■ADMIN■
ADMIN ID:
ADMIN PW:
■CATEGORIES■
■POWERED BY■
BLOGN(ぶろぐん)
BLOGNPLUS(ぶろぐん+)
■OTHER■

非情のライセンス 第1シリーズ #22
#22「兇悪の芽」(1973年・S48・8月30日OA)

逃亡を続ける金庫破りの四人組。会田(天知茂)はその中の一人、清水信治(佐々木剛)の恋人をマークする。信治は野中妙子(夏純子)に会うためだけに鑑別所を逃走した過去があり、今回も必ず接触を図ると踏んだのだ。

そのうち四人組は仲間割れして阿野(高品正弘)が死亡、信治が金を持ち逃げしたとの報せが入った。残りの二人の魔手が妙子にも迫っていることを警告する会田だが、社長令嬢で家出中という経歴を持つ“いまどきの女の子”の妙子は、おっさん(=会田)の言うことなどまるで聞こうとしない。信ちゃんに殺された人(襲われた警備員)は運が悪かった、大人たちが悪いんであって信ちゃんは悪くない! 悪びれずそう言い放つ妙子を「殺された人の遺族のことを考えたことがあるのか!」と会田は一喝した。

信治が牛乳配達に化けて妙子のアパートを訪ねた姿を、鈴木刑事(梅津栄)が目撃した。彼が遺したメモの内容について頑なに口を閉ざす妙子の部屋に泊まりこむ会田。朝こっそり出かけようとした妙子は会田に気づかれ、好きなようにしてとおもむろに服を脱ぎだした。信ちゃんが鑑別所を出たら好きなことをやって、そして二人で死のうと約束していた、誰にも迷惑かけないから見逃してと足に縋って泣く妙子。
「君たちには、火花を散らして一気に燃え尽きても悔いのない青春がある。だから…だから、許すわけにはいかない」
夢も希望も持てない世の中でも、その気持ちだけはいつまでも持ち続けろと諭す会田だが、やってきた仲間割れの二人組を鈴木と追ううちに妙子の姿は消えた。

だが会田には妙子の行き先が分かっていた。会田が付き合った際「二人でデートしたことがある」と彼女が呟いた遊園地(後楽園)の観覧車――果たして信治は現れた。妙子の家の運転手の息子で、彼女のためになさぬ仲の義母を刺したこともある彼は、今回も彼女との約束のために金を盗み、阿野が持ち逃げしようとしたので殺したのだと妙子に打ち明けた。観覧車の上で北海道へ行って散財する夢を語り合う二人。束の間の夢を見せてやった会田が降車後の二人に近づくが、彼らはさらにジェットコースターに飛び乗った。
――お願い刑事さん、信ちゃんを見逃して!
(無駄なあがきと知りながら絶叫する妙子に被って昭和ブルースは1番)

*実に味のあるセリフを放つほか、たこ焼きを買って張り込む会田、とか観覧車やコーヒーカップで回る会田、とか満員の園内で疾走する会田、とか見どころ(?)多し。こんなロケ見られていいなあ後楽園のちびっこたち。しかも逃げてるのは一文字隼人だ!

*見どころ、といえば夏さんの盲腸らしき傷跡がリアル(凝視してすみません)

*鈴木さんはドンチャックの中の人になって活躍。

| http://www.amachi.info/blog/index.php?e=568 |
| TVドラマ(現代劇)::非情のライセンス1 | 11:53 PM | comments (x) | trackback (x) |
非情のライセンス 第1シリーズ #21
#21「兇悪のメロディー」(1973年・S48・8月23日OA)

会田(天知茂)が尾行中だった、汚職容疑の一流商社の部長代理・佐田(永谷悟一)が自宅マンションのエレベーター内で刺殺された。一課にヤマをさらわれて面白くない会田だが、ちょうど犯人と鉢合わせたクラブのピアニスト・矢島伸子(佐藤友美)の証言により前科者の川辺昭雄(山下洵一郎)がスピード逮捕。事件は解決したかに見えたが、後日伸子が目撃証言を撤回、振り出しに戻ってしまう。

