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非情のライセンス 第2シリーズ #107
#159「約束」(1976年・S51・11月25日OA)

原木良江(奈美悦子)が切り盛りするブティックにヤクザ風の男たちが現れた。「望月はどこだ!」彼女の愛人、望月淳二(横光勝彦=現・克彦)が浅山商事から2億円相当のブツを持ち出し逃走したのだという。そのブツとはヘロイン。怒り心頭で部下に望月の行方を追わせているところへ、「望月に会わせろ」なんてことをわざと言ってくる厄介な刑事(=会田:天知茂)まで現れて、浅山(神田隆)は気が気ではない。

そんな折、ハマに水死体が上がった。望月のネーム入り背広を着ていた上に「あにきぃ〜!」と弟分らしきチンピラが死体に縋っていたことからガイシャは望月かと思われたが、顔が潰されていたため、会田はヘロインの事を知られたくない浅山による替え玉だと睨む。そのころ望月は良江のところへ姿を見せ、ヘロインを持ってどこか遠くへ逃げようと彼女を誘っていた。一度は死んだと思いウェディング・ドレスを引き裂いた良江(妊娠4か月)は喜んだものの、過去に怯え逃げ回ることに不安を感じる。

良江をマークしていた滝刑事(篠ヒロコ)は、利用されているだけではないのかと彼女を問い詰め、望月の居所を教えるよう迫るが、彼を信じる理由がある良江は頑なに沈黙を押し通した。望月は先輩ヤクザを刺した罪で5年ムショ暮らしをしていたが、その男を刺したのは彼女だったからである。それを浅山に知られ、出所後もヘロイン製造にこき使われていた望月は耐え切れなくなり逃げ出したのだ。

ヘロイン入りケースを持ち、望月との待ち合わせ場所に向かった良江。笑顔で彼女を迎えた望月。だが1発の銃弾が望月を貫いた。ケースを持って逃げようとした浅山の子分(「あにきぃ〜」と同一人物)は会田に取り押さえられたが狙撃され死亡。怒りに燃えた会田は浅山のビルに単身乗り込み、地下にあったヘロイン製造工場を壊滅させた。

良江は霊安室で、自らの5年前の罪を滝に告白した。だが同じく辛い過去持ち(#101参照)の滝は、彼と約束した通り、生まれ来る子供と幸せに生きなければ、と彼女を励ますのだった(昭和ブルースは1番)

*プレ紅林@特捜最前線(もちろんプレ議員)な横光さん、天っちゃんとの絡みはないが奈美さんとしこたま絡んでいた(文字通り)

*良江のブティックに男ひとりで入るのは気まずかったらしく、滝さんのお土産にブレスレット買ってる会田がちょっとかわいらしい。

*地下で試験管やらビーカーをガンガン撃ちまくる会田を見ているとなにやら思わず「カ・イ・カ・ン」というキャッチフレーズが頭をよぎった(機関銃じゃないうえに相変わらず兇悪な面相だったが)

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| TVドラマ(現代劇)::非情のライセンス2 | 10:21 PM | comments (x) | trackback (x) |
非情のライセンス 第2シリーズ #106
#158「黙秘」(1976年・S51・11月18日OA)

特捜部の取調室。ヘリコプターの模型をいじる堀刑事(財津一郎)の前で、小泉理沙(丘さとみ)は黙秘を続けていた。糸山金融の社長・糸山(加藤和夫)と共謀し、安価な壺に不釣り合いな保険をかけたあと、輸送ヘリを墜落させて多額の保険金をせしめた容疑がかかっている理沙。ヘリの操縦者の遺族に会わせて反応をみたりするが、「あれは事故でした」の一点張りでさすがの堀さんもお手上げ状態。

「ママに会わせて!」本庁の玄関で叫んでいた少年・マサルを見つけた会田(天知茂)は彼が理沙の息子と知り、彼女と対面させたほか、子供をダシに使うなんて…と苦い顔の堀を尻目に、「このおじさん見たことあるかい?」と糸山の写真を見せて理沙との関係を探ろうとする。

