2010,08,14, Saturday
赤ん坊夫人 (1969年・S44・8月5日〜9月9日OA:全6回) KTV 22:00-22:45
【京マチ子で「赤ん坊夫人」】(以上、1969年7月11日付読売新聞より引用) てれび街 【巨犬ノイローゼ】(以上、1969年7月29日付読売新聞より引用) *放映リストはこちら *シリアス連ドラ「さすらい」や小平太さん@ああ忠臣蔵と同時期に演じていた犬の散歩係。いい息抜き?になっていたのかもしれない。
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2010,08,12, Thursday
『神州天馬侠』第三・四部(1955年・S30)
第三部 火ごま水ごま 呂宋兵衛(るそんべえ:江川宇禮雄)たちの罠にかかり、武田家再興のための大事なお宝のひとつ、短刀・三日月丸を奪われてしまった伊那丸(藤間城太郎)一行(咲耶子:川田孝子、忍剣:細川俊夫、木隠龍太郎:天知茂)は、冒頭からいきなり水責めの憂き目に。何か策は無いのか、忍法は使えんのか龍太郎!(使えません)とやきもきしていると、頼もしい蔦鳥(藤間紫)姉さんが現れて事なきを得る。 しかし、もう一つのお宝、系図の巻物は、伊那丸サイドの竹童くんと敵方の蛾次郎くん、ふたりの大鷲クロ争奪戦の合間に第三者の手に渡ってしまった。泥棒市まで辿ったものの、大事な巻物は既に謎の旅僧3人に買われた後。彼らを追う伊那丸たちは、同じく巻物を追いかける呂宋兵衛たちと鉢合わせそうになるが、団扇太鼓を打ち鳴らす謎の集団(ボス・辰巳柳太郎!)に遮られるのだった(つづく) *側にひっそり控えているだけで(一行での移動時はいつもしんがり)アップも台詞もごく僅かな龍太郎(僅かなアップはこちら)。力仕事や伊那丸くんの心身サポートは主に忍剣、忍術合戦は蔦鳥姉さんの独壇場なので、何の要員なんだかいまいち不明な使われ方だった。 *海賊たちが「南蛮おどり」(by 二葉あき子)を歌い踊るシーンがとっても新東宝らしかった。 第四部 天動地変 巻物を持った旅僧を襲う呂宋兵衛たち。だが再び団扇太鼓集団が現れ、伊那丸一行も交えて乱闘に。ここでやっと剣の達人たる活躍を垣間見せてくれる龍太郎だが、ひと言の台詞もないのにやたらと存在感を振りまいて死んでしまった厳徹 (辰巳柳太郎)の前ですっかり霞んでしまう。 旅僧の正体は伊那丸の父・勝頼(尾上九朗右衛門)だった。ところが無事に巻物が手元に戻った頃、留守番をしていた咲耶子ちゃんが攫われてしまい、呂宋兵衛たちから巻物との交換条件を持ちかけられる。単身で敵地に向かったのはなんと龍太郎(最大の見せ場だが、ラーメン柄の着物が気になる)。巻物を手渡した途端、咲耶子ちゃんが蚕婆(武智豊子)に変身、わらわらと現れる手勢。危うし龍太郎!でも美味しい場面じゃないか、と思っていたら伊那丸と忍剣も助太刀に現れた(残念)。それでも腰の据わった殺陣で2番手ボスを一騎打ちの末に倒して役目を果たすのだった。(あとは再びひっそり組) *今までの稽古の成果が出ているような気合いの入った殺陣が拝めて満足。でもこの後、またしばらく「仕出し」に戻っちゃうのが残念である。ラーメン柄が悪かったのか?(違う)
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2010,08,07, Saturday
『検事とその妹』(1956年・S31)