会田や橘(渡辺文雄)の読み通り、黒幕に脅されている伸子は身代わりでOLが刺されたことで余計に口を閉ざす。あくまで彼女から真実を引き出したい橘に対し、会田は川辺の釈放を要求。態度とは裏腹に会田に非常に甘い矢部が、捜査一課長(岡田英次)に自腹でフルコースをふるまってくれたおかげで川辺は釈放されることになった。

川辺を尾行して案の定すぐばれた会田だが、自宅マンションに連れ込みよろしくやっている(=張り倒している)最中、伸子からSOS電話が。その人を逃がしてくれという頼みを承知せざるを得なかったものの、伸子は自宅で無事、川辺は何も吐かぬまま殺されてしまう。

容疑者に死なれた橘は怒り心頭。責任を感じ辞表を提出する会田だが、矢部は「こんなものは特捜部には通用せん!」と破り捨て、自ら一課へ「部下のエラーは私の責任」と挨拶に出向く。その愛に打たれた(かどうかは不明だが)会田は再び伸子に接触、フランス留学が決まったと晴れやかにピアノに向かう伸子に、金を出したのは事件の黒幕だと詰め寄った。

これまでも身体で代償を支払ってきたという彼女は本性を現したように色仕掛けで迫ってくる。
「あたし、なんにも悪いことしてないのに」
うそぶく伸子に、あんたは殺しの黒幕と承知で金で買われた、汚いチャンスを自分で選んだんだと会田は一喝した。

会田に連れられて伸子は出頭。手柄を一課に譲った形だが、真摯に証言する彼女の姿に満足げな会田だった(昭和ブルースは4番)

*部長の会田愛が感じられる一作。本人の前では鷹揚に構えながら、陰でなにかと尽力している様子がたまりません部長。

| http://www.amachi.info/blog/index.php?e=567 |
| TVドラマ(現代劇)::非情のライセンス1 | 11:52 PM | comments (x) | trackback (x) |
非情のライセンス 第1シリーズ #20
#20「兇悪の正義」(1973年・S48・8月16日OA)

OPまるまる乱取りの相手をするくらい(そして仲良くシャワーを浴びるくらい)会田(天知茂)のお気に入り、捜査二課の谷川刑事(高城丈二)は長らく妹・秋子(磯村みどり)と二人暮らしだったが、この度ようやく妹に春が来た。フィアンセから送られたという豪華な指輪をつけて幸せそうな妹に、自分も5年来の恋人、令子(真木沙織)とゴールインできることに喜びを噛みしめていた。

一方の会田は、強盗犯人を生きたまま捕えてくれとの1万ドルの懸賞金付き事件に着手。心臓麻痺で死んだドイツの老婦人の指から消えた5百万のエメラルドの指輪が唯一の手掛かりだ、と会田から聞いた谷川は、その時点ではまさか妹の指輪がそうだとは思いもしなかった。

秋子のフィアンセ・羽山と名乗る男(村井国夫)は興信所の所員・柏木(小鹿敦)まで金で丸め込む結婚詐欺師で実は件の強盗犯。そうとも知らず秋子は身ごもった上に貯金をはたいてニセ羽山に貢ぐが、兄が警官だと知った途端に指輪を返せと破談を迫られショックを受ける。偶然その場を訪れた会田は、兄には告げるなと秋子に言い置いたが、それが裏目に出てしまい、彼女は自分でニセ羽山にけじめをつけるため、兄の拳銃を盗んで家出。ニセ羽山とその女の家で揉みあううちに銃が暴発、谷川と会田が駆け付けたときには秋子は冷たくなっていた。

