2008,12,01, Monday
男ならやってみな(1964年・S39・6月20日OA)NTV 21:30-22:30
【名誉欲に駆られた議員さん】(以上、朝日新聞縮刷版より引用) *長門さんとはこれで意気投合したのか、初舞台(「道場破り」)や映画(「いも侍」)などでも仲良く共演している。 *掲載写真の雰囲気が意外にとても良く似ていたので、もしかしたら穴山が羽野になりきるようになって、最後は出し抜いて自分の銅像をちゃっかり建てる、ってな話なのかもしれない(あくまで想像) ※(2009.9.2追加)朝日新聞大阪版あらすじ: ストリップ劇場の経営者、羽野玄三(長門勇)は、自分の銅像を建てたい一念から市会議員になり人気もあがる一方だったが、そんなとき彼の参謀で秘書をしている穴山(天知茂)が東京へ帰ると言い出した…。地方議員の名誉欲をユーモラスに描く。ほかに小林裕子ら。 (週刊TVガイド 1964年6月20日号より引用) 【天知と長門 初の顔合わせ】
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2008,11,29, Saturday
#194「兇悪の眼・キャリアウーマン殺人事件」(1980年・S55・9月25日OA)
小金持ちの独身キャリアウーマン(“跳んでる女”by 会田:天知茂)・が連続して殺される事件が発生。4人目の殺人現場で偶然「星を見ていてホシ(犯人)を見た」という建設作業員の男が名乗り出た。彼こそはレンズの眼を持つと言われながら2年前に隠遁した名カメラマン・立川守(中谷一郎)。これ以上ない強力な目撃者を得てモンタージュ写真は完成したが、なぜか立川は、犯人逮捕のために自分が囮になると申し出た。 被害者たちの資産をちゃっかりモノにしている点が非常に怪しい高木総業(社長:内田勝正、その部下:田口計)に立川を連れて乗り込んだ会田は、会計士の村田を見た際の立川の表情をいぶかしんだ。俺を心配してくれる奴など誰もいないと言っていた立川だが、2年前に一方的に別れを告げた元妻の美奈(二宮さよ子)がこの村田と一緒にいるところを偶然見かけ、密かに心を騒がせていたのだ。そして事件がきっかけで立川を訪ねあてた美奈も、未だ彼を深く想っていた。 結婚詐欺師を兼ねていた村田の毒牙から美奈を匿う特捜部。しかし美奈は、立川が囮を申し出た理由を会田たちに語ろうとしないばかりか「あの人が見たといったら絶対見たんです!」と浦川(左とん平)を殴って拳銃を奪い、モンタージュの男を出せと高木総業へ単身掛け合いに出かけて消息を絶った。まもなくその銃で村田が用済みとばかりに殺された。会田は、立川がカメラマンを辞めた真の理由が視力の低下にあったことをずばり指摘、美奈救出の秘策を授ける。 立川は高木の妻を拉致し、彼女と美奈の交換を高木に持ちかけた。取引現場に向かった彼はトランクに押し込めてあった会田(手錠つき)を土産として差し出し、美奈を引き取ろうとしたのだが撃たれ負傷、3人とも倉庫に監禁されてしまう。だがすべては(立川の怪我以外)会田の策略通り。やがて姿を見せた“殺し屋”の顔は、細部はともかく、立川作成のモンタージュとほぼ同一だった。「多少ガタがきても、お前さんの目はやはりレンズだな」自信を取り戻した立川は“殺し屋”に一発お見舞いし、もう一度カメラマンとしてやり直す決意を新たにした。 異国(ゴビ砂漠)へ旅立つ立川を見送りに来た会田は、しずえ(野川由美子)に連れられた旅行姿の美奈を温かく送り出してやるのだった。(「俺達も行こうか…」と言ってびっくりさせながら実は「コーヒーでも飲みに」だった会田に呆れるしずえさん、素で分かってない会田のバックに昭和ブルース新録1番) *こういうハッピーエンドも良いものである。ラストに着ていたその筋の人のような白スーツもハッピーそうだし(そうか?) *はじめ“殺し屋”は顔がはっきりしなくて履いてる靴だけが映るのだが、それがなにやら『怒号する巨弾』の天田クンっぽくってちょっと笑った。 *監禁されたとき、ラブラブな立川&美奈のそばで“冒険野郎マクガイバー”並みの知恵(?)を使って重機のライトを照らすべく頑張ってた会田の姿も必見。
