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非情のライセンス 第2シリーズ #62
#114「兇悪の超特急」(1975年・S50・12月18日OA)

1億円相当のヘロインが神戸から東京へ持ち込まれようとしていた。新幹線で神戸へ向かう途中だった会田(天知茂)と右田(左とん平)は、麻薬捜査官の荒井(藤巻潤)がターゲットと共に東京行きの「ひかり」に乗り込んだと知らされ、慌てて名古屋駅で列車を乗り換えた。

“敵”は複数で行動しているとの情報があり、それぞれ囮であったり殺し屋だったり、役割が決まっているらしい。ボストンバックを肌身離さず持ち歩く見るからに挙動不審な髭面の男は本当に運び屋なのか? 会田の隣席の女が持っている、必要以上に重いタヌキのぬいぐるみの中身は? そして冒頭、新神戸から飛び乗った殺し屋カップル(藤岡重慶&八並映子)が狙うのは誰か? 限られた時間の中、真相に迫ろうとする会田を筋肉弛緩剤入りの注射器(圧縮ポンプ付き)とスリ3人組が襲う・・・!(ミステリー仕立てなので結末は見てのお楽しみ:あっと驚く結末の後の昭和ブルースは4番)

*実際に走行している新幹線内(お客はエキストラ?それとも本物?)での事件簿。明智センセイばりの推理力が冴える一方、あちこち走りまくり殴りまくり怒鳴りまくりの会田(女の子にもモテモテ)、「この俺が法律だ!」なんていうマイク・ハマーな台詞も飛び出すハッスルぶりだった(安静にしてなくていいのか、というより白血病設定は終わったのか!?)

*乗り換えに1分しかない、と名古屋駅の階段を全速力(とはいえ律儀に1段ずつ上り下りしていたが)で駆け抜けた会田と右田。ぎりぎり間に合って「今後は特捜部にも実技に短距離種目を加える必要があるよ」ってなコメントを残した会田だが、そんなものがあったら不合格になるような気が(失礼)

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| TVドラマ(現代劇)::非情のライセンス2 | 02:43 PM | comments (x) | trackback (x) |
非情のライセンス 第2シリーズ #61
#113「兇悪の美女」(1975年・S50・12月11日OA)

銀行を襲撃し、現金1億円を奪った学生グループ6人。だがリーダーの野村勝二(山本聡)は手榴弾のカウント途中に爆死、ひとりは追い詰められてビルから身を投げた。紅一点の半村ユミ(戸板順子)は、恋人・勝二の死の原因が、わざと誤ったカウント数を教えた堀内(堀勝之祐)ら3人にあることを知り、現金を隠して彼らの処刑を誓う。

金だけが目当ての3人はユミの自宅に押し入り、公開されたモンタージュ写真で自分の娘が犯人だと悟ったばかりの父・平七郎(中村竹弥)や母・静江(真味美枝)、結婚を控えた妹のマキ(君夕子)ら家族を恐怖に陥れた。やがて一家に押し寄せる残酷な世間の目。頻繁に掛かる糾弾(いたずら)電話に母はノイローゼ気味、マキの縁談は破綻、そして“娘は娘、私は私だ!”と気丈な態度を取っていた平七郎も、左遷めいた転勤を命じられて自殺を図りかける。

だが家族のユミを想いやる気持ちは強く、家に張り込んで彼女からの電話を待つ会田(天知茂)たちは「出て行ってくれ!」と非難される始末。特に、恋人を亡くした姉にシンパシーを抱き、その行動を正当化しているマキは姉の居場所を明かそうとしないのだが、そんな彼女に会田は「君の姉さんなど場合によっちゃ死んでもいい。しかしまた新しい善良な市民を巻き添えにするわけにはいかないんだ!」と熱く反論するのだった。