一方で堀は、理沙の高校時代の駆け落ち相手である元村一(清水幹生)の消息をたずね当てた。画家の夢が挫折した彼は糸山金融の社員になっていたが、理沙は知らなかったという。肺がんで余命いくばくもない元村に会いたいのなら保険金詐欺の真相を吐いてくれ、と長期戦で迫る堀だが、てっとりばやく理沙を元村の入院する病院まで連れて行った会田は、意識が混濁している元村の前で「お前たち3人が共謀したんだな、そうだな!?」と自白を強要。罪を暴くためには子供でも病人でも利用するのかと非難する堀に「人間には、手錠をかけて裁きの場に引きずり出さなければ、自分の犯した罪に気がつかん奴もいるんだ!」と言い放つのだった。

しかし理沙は余計に態度を硬化させ、事情を知るヘリの整備工をも事故死させた糸山は海外に飛ぼうとしており、タイムリミットは5時間。万事休すかと思われたとき、会田は「あとひとつだけ方法がある…」と呟いた。その最後の手段とは、マサルの誘拐をでっちあげること。息子が誘拐されたと聞いた理沙は激しく動揺、そこを突いて、堀はなんとかヘリ事故の真相を白状させた。糸山金融で借金の取り立てをしていた落ちぶれた元村をもういちど立ち直らせるために金が必要だったという理沙だが、最後まで元村の関与を否定し続ける。なぜならマサルは元村の子供だったからだ。語り終えた理沙の元に、会田が保護していた息子が戻ってきた。その直後に元村の死を知らされ、彼女は泣き崩れた。

「会田さん、わしゃぁ、こんな落としはもう二度と…」
焼き鳥を焼きながら苦いビールを呷る堀を前に、会田もまた酒の苦さを噛みしめていた(昭和ブルースは1番)

*捜査令状なしにヤーさん事務所をぶっつぶすとか、娘を殺そうとした兇悪なオカンを射殺するとかならまだ許せるとしても、正直それはアカンやろとツッコんでしまった今回の作戦。状況証拠じゃないから、そこまでして自白させても意味がないのではなかろうか…というより、子供を誘拐して母親を脅しましたという時点でアウトだ。矢部さんも笑ってる場合じゃないよ!(「そげんことは彼女に聞け!」なんて堀さんの長崎弁がうつってる場合でもないよ矢部さん!)

*財津さんのイレギュラーな動きをみてると、いい人なのになんだか会田より兇悪そうで怖かったりもする(やはり#3の印象が強いのか)

| http://www.amachi.info/blog/index.php?e=190 |
| TVドラマ(現代劇)::非情のライセンス2 | 10:22 PM | comments (x) | trackback (x) |
非情のライセンス 第2シリーズ #105
#157「美智子」(1976年・S51・11月4日OA)

ハマの港署刑事・稲山(遠藤剛)の自宅マンションへ呼ばれた会田(天知茂)。お互いに自己紹介し、さあ用件は、というところで「あなたに来ていただいたのは、死んでもらうためです」と稲山がいきなり発砲、会田は直後に入ってきた女性を庇いながら彼を射殺する羽目に。ところがその女性・保険外交員の白川美智子(赤座美代子)は「アタシはっきり見ました。先に拳銃を抜いて撃ったのはあの人(=会田)です!」と証言。正当防衛だという会田の言は却下され、一課の橘(渡辺文雄)に手錠を掛けられてしまう。

稲山に接触したのは、彼が今回の撲滅ターゲットである暴力団・港南組の顧問を務めていた(つまりヤクザとツルんでいた)ためだった。だがそれを橘には言いたくない会田は現場検証の際、隙をついて逃走。カジュアルな青の上下&青グラサンに身をやつし(ズボンにはMボタン付き)、偽証した美智子に会って問い詰めるが、稲山に惚れていたらしい彼女は「あんたなんかネズミのように逃げ回って苦しめばいいんだわ!」ととりつくしまもない。