怒りに燃えた谷川は、はとバスをハイジャックして逃げるニセ羽山を歩道橋からバスの天井に乗り移って追いかけ、絞め殺そうとする。そこへ乗り込んできた会田に止められると、今度は会田の拳銃を奪い発射する谷川。ニセ羽山は死んだ。会田は運転手に、撃ったのは自分だとの目撃証言を求める。
「わかってるよ、野暮は言わねえよ旦那。俺だって撃ってやろうと狙ってたんだ」
振り返るとなんと運転手は吉田刑事(多々良純)だった。

後日、(犯人死亡のため懸賞金はおじゃんだが)総監賞が出たという谷川と令子に食事に誘われた会田は、「こうして二人をみていると暑苦しくって食欲がなくなる」と断り、若い二人の門出を祝うのだった。

世の中に殺していい奴なんているはずはない。たとえどんな悪党であっても。
だが、こんな商売をやっていると、俺だって時には殺してやりたくなるんだ――。

(昭和ブルースは1番)

*九州弁のはとバス運転手、まるで別人だったのにそりゃないよ吉田さん(明智センセイですかあなたは)

*会田は柔道四段(谷川は三段)。

*「もう一歩も後へ引けない女の歳になってしまっているのよ!」な秋子は27歳。

*金で丸め込まれた興信所の柏木を殴る蹴るの会田。「暴力はひどいじゃないですかあ!」との訴えに後輩谷川「この人は特別なんだ!」そうでしょうとも。

| http://www.amachi.info/blog/index.php?e=566 |
| TVドラマ(現代劇)::非情のライセンス1 | 11:50 PM | comments (x) | trackback (x) |
非情のライセンス 第1シリーズ #18
#18「兇悪の里」(1973年・S48・8月2日OA)

どこか暗い宿命を感じさせる作品を生み出す彫金師・加賀城(かがじょう)真紀(北林早苗)と偶然知り合った会田(天知茂)は、先日ひき逃げされた置き引き犯・村越(三上剛)と同種の指輪を彼女の指に認めて驚いた。縄目模様のその指輪は、真紀の作だった。

元暴力団の幹部で、今は茶道の大家の副理事に収まっている黒沢(江見俊太郎)の鞄を置き引きしたことで消された村越。鞄の中に金づるになるものを見つけたらしい彼だが、その所在が分からないままで、事務局長の浅田(有馬昌彦)にカマをかけて逆に警察を呼ばれる始末の会田たち。だが村越は、肝心のものを真紀に郵送していた。

真紀の個展を成功させるため、金づるを利用しようとしたマネージャーのあずさ(桜井浩子)が殺され、真紀が消息を絶った。海外に出張中と偽る黒沢が、アリバイ成立中に彼女を消そうとしていることを突き止めた会田は、真紀の故郷・白川郷へ飛んだ。

地元で“疫病神”と忌み嫌われている真紀の所在について、姉・田鶴(菅原慎予)や父・久兵衛(清水一郎)は固く口を閉ざしたまま。黒沢の車は森の中に放置されており、真紀をマークしていた坂井刑事(宮口二朗)が谷に落ちて行方不明となった。真紀は実家に潜んでいること、7年前、ダム工事に来た現場主任(=村越)とデキて兄を谷に突き落したこと(実はもみ合ってるうちに誤って転落)などを、住民の一人・雲井(北真知史郎)が愛憎相半ばする口調で打ち明けたが、余所者を快く思わない他の住民たちは敵意を露わにして襲ってくる(のを投げ飛ばしまくる会田)。

会田の再度の訪問に折れた父親が、続く娘の不運(友達が身代わりで溺死とか、酔った兄が目の前で転落とか)を嘆いているうちに肝心の真紀が姿を消す。その彼女に迫る黒沢の魔手!…を投げ飛ばしボコ殴って阻止した会田は、吊り橋から身を投げようとする真紀に、あんたは同情を引こうとしているにすぎない、この美しい里を自分の血で汚すのかと詰った。

