は、お頭救出計画を実行せんとしていたのだ。お頭はお千代が作った竹筒火薬を利用して、暗殺者たちを炙り出そうとする。

引き回し当日。先導には身代わりを立てよ、とのお頭の投げ文に従った式部の姿はなかったが、鳩栗残党が頼った“仕事人”元締・吉田の菊右衛門(梅津栄)子飼いの暗殺者たちは気付かない。やがて一行が到着、末期の水を貰った蔵之助は柄杓に書かれた合図で旅籠の二階に目を投じ、弟と“会話”を交わす。この二十年のことは忘れろ、藤堂藩への恨みは忘れてお千代と二人で生きよ――そう言い残して背を向ける兄。復讐を自分に託して身代わりになってくれたのだと信じていたお頭は兄の真意に衝撃を受ける。

行動を起こしかけた暗殺者たちを火薬で攪乱、喧騒に紛れて斬り捨てるお頭。逃げのびた一人が菊右衛門の元へ戻ったが、深編傘の浪人=安部式部本人が尾けていたため元締めごとご臨終、暗殺は未遂に終わった。

蔵之助の処刑が始まる時刻、感情が高ぶったのか側まで行くこと叶わず、お頭は離れた場所で正座して涙ながらに最期を見送った。兄の遺言を尊重したい、だが復讐心を忘れることが出来そうにないのが天知キャラの悲しい性。熊五郎たちには実質暇を出し、たとえ5年、10年かかっても必ず復讐を成し遂げてみせる…!と侍マインドを取り戻して誓うお頭に、お千代だけはどこまでも付き従おうとするのだった。

式部を襲った暗殺者を斬ったのは雲霧では、と口にした政蔵(草薙幸二郎)に取り合わなかった式部は、雲霧仁左衛門は死んだと公言しながらも、再び「彼」と相見える日のために闘志を燃やす。

だがこの日から4年余り、藤堂藩の金蔵が襲われたという知らせはまだない――。

*こんなクライマックスに第三者(=鳩栗残党その他)が絡んでくるとは予想外だったが、それによって侠気溢れるお頭と、立場を超えてそれに共感した安部式部の「友情」がうまく表されていた。この路線で(1話完結の通常の時代劇として)続いていればそれはそれで面白かったと思う。

*ただ、面白い要素を取り入れながら、要所で原作の展開はきちんと押さえるという堅実な作りのせいか、原作通りとはいえ最終目的の達成がうやむやのままで完、になってしまったのは正直なんとも物足りなかった(この後味の悪さ、何かに似ていると思ったら「闇を斬れ」と同じだ)。…とはいえ、天知ファンとしてはいついかなる時もお頭がカッコいいというだけで13回楽しめたので良しとしよう。

*画面の向こうに消えたお頭、1週間後には本所で大活躍(それは「江戸の牙」)。

| http://www.amachi.info/blog/index.php?e=377 |
| TVドラマ(時代劇)::雲霧仁左衛門 | 11:59 PM | comments (x) | trackback (x) |
ああ忠臣蔵 #37
「吉良邸討入り」(1969年・S44・12月13日OA)

討入り当日。愛妻・お艶(広瀬みさ)と質素ながら出陣祝いの膳を囲んでいた毛利小平太(トメ位置:天知茂)は寺坂吉右衛門(高橋昌也)の訪問を受けた。集合時刻の変更を伝えにきた吉右衛門と、2年間の忍耐の日々がようやく報われることを喜び合う小平太だったが、彼が帰るなり咳の発作に見舞われ、その場に倒れ込んでしまう。

安兵衛(梅宮辰夫)馴染みの女将・おたか(森光子)が切り盛りする集合場所の蓮月庵には、次々と浪士たちが集まってきていた。伝達と偵察を終えた吉右衛門が遅れて入ると、小平太の姿だけが見えない。彼の指摘で不在に気づいた内蔵助(山村聡)も心配顔に。