(台本を入手) 苦学して検事になった矢島健作(丹波哲郎)は、自分を支え続けてくれた妹の明子(日比野恵子)の幸せだけを願っていた。そんな彼女が近々結婚することになり、兄貴としては嬉しさ半分、寂しさ半分の複雑な心境だ。 フィアンセは健作の学友の弟で芝野秀雄(天知茂)、県河川係長26歳。4シーン目あたりから、明子の腕をとって自動車に乗せて料亭へ、という流れになり、新居の設計図を拡げながら「ハハハ…」と嬉しそうに細かい間取りを決める秀雄、「こっちにいらっしゃい」と明子を隣の席に誘おうとしてモジモジされると「明子さんは純情なんだなあ、ハハハ」とそれきっと胡散臭いんだろうなと想像したくなる笑い声を何度もあげて盛り上がっている男である。 しかしその秀雄が、土木工事で賄賂を貰っていたことが判明する。妹のために揉み消そうかとも考えるが、死人まで出た重い事件ゆえ苦悩しながら正義を貫くことを決心する健作。そして事件を知った実の兄貴(中村彰)から馬鹿モン!と怒鳴られた秀雄は 「…す、すみません(泣きかけて)ぼ、僕あ、出来るだけ早くあの人を仕合わせにしたかったんです…」 とうなだれてポロッポロッと泪を落とすのであった。 このあと取調室で義理の兄貴(予定=健作)から「名前は?」と尋問されるシーンがあるが、物語のメインは健作が担当する別口の姉弟愛(筑紫あけみ&北原隆)事件なので、秀雄はそのままフェードアウトしてしまうようである。そして刑に服すことになる秀雄を3年でも5年でも待つわ、とけなげに誓う明子に「そうか。少し弱かったけど、秀雄君もほんとうはいい人間だからなあ」と健作が励ましておしまい。 *悪人ではないがヘタレ度が高そうな秀雄くん。丹波さんの取り調べにびびっている図など見てみたいものである。
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2010,07,05, Monday
#14「兇悪の愛」(1973年・S48・7月5日OA)
夜、非番の会田(天知茂)が帰宅すると玄関にはパトカー横付け、部屋では捜査1課の連中が主の帰りを待ち構えていた。半年前に彼が威嚇射撃で頭部に傷を負わせ逮捕した北見(高橋長英)が、刑務所から脱獄したのだという。その後遺症のためか狂っているという北見から会田を保護しようとする橘(渡辺文雄)の指示だったが、「自分の頭のハエくらい、自分で追える」と会田はさっさと部屋を抜け出し、独自に捜査を進める。 看守に話を聞いた会田は、北見の傷は治っているが時折神経発作を起こしていたこと、唯一人面会に訪れたのは、彼が射殺した大須賀刑事(山口譲)の妹、京子(ジュディ・オング)だったことを突き止め、京子のアパートを訪ねた。船会社に勤めていた彼女は、外国航路の機関士だった北見と知り合い恋に落ちたが、北見は兄の命令で密輸グループに囮として近づくことを強要され始め、それを断ろうとして揉み合う内に撃ち殺してしまったらしい。「あの人を犯人に仕立てたのは警察よ!」囮捜査を隠すために証言を封じられたと慟哭する京子。 その北見がアパートから京子を拉致。「檻をやぶった野獣には、それ相応の手段がいる…たとえ銃を使ってもな」あくまで完全逮捕(=生け捕り)を目指したい橘に、会田は手遅れだとにべもない。事実、逃げる途中で警官を撃つという最悪の行動に出た北見は、京子を連れて標的・会田のマンションへ。会田は自ら囮になることを決意し、北見の残弾3発が無くなるまで手を出すなと橘を牽制する。 単身自室に入り、まず1発を消費させた会田は「大須賀刑事は点数を上げるため強引にお前を巻き込んだんだ…妹を使ってな。」と単刀直入に真相を語り始めた。いいのかこの状況でそんなヤバいことばらしちゃって、と我々視聴者が戸惑う間もなく、唯一信じていた女性との出会いまでもが仕組まれたものだと知り当然のごとく京子に銃を向ける北見。だが、「撃っていいのよ」と涙を浮かべる彼女を見ている内に発作が起き、みんな殺してやる!と2発目を会田方向にぶっぱなし暴れたところを京子と揉み合い、3発目の銃声が。胸を押さえて倒れたのは北見だった。自分の手の中の銃が愛する男を殺したと知り、こめかみに銃口を当てる京子。