「人はみんな、自分の運命に逆らおうと、必死で生きてるんだ」

坂井は助けられて無事だった。そして黒沢の鞄に入っていた金づるは、真紀の作品に埋蔵されていることが判明。作品を壊すのが惜しい気がするという鈴木刑事(梅津栄)らに、「巧妙な犯罪ってのは、いつでも硬い、鉄の殻をかぶってるもんだ。そして、そいつを砕くのは俺たちの役目ってもんだ」と言う会田。

――あの女も、きっとそいつを壊して欲しいと望んでいる。暗い過去と一緒に。

(昭和ブルースは1番)

#16と同様、大三土地と荘川ビレッジ協力。そして同じく再びクラブで「人生」口笛バージョン。

*会田が家に帰ると人の気配。拳銃を構えてバッとドアを開けると「誰だ!」とお前こそ誰だな鈴木刑事(梅津栄)。「(会田)家宅侵入罪で逮捕するぞ?」「(鈴木)神妙にするから、勘弁しろや〜」と楽しそうな二人だった。

*十数年ぶりの伊右衛門VS直助(『東海道四谷怪談』)は、やはり伊右衛門の勝ち。

| http://www.amachi.info/blog/index.php?e=564 |
| TVドラマ(現代劇)::非情のライセンス1 | 11:48 PM | comments (x) | trackback (x) |
非情のライセンス 第1シリーズ #19
#19「兇悪の夢」(1973年・S48・8月9日OA)

上半身裸で朝刊を読んでいる会田(天知茂)の元へ、かつて四課時代に逮捕したことのある真崎組チンピラ・タケシ(根岸一正)が助けを求めて転がり込んできた。
「お、俺が殺したんじゃねえんだ!」
朝アパートで目覚めたら、ミツ子(松木聖)が青い顔で冷たくなっていたのだという。
前の晩、店内で覚醒剤が出回っているらしいと「キャリオカ」のママ・河村志津(村松英子)から聞いたバーで口論していたカップルが彼らだった。

新婚の太郎(左とん平)の車でアパートへと向かった会田たちだがミツ子の姿はなく、やがて錯乱し始めたタケシを病院へ連れていったところ、覚醒剤の中毒と判明。ヤクの出所とミツ子の所在を追うため、捜査四課長(神田隆)の元で真崎組の書類を調べる会田に、坂井(宮口二朗)が助力を申し出た。しかし坂井の目の前でタケシが病院から逃走。大会で1位になったほどの腕前ながら、なぜか銃の使用を戸惑う彼を、会田は「甘えるな」と突き放す。

タケシはミツ子と共に“心中死体”として発見された。矢部警視の姪で探偵事務所勤務の佐藤あかね(京春上)からミツ子の日記を受け取った会田は、ミツ子もヤクをやっていたこと、売人であるタケシに惚れ、心中相手に選んでいたことを知るが、彼らの死亡時刻は明らかに異なっていた。ミツ子と付き合いのあった男を探るうち、行き当たったのが挙動不審な医師の井沢(武藤英司)。真崎組の生き残り幹部・寺本の命で覚醒剤を用意していたのが井沢で、タケシはミツ子のためのヤクをチンピラたちに奪われて殺されたのだった。

そして井沢も消され、会田は真崎組残党のアジトを探るため、坂井にも銃を携行するよう命じるが、坂井はまだ迷っている様子。チンピラを吐かせて冒頭のバー・恵子(ママは津山洋子)に押し入った会田だが、面が割れていない幹部・寺本(中井啓輔)の思いがけない正体によりピンチに陥る。が、間一髪のところでナイスな射撃の腕前を発揮した坂井のおかげで事なきを得た。

国体でピストル撃ちに夢中になっている間に女房が友人と逃げてしまい、時々それを思い出すと、ピストルを持つのがいやになって…と打ち明ける坂井。しかし「辞めませんよ。会田さんの徹底した悪への憎しみ、そいつは僕の心の支えになりそうですよ」ときっぱり言い切った坂井に会田は笑顔を向けた(昭和ブルースは3番)

*タケシとミツ子の薄幸カップルがメインとはいえ、会田と坂井の友情(というか師弟関係)にうるっとくる話。この回を見た後だと余計に第2シリーズ#97の会田の取り乱しっぷりが胸に迫る。