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2008,11,22, Saturday
#191「兇悪のファミリー・殺意の重奏」(1980年・S55・9月4日OA)
狩猟から帰った邸宅住まいの旦那さま・神村和男(松橋登)は、妻彰子(堀越陽子)が若い男と寝室でいちゃつく現場に出くわしてしまい、思わず男を射殺してしまった。和男は知人の所轄刑事・久賀(平泉征)に電話、彼を金づるにしている久賀は死体を外に出し、チンピラ同士の喧嘩に見せかけてやる。 数か月後、事件は立ち消えになったかと思われたとき、本庁特捜部からキレ者デカ(=会田:天知茂)がやってきて終わった話を蒸し返した。和男の父で政財界の黒幕・神村正三郎(嵯峨善兵)は10年前のとある事件で不起訴になって以来の会田のターゲット。今回の事件をきっかけにその時のリベンジを果たしたい会田は、まず彰子に揺さぶりをかけ、正三郎に息子の不始末をほのめかす。 真相を知らされた正三郎は「彰子をどうにかしろ」と息子に命じつつ、彼女を愛している和男が愚図っている隙にさっさと事故死に見せかけて嫁を始末。「化け物の息を止めるには、こっちも化け物になるしかないらしいな」 会田は傷心の和男にじわじわと脅しをかけ、次に殺されるのはお前だ、と吹き込む。 すっかり唆された和男は「やられる前にやれ」とばかりに父親を襲い、正三郎は階段から落ちて死亡。そこへ現れた会田は「騙したな!」と憤る和男に問答無用で手錠を掛けた(昭和ブルース新録4番をバックに、もうひとりの小悪党・久賀刑事を殴り倒してエンド) *第1シリーズ#39「兇悪のライフル」同様、ライフルを持たせると危なっかしい松橋さんが今回も実にヤバそうな演技を披露してくれていた。(ちなみに会田の髪は今回はヤバくはならない) *10年前の事件で正三郎を睨みつける回想シーンの会田、変わってなさすぎ! *はみ出し者の集まりとして煙たがられている特捜部だが、所轄刑事からすると憧れの的らしい。なんだかんだいってエリートなんだな、会田。
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2008,11,18, Tuesday
『毒蛇のお蘭』(1958年・S33)
京都の料亭「菊水」の一人娘・志乃(小畑絹子)は、掏られた密書入り財布を届けた縁で勤皇の志士・安川(中村竜三郎)とほんのり良い仲に。だが江戸へ行かねばならぬ安川と涙で別れた夜、料亭が新撰組に急襲され両親惨殺。奉公人のお梅(山下明子)と二人で安川を頼って江戸(もう東京)へ向かったはいいが、箱根山中で親切ごかして近づいてきた口元と髪型が胡散臭い色男・ざんぎり源次(天知茂)の毒牙にかかり、お梅は馬車で輪姦、志乃は源次に青姦され隠れ家に連れ去られてしまう。 オレは蛇のような女が好きだから、こいつの体に毒蛇を彫ってくれ、との源次の命を受けた彫辰(沢井三郎)によって、背中一面に“源次の情婦”としての烙印を余儀なくされる志乃。だが泣く泣くそれを承諾した途端、スリ、美人局、賭場荒しなどなど、どこぞのスイッチが入ってしまったかのように「毒蛇のお蘭」として悪事に手を染めてゆく。 警察に追われ、源次と離れ離れになった後も、かつて騙した大館(林寛)の囲い者になり若い書生をたぶらかすなど毒婦ぶりに拍車がかかっていたお蘭は、書生をそそのかして主人と相討ちさせ、金庫の中身をごっそり頂戴しようとしたところでふたたび源次(こちらもちゃっかり後家さんをたぶらかしジゴロ状態)と再会。冷血爬虫類同士で意気投合、大館が保管していた銀座の宝石商のご落胤の証拠品を武器に大金をせしめようと画策する。しかし源次がお蘭とよりを戻した事に激しく嫉妬した後家のお信(若杉嘉津子)が「うらめしや伊右衛門どの〜」と(違)土壇場ですべてを暴露、とうとう源次とお蘭は大乱闘の末、逮捕された。そして取り調べにきた警察署長は、なんとあの愛しの安川だった…。 *可憐な京娘から魔性の姐御に変貌する小畑さんを愉しむ作品。彫辰さんの刺青が凄かったからかもしれないが、よっぽど源次の調教が効いたとみえる。 *いわば色悪版ヒギンズ教授な源次。初めはお蘭に対してクールな態度を崩さなかったものの、思っていた以上の変貌を遂げた彼女に驚き、クライマックスでは「お前だけでも逃げろ!」と命綱の拳銃を手渡してしまったあたりに敗因をみた。生脚をちらつかせて一生懸命抗っていたが、やっぱりあのあと死刑になっちゃうんだろうなあ。
