2008,11,02, Sunday
#186「兇悪の標的・ガラスの女」(1980年・S55・7月17日OA)
暴力団の麻薬ルートを追っていた加山刑事が麻薬漬けにされ廃人に。一緒に捜査していた会田(緑で下が赤いネクタイが明智センセイな天知茂)は怒り心頭、証拠不十分でのうのうと放免された関東連合会の今西(幸田宗丸)の出所祝いパーティーに乗り込むと問答無用で銃を向けた。 銃声が轟き今西は被弾、当然のごとく蜂の巣をつついた騒ぎになり、今西を吐かせることも叶わず子分たちに追いかけられピンチに陥った会田を救ったのは、クラブにいたガラスのイヤリング(お手製)の女・吉沢律子(新藤恵美)だった。車を借りた会田は、彼女のマンションに転がり込む。 敵に回せば刑務所の中まで執拗に命をつけ狙うという(「エスプリ」のしずえさん談)関東連合会のボスを撃ってしまった会田を心配する矢部警視(山村聡)。だが電話してきた会田は、今西を撃ったのは自分ではないと言い切った。会田以外に今西を狙った奴がいるに違いない、そう確信した(会田に相当甘い)矢部さんは、浦川(左とん平)たちに再捜査を命じる。そして彼らは、今西を貫通した銃弾の穴(弾は不明)と、不審なボーイ・石川の存在を探しあてた。 そのころ会田は、律子の部屋のガラス細工(=プードル)の中に問題の弾丸を発見していた。恋人を殺した今西に銃を向けた貴方を助けたの、そう過去を語った律子。 ――あの人を死に追いやった奴らは、みんな許さない。 律子の言う恋人は、かつて今西の組にいた坂崎というチンピラで、足を洗うために囮をかって出て、取引現場で今西の配下に殺された男だと判明した。つまり会田もまた、彼女にとっては憎き仇だったのだ。 律子は今西の部下、工藤(名和宏)や関(宮口二郎)らに談判、会田の身柄と引き換えに5千万を要求するが、逆に捕らえられてしまった。律子のマンションで急襲を受けた会田は彼らを撃退、関を連れて律子の監禁場所へと向かう。手下たちの銃撃を(愛弟子で元後輩の)関を盾にして難なくかわし、律子を連れて車に乗り込もうとしたのだが、その瞬間、左肩を撃たれてしまった。 廃工場に車を停め、傷の痛みに耐える会田に、なぜ助けたのだと律子は冷たい視線を投げる。殺してやりたいほど貴方も今西も憎んでいる、と叫ぶ彼女に、会田は自らの拳銃を手渡した。 ――だったらもう一度俺を売ればいい。奴らが俺を殺せば、いずれ今西も捕まるだろう、そうなれば君の想いは遂げられるはずだ――。 律子は銃を受け取らずに姿を消した。グルだったボーイの石川に会田の居場所を告げ、今度こそ計画をうまく運ぼうとするのだが、会田の行為にほだされてか、銃撃戦まっただ中の廃工場へ踵を返し、無計画な弾切れで一巻の終わりになりかけていた会田を庇って工藤の銃弾に倒れる。応援に駆け付けた特捜部の面々のおかげで一味は逮捕。だが律子は、石川が今西を撃った証拠の弾丸を託し、会田の胸の中で事切れた(昭和ブルース新録4番にのって、包帯姿の会田が今西邸へ乗り込み、鯉に餌をやっている今西に銃をぶっぱなすところでエンド) *…いや、やはり撃ったらマズかろう会田。かなり無謀に思えた冒頭は、百歩譲って今回のシチュエーション作りのために必要不可欠だったとしても、せめてボコ殴り+手錠がっしゃんで終わって欲しかったような気がする。…とはいえ、手持ちの台本ではほんとに眉間に弾をぶちこんで殺してるのでもっと兇悪だ。 *その台本では、廃工場で律子が会田の懐から銃を奪い、撃とうとしている(そこから「君がわざわざ手を下さなくても、今西たちが来る、もう一度俺を売ればいい」云々と続く)。