*ミツ子の交際相手の一人として柳生博さん登場。

*部長の姪っ子・あかね探偵は準レギュラーになったり…はしないのだろうなあ。

| http://www.amachi.info/blog/index.php?e=565 |
| TVドラマ(現代劇)::非情のライセンス1 | 11:49 PM | comments (x) | trackback (x) |
非情のライセンス 第1シリーズ #17
#17「兇悪の友」(1973年・S48・7月26日OA)

陰湿なリンチの末に射殺された会社ゴロ・角塚茂(石垣守一)の事件を矢部警視(山村聰)から任された会田(天知茂)は、角塚の女だったクラブの歌手・水木夕起子(篠ヒロコ)に“角さん”の友人と偽り接触を開始、俺と組んで、角塚が強請るつもりだった会社から大金をせしめようと持ちかけた。

角塚発行の最新業界紙には、4文字名前の会社の仮面を剥ぐという暴露記事が載る予定だった。夕起子はそれが、自分がかつて勤めていた三竹商事だとあっさり推測。実は彼女は営業部長の越野(田口計)と通じており、会田の出方を探っていた。

該当記事のゲラだけが何者かに抜き取られて所在不明であることを伏せ、あたかも角塚から証拠を託されたように振る舞い越野を揺さぶる会田。死んだ角塚の筆跡で紹介状や封筒の宛先やらをエキスパートに偽造してもらう用意周到さで挑むが、越野は動じない。既に彼は角塚同様、市川俊男(森次晃嗣)に会田の抹殺を依頼していたのだ。

市川がその昔、窃盗・前科三犯の夕起子の父を射殺したことで拳銃使用規定違反に問われ、出世の道を閉ざされた現職刑事であることを鈴木刑事(梅津栄)の調査で知っていた会田は、夕起子の家にいたところを家宅侵入と強盗未遂で逮捕に来た市川に逆に手錠を掛けた。角塚殺しは夕起子の幸せを思うためでもあったと語り、観念したようにみえた市川だが、土壇場で情けが湧いた夕起子が後ろから会田を花瓶で殴り彼を逃す。

両手に手錠をかけられたまま、ベランダから階下に降りてタイヤを撃ち抜く会田のハードアクションに怖気づいたのか(推測)、足を滑らせ自らの弾で倒れた市川は、不明だったゲラの在り処を告げると息を引き取った。

三竹商事の悪事は明るみに出た。会田の後、市川の墓を訪れた夕起子は、詫びに来たのだと言った。
「あたし、どうしてあの人をあんなに憎まなければならなかったのか…」

「それが人間っていうやつの弱いところさ。…しかし、人間ってやつは、自分でその弱さに気がつけば、強く生きていくこともできる。今の俺が君に言えるのは、これだけだがね」
(昭和ブルース4番に被って名言を吐く会田でエンド)

*タイトルの「友」とは、会社ゴロの角塚との友人関係をでっちあげたことなんだろうか

*初めての店では一番安いウイスキー、が会田の主義

*篠ヒロコさんのクラブでの歌(「ベッドで煙草を吸わないで」「女の意地」)は吹き替えかどうか不明

| http://www.amachi.info/blog/index.php?e=563 |
| TVドラマ(現代劇)::非情のライセンス1 | 11:46 PM | comments (x) | trackback (x) |
非情のライセンス 第1シリーズ #16
#16「兇悪の湖(うみ)」(1973年・S48・7月19日OA)

「おれ、人殺しなんかしてないんだよぉ、かあちゃぁん!」
ホステス殺しの容疑で拘留されていた木沢昭一(工藤堅太郎)が逃亡した。彼は竜巻太郎(左とん平)の友人で、会田(天知茂)とも2度ほど飲んだ仲。木沢の無実を信じる太郎に頼まれたものの、所轄に任せてはと捜査に乗り気でない会田だったが、「ホテル前で高校時代の顔見知りと出会った」という彼の証言に知らぬ存ぜぬを決め込んだ当の顔見知り・辻隆介(深江章喜)が、別件の強請の容疑者として浮上したことから、木沢確保にも本腰を入れ始める。