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2008,11,16, Sunday
#190「兇悪のマイホーム・連続身代わり殺人」(1980年・S55・8月28日OA)
宝石密輸ブローカーがエレベーター内で刺殺された。実行犯山谷(漢字は当て字:塩見三省)を偶然目撃した身重主婦の川上さん(漢字は当て字:夏純子)はなぜだか急に証言を覆す。マイホームなんて夢の夢、銀行強盗でもやる?なんて冗談を冒頭で言っていたその川上夫妻、まもなくキャッシュでマイホームを購入。会田(天知茂)は金の出所を探るため、夫妻、特に気の弱そうな夫の良雄(漢字は当て字:三島史郎)に付きまとう。 釈放された山谷はガスの不始末とやらで謎の死を遂げ、良雄もまた、“あんたの身代わりとして通行人を殺したよ(だから喋ると次はああなるんだぜ〜)”などという某所からの口止め電話(&怖い顔で迫る会田)に怯えまくる。「ここまできたら負けちゃだめよ!」との妻の励ましで腹をくくった良雄だったが、ある日、夫妻に刺客が襲いかかり、妻は会田&浦川(左とん平)の機転で助かったものの、良雄は刺され即死してしまった。 「主人を返して!」川上夫人にさんざん詰られ「エスプリ」でいつになく落ち込んでいる会田に矢部警視(山村聡)が笑顔で追いうちをかけた。「彼女が自殺を図ったぞ。どうだ、お前さんも首でもくくるか、はっはっは」 病院にすっとんで行った会田は、「あの世でお腹の子に“命を返して”といわれたらどうするつもりだったんだ!」と怒るのだが、しずえさん(野川由美子)の会田フォロー(彼も身重の奥さんを亡くし云々)も逆効果、「あの世であなたの奥さんと子供に、あなたの亭主のせいでこうなりましたって訴えてやるわ!」と反撃される。川上夫人に生きる望みを与えたいが、亭主を殺した俺にそんな大それたことはできない、と部長を前にまたしても会田は苦悩する羽目に。 退院した川上夫人は、意を決して殺しの黒幕・唐沢社長(漢字は当て字:小林勝彦)に電話を掛け、「主人を返して!さもなければ1億円を」と要求した。しかし、唐沢のビルの駐車場で襲われ、相手をうっかり射殺。駆け付けた会田がふって湧いた連中にボコ殴りされている間に現れた社長は川上夫人に1億円入りケースを渡し、これが欲しければあいつ(=会田)を撃てと強要する。 一旦は銃を向けた川上夫人だが、「あんたはやっと生きる気になったんだろ、お腹の子のために。ここまできたら最後までやりぬくんだ!」と当の会田に励まされるうちに気力減退、社長ともみ合ってるうちに会田が反撃、全員を射殺した。 「俺はあんたが生きていく気になってくれただけで十分だ」 会田は川上夫人に金を持たせ、今までの事は忘れろ、と送り出してやるのだった(昭和ブルースは新録1番) *第2シリーズ#4「兇悪の火」で小悪魔娘を、#68「兇悪の声」では復讐に燃える女を熱演していた夏さんの登場。思い込みの激しい役の似合う人である(「白い人魚の美女」といい)。しかしあのあと、泣きながら車を運転して去っていったカワカミ夫人はそのままドロンしちゃったんだろうか? 偽証してるし、人殺してるんだけどなあ。(でも夏さんキャラならやりかねん) *最近かなり会田に甘かった矢部さんの今回の励まし方(?)が久々に非情。ま、あれも一種の愛だろう。 *駐車場で殴られてるときに着ていたワイシャツ、襟にタブがついてて(タブカラー)お洒落だった。
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2008,11,10, Monday
#189「兇悪の唇・危険を運ぶ女」(1980年・S55・8月21日OA)