ユミは3人組をおびき寄せ共に爆死しようとしたものの、突然マキが現れたため形成が逆転、3人は姉妹を縛って時限爆弾をセットした。あと2分で爆発、という際どい瞬間、会田が飛び込んできて“素人がいじると大爆発だ”という爆弾のコードをちょちょいと引っこ抜いて2人を救出。のうのうと爆破の瞬間を見物しようとしていた3人組は警官隊のライトと兇悪な面相の会田に追い詰められ、手榴弾を投げ損なって自爆した(昭和ブルースは4番)

*学生運動・モンタージュ作成に躊躇する銀行OLなど時事ネタも多いのだが、正直どこに主眼を置けばよいのか悩む作品だった。せめてタイトルが「兇悪の時限爆弾(手榴弾も可)」だったほうがしっくりくるのだが。

*歌入りOPテーマは、しゃべくりのある映像(今回は銀行襲撃シーン)が流れるとどうしても声が混じってしまうので、ちょっとおかしな具合である。

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| TVドラマ(現代劇)::非情のライセンス2 | 02:47 PM | comments (x) | trackback (x) |
非情のライセンス 第2シリーズ #60
#112「兇悪のお母さん」(1975年・S50・12月4日OA)

荒川の土左衛門を横目で眺めつつ車上の人となった会田(バックミラーにぶら提げているファンシーなお人形マスコットは何なのか:天知茂)は、道路の真ん中にしゃがみこむ少女を発見、側の家まで連れ帰った。その夜、表札の氏名が先の被害者と同一人物であることを知った彼は家を再訪し、聞かれもしないうちからヒステリックにまくし立てる母親・安子(中原早苗)の様子に疑念を抱く。

会田は少女・民子(小谷真規子)を連れ出し、公園でボート漕ぎに興じながら事情を聞こうとするのだが、彼女は口を閉ざしたまま。もしや病気では、と山岸(大友柳太朗)に診せたところお前さんと同じ“愛情欠乏症”だと言われる。父性というより母性本能に目覚めたらしい会田、「俺たち刑事にはもうちょっとクールな心が必要だってことを忘れなさんなよ!」と民子を尋問に来た橘警部(渡辺文雄)からお株を奪うような捨て台詞を浴びながらも、けんもほろろに追い返し彼女を擁護する。

一旦は家に帰したものの、会田は民子が気になって仕方がない。そしてもう一度赴いた際、彼の不安は的中。裸のまま後ろ手に縛られ震えていた民子を救出しながら、会田は母親への怒りを募らせる。だが話せるようになった最初の言葉が“おかあさん”だった民子を見て、あんな母でも親は親なのだろうと思うと内心複雑だ。

民子が言葉を失ったのは、下宿人の土田(大塚吾郎)との濡れ場を押さえられた母が父を刺殺する様を目撃したせいである。土田に邪険にされ始めた母・安子はその鬱憤を娘への虐待で発散。挙句に娘の口封じと引き換えの逃避行を持ち出され、男を選んだ彼女は民子を山岸医院から拉致、手をかけようとする。そこへ飛び込んできた会田は、娘に出刃を突きつけ自省のかけらもない安子に発砲、駆け寄った民子を腕に抱きしめた。

「全くお前って奴は・・・!」苦い顔の橘警部に背を向け、会田は自身を納得させるかように言い切るのだった。あんな母親はあの子にとって必要ない、と――(昭和ブルースは2番)

*このドラマならではのハードテイストの作品のひとつ。ほんとにいろんな意味で「全くお前って奴は!」な会田だが、彼だからこその決着のつけ方に唸る。でもこのあと民子ちゃんをどうするんだ会田よ。・・・それより気になったのは、民子ちゃんに会う前からフォロー一切なしで会田の車にぶら下がっていたお手製マスコット。そういうシュミなのか会田よ。

*久々に裸族なお目覚め(のあとコーヒー片手に新聞読んでる)シーンあり。サービス?

