2010,02,25, Thursday
『薔薇合戦』(1950年・S25)
会社乗っ取りに失敗した挙句に病死した夫の後を継ぎ、パトロンの助けを借りて新会社を設立した真砂(三宅邦子)には2人の妹がいる。やり手かつ男前の宣伝部長・園池(鶴田浩二)に心ひかれながらも、姉の言いなりに社員の日夏(永田光男)と結婚する雛子(若山セツ子)、自由意思での“試験結婚”と称して雑誌記者の江島(大坂志郎)と同棲生活を始める千鈴(桂木洋子)。大なり小なり上り調子の三姉妹だったが、やがてそれぞれが関わる男のために破滅が訪れ…(最後は、鶴田さんが美味しいとこどりする)、という展開。 この映画にノボル君19歳が出ている根拠は、1983年放送のトーク番組「素敵なこの人」で、当時のノボル君から貰ったという手紙を同級生が持ってきて、その中にこの作品に出ている旨が書かれていたことに因る。…なので、どこかにいることははっきりしているのだが、例のごとくコレと確定するには至らなかった。 【それっぽいが決定打に欠ける人たち】 ・その1(真砂さんの化粧会社の社員) ・その2(同じく社員。だがこの角度になると自信なし) ・その3(試写会に来た青年。パンフを見ているお兄さんもそれっぽいが、メイクが濃すぎな上に顔を上げるとかなり別人率アップ) ・その4(バーテン。ちょっとふっくらしすぎているので、こちらのビアガーデンのお兄さんの方が妥当かもしれない)
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2009,11,07, Saturday
『怪塔伝』(1951年・S26)
八大将軍吉宗を狙撃し失敗した尾張の2人組。不憫に思った尾張公はそれぞれの子供(男と女)が成人した暁には二人を夫婦にし、男子を一万石にて尾張藩へ復帰させる、という秘密のお墨付きを残した。18年後、5枚の地獄絵の中の1枚に隠されているというお墨付きの在り処を巡って、件の遺児・芳太郎(鶴田浩二)と、それを横取りせんとする白塔一族の死闘が始まる! この映画を出演作品に入れたのは、ワイズ出版の「天知茂」に収録されている本人の日記(S26年2月9日から4月5日まで)の中に「丸根組」という言葉があり、丸根監督が松竹下加茂で撮った作品で時期的に合致するのはこれしかない、という理由からである(同じく「海を渡る千万長者」も、日記の「斎藤組」云々の記述から)。内容を抜粋すると 2月24日…とのことで、この後は名古屋に戻り(この時期に新東宝ニューフェイスに応募している)京都を引き払っているので、出ていれば下加茂最後の作品のはず。しかし、クライマックスの折原啓子さんの婚礼シーンで背後に座る白塔一族の面子にそれっぽいのがいるようにも思うだが、例によって判別不明だった。
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2009,10,02, Friday
『新釈 四谷怪談 (前・後編)』(1949年・S24)
おそろしく小心者で自滅する伊右衛門(上原謙)、元・茶屋女で伊右衛門に「別れないで~!」とすがりついて蹴飛ばされて熱湯に顔を突っ込むお岩(田中絹代)、お岩恋しさの余りストーカーになってる小平(佐田啓二)など、古い映画なのになんだか新鮮で、goo映画の粗筋よりも派手な炎のクライマックスといい、さすが“新釈”だけのことはあった。 天っちゃんがこの作品に出ている(映っている)という根拠は、ワイズ出版「天知茂」で勲兄さんが「この映画の冒頭の『御用!御用!』シーンで水被って肺炎に」云々という発言だけで、どうも件の『御用!』は「影法師」(レビューはこちら)である可能性の方が高そうなので、いるかどうかは不明(例によって『御用』シーンは暗くて顔の判別は出来なかった)。 ただ、勲兄さんの奥様の友人が木下恵介監督の下でチーフ助監督を務めており、そのツテで松竹下加茂に入れたという経緯があるので、この木下作品のどこかでウロチョロしていても不思議ではない。といっても、群衆シーンはほんとに人が画面に溢れているので、探しにくいことこのうえないのだが。 *(2009.11.8追記)1983年放送のトーク番組「素敵なこの人」によれば、肺炎に罹ったのは「夏の暑い時期でね」とのこと。つまり勲兄さんの言葉通り、7月公開の本作品がそうなのかもしれない。