だが弾はもう残ってはいなかった。 駆け込んだ橘たちに「俺が撃った」と銃を渡し部屋を出た会田(昭和ブルース3番開始)。その背後で、京子の叫び声が聞こえる。 ――嫌いよ、警察なんて、大っきらい! *第2シリーズ#9「兇悪の口紅」でも複雑な心情を吐露するヒロインを演じたジュディ・オングさん。5年後の「黒水仙の美女」(1978年)でもさほど変わらぬ美貌だった(そして今現在もお綺麗な)老けない人である…というより、天っちゃんの変化が激しいのか? *記者のリサちゃん(小牧リサ)は会田のマンションの階下に住んでいるらしい
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2010,06,21, Monday
#13「兇悪の化粧」(1973年・S48・6月28日OA)
OPテーマ曲が途中で途切れるといきなり舞台は夜の銀座。本日開店のクラブ「エリーゼ」に現れたコワモテ男は、張り切るママ・秋代(安田道代)にその兇悪な視線を注いでいる(というあたりで再びOP曲再開)。 翌日、刑務所へ面会に出向いた秋代に、グラサンで兇悪さを増したコワモテ男がまたしても接近。彼女の夫・高津(入江洋祐)が2年前、酔っぱらった勢いで国土庁幹部を刺殺し5年の軽い刑期を受けたことなどをねっとりと口にして付きまとうイヤミなコワモテ男に業を煮やした秋代は、店のスポンサーである菊池(森塚敏)に連絡。チンピラ連中を軽くあしらった男をホテルに招いた菊池は「ママに付きまとうな」と300万を渡そうとするのだが、相手は特捜部の刑事(もちろん会田:天知茂)だっただけに、とんだ墓穴を掘ることになった。 菊池は国土庁幹部が死んだことで得をした住宅会社の総務部長、そしてその背後にいるのは丸菱不動産。矢部警視(山村聡)は「また女をいじめんですか…」と機嫌が悪い会田(コワモテはともかくイヤミは演技だったらしい)に適役だろと引き続き捜査を続行させる。性懲りもなく店に現れる会田を自宅に招いた秋代は魅惑の太ももをさらけ出して色仕掛けで迫り、カメラマンにスキャンダル写真を撮らせようとしたが、動じる相手ではなく失敗した。 ところが菊池が国有地払い下げのカラクリをばらされたくない何者かに狙われ重傷を負い、会社への忠義のためか、まもなく舌を噛んで自殺した。次の標的は秋代だと悟った会田は、刑務所の高津に証言を促す。そして高津が吐いたと知り「アタシはどうなんの、あの店はどうなんの!」と自己チューの塊と化して取り乱した秋代をビンタした会田は、黒幕の丸菱不動産の手入れに踏み切った。 秋代は三流バーのホステスに逆戻り。ある夜、一緒に飲みたくて、と店を訪れた会田に「笑わせないでよ、人の幸せぶちこわしといて!」と水(酒)をぶっかける秋代。そんな彼女に哀しい瞳を向けて、会田は黙ってバーを去る。 ――彼女の亭主が殺人を犯したのも、これで無意味となった。 あの男と女の人生を、この俺が踏みにじってしまったというのか―― (昭和ブルースは4番) *どこかデジャヴが漂うなあ、と思ったら第3シリーズでリメイク版を先に見たんだった(#9「兇悪の化粧・総選挙殺人事件」)。最後に「俺が悪いんだ」と呟いた会田(第3)と、無言で去った会田(第1)。思っていても口には出さない会田が第1シリーズにはふさわしい。
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2010,06,14, Monday
「浪人街の決斗・諏訪」(1971年・S46・2月1日OA)