*山岸先生、会田が愛に飢えているってことまで見抜くとはさすがだ。

*会田が民子ちゃんに与えた、赤い帽子でシマシマ服の「お母さん」人形、当時(←ほぼ彼女と同年齢)買ってもらった記憶が・・・(お腹を押すと鳴くんだ、確か)

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| TVドラマ(現代劇)::非情のライセンス2 | 02:48 PM | comments (x) | trackback (x) |
非情のライセンス 第2シリーズ #59
#111「兇悪の三億円」(1975年・S50・11月27日OA)

1968年12月10日に発生した三億円事件の犯人は、学歴社会に押し潰された元・白バイ警官だった――。

時効が成立する3日前、関係者に挑戦状のごとく郵送されてきたのは盗まれた五百円札。だがそれでアシがつき、犯人・柿本昌夫(森次晃嗣)の所在が判明、一課と特捜部の面々は博多へ飛んだ。

今は廃虚となった故郷のボタ山に潜伏する柿本は、長い逃亡生活の果て、精神に異常をきたし始めている。彼の犯行を知ってしまった幼馴染の敏江(宮園純子)は、学歴偏重の警察機構、ひいては社会が彼を追い詰めたのだと会田(天知茂)に訴え、また一課の橘警部(渡辺文雄)は、柿本が現職警官だから、警官への信頼を裏切ったから許せないのだと心情を吐露(会田、今回は聞き役多し←「あんたは人情よりメンツが大事なんだな」など、言うことは言う)。

時効成立の当日。敏江は柿本と共に死のうと決意、薬をバッグにしのばせ仕事に出た。しかし彼女の願いは叶わなかった。犯人逮捕に燃える橘の望みもまた潰えた。なぜなら狂った柿本を自らの手で縊り殺したのは、彼らの父親たちの親友で、炭鉱事故でひとり生き残った鉄造(阿部徹)という老人だったのだから――(昭和ブルースは1番)

*三億円事件と炭鉱の悲劇がシンクロし、人間の弱さがうまく表現されていた作品。はっきりいって会田がいなくても話は十分通じるのだが、こういう話は好きだなあ。

*エリートなんて一握りだ、学歴もない、出世の望みもない俺たち特捜部のような警官だっているんだ、と敏江に反論していた会田だが、どうも彼は見た目がエリートっぽいので(パリッとスーツとか、髪型とか←余計)説得力に欠けるようである。

*博多のスーツ店の店員に茶川一郎さんが友情出演。やはり茶ァさんはコミカルな役でないと。

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| TVドラマ(現代劇)::非情のライセンス2 | 02:49 PM | comments (x) | trackback (x) |
非情のライセンス 第2シリーズ #58
#110「兇悪の雨に濡れて」(1975年・S50・11月20日OA)

カエリタイ、カエリタイ・・・!
たどたどしい遺筆をのこし、異国の娘は人身売買の餌食となって死んだ。会田(天知茂)は外国人女性を不法に売買する関東菱田会を捜索するが、なぜか捕まるのはザコばかり。どうやら“コケシ”と呼ばれる黒幕が事前に情報を得ているらしい。手入れの日時を知っていたのは自分と四方(葉山良二)だけのはずなのに、なぜ―。そこで会田は、待ち合わせ場所で四方が美しい女性・早苗(松本留美)と一緒だったことを思い出す。

早苗は四方の外事課時代の親友・黒木誠二(岡田真澄)の妹。黒木はある事件で四方を庇って銃弾を受け、車椅子の生活を余儀なくされていた。妹と二人、つつましい暮らしぶりの彼が身障者施設に巨額の寄付をしていること、菱田会の会計を受け持っていることを探り当てた会田は、黒木兄妹が四方を利用しているのではないかと疑い、関東菱田会の秘密会合に潜入した四方の後を追う。

会合場所で早苗の姿を見つけて驚く四方。やはり黒木が“コケシ”だったのだ。素性がばれた四方は(会田がけしかけたせいもあり)組員たちにボコボコにノサれるわ室内プールに放り込まれるわ散々な目に遭う。次は同じく捕まった会田の番か、という状況で菱田会ボスを人質に取った会田は四方を助け、黒木に対峙した。火を噴く3人の拳銃。――プールに沈んだ兄に駆け寄った早苗は「寄らないで人殺し!」と四方を非難。おまけに『わざと外したな』と会田に睨まれ(ってことは会田が人殺しなわけだがそれを彼女に弁明することなく)、四方は警察手帳を置いて姿を消した。