それならと本命の港南組組長・郷津(近藤宏)に脅しをかけに行ったものの、警察に敵意を抱くドヤ街の連中をけしかけられピンチ到来。運よく(というより、たぶん電話で会田の居場所を知った矢部さんの配慮で)パトカーが駆け付けて事なきを得たが、橘に再びガチャリと手錠で捕縛された。と、そこへ美智子がすさまじい形相で現れて「あんたのせいよっ!」と会田をビンタ。何か喋られてはマズいと思った郷津が美智子の幼い娘を拉致、彼女に自殺を迫っていたのだ。

俺なら娘を1時間以内に救うことができる!と力む会田に根負けした橘は手錠を外して協力を依頼。会田は港南組のチンピラを締めあげて娘の居場所を吐かせて彼女を救い出し、それを知った美智子は涙ながらにようやく偽証を認めた。翌朝、いつもの戦闘スーツにパリッと着替えた会田は、女性たちを海外に売り飛ばそうとしている郷津一味を現行犯で逮捕。ほんのりイタズラ小僧っぽい表情で「お返しだ」とばかりに自分にガチャリと手錠を掛け犯人をぐいと引き渡す会田に、橘も苦笑しながらされるがままになっていた。

もう一度会っておわびがしたい――。美智子の手紙で待ち合わせ場所まで出向いた会田だが、彼女の姿だけを確認して静かに踵を返すのだった(昭和ブルースは1番)

*ラストの会田の行動は、稲山さんの代わりに保険に入らされるのがイヤだったからじゃなくて(当たり前)、稲山を心から愛していた美智子の前に、彼を図らずも殺してしまった自分が再び姿を見せるのは…という躊躇だったとみるべきだろうか。

*「いいから帰って来い。悪いようにはせん」「良いようにもしてくれないでしょ」ってな電話のやりとりも軽快な特捜上司と部下。会田が逮捕されたと知って家にも帰らず心配してるのに、「あいつには愛想が尽きた、いっそ死刑にでもなってくれたら大助かりさハッハッハ」と橘班長さんに笑ってみせる矢部さんのわざとらしさがなんとも微笑ましかった(ばればれです部長)

*「あなたが娘を(救ってくれたの)?」という美智子の問いに黙って照れくさそうにしてる会田を見て橘さんが過剰なまでのフォロー「そう、命がけでね」(いや、単にチンピラどついてただけに見えたんだけどなあ)この二人もますます良い味。

*しかし、会田の私服姿はなんであんなに兇悪なのか。

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| TVドラマ(現代劇)::非情のライセンス2 | 10:23 PM | comments (x) | trackback (x) |
地獄の左門 十手無頼帖4
地獄の左門 十手無頼帖4 声を盗まれた娘(1984年・S59・3月15日OA)

初登場の気合い十分のテーマソング(作詞:川内康範、作曲:吉永豊の「吹きだまり」。歌はもちろん天っちゃん)を引っ提げて地獄の舞を披露してくれていた神山左門さま(天知茂)は、深編み笠で江戸へ急ぐ途中、黒覆面の男たちの襲撃を受けた。左腕をざっくり斬られてフラついていた彼の難儀を救ってくれたのは町医者の井上一道(小池朝雄)。たまたまお医者に拾われたのはラッキーとはいえ、左腕が元通りに動く確率は五分六分、なんてことを一癖も二癖もありそうな小池さんもとい一道先生に言われてちょっとメランコリックな左門さまである。

町奉行・遠山左衛門尉(北町嘉朗)から、近ごろ市中を騒がす稲妻党なる賊の一掃を依頼され、左門さまは内通者を突き止める使命を帯びて火盗(=火付盗賊改め)に配属された。お頭・内藤(御木本伸介)から手厚いバックアップ態勢を得たものの、火盗与力の面々からネチネチと嫌味をされるわ、怪我した左腕はまだ痛むわでツイてない日々が続くが、一道先生んちの玄関で痛い方の腕にぶつかってきたおしま(萬田久子)という女とまんざらでもない仲に。