その頃かろうじて意識を取り戻した小平太は、焦燥感に突き動かされながら家を出ようとするものの三和土で喀血。それでも「行かねば俺は、同志たちを裏切った臆病者になる、毛利小平太の武士が廃るのだ…!」と必死な彼に、お艶は約束の時間(丑の下の刻)がとうに過ぎていることを言い難そうに告げた。ショックを受けた小平太だが、それなら吉良邸に直接向かうから装束を着けさせてくれ、と諦めない。

出発時刻が迫り、準備を整えた内蔵助が「毛利は来ないか…」と憂えていた時、討入り装束に身を包んだ(月代も整えた)小平太は今度こそ玄関を出たのだが、数歩も行かぬうちに再び血を吐いてしまった。「俺はもう…駄目だ…」身体の限界を悟らざるを得なくなった彼は自刃を決意、ご城代や同志たちの大願成就と武運を祈りながら、魂魄となって先に吉良上野介の屋敷へ向かうことを誓うと、ご一緒に参りますとけなげに頷いたお艶に刃を向けるのだった。

「小平太には小平太の道がある…結局、四十七士…」諦めた内蔵助たちが店を出て、吉良邸に向かって行進を始めた時刻、小平太とお艶は手を取り合って死出の旅路についていた――。

*小平太さん、(魂魄で)吉良邸討入りに向かうの巻。きっと映画『忠臣蔵外伝 四谷怪談』のお岩さん並みのパワーで皆を導いてくれそうな強烈な魂魄には違いないが、皆と行けなくてさぞ無念だったろう。…無念といえばご城代の最後の台詞、小平太さんが自主的に来なかったように捉えているふうだったのが悲しかった。彼の体調が悪いことは周知の事実みたいだったのになあ。吉右衛門も「咳いてらっしゃいました」とかフォローしてあげればいいものを。

*最後まで「毛利小平太の妻」を貫いた気丈なお艶さん。大事を控えて喀血しまくる夫を「しっかりして下さい、情けない!」なんて叱咤しそうな雰囲気もあり(さすがにそれはないが#8の印象が強いせい)、同志の頼もしさをも併せ持つ女性だった。彼女が一緒に来てくれる(死んでくれる)と知ったときの小平太さんの安心したような表情が印象的。たいてい、奥方は離縁したり遠ざけたりして生かす、或いは奥方の頼みで心中する、というパターンだったので、このカップルは異色である。

| http://www.amachi.info/blog/index.php?e=418 |
| TVドラマ(時代劇)::ああ忠臣蔵 | 12:46 AM | comments (x) | trackback (x) |
ああ忠臣蔵 #29
「毛利小平太は死なず」(1969年・S44・10月18日OA)

刃傷事件から1年半余り、じっと時が熟すのを待つ金銭的に余裕のあるご城代や、副業がそこそこ繁盛している一部浪士とは裏腹に、蓄えがとうに底を尽いてしまった浪士もいた。9話ほど御無沙汰な間に顔色が一層悪くなった毛利小平太(OPクレジットからプロモ映像ですかな目立ち方:天知茂)もそのひとり。「俺は病などではない!」と強がってはいるものの食が細くなる一方の小平太に、愛妻・お艶(広瀬みさ)も心を痛めていた。実は彼女には他にも悩み事が。料亭「川梅」を辞め、岡場所まがいの場末の飲み屋で働くようになっているお艶は、それを夫に言えないでいたのである。

二人の住まいに、古本屋に化けた早水藤左衛門(砂塚秀夫)らが歌道大全を抱えて飛び込んできた。国学の大家・荷田春満(かだのあずままろ:堀雄二)が江戸入りしたのだという。荷田の門下には上野介もいるため、入門すれば何か情報が得られるはずだと、唯一国学の素養がある(お艶さんを詩歌で射止めたと評判の)小平太に白羽の矢が立ったのだ。ご城代の後押しもあったと知り、張り切って荷田の逗留先の呉服屋に向かう小平太だったが、身元が胡散臭い(水原武右衛門という変名使用)上、黄金色の土産もないために主人から門前払い。それでもしのつく雨の中、勝手口で一晩中待ち続けたその甲斐あって、赤穂浪士ではないかと気がついてくれた赤穂シンパの荷田に入門を許された。だが無理が祟って高熱を出した小平太はその場にくずおれる。