太鼓の音が湖に心地良く響く諏訪にて。祭りの準備にいそしむ若人の輪にフレンドリーに加わるひとりの浪人がいた。沖山船十郎(天知茂)と名乗るこの侍、信濃屋に投宿してからどうやら20日も宿賃を滞らせているらしいのだが、俺は一刀流の免許皆伝だから用心棒をしてやろうと豪語、自ら呼び込みをかって出て隠居連れの3人組(東野黄門様&杉良助さん&横内格さん)を引っ張りこんでマメに働くそぶりをみせる。事実、財政を助けるためと称して賭場を公然と開き賄賂を取り込む地元藩のせいで、胡散臭い輩がたむろする“浪人街”と化していることに憤懣やるかたなかった領民たちは、彼に浪人の一掃を依頼する。一方、国家老は、江戸の若殿が放った殿直属の隠し目付が既に諏訪入りしていると知り、もしやアイツが…?と船十郎に疑いの目を向け始めていた。 賭場に行ったまま帰ってこない弟を心配する信濃屋の女中・おひさ(二本柳俊恵)に自慢の三味線とノドを披露、良い仲になりかけの船十郎は、彼女が借金のカタに賭場の元締に連れ去られようとするところを助け「俺が行ってやる」と請け負った。♪沖山〜船十郎は〜良い〜オ〜ト〜コ〜、と確かにそうだけど自分で言うな、な歌を披露しながら歩いていると、隠し目付かどうか確認にきた藩士たち(北町嘉朗さんら)が斬り込んでくるのだが、へっぴり腰でオタオタする船十郎を見て「んなワケないよな」と笑って去る(それを見ていた領民たちの評判もガタ落ちに)。 ただ、江戸からの密書第2弾で隠し目付の名前が「カク・ヨシロウ」だと知らされた彼らは、船十郎を助太刀にきた2人組(=助&格)の一人が「カクさん」と呼ばれていたことを思い出し、もしやあれがそうか!と今度は格さん懐柔作戦に出て、面白がった御老公もノリよく対応。 おひさの弟・仙太がすった五十両を取り返すんだ、俺は名人だから心配するなと、賭場でサラシふんどし姿(なぜ脱ぐのか)になって大小だけでなく命まで賭けて張り切る船十郎だが、名人どころかド素人ゆえ借金を倍に増やして敗北。だが負けてもちっとも動じない彼は、「鬼頭七十郎(漢字は当て字:天津敏)という浪人が借金を払ってくれるはずだ」と平然と言い放つ。賭場の用心棒である当の鬼頭は知らぬと言うが、船十郎は鬼頭がここにいると知っただけでなぜか満足するのだった。 懐柔を拒んで消されかけた格さんを逃がす船十郎。そんなとき、戻らぬ彼らが心配だったおひさが自ら元締めのところへ出向き、お蔭で仙太と船十郎も救われた。実はあの格さんは本当のカク・ヨシロウなんだぜ、と元締めに嘘八百をチクる船十郎に、自分さえ助かったらそれでいいのかとビンタをくらわせたおひさは、自分の男運の無さを嘆く。 だが、宿に戻った船十郎は何やら書状をしたため、「私が死んだら江戸の諏訪屋敷に届けてほしい」と御老公に手渡した。その裏書きには「加来輿四郎」の文字が――本物の隠し目付である彼には、どうしても斬らねばならない相手がこの諏訪にいたのだ。格さんめがけて押し寄せた連中を、助さんに借りた脇差で片っぱしから斬り倒す船十郎(助さん格さん、見てるだけ)の前に、その相手・鬼頭七十郎が姿を見せる。「鬼頭、貴様に犯された妻はな、膝をくくって自害した…!」仇討ちのため、同じ道場で3度挑戦してその都度敗れた宿敵に挑んだ船十郎は、やはり強い鬼頭に刀を飛ばされながらも真剣白羽取りで耐え抜き、相手の脇差を奪って見事初勝利をあげた。 身分を明かして(第2部当時は印籠なし)国家老にお灸を据えた御老公一行の出立の日。船十郎から江戸行きを誘われていたおひさは、妻の仇を討つためにここへ来て、念願を果たしたばかりの彼に着き従う自信がないと宿に残っている。街道で御老公に別れを告げた途端、一目散に信濃屋へと戻ってゆく船十郎の後ろ姿を、一行は微笑ましく見守るのだった。 *後にも先にもこれ1話だけの水戸黄門出演回の脚本は宮川一郎さん。淡野右近@大江戸捜査網、新堂左馬之助@柳生十兵衛と合わせてこの時期に前後しているお気楽浪人キャラ3人組(勝手に命名)のひとり(実は同時期の一学さん@大忠臣蔵も浪人時はそれっぽいキャラだと思う)。お人よしでちょっとおっちょこちょい、でも実は誠実なデキる男、という役柄をのびのびと演じているのが面白い。歌うし脱ぐし(脱ぐのは余計)、ペタンとお尻を降ろして刀を振り回すヘタレな殺陣や、同じくほぼ倒れながらの最後の真剣勝負など見どころ多し。