そんな折、稲妻党に襲われた直後の田島屋に駆け付けた左門さまは、屋敷内で震えていた少女・おそでを発見した。惨劇を目の当たりにした彼女は口がきけなくなっていた。左門さまはおそでを自宅に匿ったことを公言し、火盗内のスパイを焙り出そうとする。はなっから左門さまに対立し、挙動が怪しかった与力の島崎(伊吹剛)が留守中におそでを拉致、すわこいつが!?と思われたが、彼は単に御禁制の危な絵(=春画)をこっそりスケッチしてるだけの土曜ワイドな男だと判明。本当の内通者は、まっさきに左門さまに懐いてきた同心・沢村(山本紀彦)だった。ちゃっかり右腕的存在に落ち着いた島崎の爪楊枝拷問(&左門さまの怖い顔)に恐れをなし、御高祖頭巾の女に頼まれ賊と通じていたことを自白して、沢村は切腹。左門さまはその女がおしまだと直感する。

一方、一道先生は、田島屋襲撃ニュースにえらく動揺していた。なぜならおそでは、養女に出した実の孫。だがその事実を先生は左門さまにまで隠そうとする。上方では義賊だった稲妻党の突然の変節、上方から流れてきた一道先生――稲妻党の元ヘッドは、一道先生自身だったという真相に気付き気付かれた左門さまと先生は、何も知らないおそで(左門さまのお手玉歌ではなく手毬唄で声を取り戻したのはちと残念)を引き込みに使った極悪非道な現ヘッド・芳太郎(深江章喜)捕縛まではと協力体制を敷く。

左門さまにメロメロになってしまっているおしまは、次の襲撃場所と時間をそれとなく知らせるのだが、彼女の恋心を見抜いていた芳太郎は1日早く襲撃を決行。だが後添えとして屋敷に入り込んだおしまは閂を外さず、仕方なく裏口に回った芳太郎一味はそこで、彼らの裏をかいた凶悪な面相の左門さまに出くわした。

「地獄の左門の地獄の舞……六道輪廻の旅の供養にせい!」

そんな怖いキメ台詞を怖い顔でキメられては(しかも左腕は完全回復)、さしもの稲妻党も形無しである。だが左門さまの制止を振り切ってやってきた一道先生が芳太郎の刃に倒れ、おしまもまた左門さまの刀を奪い取り自害、彼女を連れて逃げるつもりだった左門さまを嘆かせた。

事件は解決した。左門さまはおそでちゃんや島崎たちに名残惜しまれながら、再び江戸を後にする――。

*シリーズ最終話(時代劇スペシャル枠が終わってしまうせい)なのがもったいないくらいノリノリな話。個人的に、奉行所で与力としてまっとうに働いているオリジナル左門さま@大岡越前が好きなので、今回はそれもたっぷり堪能できて眼福だった。

*1作目は千恵蔵御大が演じていたお奉行様(遠山の金さん)に今回扮するのは先日の上映会ゲストの北町さん。天っちゃんとのシリアスな場面で「この二人、昼ごはんは中華(=ラーメン)だったのかな」などと想像してしまって弱った(苦笑)

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| TVドラマ(時代劇)::地獄の左門 十手無頼帖 | 12:13 AM | comments (x) | trackback (x) |
[16] 白い乳房の美女
「地獄の道化師も、愛が欲しかった…」

タイトルだけはいかにもな感じですが(ずらっと並んだ中から真っ先にこれを手に取ってるおっちゃんを店頭で何人か見ました)、内容的には変化球が効いていて、派手さはないものの、後からじわっと心に染みる佳作です。

【明智先生ファッション劇場】:センセイの服装をキャプチャーしてみました(同じく派手さはないけれど、要所をぴしっと締めてます)

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| TVドラマ(現代劇)::江戸川乱歩シリーズ | 10:16 PM | comments (x) | trackback (x) |
非情のライセンス 第2シリーズ #104
#156「背任」(1976年・S51・10月28日OA)