雨の夜。ハマで自堕落な生活を送っている四方を訪ねあてた会田は「彼女(=早苗)と結婚しろ」と強引に殴りかかり、カッとなった四方も彼をサンドバッグ代わりに。雨の中しこたま殴りあった末、会田が差し出した手帳を受け取った四方。二人の背後では、早苗が喜びの涙を浮かべていた。

翌朝、会田が見守る中、教会で式を挙げる四方と早苗。だが幸せの絶頂で、たぶん早苗ラブだったのかもしれない生き残りの組員(佐藤京一)の凶弾が四方を貫いた。命乞いをする男を問答無用で撃ち殺した会田は、泣き崩れる早苗を残し、悲しみを堪えて教会を後にするのだった(昭和ブルースは1番)

*四方刑事殉職の回。葉山さんに華をもたせようと(?)いろんな趣向で四方メインに話が進んでいくので画面が濃い、のはさておき、唐突極まりないラストを含め、いろいろ詰め込まれすぎていてかえって散漫な印象を受けた。黒木との対決シーンをクライマックスに持ってきても良かったのになあ。

*ただ、特捜部で(部長を除き)唯ひとり会田にタメ口がきけて、よき相談相手でもあった四方さんがいなくなってしまったのはとても残念だ。(#9「兇悪の口紅」のナイスフォローが印象深い←会田はモンローシャツの回・#3「兇悪の序曲」を思い出していたが)

*医学の世界は日進月歩だ、俺は決して諦めんからお前もちゃんと静養しろ!と山岸先生(大友柳太朗)にお説教されていた会田、薬も貰わず捜査に直行。しかし雨の中で殴り合っても平然としてたので、相変わらず元気そうで何よりだ

*岩田刑事(岩城力也)にカミさんがいることが判明。この人ほんとにマイペースだな。

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| TVドラマ(現代劇)::非情のライセンス2 | 02:50 PM | comments (x) | trackback (x) |
大忠臣蔵 #51
「討入り その二」(1971年・S46・12月21日OA)

「いよいよ来たか・・・!」
12月15日、月明かりの午前4時。赤穂浪士たちが吉良邸へ討ち入ってきた。愛妻・おせい(長谷川峯子)に短くも情熱的な別れの言葉を告げた清水一学(天知茂)は外へ飛び出した、と思ったら弓矢を避けるため彼女の小袖を借りに戻り、「おせいの匂いがする・・・」と再び味な愛妻家コメントを遺して上野介(市川小太夫)の寝所へと急ぐ。

寝所では、上杉家からきたツワモノ家臣の小林平八郎(芦田伸介)や鳥居利右衛門(大友柳太朗)らがおびえる上野介を囲んでいた。「どうだ清水、殿を塀の外へお連れできるか」平八郎からいきなり難問を投げかけられた一学さんは黙るしかない(たぶん自分だけでも無理)。結局、抜け道を通って炭焼き小屋へという話になり、堀部安兵衛(渡哲也)との対決より殿を護るのがお前の役目だと諭されて、大須賀(睦五郎)・榊原(久富惟晴)らと共に上野介の誘導にまわることになった。

1時間後。名だたる家臣が壮絶な最期を遂げる中、上野介の所在は皆目分からず、浪士たちに焦りが見え始めた。安兵衛はまた、義兄弟(=一学さん)の姿が見えないことをも懸念していた。あいつは逃げ隠れするような奴じゃない、きっともう上野介を連れ出したに違いないと進言する彼に、大石内蔵助(三船敏郎)は、そう思わせるのが手なのだ、ワシがおるといったらおるのだ!と力強く皆を励ます。