律子が逃走途中で薬を買いに行ったりするシーンもあって重傷度が高い会田だが、本編の流れの方がカッコよかった(苦痛に眉を寄せながら煙草くわえるところとか、リボルバーの弾を充填してからおもむろに渡す仕草とか!) ただ、律子さんちで目玉焼きを作るというシーンはちょっと見てみたかったかも。 *会田が連絡を取れるのはここ(=特捜部屋)しかないから、と徹夜で詰めてた矢部さんに愛を感じた(幸せもんやのう会田)。でも冒頭で死んだ加山刑事、会田は「同僚」だと言ってたのに矢部さん完全スルーだったなあ(「加山はどうでもいい!お前はどこにいるんだ!」だもんな) *新録は1番しかないのかと思っていた昭和ブルース、初めて4番がお披露目。「行(い)かなきゃ/行(い)かない」が「ゆかなきゃ/ゆかない」に変更されていた(それ以前の問題はさておき)。あと、ピュンピュンいってるBGMもなじめないなあ。
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2008,10,28, Tuesday
#185「兇悪の化粧・総選挙殺人事件」(1980年・S55・7月10日OA)
保主党新人の桂木議員が、選挙カーにぶつかってきた酔っ払い・酒井(漢字は当て字:住吉道博)に刺され命を落とした。肝臓病のため減刑されて5年の刑期を務めることになった酒井。彼の妻・トモエ(池波志乃)は、なぜか事件を機に、安キャバレーの子持ちホステスから一気に六本木のゴージャスな高級レストラン(クラブ)のママへとのし上がる。 そんな不可解な経緯に疑惑を抱いた会田(天知茂)はトモエをマーク。直後にその筋のプロ連中につけ狙われ、「エスプリ」のしずえ(野川由美子)にまで累が及んだ(ほぼ会田のせい)。会田を金で丸めこもうとした選挙ゴロの土屋(漢字は当て字)が、彼の素姓を知り大人しく観念した一方、正体を現したトモエは色仕掛け(「刑事の裃をお脱ぎなさいよ〜」)+スキャンダルねつ造で会田を落とそうとするが失敗した。 土屋の上にいる黒幕は誰か? 尋問に知らぬ存ぜぬを決め込んでいた土屋は留置所内で舌を噛んで死亡。会田は酒井と面会し、真相を明かさねば次に死ぬのはトモエだと脅しをかけるのだが、そのころ釈放されたトモエは件の黒幕の配下に娘を奪われかけ、夫婦ともども口を噤んでおくよう念を押されていた。刑務所の中も安全とはいえない、と今度はトモエに揺さぶりをかける会田。彼女は進退極まり、黒幕――帝都リサーチセンター所長唐沢先生(漢字は当て字:細川俊夫)の元へと出向く。 だがそれこそが会田の思う壺。おまけに酒井がようやく真相を自供し、「貴様俺を誰だと思ってるんだ!」と息巻く唐沢先生に問答無用で2、3発お見舞いした会田は彼らを一網打尽にした。 後日、トモエは荒んだ安キャバレー勤めに逆戻りしており、ふらりと訪れた会田は水をぶっかけられ、静かにその場を去る。あとにはやり切れぬ思いを酒で紛らわせるトモエの姿があった(昭和ブルースは新録1番) *「何の恨みがあって(俺達を/アタシ達を)…!」夫婦が必死に掴んだ幸せをぶち壊す羽目になる会田はたしかに辛辣で非情だが、組織悪に対しては容赦ないからなあ。容赦ない、といえば、しずえさんを簡単にエサに使いすぎじゃないのか会田(それだけ信用してるといえばそうなのかもしれないが) *艶っぽいママと荒んだキャバレーの女、どちらを演じてもサマになる池波さんだった。会田を誘う際の露出は意外に控え目。 *ラスボスは新東宝でおなじみの細川さん。昔から天っちゃんとは善悪相容れない関係だっただけに、今回はキレ者な大物ワルぶりを発揮してくれていた。…天っちゃんと命日が10日ほどしか違わないのも何かの縁か(きっと競歩で追いついているかも) *「エスプリ」で殺し屋連中に襲われたしずえさんを守ろうと岩田さん(岩城力也)奮闘。けっこうボコ殴りされていたのが可哀想。 *(2010.6.21追記)第1シリーズのオリジナル版(#13「兇悪の化粧」)を見た。あっちでも竜巻太郎(左とん平)がとばっちりをくっていたが、チンピラがつけてると知ってしずえさんちへ行く会田の方が罪つくりだと思った(タロさんちは近所だし)