うわ言を呟きながら寝込む小平太。高麗人参が効くかも、と医者に言われたお艶は飲み屋の女将に前借りを頼んだ。快く五両貸してくれた女将の背後には、お艶にホの字の客・相馬国助(梅津栄)が。相馬は吉良の間者で、何かと邪魔な(#8#20参照)毛利小平太を消すためにお艶に接近中だった。そして、小林平八郎(戸田晧久)から相馬を手伝えと指示されたおぬい(土田早苗)は、毛利の名前を聞いて顔色を変えた。

ひとまず回復した小平太が早速荷田の元へ向かうと、彼は父の急死で江戸を立った後だったものの、上野介が病かもしれないという手紙と共に、元吉良邸お抱え医師への紹介状を残してくれていた。医師・林順斎(実はおぬいの父親だがその話は次回:佐々木孝丸)は昨今の吉良については何も知らない様子だった。診察の結果、労咳が相当進んでいるとはっきりと告げられ、おまけに早水たちから「お艶が怪しげな飲み屋で働いている」と聞かされた小平太は動揺を隠せない。

その頃お艶は、五両の出所が相馬であり、身体で返す約束になっていることに愕然としていた。あわやという時におぬいに救われ、乱れた格好のまま家に逃げ帰ったお艶は夫の前で泣き崩れる。すべては暮らしのためであり、妻として貞操を守り抜いたと知った小平太は彼女を抱き寄せた。

その時、外に人の気配が。主税(三田明)に会いたい一心のおぬい――彼女にとって、山科で主税と一緒にいた小平太だけが頼りなのだ。だが吉良の間者であるおぬいに主税の居所を知らせる訳にもいかず、逡巡しつつも追い返そうとする小平太。そこに、お艶を追ってきた相馬が姿を見せ、五両の返済を迫る。彼もまた吉良の間者だと見抜いた小平太は、身体を案じるお艶の制止を振り切って相馬と対峙した。飛び道具を取り出した相馬に飛びかかったのはおぬいだった。降ってわいた刺客たちを倒し、最後に相馬を斬って捨てた小平太を、喀血が襲う。おぬいの心を理解した小平太は、主税の居場所を告げると、咳の発作に身を折り曲げた――(「毛利小平太は今日は生きても、明日は死なねばならない…」という非情のナレーションが流れる中、夫を必死に看病するお艶、水面を漂う赤い血が映ってエンド)

*大変です小平太さん、の巻(脚本は宮川一郎先生)。命がけの苦労があまり報われなかった上に(荷田先生、退場早すぎ)不治の病をあっさり告知され、愛妻は暮らしのせい(というかほぼ小平太さんのせい)で貞操の危機、そして明日の命を否定するような喀血。それでも相変わらずそんなてんこもりの受難が似合ってしまう天っちゃんであった。

| http://www.amachi.info/blog/index.php?e=417 |
| TVドラマ(時代劇)::ああ忠臣蔵 | 12:44 AM | comments (x) | trackback (x) |
雲霧仁左衛門 #12
「惨殺! 雲霧一党」(1979年・S54・9月18日OA)

最後のつとめ・越後屋襲撃の日。兄の蔵之助(根上淳)を川崎に待機させる手はずを整えた仁左衛門(勝負の侍髷・天知茂)は、つとめに参加しないお千代(大谷直子)にも落ち合う場所を指示した。何やら心細うて…とお頭の胸を噛み、いつになく躊躇う彼女を優しく諭して出てゆくお頭。だが寂しさが募った故なのか、お千代は珍しく六之助(江藤潤)をねぎらい、抱擁を許すのだった(背中限定か)。

一方、金と地位を約束してくれた善右衛門(伊沢一郎)の言葉によろめき、前夜に仕掛けを外せなかった富の市(荒井注)は悶々としていた。しかも今夜は来なくていいと女中に言われて進退極まり、女房のおかね(弓恵子)に告白。小頭(財津一郎)に相談せねば、と家を後にしたおかねだが、火盗改めの密偵・政蔵(草薙幸二郎)と同心・高瀬俵太郎(三浦洋一)に尾行され捕まってしまう。拷問に屈したおかねは、盗人宿の所在を自白、同じく捕らえられた富の市に「もういけませんよう」と泣き崩れた。