そして安兵衛たちは足跡のない炭焼き小屋のからくりを看破。先に飛び出してきた大須賀と榊原が倒れた後、殿に今まで世話になった礼を律儀に述べていた(といっても殿に会ったのはこの回が初めての←ゆえに殿の中の人が変わっていても分からない)大本命が姿を現す。
「安兵衛、待ちに待った日が来たな・・・参ろう!」

――小屋の前で静かに対峙した義兄弟対決は、あっけなく終わった。
「見事だ・・・安兵衛」安兵衛が駆け寄ったときには既に、一学さんは微かに満足気な笑みを浮かべて事切れていた。

本懐を遂げた赤穂浪士たちが去った後。無残な死体がうち捨てられたままの吉良邸に、捨て身で自分ちの殿様を押しとどめ、上杉十五万石を守ることに成功した千坂兵部(丹波哲郎)が現れた。「あたら武士を汚名の中で死なせ・・・すまぬ。この礼は、あの世できっと・・・!」視線の先には、変わり果てた夫(=一学さん)の亡骸をそっと撫でるおせいの姿があった―。

*ひときわ豪勢なキャストで繰り広げられた討入りの回で、なんだかんだと最初から最後まで美味しい場面をキープしていた一学さん(天っちゃん)、実に大物扱いだ(いや、大物なのかもしれないが←失礼)。小袖で敵を霍乱するのは上野介の専売特許かと思っていたよ一学さん。しかもある意味ラスボスだし一学さん。どう見ても安兵衛より強そうだったけど、望みが叶って良かったね一学さん。おまけに丹波さんに弔ってもらってるよ一学さん。

*一学さん亡き後、炭焼き小屋の前で浪士たちがぐるりと上野介を取り囲むのだが、倒れているはず一学さんの所在が気になって仕方がなかった(田村正和さんの座布団にされてやしないかとか)

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大忠臣蔵 #41
「決闘 堀部安兵衛」(1971年・S46・10月12日OA)

11月の寒空の中、ひとりで町を巡回中の清水一学(クレジット最後尾:天知茂)は、討入りの下準備に余念がない堀部安兵衛(渡哲也)にばったり出会う。安兵衛の行動を咎めるふうでもなく、その様子では俺たちが刃を交える日もそう遠いことではなさそうだな、と穏やかに言う一学さんに「(お前を)他の者に討たせはせぬから、安心していろ」と返す安兵衛、相変わらず義兄弟の絆はがっちりだ。

その安兵衛が、吉良邸に増設された土蔵を調べに単身で屋敷に忍び込んだ。屋敷内は討入りに備えて警備がすこぶる厳重。やべえ見つかるかも、というときに突如現れたのは、兵法者の勘とでも申しましょうか、なんとなく寝付かれなくて・・・と非番にも関わらず屋敷内をぶらついていた一学さん(たぶん義兄弟センサーが作動したのだろう)。直接気づくことはなかったが無意識に救ってくれた友(=一学さん)のおかげで、安兵衛は土蔵のからくりを発見できた。

一方、米屋という触れ込みで吉良邸を偵察している前原伊助(若林豪)は、吉良に雇われた町道場の荒くれ者たちに眼をつけられた。伊助と仲の良い安兵衛は、道場主の荒巻一心斎(青木義朗)との果し合いを決意、大石内蔵助(三船敏郎)に迷惑はかけられぬと脱盟届を出して約束の場所へと向かう。祈るしかないと言う大石たちに対し、彼だけを死なせるわけにはいかないと伊助も槍を持って後をつけた。

大勢の手下を引き連れて待っていた荒巻は、卑怯でも何でも勝てばいいのだと人海戦術で二人を苦しめる。さしもの喧嘩安兵衛もこれまでか!と思われた瞬間、「この勝負、俺が許さんっ!」と一学さんが力強く駆けてきた(義兄弟センサーおそるべし、というわけではなく、親切な部下が知らせてくれたおかげである)。正々堂々と1対1で勝負しろ、さもなくば俺が相手だと二天一流の構えで殺気立つ一学さんを前にしてクルッと向きを変えた荒巻(怖かったのか)は安兵衛に対峙、卑怯にも背後から切りかかろうとしていた手下ともども、彼の刃の餌食となった。