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2008,10,27, Monday
#184「兇悪の天使・舞い降りた殺人」(1980年・S55・6月26日OA)
検事に呼ばれ汚職に関する証言を強要されている久保(漢字は当て字)さんは心身共に疲れ気味、電車に飛び込んでみようかなー、というそぶりを見せたりして、尾行するコワモテのグラサン男(=会田:天知茂)を驚かせるのだが、ふらりと訪れた美人デザイナー・風岡英子(島村佳江)のファッション・ショーでなぜかひどく嬉しそうな表情をみせ、上機嫌でアパートに帰宅。それを見届け、奥さんに黙礼でバトンタッチしてから会田は退場するが、久保さんはその夜首を吊ってしまった。私が眼を離したばっかりに…と涙にくれる奥さんや子供たちを前に会田の怒りは上昇。「俺の目にははっきり見える…ご主人を殺した男が・・・!」 その男、日本建設開発公団の総裁・古川(西村晃)は2年前も同じように部下・前島(漢字は当て字)を自殺に追いやっており、会田の追及を逃れていた。古川に宣戦布告した会田はそこで彼の養女である英子に会い、彼女が前島の葬式にいた事を思い出す。二人の自殺男と英子の関わりは何なのか? 古川の援助で幸せに暮らす前島の遺族を訪ねた際、英子のことを彼より先に調べている男の存在を会田は知る。それは英子の夫でカーレーサーの風間(下塚誠)だった。実父もかつて古川に自殺に追いやられた一人である英子の“役割”を悟り妻を諌める風間だが、“お父様(=古川)命”の英子は聞く耳を持ってくれず、挙句「英子と古川がデキている」という噂にショックを受け、レース中に壁に激突、還らぬ人に。 英子と古川のスキャンダルは、さも会田がタレ込んだようにゴシップ誌に流れた(実は古川の仕業)。夫と社会的地位を無くした英子はそれでもまだ「私にはお父様がいるわ!」と強がっていたが、古川にもはや用無しと見なされ、毒入りのワインを手渡される。会田が指摘した通り、古川の力で成功した英子は前島や久保さんに『自分が死んでも家族は幸せに暮らしてゆける』という安心を与えて自殺に導く存在=黒い天使に過ぎなかったのだ。 「(私のことを)一度も可愛いと思ったことなんてなかった…?」彼女の言葉に笑顔で応える古川。「道具をかわいいと思う人間なんかいないよ」 すっかり打ちのめされワインに口をつけようとした英子を会田は間一髪で救い、毒入りワインを古川の口元にぶっかけると、必死に避ける彼に手錠をかけた。「死んでゆく者の苦しみはこんなもんじゃあない!」 すべてを失った英子は、自殺の権利さえ奪った会田に復讐を誓い、家を出た。その強い意志に会田は頷く。 何年でも何十年でも、何千年でも待ってるつもりだ、それが、俺の責任の取り方だ――。 (昭和ブルースは新録1番) *23年かけて“道具”を育てあげ、自らは全く手を汚さない大物を晃さんが怪演。さすが魔術師は違う。 *ゴシップ記事を会田が書かせたと思いこんで(実は私もそうかと思ってたが)大荒れにあれまくったあげく矢部部長(山村聡)に当たる浦川刑事(左とん平)。「アンタの躾が悪いんだよ!」は頷けるとして、「“I(アイ)刑事”っていったら会田しかいないじゃないか」って、会田なら「I」じゃなくて「A」じゃないのか? *またもや会田の時代を感じる言い回し「そ〜なんですよ、古川さん」