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2009,09,13, Sunday
『影法師 寛永寺坂の血闘/龍虎相搏つ』(1949年・S24)
*続編「龍虎相搏つ」の公開は1950年 幕府の御金蔵が破られ、蔵番の宇津木が切り殺された。同僚の仙波龍之介(阪東妻三郎)は、ほのかに思いを寄せていた宇津木の妻・千賀(入江たか子)のためにもと下手人探しに奔走する。やがて市中に出回るニセ小判。すべては幕府を牛耳る柳沢一派の命を受けた小山田鉄心(山村聡)が浪人たちを集めて仕組んだことであった。 その小山田一味の中に、仙波そっくりの影法師・天堂左近(阪東二役)がいた。横笛と黒猫を友として悠然と構え、小山田のやり口に不満を漏らす根っからの悪党ではない天堂に、仲間のお夏(山田五十鈴)は恋心を抱いている。 やがて敵味方として相対する仙波と天堂。ふたりの決着、そして恋のゆくえは…? はたして柳沢一味の野望は潰えるのか? *ワイズ出版「天知茂」で薫兄さんと勲兄さんの記憶が食い違っている「『御用!』の仕出しで水をかぶって肺炎に」エピソードの作品名、公開時期から撮影時期を推測すると、7月の「四谷怪談」(勲兄さん説)よりも、吐く息が白かった薫兄さん説の本作品ではないかと思われる。実際、続編「龍虎相搏つ」のクライマックスで、雨の中の「御用!」シーンがあるのだが、兄さんたちが言うように、暗くて顔なんかとても分からなかった。ただ、人がわんさかあふれている日中のお江戸の町が随所に映るので、そこを探せばいるのかも。 バンツマさんを兄のように慕う鶴田浩二さんがいたり、山田五十鈴さんの帯を「あ~れ~」とくるくるほどく山村聡さんがいたりする映画で、どこにいるのかすら分からないノボル君18歳。彼らと堂々と渡り合えるようになる2~30年後を考えるとこれもまた感慨深い。 *(2009.11.8追記)1983年放送のトーク番組「素敵なこの人」によれば、肺炎に罹ったのは「夏の暑い時期でね」とのことだった。ということは、こちらではなく7月公開の「四谷怪談」の方なのかもしれない。
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2008,09,12, Friday
『風雲金比羅山』(1950年・S25)
妹夫婦に会うため、5年ぶりにこっそり帰郷した凶状持ちの渡世人・すっ飛びの安(阪東妻三郎)。様変わりした故郷では性悪網元の長右衛門(山路義人)がシマを仕切っており、安が惚れていた元親分の娘と所帯を持った与助(黒川弥太郎)は、気弱な性格と安への劣等感が災いしてか長右衛門の言うなり。偶然、安と知り合った長右衛門の妾おしん(山田五十鈴)は彼への気持ちを募らせてゆくが、安は愛する弟を殺した張本人なのだった…。 さて、松竹下加茂でエキストラとして奮闘中のノボル君19歳(「日本映画人改名・別称事典」によれば、芸名は「天知茂松」←後の「天知茂」が公募で採択された名前であることを考えると少し眉ツバな気もするが)は、“子供中”と書かれた灯篭の横で友人と盆踊りを見ていて(その左側に五十鈴ねえさんがいる)、長右衛門の子分たちがわらわらと乗り込んできたときに「やべっ、ヤクザが来ちゃったよ」ってな顔でそうっと場所を移動していたほっかむりの見物人。ワイズ出版の写真集にちゃっかり映ってるスチールがあったおかげで探しやすい上に、右端ながら画面の一番手前にいるので分かりやすかった。
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