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2010,06,11, Friday
あっさり脱ぎすぎた川口小枝 (以上、週刊現代 1966・S41年10月27日号より引用 *資料提供:naveraさん) 男泣かせる超グラマー (以上、デイリー 1966・S41年9月30日号より引用 *資料提供:naveraさん) *初の企画映画だというのに、未だにお目にかかる機会がない幻の作品(2010年6月現在)。先日、原作を読んでみたところ、「冬の曇り空」と称されるような、とある暗い過去ゆえに翳を背負う主人公・新田が“自分と同じ翳を持つ”部分に惹かれるその該当女性が、葉子ねえさんもビックリなダイナマイト・ボディーの物怖じしない小枝チャンに変わっているわけだから戸惑うのは無理はないと思った(週刊現代での天っちゃんのコメントが大いに頷ける)。…しかし原作では彼女とはベッド・インしないんだけど、やっちゃったのか? それともまた(「新宿25時」のように)宣伝だけなのか? そのあたりも含めて気になる作品である。 *(2011.6.20追記)映画をようやく鑑賞できた。
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2010,06,08, Tuesday
『肉体女優殺し 五人の犯罪者』(1957年・S32)
ロック座で殺人事件――。何者かがすり替えた新聞の予告広告通り、踊り子の千鳥(北令子)が舞台上で射殺された。ベティ(三原葉子)が撃った小道具のピストルが本物にすりかえられていたのだ。なさぬ仲だった千鳥の夫の徳島(大江満彦)が逮捕されるが、兄の無実を信じる妹・かほる(三ツ矢歌子)の懇願に、新聞記者の西村(宇津井健)は一肌脱ぐことを決意する。 千鳥が麻薬常習者だったことから、ヤク絡みの事件ではないかと見当をつける西村。ところが、鍵を握っていそうなベティが舞台から転落死してしまい、ロック座にヤクを流していた船上便利屋の森元(御木本伸介)も水死体で見つかった。 そんな中、殺人現場や西村の行く先々に胡散臭くうろちょろする黒ぶち眼鏡の貧相な男がいた。ロック座の振付師・天野(天知茂)である。かほるに偏執的かつ変質的なダンス・レッスン(「ワン・ツー・スリー・フォー!ダウン・アップ・ダウン・アップ!ほら、もっと回した回した! フラフラしない!(延々と続く)」)を施して当然のごとくフラフラしたところを押し倒す(が、フラフラのかほるに一旦押し戻されかけるあたりの華奢さも見逃せない)この天野、ヒーロー然と現れた西村に「君はどこかが狂っている。これ以上自分で自分の運命を狂わせないほうが賢明だ」とヒーロー然とした説教(どこかどころじゃない狂い方ですが西村さん)をパンチと共に喰らっても「狂ってんのは今の世の中さ。俺が知ったことじゃない」とニヒルに言い放つ大型悪人ぶりを見せつけるほか、いかにも怪しい奴でございな言動と悪人笑顔(画像参照)を撒き散らして期待させてくれるのだが、クライマックス間近で再びかほるちゃんを襲っているところをラスボス・関根(林寛)に撃たれてしまい、未練たっぷりに悶えながらもあえなく絶命。結局、ちょっと変態気味のパシリでしかなかったらしい。 *聞きしに勝る「ワン・ツー!」のインパクトだった。 *「犯罪者5人」って誰だろう。ラスボスの関根、パシリの天野と道化のハチノキ(小倉繁)、ベティ姐さん、森元?(ベティ姐さんは「肉体女優」も兼ねてる?)