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2008,10,27, Monday
「(静の巻) 群狼の都」(1964年・S39・11月22日OA)TBS 20:00-20:56
出演:田村高広、天知茂、鳳八千代、水島道太郎、戸浦六宏、金内吉男、美川陽一郎 脚本:生田直親 *いまのところ5話目だけに天っちゃんの名前を確認。判明しているキャスティングは、坂本竜馬=田村高広、土方歳三&人斬り以蔵(二役)=戸浦六宏、高杉晋作=木村功、近藤勇&松平容保(二役)=中村竹弥、勝海舟=神山繁、井伊直弼=山村聡。朝日新聞縮刷版にはあらすじがなかったのでなんともいえないが、竜馬と良い勝負に目立っていて、1回で出番が終わってしまう(?)ような幕末の人物というと誰だろう? ※(2009.9.2追加)朝日新聞大阪版よりあらすじ引用: 勤皇を志して京へ上った浪士たちはオオカミのように市中をさまよっていた。奇襲で岡田以蔵(戸浦六宏)と知り合った田中新兵衛(水島道太郎)は、月形半平太(金内吉男)に以蔵の帰参を許してほしいと頼むが、“人きりの出入りは無用”と断られる…。
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2008,10,22, Wednesday
#183「兇悪の予言・霊感を売る女」(1980年・S55・6月12日OA)
美人霊感師・北麗子(鰐淵晴子)の予言通りに、新日金属社長・森田(西本裕行)が服毒死を遂げた。常備薬の強壮剤のカプセルの中に青酸カリが仕込まれていたことから、橘係長(渡辺文雄)ら捜査1課は森田の後妻(一柳みる)をマーク、彼女を自白を導いた。 しかし、薬の入手先とみられた研究所員がひき逃げされ死亡。毒入りカプセルを入れたのは、果たして後妻だけだったのか――。会田(天知茂)は背後にいる黒幕を探るため、麗子に接近する。 霊感に懐疑的な会田に「あと5日で貴方は冷たい闇の中…」と死を予言する麗子。それに呼応して、今月の運勢が大凶だったりタロット占いの結果が髑髏(死神)だったり、「お前のようなはみ出しは、長生きできそうにないな」なんていう発言が飛び出したり(by 係長さん)、思わせぶりな死亡フラグがぽんぽん立つ会田だったが、車で少々襲われてもびくともせず、麗子を問い詰める。 かつての霊感を失った彼女は、新日金属の新社長の言うがままに予言を実行していた。だが新社長も何者かの手で転落死。裏で糸を引いているのは、政界の黒幕らしい。次に殺されるのは君だという会田の警告を頑なに否定する麗子は、急に新東宝の鐘の音(違)を聞いて立ち止まった。驚く会田を尻目に、後ろに迫っていた(黒幕の)車に自ら突っ込んだ麗子は、「こうなることは前から分かっていたの、信じて…」と呟き事切れるのだった(昭和ブルース新録1番をバックに、国会議事堂に入りかけていた車を停め、黒幕に手錠をかけるところでエンド) *雲に乗るのは止めて車に乗っかったノンちゃん。3年後はカツオに乗る予定(おい) *刺客に襲われ逆に撃ち倒した会田が銃をまさぐる刺客の手をぐぐっと踏みつけるシーンで、例の半端じゃないヒールがばっちり映っていた。 *それにしても、至近距離に迫っていた車に気付かないとは会田、迂闊だな・・・(眉間が深い分視野が狭いのか?)