夜、火盗改めの面々と雲霧一党は互いに越後屋を取り囲んでいた。尾張の失敗で学んだ高瀬はお京(宮下順子)と二人だけで越後屋裏の寺を探索、そこに小頭以下黒装束たちが集っているのを発見するが、単独行動が裏目に出て共に斬り殺されてしまう。

だがその頃、越後屋内部では、善右衛門のボンクラ息子・由之助(森下哲夫)が勘当されたのを恨んで父親を惨殺するという恐ろしくタイミングの良い(悪い)事件が起きていた。突如屋敷内であがった叫び声に、火盗改めと雲霧一党は騒然となる。

お頭を乗せた小舟が岸に着いた途端、鳴り響く呼び子。両者入り乱れての死闘に駆け付けたお頭だが、自分が切り抜けるのに精一杯。重傷を負った小頭は最後までお頭を案じつつ、山田藤兵衛(高松英郎)の眼前で腹をかっさばいて果てた。

川にも捜索の手が伸びているため、川崎まで猛ダッシュしたらしい手負いのお頭。追手は間近に迫っていた。兄を逃がし、六之助と二人、切り死にを辞さない覚悟だった彼に蔵之助は、逃げるのはお前だと言い、六之助に「お頭のために死んでくれ」と刃を向けた。敬愛してやまないお頭の積年の悲願(=兄を陥れた藤堂藩への復讐)を想い、自らその刃で身を貫く六之助。子供の頃から可愛がってきた部下の殉死、そして兄の覚悟に涙しながら、お頭は隠し部屋へ。後に残った蔵之助は、なだれ込んできた火盗改めに自分が雲霧仁左衛門だと名乗り、両手を差し出すのだった――。

*ボンクラ息子の衝動殺人で段取りが狂うのまでは原作通りだが、「お頭が戦闘に参加」「割腹してのけるのが熊五郎でなく小頭」(そういえば谷隼人さんがいなかったなあ)「六之助は蔵之助に殺されたのではない」というあたりの演出が心憎い。特に六之助は、原作では雲霧の顔を知るが故に身代わりの兄上に問答無用で殺される、という最後までツイてない男だったが、ちゃんと泣ける見せ場をもらって男が上がっていた(良かったなあ、六)。

*「惨殺」というのは高瀬とお京のような気がするが…(タイトルは「惨殺!(したのは)雲霧一党」という意味なのか?)

*お千代姐さんが控えめな分、ボンクラの嫁が先週・今週とお色気要員。

| http://www.amachi.info/blog/index.php?e=378 |
| TVドラマ(時代劇)::雲霧仁左衛門 | 12:00 AM | comments (x) | trackback (x) |
雲霧仁左衛門 #11
「恩は仇で返せるか?」(1979年・S54・9月11日OA)

越後屋を最後のつとめと定めた雲霧仁左衛門(今回は町人髷:天知茂)の命に従い、準備を着々と進めてゆく部下達。しかし、屋敷内から仕掛けを外すという大役を仰せつかっている富の市(荒井注)は、自分に全幅の信頼を寄せている越後屋主人の善右衛門(伊沢一郎)を騙すに忍びなく、おまけに善右衛門から検校の地位まで約束され、板挟み状態で悶える日々である。

そんな折、忠吉(立花正太郎)が火盗改めの密偵に感づかれ、盗人宿・桔梗屋で立ち往生。ピンチの彼を救ったのは、辻蔵之助(根上淳)と名乗った初老の浪人だった。実はお頭の実兄である蔵之助は、大事を前に弟を訪ねてきたのだ。ようやく遺恨の藤堂藩に一矢を報いる時がきた、と語り合う兄弟。彼らの悲願は、越後屋襲撃の成功にかかっている。