別件とは、父から5千万を強請りとった男を探し出して欲しいとの、鬼頭財閥の一人娘・真由美(水原麻記)からの依頼だった。彼女が漏れ聞いた電話の声は名古屋訛り、そして密会場所のホテルにいたのが、名古屋の総会屋の辻。彼が自身の不都合ゆえに木沢を切り捨てたと確信した会田は、坂井(宮口二朗)と鈴木(梅津栄)を連れて名古屋へ向かい、太郎とリサ(小牧リサ)も後に続いた。

一方、逃亡中の木沢も“東海の軽井沢”荘川ビレッジにて辻に接触。辻は、今度こそちゃんと証言してやると偽り、近くの御母衣(みほろ)ダムへ誘い込み木沢を消そうとしていた。その頃、会田の前に真由美が現れ、捜査を打ち切って欲しいと切り出した。かつて父が戸籍を偽り豪商の「鬼頭修平」に成りすましたことを辻に知られ、強請りの種にされていたのだ。自分たち一家が偽りの人生を歩んできたことを知った母はゆうべ自殺したという。

ホステス殺しの真犯人が自首し、木沢の無実は確定したが、本人は消される一歩手前。その時、ライフルを構えた辻が朱に染まった。一撃で辻を倒したのは鬼頭の腹心の部下・鮎沢(岩崎信忠)だった。「お嬢さんにだけは言わないで。あの人だけには、幸せになってもらいたいんです」そう訴えて神妙に逮捕された鮎沢だが、(それを聞いたのは坂井だったせいか)顛末を真由美に告げる会田。

「(鮎沢は)私の、婚約者です……」
木沢は晴れて妻子のもとに戻れる(太郎とリサもちゃっかりゴールイン)。だが、真由美のこれからを思うと、暗澹とした表情になる会田だった。
(昭和ブルースは1番)

*名古屋弁が決めてだったとはいえ、深江さんは別になまっていなかった(本場の人に教えてもらえばよかったのでは)

*天っちゃんはこの荘川ビレッジ(大三土地)の専属俳優だったらしく、前年(S47年)の村開きに招かれている様子や随筆が荘川ビレッジのホームページに掲載されている(「思い出の記」のぺージ2・3参照)。そこで知ったのだが、CMまで録っているようで驚いた。しかもどうやら2パターンはあるらしい。

*ビレッジ内のレストラン「白山」でかかっていたBGMは「人生」の口笛バージョン。

| http://www.amachi.info/blog/index.php?e=562 |
| TVドラマ(現代劇)::非情のライセンス1 | 11:45 PM | comments (x) | trackback (x) |
非情のライセンス 第1シリーズ #15
#15「兇悪の像」(1973年・S48・7月12日OA)

数日追い続けた強盗殺人犯をやむなく(にしては思い切りよく)撃ち倒した会田(天知茂)は、疲れた体を引きずり自宅でベッドにもぐり込んだのも束の間、東邦毛織の西沢営業課長(小林昭二)からの電話で叩き起こされた。最初は取り合わなかったものの、社長と部長から羊毛買占めの責任を負わされキレた西沢がライフルを持ち出し、会田と同マンションの北村(榊ひろみ)母子の部屋に押し入っていることを知り、引き受けざるを得なくなる。

同じく罪を押し付けられ投身自殺させられた経理課長が持っていた裏帳簿のコピーを17時までに探し出してくれ、との懇願を受けた会田だったが、課長の愛人だったコピーの持ち主候補、小原友美(小林千枝)は会社を辞めており、営業部長の池尻(根上淳)は傲慢な態度を崩さない。どうやら池尻は既にコピーを始末させたらしい。