「どうだ久しぶりに一献」「立場上“堀部安兵衛”とは飲めんが、偽名のお前となら」なんてことを言い合いながら笑顔で帰る義兄弟ズ(+伊助)の様子に、やはり心配で来たらしい(たぶん一学さんが来なかったら自分が荒巻を瞬殺しようと思っていたに違いない)大石も安心したようにその場を去るのだった。

*討入りまであと1ヶ月(=10話分)。今度会うときは雪の吉良邸で死闘を繰り広げる運命の義兄弟の最後の友情話(だと思うとちょっと泣ける)。

*丹波さんがいないお陰で最初で最後の(?)トメ位置に収まった天っちゃん。普段と比べて声が少々かすれていたような気もしたが、堂々といいとこ取りをしていた(さすが最後尾)。おまけに今回も“紫のひと”は健在。特に決闘シーンでの三つ巴紋がちりばめられた紫の袴はインパクト大だ(さすが最後尾←関係ない)

*8年後には殺戮チーム(違)を組む豪さんと天っちゃんだが、同じ画面に収まれど会話は直接なかったようだ。ちなみに豪さんは今回もピンクたすきで頑張っていた(あれが好きなのか?)

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| TVドラマ(時代劇)::大忠臣蔵 | 11:44 PM | comments (x) | trackback (x) |
大忠臣蔵 #39
「暁の江戸潜入」(1971年・S46・9月28日OA)

吉良邸の長屋でごろ寝している清水一学(今回も桔梗色の帯がまぶしい天知茂)を、御高祖頭巾の武家が訪ねてきた。大石内蔵助(三船敏郎)がついに江戸入りするとの噂に、自分の殿様(=吉良の実子)がとばっちりを被ることだけを懸念する上杉十五万石命の家老・千坂兵部(丹波哲郎)である。

「斬って欲しいのだ、大石を」
千坂様からいきなり刺客になれと言われた一学さん、「ムシの良いご依頼ですな!」とまったく相手にしない(そうでしょうそうでしょう)。薄汚い暗殺屋として大石殿を倒すなどまっぴらごめん被ります、そう言ってふくれっ面でそっぽを向いた彼に千坂様は「その答えは予期しておった」ときり返し、武士として必ず償いをいたす、お主の後を追って晴れ晴れと腹を切ろうじゃないかと重ねて持ちかける。そんな、自分ちのことしか頭にない他所の家老の命なんかで償ってもらってもねえ・・・「分かりました!」って今度は即答ですか一学さん! どうやら(クレジットがトップとトメの)ミフネ&丹波両名と冥土へ道づれっていう未来予想図が気に入ったらしい。

そんなこんなでやっぱり丹波さんにいいように使われるさだめの天っちゃん、もとい一学さんは大石の潜伏先へと向かった。柳生家当主・俊方(仲谷昇)と内蔵助を引き合わせたい柳生の忍び・お蘭(上月晃)はなんとか一学さんを足止めしようと手下に襲わせるが、ザコでは話にならんと数名を得意の二天一流で瞬殺(みね打ち)した彼は、子供と釣り三昧の内蔵助に対峙する。

子供をお蘭に預け、刀を交えるふたり。緊迫感あふれるシーンだが、腕のなまっちろさからして一学さんの分が悪そうなので(それは関係ない)早く収拾つけてくれ、と思っていたら白馬に乗った王子様ならぬ柳生の殿様が現れて止めに入り、吉良家に傷がついてもいいのかと脅された一学さんは渋々引き下がった。

内蔵助と対談した柳生俊方は、彼が世論をがっちり味方につけていることを確信し、討入りを事実上容認する構えをみせた。憤る柳沢吉保(神山繁)だったが、こうなったら上杉十五万石を巻き添えにして取り潰してやる、と闘志を燃やす。千坂様ラブのお蘭のたくらみは裏目に出たのだ。「なんと卑劣な・・・!」ついさっきまでまさに卑劣な行為をしかけていた一学さん(上杉家へのおよばれだからか、新撰組のような浅黄色の羽織着用。袴はもちろん)と千坂様は自分たちのことは棚にあげ、更なる苦難を予想して眉間を深くするのだった。