暴力団と金銭的繋がりのあった男が、堅固な警備の隙を突いて射殺された。現場を指揮し、銃弾を受け負傷した署長の樫村(金子信雄)は矢部警視(山村総)の20年来の友人。有能な樫村が警備の死角に気付かなかったことに矢部さんは疑問を抱く。

犯人がすぐに自首してきたことから事件は解決したかにみえたが、樫村は男が何者かに頼まれた替え玉であることを看破。ところが釈放した男を秘密裏に尾行中の刑事が襲われ、その間に男はビルから転落してしまった。

警察内部に内通者がいるのではないか、そしてそれは親友の樫村では――。あらくれ者の部下たち(筆頭は会田:天知茂)を使う(巻き込む)なんてもってのほか、とばかりにガンガン自分で調べを進める矢部さんだが、親友への疑惑は深まるばかり。そのうち、樫村の娘・幸子(高橋みどり)から父も自分も誰かに狙われている、との報告を受けた矢部さんは、拳銃を持って樫村の自宅へと向かう。

やはり樫村は、暴力団組長・新藤(伊豆肇)に脅されて殺人を幇助していた。自首をしろ、さもなくば俺の屍を越えてゆけと親友・矢部さんに迫られて肩を落とす樫村。正義感の強いお前がなぜ、その問いに彼は、(矢部さんも密かに惚れていた)亡き妻の名前を挙げた。20年前、ひき逃げにあった妻を迅速に助けてくれた新藤の頼みを断り切れなかったのだと。

かくして、たったひとつの善行をカサにきて父娘を脅した新藤は、出番が短いうえに矢部さんに相談してもらえなくてちょっと拗ねてた(誇張)会田のボコ殴りで撃沈。矢部さんは親友に手錠をかけ、苦いタバコを味わうのだった(昭和ブルースは4番)

*矢部部長メインの回。第2シリーズでこれだけ矢部さんが出張っていてしかも会田が完全に脇役、ってのは今まで見たことがなかった。でも“友人を逮捕する”というシチュエーションとしては#38「男のうたは兇悪」の方が好きだなあ(そりゃあやっぱり会田メインだし)。

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| TVドラマ(現代劇)::非情のライセンス2 | 10:24 PM | comments (x) | trackback (x) |
『南郷次郎探偵帳 影なき殺人者』
『南郷次郎探偵帳 影なき殺人者』(1961年・S36)

麻薬王・神崎(晴海勇三)が出所直後に殺害された。「先生早く来て下さい。私も殺される…!」弁護を担当していた青年弁護士・南郷次郎(天知茂)は、彼の情婦・東野文江(吉田昌代)からの切羽詰まった電話を受けてホテルへ直行するが、時すでに遅く、文江は冷たい躯となっていた。

彼女の遺した切符とヤクの原料がどっさり入っていた黒い鞄(カラ?)を持ってロマンスカーに乗る南郷。隣りに乗り込んできて鞄を交換した怪しい青年(文江の弟:鳴門洋二)はタクシーの男(=麻薬王をバラした沖竜次)に襲われ、「芦ノ湖でボートに乗って」と告げた謎のグラサン女性(宮田文子)の言に従った南郷は、暴走モーターボート(運転は沖竜次)に手漕ぎボートをひっくり返され大ピンチ。その窮地を救ってくれた女性(三原葉子)と実にムーディーな関係(チークダンス有)になりかけるが、彼女は名前も告げぬまま去ってしまった。

文江の勤め先のバーに出向いた南郷は、自分をハメたグラサン女がマダムだと知り問い詰めたところ、背後から(沖竜次に)殴られ、マダムと下っ端の殺人犯に仕立て上げられた。それでもマダムの黒革の手帳をこっそり拝借、事務所に戻るとそこも荒らされ、秘書の金丸京子(水原ユカ)が転がされていたのだが、卑劣な相手に憤ると同時に、俄然ファイトを燃やすのだった。