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2008,10,20, Monday
#182「兇悪の潜伏・届けられた暗殺」(1980年・S55・6月5日OA)
6年前にビル爆破事件を起こし逃走中だった「黒い鉄」グループの潜伏先が警視庁公安部に暴かれ、主犯・戸川(漢字は当て字:北村総一朗)が逮捕された。残る指名手配者はライフルの達人・谷岡俊夫(北城清嗣)34歳。谷岡の写真をニュースで見た特捜の北里龍夫刑事(小野武彦)は表情を曇らせる。彼と谷岡は共に大学のラグビー部で汗を流した友人だったのだ。 そんな彼のもとに、大学の校歌が吹き込まれたテープが送られてくる。宛名から、それが彼ら共通のマドンナであり、今は谷岡と逃亡中のマサミ(田島令子)の筆跡だと気づいた北里は、消印を頼りに、バーで働くマサミを探し当てた。戸川粛清に凝り固まっている谷岡を救ってほしい(=逃がしてほしい)と懇願するマサミ。だがコワモテの先輩=会田(ごつい縦ストライプシャツにわざわざストライプなネクタイを合わせた天知茂)も一緒に来ていたせいでマサミに睨まれ、谷岡も取り逃がしてしまい北里は落ち込む。 戸川狙撃に失敗した谷岡は公安の目をかいくぐって彼の情婦を拉致、人質交換を要求してきた。現場へ赴いた会田は、女に銃を突きつけ戸川を出せと喚く谷岡を前にここぞとばかりに丸腰になり、自ら囮をかってでる。屋上から谷岡にライフルの照準を合わせる北里。「頼む北里、あいつ(=会田)を止めてくれ!」かつての友に叫ぶ谷岡。だが6話にしてようやく日の目をみたようなレギュラーにずんずん前進してくる主役を止めることは出来ず、切羽詰まった谷岡が会田に銃を向けた瞬間、北里の弾丸が彼の胸を貫いた。 マサミを頼む、そう呟いて谷岡は息絶えた。「死んだんですかアイツ。バッカだな〜」会田は脳天気に言ってのけた戸川に一発お見舞いし、背を向けた――(昭和ブルースは新録1番) *初回にいなかったということもあり、印象の薄かった北里刑事(浦さん=左とん平からは「北やん」と呼ばれている)がメインを張る回、なのだがやはりこのシリーズの常として美味しい場面は会田がかっさらってしまった(「オレが囮になる!」と上着を脱ぎ、ショルダーホルスターをおもむろに外しかけるところのキメ具合といったらもう)。角刈りで「自分は…」と口にするコワモテ体育会系キャラの割には下っ端扱いの北やん、態度とガタイが落ち着きすぎてて会田の舎弟には微妙に不向きなところがネックか。 *岩田さん(岩城力也)「エスプリ」に登場。刑事時代はさんざん呼び捨てにしてこき使っておきながら「どうです、慣れましたか?」などと敬語を使ってる会田。もう一般人だからか? *谷岡が戸川の女を拉致した件で公安に強気で怒鳴り込む矢部警視(山村聡)。「うちの連中が公安さんとどう違うのか、見ていてもらいましょう!」あの現場を見てた公安の連中がどう思ったかは不明。
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2008,10,17, Friday
#181「兇悪の祈り・国外逃亡を阻止せよ!」(1980年・S55・5月29日OA)
戒律厳しい教会の外国人神父が、夜毎のご乱交の末に妊娠した女性・カズコ(桜井浩子)を絞殺。醜聞を恐れる教会サイドのお偉方・西原神父(漢字は当て字:久米明)たちは、犯人のクロード神父(ジェーソン・フェラー)を完全保護、彼を本国へ送り返そうと画策する。 20年前、同じような事件でみすみす犯人に国外逃亡され、捜査一課長の職を辞す羽目になった矢部警視(山村聡)は、犯人逮捕に並々ならぬ闘志を燃やしていた。クロードの血液さえ採取できれば証拠は揃う。しかし教会のガードは異様に固く、一課と特捜部の捜査は難航した。 会田(天知茂)はクロードと付き合いのあったナオコ(紀比呂子)に協力を依頼するが、彼女の口も固い。