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2010,06,03, Thursday
12時開演!あなたが主役!(1978年・S53・4月10日OA)CX 12:00-12:30
(1978年3月19日付読売新聞より引用) 【二枚目と共演☆あなたが主役よ】 (1978年6月9日付読売新聞より引用) 主婦がスターと共演 *天知回の映像(2本あるうちの1本。まだ倍率がそれほど高くなかったであろう1978年4月10日放送分?)をご厚意で拝見した(ありがとうございます>住田様)。桂三枝と水前寺清子がいるスタジオに、脚本・演出を手掛けた「非情のブルース」といういかにもなタイトル(でもあれは他局なので非ライという言葉は出ない)の台本を手にしてお相手と登場。お相手は芸者希望の37歳主婦の方。柔道初段・剣道三段の“猛者”であるためか、お辞儀の際の手のつき方が前でなく真横で「押忍!」ってな感じだった、なんていう裏話をスタジオで披露した後で映像が始まった。天知茂と37歳主婦共演の「非情のブルース」はこんな具合――(真似)。 ネオンきらめく夜の街にたたずむ刑事(ほぼ会田:天知茂)。とある料亭を見つめながら、内ポケットから取り出してデコピンしたのは指名手配犯・三枝五郎(=桂三枝)の写真。これから刑事は、逃亡中の彼がコンタクトを取ったであろう情婦の芸者に接触を図ろうとしているのだ。 部屋に来た芸者・豆奴(お相手)にお酌をしてもらい良い雰囲気になりながら、三枝の件をさらりと持ち出す刑事。驚く豆奴の耳元で、あの男には他に女がいる、君は利用されているだけなんだと囁く刑事に折れる豆奴。 そしてラスト、天っちゃん本人が歌っているっぽいブルース(「昭和ブルース」ではなかった)をバックに、空っぽの部屋で「生まれたときが悪いのか…」と脱力する豆奴と、外でタバコに火をつけながら「それとも俺が悪いのか…」と呟く刑事が映っておしまい。 ナレーションに北町嘉朗さんを配し、5分程度の映像ながら非ライ風に渋くまとめた作品に仕上がっていた。シロウト丸出しの豆奴さんを相手に会田演技をしてのけているところがさすがである。
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2010,05,23, Sunday
『早射ち犬』(1967年・S42)
東京で流しのギター弾きをしている鴨井(田宮二郎)は、シマを張る元・極道の九十九会の連中とやりあううち、姉を捜すエミ(嘉手納清美)の姉・文子(江波杏子)が九十九会にいることを偶然知るのだが、九十九会のナンバー2・原(成田三樹夫)は知らぬ存ぜぬを決め込んだ。 そんな折、アパート隣室に住んでいる、臨月の妻・玉子(坂本スミ子)を抱える白タク運転手・五郎(小沢昭一)が関西までの高額ドライブにありつき出発。ところが帰りに車は炎上、客の丸焦げ死体が見つかって五郎が指名手配された、との知らせが上京してきたしょぼくれ刑事・木村(天知茂)によってもたらされる。客とは九十九会の会長・白井金造(伊達三郎)で、原が本人と断定するのだが、鴨井には五郎が犯人とは思えない。 鴨井は家に戻ってくるであろう五郎を張り込む件を了承。身重の玉子にショックを与えぬよう、ひと芝居打つ鴨井と(打たされる)しょぼくれ。だが記者たちが押し掛けてきたことでしょぼくれは玉子に事実を告げた(動揺する玉子に動揺した鴨井のしょぼくれへの名言「こんなに気持ちが動いたら流産してまうやないか、もし流産してみい、お前がかわりに赤ん坊産めよ!」)。 ふてくされた鴨井の代わりに彼のアパートで張り込むしょぼくれは、実は白井の情婦で、麻薬に侵されている文子との面会を親切にもおぜん立て。鴨井は文子に会うが、何者かに射殺されてしまった。今わの際に彼女に渡されたドリンク瓶には強力な麻薬が――それは、アパート隣人のヒッジョーに怪しいオカマ男・咲田(財津一郎)も入っているらしい新興宗教の天心精霊会製のものだった。 その頃、五郎は追われつつアパート近くにたどり着いた。彼は白井に騙され、犯人に仕立て上げられたのだ。死んだのは白井の木偶人形だった天心精霊会の会長。その事実を鴨井に告げようとする五郎だが、九十九会の連中に拉致されてしまう。呼び出しを受けた鴨井はしょぼくれの手足に手錠をかけて敵地へ赴き、得意の早射ちで颯爽と一網打尽、無事五郎を救出して、白井のいる天心精霊会へ乗り込んだ。しょぼくれも駆け付けて会長のふりをしていた白井を逮捕、咲田は麻薬Gメンだったことも判明して一件落着。玉子の出産も無事に済んだ。 「鴨井…達者でな」「お前もいつまでも貧乏刑事しとらんと、少しは出世したらどうや」大阪へ戻るというしょぼくれの餞別に、2本のタバコに火を付け、1本を後ろを向いたままぐいっと差し出す鴨井。だが振り向くと、しょぼくれは既に歩み去っていた――。 *鴨井、東京出稼ぎ編。画面上からこてこて感が薄れたような気がするが、ダジャレ満載の台詞は絶好調(財津さんも絶好調)。そして、相変わらずじゃれ合いながらもクールな距離は保つ二人の関係が集約されているようなラストが素晴らしい。
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