一方、面が割れているために大事な役目を任せてもらえないと悩んでいた六之助(江藤潤)は自ら片頬を焼き、その心意気に負けたらしいお頭から愛用のキセル(兄上とおそろい)を貰い受けて上機嫌だが、「あいつは六之助…!」と早速お京(宮下順子)にバレてしまい(火傷の意味ほとんど無し)、あろうことかキセルを掏られてしまった。上等のキセルの出所を調べさせた安部式部(田村高広)は、それがかつて藤堂藩にいた辻蔵之助という人物が購入した2点のうちの1点だと知る。

狭まる火盗改めの包囲網。お頭とお千代(大谷直子)は、以前名古屋で仕事の邪魔をした櫓の福右衛門(大前均)を地獄に送り、最後のつとめに向けて準備万端だが、果たして越後屋襲撃は成功するのか? 富の市はどちらの恩を仇で返すのか? すべては第三の男(=善右衛門のボンクラ息子)が鍵を握る!

*クライマックスに必要不可欠なお頭の兄上、初登場。お頭がどんどん派手になっている分、地味さが際立っていた。

*あんなタコ入道を絞め殺すとはたいした腕力ですお頭。

*六之助はちょっとはおとなしくなったかと思っていたが、やっぱりか

| http://www.amachi.info/blog/index.php?e=379 |
| TVドラマ(時代劇)::雲霧仁左衛門 | 12:01 AM | comments (x) | trackback (x) |
ああ忠臣蔵 #20
「主税と女間者」(1969年・S44・8月16日OA)

身請けした浮橋太夫(久保菜穂子)が去り、人を恋することの苦しさを共に噛みしめていた大石内蔵助(山村聡)&主税(三田明)親子のもとへ、おぬい(土田早苗)が再び姿を見せた。会うたびにおぬいへの恋心が疼く主税は、彼女が小林平八郎(戸田晧久)から「大石下向の時期を探れ」との命を受けた間者だとは知る由もない。だがおぬいもまた、主税を心の底から愛するようになっていた。

そんな折、おぬいと同じ日に江戸を出たはずだが諸事情により遅れを取っていた(推定)毛利小平太(トメ位置:天知茂)が山科に到着した。月末には江戸へ向かうつもりだ、との心強い言葉を貰っただけで慌てて踵を返そうとする小平太だったが(女間者のことを知らせるつもりで上洛したのではなかったらしい)、ご城代にまで顔色の悪さを指摘され、大事な身体なのだからまあゆっくりしていけと引き止められた。

「どう思う?このような時に人が恋をするということを…」殉死と決まってから祝言を挙げたそちなら分かるのではないか、と主税が恋をしていることを小平太に打ち明けた内蔵助。父として、人間の愛というものがどういうものなのか主税に知らせてやりたいと言う内蔵助の親心に打たれた小平太は、主税の恋人に会ってみることにする。

毛利さんは赤穂藩一の美男子、城下中の女性たちが騒いだそうだから会わせたくなかったんですよ、大丈夫取りはしません、などと和やかに談笑しながら主税と小平太はおぬいと合流。しかし、二人を残して目つきの鋭い小間物売り(=吉良方間者の井上左源太:上杉高也)を追った小平太は、吉良の間者らしき人物がここにいることを不審に思い、ふとおぬいの耳の後ろの黒子を見てハッとなる。彼女こそが、#18で松原多仲と密談していた女間者――。彼の疑念は、おぬいを尾行して左源太の襲撃を受けたことで確信に変わる。

小平太からおぬいの正体を告げられ動揺する主税。最愛の彼女の始末を暗に迫られ「あなたはお艶さんを斬れますか!」と詰め寄る主税に、我ら凡庸の輩が二つを求めるのは夢だと諭す小平太。「我らの死に場所は決まっているのです。父上がこの場におられても、きっとそうおっしゃるでしょう。…主税殿、信じておりますぞ」

走り去った主税を不安気に見送った小平太は、庭先に佇んでいた内蔵助に驚いた。よくぞ主税を信じてくれた、身体をいとえよ、そう声をかけてくれた内蔵助の目が潤んでいることに感極まった小平太は、江戸への帰路についた。