トルコ嬢(現・放送禁止用語)になっていた友美は何も知らず、「手切れ金も貰ってないのよ」と愚痴る始末。また、西沢の妻・亜矢子(松風はる美)も、夫よりも会社の保証金を取った事実を、2つの豪奢な指輪が物語っていた。妻の言葉に耳を貸さなかった西沢だが、「はみ出し刑事のあんたにならやれるはずだ!」と会田を急き立てる。17時、それは池尻と社長の石坂(河村弘二)が豪州へ高飛びする時刻なのだ。

もう一度友美に会い、むちむちの背中をマッサージさせて彼女を落とした会田は、コピーがもう一部あると偽って池尻に取引を持ちかけることを画策。雇われ用心棒の山岡(北原義郎)たちに車で拉致された友美を追い、彼女の寝返りにも動じず乱闘を制して山岡を捕まえた。

からくりを知る山岡を連れた会田が間一髪で池尻達の渡航を阻止した頃、西沢が立てこもる部屋に坂井(宮口二朗)と鈴木(梅津栄)が乗り込んでいた。機動隊の物々しさにパニックになった西沢はベランダから落下、駆け付けた会田に礼を告げて事切れた。

はみ出し刑事(=会田)を非難する新聞記事をポケットに入れていた西沢。組織の歯車でしかない彼は、会田の一匹狼ぶりが羨ましかったのかもしれない――。とにかく事件は収束し、今度こそ会田は電話も外して眠りにつくのだった(昭和ブルースは4番)。

*西沢自身の理想像として彼の代わりに働かされた感のある会田。しかし切羽詰まっていたとはいえ、あまりにも無謀ですおやっさん。

*台本によると、友美役には最初、ひし美ゆり子さんの名が挙がっていた。アンヌ隊員が揉み揉みするところだったのか…。

| http://www.amachi.info/blog/index.php?e=561 |
| TVドラマ(現代劇)::非情のライセンス1 | 11:44 PM | comments (x) | trackback (x) |
『関東やくざ嵐』
『関東やくざ嵐』 (1966年・S41)

梵天一家の小頭・尾形菊治(鶴田浩二)は、敵対する組の親分の愛娘・お絹(桜町弘子)と恋仲だったが、それが災いしていざこざが起き、彼女の目の前で父親を刺殺する羽目になって刑務所へ。6年後、務めを終えて戻ってみるとお絹は消息不明、亀吉親分(加藤嘉)が寝たきりの梵天一家は、背広を着こんだクールな代貸・柳五郎(天知茂)が跡目を継いでいた。

金に糸目をつけぬ柳は余所を蹴散らして土木業を発展させていたが、その強引なやり口と古参の子分をないがしろにするやり口にカチンときた菊治は杯を返上。亀吉の口利きで、人徳者で知られる丸高組の親分(村田英雄)の元に草鞋を脱いだ彼は、文字通りガテン系の世話役・ゴンさん(山本麟一)とやりあったりして汗と泥にまみれて仕事に精を出す。

そんな頃、対照的にインドア派の柳は料亭でお絹をじわじわと口説いていた。借金がある上に弟・勇(金光満樹)からの金の無心も続き困惑していたお絹だが、愛しの菊治と再会、今度こそ駆け落ちをと願うものの、渡世の義理に絡められた菊治が煮え切らないでいるうちに、柳に連れ去られてしまう。着流しの上から豪奢なガウンを羽織った柳に(見えない位置でだが)襲われて泣き崩れるお絹。不憫に思う亀吉親分は彼女を逃がそうとするが、柳に爺さん呼ばわりされた挙句、枕への華麗な蹴りを決められてショック死した(だがさすがにそんなダルマ落としで死んでしまうとは思ってなかったらしく「い、医者を呼べ!」とひどく狼狽している小物っぷりが可笑しい柳である)。

丸高組から奪いそこねた仕事を巡ってドンパチを仕掛けてきた梵天サイドとの揉めごと真っ最中の菊治は、お絹と親分のことを聞いて怒り心頭。柳の命令で菊治を狙いに来てゴンさんの妹(宮園純子)を撃ってしまい動揺する勇と、ライフルを腰に差して戦闘態勢のゴンさんを引き連れ梵天一家の本部へと向かう。