捜査一課の板チョウさんこと板津部長刑事(坂本武)と仲がよいとはいえ一応コロシの参考人で足止めを食らった南郷は、手帳にあった“女性にしか金を貸さない”「宝城寺商会」を京子に探らせる。まだ少女っぽさが残るが物怖じしない京子ちゃんは、借金の代償として下着を新しくして来いだのというクラブへ向かい、そこで手袋の男(沖竜次)から会員証を渡され小部屋へ案内されかける。それが死んだ青年が持っていたのと同じ会員証だったことから急ぎ南郷に連絡を入れる京子ちゃん。駆け付けた南郷は、手袋男がシメシメとほくそ笑んでいるのも知らず、代わりに麻薬取引と売春が横行する秘密クラブへと潜入した(下着を新しくしたのかは不明)。

鍵付きの小部屋には、なんと芦ノ湖の女性――宝城寺竜子が。偶然の再会の驚く南郷。これ以上関わらないで、と心底彼の身を案じているらしい竜子(またまたムード全開)。だが彼女の足止め策も空しく、後を追いかけた南郷の車は追突され崖から真っ逆さま。にもかかわらず左腕を折った程度で済んだ彼は、竜子と死んだ東野姉弟の故郷へと向かった。

そこで竜子に会った南郷が浜辺でいちゃついているのをじっと眺める双眼鏡の男、彼こそが、一連の麻薬事件の黒幕代議士・本田(細川俊夫)である。本田に恩義があるらしい竜子は、ほとぼりが冷めるまで香港に潜伏しろとの彼の命令に素直に従おうとするが、変装した板チョウさんにより阻止され逃亡、本田の別荘に潜んだところへ、南郷が訪ねてきて心が揺らぐ(またいちゃいちゃ再開)。

拳銃を持った本田に脅されピンチに陥る二人だったが、南郷の機転と板チョウさんの登場で、汚れ仕事を一手に引き受けていた沖竜次(役名は地味に佐藤)ともども黒幕は無事捕縛。板チョウさんの粋な計らいで竜子と二人きりの時間を持った南郷は、罪を悔いる竜子とまたまた熱い抱擁を交わすのだった。

*シリーズ化を見越して作られたにも関わらず新東宝倒産により潰えてしまった(2作目の撮影に取り掛かっていたとかいなかったとか)、珍しく爽やか系の天っちゃん主演映画。彼が主演、それだけで例によって話の筋はどうでもよくなってしまうのだが、事件が(というよりワル担当の沖竜次が)ノンストップで押し寄せてきて飽きさせない作りになっていた。

*ヒロインは、こちらも珍しく影のある女性を演じている三原葉子ねえさん。天っちゃんとはとにかく会うたびにキスドールかあんたらは、ってなくらいにいちゃいちゃしてくれるカップルだ。

*まだ南郷先生のロマンス対象ではない(けれど憎からず思っている)秘書の京子ちゃんの朗らかなキャラもいい感じ。

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| 映画::新東宝 | 04:00 PM | comments (x) | trackback (x) |
非情のライセンス 第2シリーズ #103
#155「袋小路」(1976年・S51・10月21日OA)

『内縁の妻が死んだ場所で、純情ヤクザが後追い自殺』
R指定な寝起きの会田(天知茂)は、朝刊で目にしたこの記事に「んなわけないだろ」と朝から所轄署で聞き込みを開始。名うての前科者ヤクザが12も年上の姥桜のあとを追って死んだ、というディテールの胡散臭さに余計興味を惹かれる。

特捜部では、矢部(山村総)が会田の出勤の遅さにカンカンになっていた。患者を安楽死に追いやっているらしい医師・水谷(若林豪)を調べて欲しいという要請をあっさり断ろうとする不肖の部下に、朝から彼が何をしていたのかちゃあんと把握していた矢部さんは、最近の患者の名前が“木島キミ”――当のヤクザの内縁の妻であることを明かしてヤル気を刺激するのだった。