*久々の登場ゆえか、かなり美味しい設定を作ってもらっていた一学さん。しかしよその家来に頼みにくる千坂様も千坂様だが一学さんも一学さんだ。「大石殿を迎えて同行3人、冥土の道連れとして悪くありませんな」って、自分だけ死ぬ確率が一番高いということは考えてないのかこのひとは。

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『女王蜂』
『女王蜂』(1958年・S33)

「女王蜂」といえば横溝正史、つい“口紅にミステリー”のほうを連想してしまうのだが、こちらはさらに20年も前の新東宝の女侠客シリーズ第1弾。

昔気質の侠客・湊一家のお竜(久保菜穂子)は、寄る年波に勝てぬおとっつぁん・鉄太郎(横山運平)に代わって組を切り盛りしている勝気な姐さん。だが近頃は、ムチムチおねーさんが歌い踊る(アクロバットもやる)クラブ経営などで羽振りの良いハマの新興ヤクザ・真崎組がのさばってきて湊一家はおされ気味。「斬った張ったばかりがヤクザの能じゃねぇ!」が口癖のキレ者組長・真崎(サスペンダー&白スーツでクラブのマスターというよりウエイターのようでもある天知茂)は組同士のいざこざも金で収めようとする男だが、鉄太郎にせっかくの好意(?)を無下にされ眉間に怒りを溜め始めており、かなり不穏な雰囲気である。

そんな中、湊一家のシマである下町マーケットが全焼、おとっつぁんも亡くしたお竜さんはマーケット再興のために金策に走り回った。どこも断られる中、救いの手を差し伸べてくれたかに見えた金融商会は真崎の息がかかった会社。工事をわざと遅らせて返済を滞らせようとする真崎組のいやがらせに負けじと博打で稼ごうとするお竜さんだが、いいところで手入れに遭ったりでめどが立たない。お竜さんを幸せにする自信がなくて逃げるように船乗りになり、ちょうど寄港中だった俊介(中山昭二)は見かねて真崎に談判に出かけ、麻薬密売を条件に前借りした現金を、そっくりそのままお竜さんに手渡した(これで二人のラブラブ度は絶好調)。

俊介の金を真崎に叩き返したお竜さん。だが真崎は利息分が不足しているよと不敵に笑い、彼女をその場で押し倒す。それを知った真崎の女・マキ(三原葉子)が「あんな小娘のどこがいいのヨッ!」と激しくジェラシー、火事の真相(=真崎の差し金)を立ち聞きし監禁されていた踊り子・美沙(城実穂)の逃亡を助けたおかげで、湊一家VS真崎組の全面対決が始まった。

皆に迷惑をかけまいと(といっても既に敵味方ぐちゃぐちゃになってるのだがそれはさておき)お竜さんは真崎に決闘を挑む。波止場でにらみ合う和服の彼女と白トレンチの真崎。「お竜さーん!」突如走ってくる俊介に真崎はちょっと気を取られるが、お竜さんは「余所見してんじゃないよっ!」とやる気まんまんだ(あなたの彼氏でしょうに)。そして・・・。ハジキが得意という真崎の銃が先にお竜さんを捉えたものの、近づいたところをバスッとやられて真崎撃沈。お竜さんは俊介の腕の中で幸せそうに息を引き取った。

あらすじ - goo 映画(結末を含め、かなり本筋と差異あり。ちなみに天っちゃんは「助演」となってるが、クレジットでは3人並んでいた)