(天津敏さん以下)コワモテな手下をそろえて準備万端のはずの柳だったが、菊治との最初の一発で相撃ちになり、最後は二度刺しされて絶命するのだった(後のお絹姉弟とのなんやかんやのシーンで転がっている死体は本人かどうか不明)。

『博徒』のネオ博徒ぶりと『顔役』のちゃっかりウッカリぶりを足して二で割ったような梵天一家の三代目。出番は少なめとはいえ、悪役の務めをしっかり果たしていた。…しかし鶴田さん、殺すときはいつも容赦ないなあ。

| http://www.amachi.info/blog/index.php?e=560 |
| 映画::東映 | 11:42 PM | comments (x) | trackback (x) |
地平線がぎらぎらっ
『地平線がぎらぎらっ』 (1961年・S36)

おハイソな婦人の弱みをフィルムに収め荒稼ぎしていた松田茂(天知茂)はとうとう後ろに手が回ったが、刑務所内ではボス的存在のカポネ(多々良純)の二番手のクールな参謀格位置をキープ。通称・教授として、海坊主(晴海勇三)・バーテン(沖竜次)・色キチ(大辻三郎)の同部屋メンバーとまずまず快適な囚人ライフを送っていた。

ところが新入りのマイト(ジェリー藤尾)は傍若無人。ムショの秩序もへったくれもないフリースタイルが皆の神経を逆なでし、さばいちまおうぜ、ってな話になった時に、彼がダイヤ強奪犯の片割れと判明して状況が一変。おこぼれに預かろうと脱獄を計画するカポネ達に、最初は鼻で笑って取り合わなかった教授だったが、うまくいったらダイヤ山分け、というマイトの言葉に俄然はりきり、袖口から鍵開けグッズなんぞを取り出し率先して脱獄を決行する

なんとか脱獄できたものの、仲間割れから海坊主と色キチが排除され、嫁と間男にキレたバーテンが脱落。残るはマイトとカポネと教授、そしてマイトが拾った八重ちゃん(星輝美)だけとなるが、逃げるどさくさでマイトがマムシに咬まれてしまった。八重ちゃんが医者を呼びに走った隙に、カポネ達は瀕死のマイトからダイヤの在り処を聞き出そうとする。

「柿が…喰いてぇ…」
「そうか、柿の木の下に埋めたんだなっ!?」

そんなことは誰も言ってないのだが、通り名に恥じぬ強烈な独断で柿の木を探す教授。しかし、それらしき木の下を必死で掘り起こす彼にカポネのライフルが火を吹いた。これでダイヤは俺とお前だけのものだ!と勝ち誇るカポネだが、「ダイヤの話は嘘だ」とマイトに告げられ逆上、岩を振り上げたところで、死に切れてなかったらしい教授が放った銃弾に倒れるのだった(たぶんみんな死んでるが、医者連れた八重ちゃんが走ってくるところでエンドマーク)。

*10円ハゲでもついてそうないけてないヅラから、皆にいじめられる臆病者のキャラクター(「パピヨン」ならルイ・ドガ的な人物)を想像していたのだが、クレジットが(多々良さんとコンビで)トメ位置なだけあって、力は無さそうでも態度だけはデカくて一目置かれている大物で驚いた(カポネたちの脱獄計画をチクったと疑われ「俺はそれほど仁義を忘れちゃいない」と言う時などすごくカッコいい)。…ただ情けない顔で土下座したり滅多に見られないカッコ悪さもおまけについてくる。

*多々良さんとはこの10数年後、特捜コンビになるんだなあと思うと感慨深い(特にラストの欲の突っ張りあいとか)。

| http://www.amachi.info/blog/index.php?e=559 |
| 映画::新東宝 | 11:39 PM | comments (x) | trackback (x) |
PAGE TOP ↑