斬ること叶わずおぬいを逃した主税はその場で切腹しかけるが、小平太の先の言葉が(低音ボイスで)頭を過ぎって断念。項垂れて戻った息子を、それで良いのだと内蔵助は慰めた。「小平太は、そなたにとっては唯の同志以上の男。粗末に思うでないぞ」――。

*そんなに大石親子に重宝されていいんですか小平太さん、な回。しかしこの設定がきっと討ち入りの土壇場で効いてくるんだろうなあ。ちなみに脚本の西沢裕子さんは、後にあの「兇悪のおかあさん」なども執筆されている。

*「信じておりますぞ」=おぬいを必ず斬れよ、なのかと最初は思ってしまったが、彼女を斬る・斬らないに関わらず、主税がその場の激情に任せて間違いを犯さぬよう「信じておりますぞ」だったのか、と分かってご城代同様涙目に。

| http://www.amachi.info/blog/index.php?e=416 |
| TVドラマ(時代劇)::ああ忠臣蔵 | 12:43 AM | comments (x) | trackback (x) |
雲霧仁左衛門 #10
「卍どもえ 色と盗みのテクニック」(1979年・S54・9月4日OA)

ワンマンな豪商・越後屋善右衛門(伊沢一郎)に接触中の雲霧一党の富の市(荒井注)は、店で知り合い、家まで押し掛けてきた青物売りのおかね(弓恵子)に本気で惚れてしまった。しかしおかねは夜兎の文蔵(上田忠好)を頭と仰ぐ引き込み役。最後の勤めを越後屋と定めた年老いた文蔵のため、主人と親しそうな富の市に近づいてきたのだった。熊五郎(谷隼人)の指摘で彼女の正体に気付く富の市だが、惚れた弱みで始末できない。

ある夜、おかねは富の市が描いた店の見取り図を見てビックリするが(まさかご同業だとは知らなかったらしい)、それをくすねて仲間の富三(大貫達也)に渡した。ところが富三は時代遅れのお頭を裏切り、見取り図を畜生働きし放題の鳩栗の大五郎(福山象三)への土産とする。文蔵を切り殺す富三。と、そこへ大五郎一味を追っていた火盗改めの面々が現れ乱闘になる。居合わせたおかねは、彼女を殺せなかった富の市の代わりに後をつけていた利助(江幡高志)に救われた。

雲霧仁左衛門(キリリとした侍鬘と着物の青が眩しい天知茂)とお千代(すっかり甲斐甲斐しい恋女房:大谷直子)の前に連れて来られたおかねと富の市。雲霧のお頭の仕組みだとは知らなかった、覚悟は出来ておりますと言うおかねに抜き身を向けるお頭。あんたが本当に好きだったと打ち明けられた富の市は、切るなら私も一緒に、と彼女に覆いかぶさる。その姿に(というより元より斬る気ナッシングだったらしい)お頭は刀を納め、快くおかねを仲間に引き入れると、部下に文蔵の仇・富三の始末を命じた。

富三はおかね達の手にかかった。そして越後屋に押し入ろうとしていた鳩栗の大五郎一味は、アジトを嗅ぎつけ駆け付けた山田藤兵衛(高松英郎)らによって一網打尽(=皆殺し)に。今回は火盗改めに先を越されて面白くなさそうなお頭だが、おかねと富の市の仲睦まじい様子を覗き見して笑みを見せるのだった。

*1話以来御無沙汰だった注さん、ギャグなど飛ばし気味だった1話と比べてかなり真面目。

*鳩栗の大五郎一味、三重扉+からくり仕掛け(らしい)越後屋の金蔵を襲いそこねて捕まるのかと思ったら、バイオレンス志向の火盗改めにやられてしまった。おかげでお頭は無駄な殺生をせずにすんだ上に越後屋襲撃計画がばれずにすんだが、せっかく左門さま・剣さんレベルの侍スタイルだったのに、活躍がなくて残念だ。

| http://www.amachi.info/blog/index.php?e=380 |
| TVドラマ(時代劇)::雲霧仁左衛門 | 12:01 AM | comments (x) | trackback (x) |
PAGE TOP ↑