*コワモテでいかにも強そうな泉田洋志さんたちを引きつれた頭脳派ヤクザの真崎=天っちゃん。ワルには違いないが、クラブを仕切ったり接待ゴルフに付き合ったり、なんだかマメに働いている姿が印象的だった。一方で実に頼りなかったのが俊介。真崎なんか一発でノシちゃえそうな感じだったのに、あのラストの役に立たなさはどうなんだろう。中山昭二さんだからなのか?それとも名前が「政」じゃないからか?(←女王蜂シリーズの“ヒーロー”はたいてい「○○の政」という名前)

*田口哲(さとし)監督は天っちゃん主演デビュー作『恐怖のカービン銃』のメガホンを取った人でもある。

*新東宝・女王蜂シリーズはこの後『女王蜂の怒り』『女王蜂と大学の竜』『女王蜂の逆襲』と続き、『大学の竜』からヒロインが三原葉子ねえさんにバトンタッチされる。それに伴って天っちゃんも悪人から善人へシフト。・・・そういえば今回の葉子ねえさんは出番が短くて(踊りもなくて)残念だった。

*お竜さんを押し倒した後の真崎くん@クリスマスお仕事バージョンをキャプチャーしてみました(前髪の処理の仕方がナイス)

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| 映画::新東宝 | 11:33 PM | comments (x) | trackback (x) |
『稲妻奉行』
『稲妻奉行』(1958年・S33)

問注所なる手前味噌の取調べ機関を盾に身内を庇い立てる薩摩藩VS南町奉行のバトルは、奉行・坪内駿河守(中村彰)の切腹という事態にまでエスカレート。出張から帰ってきた筆頭与力の大岡忠右衛門(嵐寛寿郎)は、上司の無念を晴らさんと決意を新たにする。おりしも薩摩の名刀・安綱が預け先の相模屋から紛失。薩摩藩の家老・島津頼母(高松政雄)と老中・水野忠信(高田稔)が「安綱が見つからんかったら腹斬れよ」(島津)「見つけたら問注所を廃止しろや」(水野)と一札取り交わしたせいで、島津留守居役の佐藤松太夫(江川宇禮雄)や大岡たちが入り乱れるなか、名刀奪還大レースと相成った。

ところでその騒動の元となる安綱を奪ったのは、薩摩藩ゆかりでも、もちろん町奉行サイドの人間でもなく、金欠のくせにやたらと居丈高な素浪人・秋月典膳(天知茂)。黒白のリバーシブル着物でまんまと町方をかく乱して刀をゲット、ヒモ状態でごろごろしながら、アシがつきそうになると誰彼なしにばっさり斬り捨ててしまう相当な使い手かつ極悪人の典膳(とはいえ、盗んだり斬ったりする肝心の実行シーンがまるでないので想像するしかない)は、刀と引き換えに佐藤松太夫から金を巻き上げようとするのだが、取引の場で松太夫に騙され、手下のヒョットコ面(自分は般若面)と共に逃げ帰る羽目に。しかし台詞の浮つき具合はともかくワルぶりは一枚上手の典膳、渡した刀は偽物。

ところが、ざまあみろと勝ち誇る典膳からちゃっかり本物を持ち去ろうとするヒョットコ。実は彼の正体は鞍馬天狗、じゃなくて大岡忠右衛門だったのである!サシの勝負の末、みね打ちで典膳を倒した大岡様は彼を引きつれ、約束の刻限が迫り切腹寸前の水野の元へ急ぎはせ参じるのだった(めでたしめでたし)。

*政情などまるで関係ない、金がすべての悪人役に体当たりしている(のが丸分かりなのがほほえましい)天っちゃん。台詞や動きはまだ硬いが、ふとした折にみせるクール&鬼畜な表情がブレイクを予感させてくれる。

*物語の鍵を握る重要な役柄なうえ、アラカンさんとの(恐らく初めての?)1対1での対決シーンがあって、さぞ嬉しかったに違いない(なんだかそこだけ、ワルというより普通に真面目な顔で刀を振り回していたような気がする)。

*そうそう、和田桂之助さんと宇治みさ子さんも善人カップリングで出てました(ついでで失礼)

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| 映画::新東宝 | 11:28 PM | comments (x) | trackback (x) |
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