会田が赴いたときR指定な着替えをしていた水谷医師は、木島キミとヤクザの死について何か知っているらしく、ヤーさん連中からも嫌がらせを受けているのだが、「真実ってやつは必ずしも意味があるとは限らない」と、あくまで知らぬ存ぜぬを押し通す。だが「真実に意味があろうとなかろうと、甘かろうが苦かろうが、俺は真実を知りたい!」と真実追究に並々ならぬ意欲を燃やす会田は、彼がキミの長女・景子(水野久美)と浅からぬ関係があることを探りあてた。

「鬼婆」とあだ名されるほどイケズだった母親にこき使われながら、父の違う妹と眼の不自由な弟・駿介(川代家継)を水商売で養ってきた景子。母親の死で8千万が彼女に転がり込んだのだが、なぜか数か月前から名義を異父妹弟に書き換えていた。実は彼女は末期がんに侵されており、遺される彼らの生活のために、鬼婆・キミと連れ合いのヤクザを抹殺しようと計画、それを黙認したのが水谷だったのだ。

景子の最後の幸せを奪うつもりか!と水谷に詰られ(ひっくり返るくらいに殴られ)ながらも、会田は景子逮捕に向かった。この袋小路から出られるのならどこへだって行く、と気丈だった彼女も、娘がガンだと知ったキミが激しく動揺し泣き崩れていたという話を聞かされたとき、初めて母の愛に触れたと涙を流す。一晩だけ時間がほしい――そんな彼女の要請を断り切れずに外に出た会田は、苦い酒を飲んでいた居酒屋で水谷に会い、景子を悪しざまに言った酔客(と店)を彼と二人でボコボコにして拘置所入りとなった。

自殺を繰り返す女を3度助けたという水谷の苦労話を聞いていると、景子が自殺を図ったとの知らせが。その女とは景子のこと。4度目は助けられなかった、俺は人殺しだ――そう嘆く水谷に、君と同様、スイス方式で彼女に“毒薬”を握らせた俺も同罪だ、と静かに会田は呟いた。

後日、会田のもとへ「共犯者」水谷から連絡が入った。「一緒に木島景子に会ってくれ」向かった先には、姉の角膜をもらって眼が見えるようになった駿介の姿があった。窓に「水谷景子」と戯れ書きして逝った景子の眼は、水谷を優しく見つめていた(昭和ブルースは4番)

*スイス方式というのは、医者が患者に直接手を下すのではなく、患者に毒薬を渡して決めさせる安楽死の方法なんだとか。かなりデリケートでヘヴィーな内容を扱っていたものの、さりげなくメインを母娘の確執にもっていき無難に締めていた。不幸せという名の 猫がいる〜♪というアンニュイな歌(浅川マキ)がよく似合う話。

*(#35もそうだったが)豪さんとはつい殴りあってしまうらしい(ラストにちゃんとお返しした会田)。でもなにも裸体まで競わなくても

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非情のライセンス 第2シリーズ #102
#154「自供」(1976年・S51・10月14日OA)

下町の焼鳥屋“一平”。「山岡商事の課長が奥さんと無理心中したらしいよ」「なんでまた奥さんと」客の会話にさりげなく交っていた店主に電話が。「おばちゃん、後は頼むぜ」ハンチングをひょいと被って彼が向かった先は、警視庁特捜部。彼の名は堀一平(財津一郎)、矢部(山村総)に頼み込んで特捜部に志願した、長崎訛りのばってん刑事である。

憧れの先輩・会田(天知茂)と組んで心中事件を担当することになった堀は、一課の捜査に割り込んで生き残った松本課長の妻・良子(谷口香)に接触、なんと彼女とは学生時代からの知り合いだったことから、橘(渡辺文雄)の苦い顔をものともせずに真相を聞き出そうとした。若いころスポーツ(卓球)で汗を流した者は悪いことはしない、という持論から良子を擁護する堀だが、「夫は病弱だった」「拳銃の出所は知らない」など、明らかに周囲とは違う発言を繰り返す彼女を会田は疑う。