ナオコが被害者のカズコ同様、クロードの子供を宿していると知った会田は、生まれ来る子供に罪はないから、と、彼女とクロードとのやりとりを録音した盗聴テープを渡し、もう姿は見せないと告げた。 クロードは「シロ」だと新聞に流れ始めた頃、ナオコはもう一度会いたいと彼に電話。ホテルで愛し合った二人の前に会田が現れた。すべてはクロードの国外逃亡を遅らせ、ナオコに会わせて血液を採取せんがための策略だったことに気づいたナオコは彼を詰る。会田はナオコを利用したことを認めつつ、静かに言うのだった。「生まれてくる子を大事にしてほしい、というのは私の本心だ」と――(昭和ブルースは新録1番) *第2シリーズ#56「兇悪の情事」(脚本は同じく国弘威雄さん)のほうが緊迫感があったような気がするが、“身重の妻を殺された”という第3シリーズの会田設定に沿った味付けがなされていて(回想シーンなどで蒸し返したりしなかった分)最後のシーンに静かで哀しい余韻が漂っていた。
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2008,10,14, Tuesday
「なぞなぞナーニの巻」(1970年・S45・4月5日OA) NET 20:00-20:56
出演:緒形拳、朝丘雪路、雷門ケン坊、天知茂、中山仁、中村竹弥、高松英郎、京春上 片目片腕、白の着流し、腰に妖刀ぬれつばめ…の異様なスタイルの丹下左膳は、昭和の初め林不忘の発表以来、何度も映画化、劇化された時代劇のヒーローだ。新番組は新しい人物を加え、自由な脚色を加えた家庭向きの娯楽もの。脚本・押川国秋。(以上、朝日新聞縮刷版より引用) *初回と#2「とんとんトンガリ長屋の巻」(こんな調子で全話ほんわか和み系のタイトルが続く。中身もそんな感じなのか?)にしか名前が確認できない天っちゃん。原作には弥三郎なる人物は出てこなかったと思うので、“自由な脚色”の一環かもしれない。
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2008,10,13, Monday
#180「兇悪の女医・ささやく鍵」(1980年・S55・5月22日OA)
病院で消えた末期ガンの主人を探してほしい、という女性・由紀(吉田日出子)の訴えに耳を傾けた会田(天知茂)は、浦川(左とん平)と共に問題の病院へ向かった。院長の田代ケイ(吉行和子)は自分が由紀の夫・木本孝雄(入川保則)の担当医だったと言うが、人ひとりが消えたというのに捜査願いも出していない。 不審に思った会田が密かにケイを尾行したところ、アパートに匿われている木本を発見。保険金しか頭にない妻といるより、好きなことをして遺された日々を過ごしたいという木本は、胸元から名前と血液型、病院の電話番号が刻まれた鍵を取り出し、これがあれば最後は病院に戻れる、この鍵が外れたときが私の死ぬときだ、と会田に語った。 「逃げることが、本当の意味で生きるっていうことになるとは思えない」ケイにそう言いつつも、それ以上の捜査を打ち切る会田だが、翌日、木本はビルから転落死。遺体の周辺に鍵は無かった。「あのあと奥さんが訪ねてみえたんです」ケイの言葉で、自分が由紀に尾行されていたことに会田は気づく(遅いよ!)。 木本の死は他殺だと断言する会田。調べを進めると、木本はケイの元夫・戸倉の死因の調査を探偵社に依頼していたことが分かった。末期の胃ガンを患っていた戸倉は死ぬ3日前にケイと離婚、彼が掛けていた保険金の受取人は、当時の愛人―由紀だったからだ。そして解剖の結果、木本はガンなど患っていないことが判明する。 彼女が戸倉の妻だと知らずにいた由紀に「あなたの夫はガンです」と思わず嘘をついたケイ。その嘘と、戸倉の死に関する重大秘密をネタに、ケイから金をせびり豪遊していた木本。