良子の背後には白いシガレット・ホルダー使いの部長・松崎(山本清)の影がちらついており、この禁煙パ○ポ(違)が決めてとなって、彼が拳銃を入手したことが判明。子供のためにも“賄賂の運び屋”という汚名を着るよりは消えてもらったほうがいいじゃないか、それに君にはブティック開店の費用を出すよ、などと松崎にそそのかされた良子がその拳銃を夫に渡し、一緒に死んでくれと取り乱した彼に撃たれたのだ。

堀の粘り強いアプローチによりすべてを告白した良子。会田は、会社のために課長夫妻を手玉にとった松崎に激しい憤りを向けるのだった(昭和ブルースは4番)

*堀刑事登場編(ファーストネームは右田さんと同じ←投げやりなネーミングだ)。財津さんといえばかなりイッちゃってたトラック運転手(#3)の印象がまだ強いのだが、こちらはおしゃべりが達者で気のいいおじさんである。

*それにしてもオープニングの流れは、元締めに呼び出された仕事人みたいだった(そういう路線を狙っているのか?←ってどんな路線だか)

*強烈な個性を発揮させながら容疑者を落とす堀さんの取り調べを聞きながら「取りえはあれだけですか」と先輩風をふかす会田に矢部さん、厳しい一言。「人のことが言えるか!」(そのあと、「…ねぇ、」と小声でセルフツッコミしてる会田が可笑しい)

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| TVドラマ(現代劇)::非情のライセンス2 | 10:28 PM | comments (x) | trackback (x) |
非情のライセンス 第2シリーズ #101
#153「恋心」(1976年・S51・10月7日OA)

麻薬組織に潜入した公安の大和田(井上孝雄)からの定時連絡が途絶え、それ以来警察の動きが筒抜けになっていた。会田(天知茂)の今回の任務は、大和田が寝返ったのかどうかの裏を取ること。香港(天っちゃん的発音ではホン↑コン↑)まで偵察に向かった帰り、とあるCAがヤクの取引らしきことを行っている現場を目撃、その女性・滝悠子(篠ヒロコ)をマークする。

会田に詰問されてもシラを切り通していた悠子は、ある日大和田と遭遇した。彼らは恋人同士で、結婚の約束をしたまま雲隠れした彼の真意を測るために、悠子はあえて組織に近づいたのだった。俺を信じろと言う大和田だが、彼の腕に注射針の痕を認めた彼女はある決心を固める。

大和田との関係がバレて組織に軟禁されていた悠子を救い出し自宅へ匿った会田は、訪ねてきた矢部(山村総)の口から意外な真相を聞かされた。なんと彼女は交通課から転属してきた特捜刑事だというのだ(そんなことはもっと早く言うべきでは矢部さん)。用済みとなった者を警察に始末させるのが組織の常とう手段であり、次のターゲットは大和田である可能性が高い。彼を生きたまま捕らえたい会田に対し、麻薬組織の一員になり下がるくらいなら自分の手で『殉職』させるつもりでいる悠子。

会田が単身向かった組織との取引場所には、やはり大和田が来ていた。ほぼ無傷で手錠を掛けたところへ、銃を構えた悠子が現れる。大和田を自分の体で庇った会田だが、彼に突き飛ばされた隙に、悠子の銃が火を噴いた。「俺は刑事だ…」そう呟いて逝った大和田に悠子は取り縋って涙を流すのだった。

警察を辞めるか、矢部に聞かれて悠子は、(大和田殺しを肩代わりした)会田に借りを返すまでは…と続投を決意した(昭和ブルースは4番)

*今回から新機軸。「兇悪」文字が消えたのもだが、タイトルロゴがどう贔屓目にみても以前よりしょぼいのがさびしい。画面いっぱいの毛筆がインパクトあったのになあ。

*江沢さんのとき(#2)のようにクレジットに「刑事」表記がないので悠子さんが新たな特捜仲間だと知ったときは会田並みに驚いた。タレこみ情報の指定時刻を1時間サバ読んだり(おかげで会田はひとりで連中と銃撃戦を繰り広げる羽目に)、今回の矢部さんは少々ブラックだ。

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| TVドラマ(現代劇)::非情のライセンス2 | 10:30 PM | comments (x) | trackback (x) |
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