妻に三行半を突きつけ、金づるのケイと再婚する気だった彼は、すべてを知らされた由紀に殺されたのだ。 木本の事務所の金庫で問題の鍵を使おうとした人物・由紀を、会田と浦川は捕らえた。だがその鍵は、ケイこそが欲していたもの。会田は何も言わずに鍵をケイに渡し、こん睡のまま由紀を呼び続ける夫を殺したのは私なの、と言いかける彼女を制した。あなたは自分の耳を塞いだだけなのだ、と。 会田は自分を見逃したのではない――。彼の真意を理解し、本当の意味で生きるため、病院を辞めたケイは地方の山村へ向かうのだった(昭和ブルースは新録1番) *何かをささやく鍵を巡る男女の愛憎劇。人間関係の意外な絡みが堪能できた。入川さんにはすっかり騙されたなあ。さすがフェイク明智! ←番組違い *しかし、旦那を殴り殺したのはともかく、それを屋上から投げ落とすってのは女ひとりでできることなんだろうか。おひでさん、おひょいさんに手伝ってもらったのか?←これも番組違い *浦さんがヤキモチを焼く(?)ほどツーカーな会田と矢部さん。「会田が殺しというからには、殺しに間違いないよ」って部長、信頼しすぎ。
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2008,10,11, Saturday
「宮本武蔵の首を取れ!」(1979年・S54・3月6日OA)
(↓BSフジからあらすじ引用) 武術の達人・宮本武蔵が登場。はたして、武蔵の真意は?*「お家のため、お命申し受けまする…!」冒頭いきなり襲いかかってきた刺客(=吉郎くんの父)を眉間ひとつ動かさず瞬殺した武蔵。外記派の人間を血祭りに上げているコワモテ連中(宮口二郎ら)の稽古を請け負い、監物と堺屋の小判入り饅頭箱談合や外記暗殺の計画にも顔を出すその真意を測りかねる十兵衛だったが、川で魚取って、岩窟に籠ってトンカンやってるかと思えばひたすら書き物に没頭しているストイックな彼を、かつて命を救われたというおえんは「あったかくって、優しくって、いつもアタシの頭の上にいてくれて…」とベタ褒め、『おてんとさん』と呼んでひたすら慕っている(「夜はひっこんじゃう」のも言い当て妙とのこと)。 「久々に、生きた御仁にお目にかかった…」とすれ違いざま一目で十兵衛を認めた武蔵(その前に腕試しに来て惨敗した弟・左門の立場まるでなし)は、外記暗殺当日の朝、止める十兵衛と刃を交わす(お互い、前身頃をバッサリ)。武蔵が白装束を着けていたことに驚く十兵衛。彼は大方の予想通り、藩のために捨て身で監物一派を成敗しようとしていたのだった。真相を知った十兵衛と左門は(余計な)助太刀をかってでて、かくして武蔵は一番弟子(=宮口さん)を斬り捨てただけで事件は無事収束した。 ところが、こっそり十兵衛に稽古をつけてもらっていた吉郎が、父の仇である武蔵に突っ込んできた。刀も抜かずに少年を待ち受ける武蔵。と、ここでまた十兵衛が(余計な)止めを繰り出して吉郎を岩窟へ連れてゆき、武蔵が弔いのために彫り続けている石仏群を見せて宥めるのだった。 *とにかく静かな佇まいの天知武蔵。何しろスーパー剣豪だけにすべてにおいて余裕があるのだが、余裕ありすぎて印象が薄まったというか、特別出演なんだからもうちょっと活躍場面を作ってほしかった。宗矩VS武蔵とか(部長の勝ちか?) *武蔵は2度演じている(1度目は1962年のドラマ「佐々木小次郎」)が、やはり本人もどこかで語っていたように、どっちかというと小次郎キャラの方が似合うような気もする。…天っちゃんは何をやってもスマートにキメる分、野性味に欠けるからなあ。 *薄紫の頭巾で人斬りに勤しんでいた宮口さん、予告で思わず間違えてしまったくらい師匠に似ていて驚いた(右斜め下を向きながら刀の血をバッと払う仕草と横顔がもう激似!)
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