島中(漢字は当て字)組VS誠東会の勢力争いが激化する中、大量の拳銃を隠したまま服役中だった島中組の荒井(浜田晃)が刑期を終えた。2年前に彼をあげたものの、大部分のハジキの隠し場所までは付き止めきれなかった山路刑事(柳生博)はとある個人的理由からも執拗に彼に付きまとう。 組長の島中(江見俊太郎)はそのハジキを期待するが、警察(特に今回担当になった会田:天知茂)の目が光っているのを理由に調達を渋る荒井。ところが彼が急に敵サイドの誠東会の栗田(漢字は当て字:今井健二)と極秘裏にコンタクトを取ろうとした。理由は同棲相手の美也子(漢字は当て字:三浦真弓)が店の資金2000万を欲しがったせいだ。栗田とトランシーバーで密談しているところを会田と山路に連行された荒井だが、ハジキの在り処だけは口を割ろうとしない。 そんな荒井に「美也子に新しい男がいるらしいぜ」云々と囁き動揺を誘う会田。事実、彼女には芸術家肌の吉光浩一(西田健)という別の男がいるのを浦川(左とん平)たちが確認済みだったが、その事実に、山路が荒井以上に取り乱す。美也子は拳銃事件とは無関係だ、と頑なに言い張る山路は会田に理由を問いただされ、警察手帳を取り出した。そこに挟まれていたのは、美也子に激似の中年和服女性の写真。 「山路…(おまえマザコンだったのか… ←とは言ってない)」 「そう、美也子は俺の…妹だ!」 母親に連れられて家を出て、長い間行方知れずだった血を分けた妹ゆえに、山路は美也子を心配していたのだ。 ところが釈放された荒井は事務所で射殺体に。現場にいた美也子は、山路が飛び出して行った、と証言。行方をくらましてしまった彼に殺人容疑がかけられるが、会田は美也子の口調に疑念を抱いた。その夜、駅で誰かに待ちぼうけをくらった美也子を物影から眺めている山路を発見した会田は、来るはずだった美也子の彼氏・吉光の正体を彼に打ち明ける。 吉光は栗田の命で新井の女(=美也子)に近づいてハジキの在り処を探ろうとしていた誠東会の組員だった。美也子の幸せのために、荒井をはずみで撃ったという吉光を信じ逃がしてやった山路はその事実にショックを受けた。 栗田の事務所に押し入った特捜部の面々はそこで吉光を発見。逃走した彼を追いつめるが、山路のピンチに美也子が飛び出してきて被弾、最初で最後の「おにいさん…」という呟きを残して帰らぬ人となってしまうのだった(慟哭する山路の肩を無言でぎゅっとして去っていく会田の背中にかぶって昭和ブルースは新録1番) *外見からかなり年上にみえる柳生さんだが、1937年生まれなので天っちゃんより6つも年下。なので「妹」設定でもおかしくはないんだろうが、てっきり「娘」かと思ってしまった。そういえば「肉親は妹しかいない」と言ってたが、たしか後になって娘が出てきたような…? *たとえ美也子を犠牲にしてもハジキの在り処を突き止めたい、そんな会田の非情さをぴたりと当てるしずえさん(野川由美子)、ふたりは似た者同士。
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2008,11,09, Sunday
「こぶつき浪人」(1971年・S46・2月13日OA)
四国入りした十兵衛(山口崇)は、チビッコお遍路(実はニセモノ)の吉松(梅地徳彦)の勧めで入った飯屋の片隅で飲んだくれている超ロン毛浪人・新堂左馬之助(天知茂)に出会った。吉松の“ちゃん”である左馬之助は、自慢の剣の腕で道場破りに出かけ、道場主からちゃっかり小判をせしめて華を持たせてやる、というセコい方法で日銭を稼ぐ男。そんな腕がありながらもったいない、自分より強い奴がでてきたらどうするんだ、とたしなめる十兵衛の言葉なんてどこ吹く風だ。 7年前に乳呑児(=吉松)をかかえて転がり込んだ居候先の喜兵衛(池田忠夫)の薬代や、吉松の世話を引き受けてくれた娘のお新(生田悦子)に渡す生活費などをそうやって工面する左馬之助。彼に密かに惚れている(が、親も周囲も公認なのに左馬之助が相当にオクテなので停滞中の)お新は身を案じて「もっとほかのことはできないんですか」とやんわり詰るのだが、弱った顔をしながらこちらも馬耳東風の左馬之助である。 そんな折、本陣のお姫様が宿場を通りかかり、ひょんなことから吉松が遊び相手に選ばれた。姫の乳母・藤乃(藤田佳子)は、吉松のお守り袋を見てがく然とする。彼こそは、7年前に夫を亡くし困窮した末に置き去りにした我が子だったのだ。すぐさま側近の吉田弥惣右衛門(小笠原弘)を連れて左馬之助のもとへ赴き、息子を引き取りたいと申し出る藤乃。10両を無造作に目の前に置かれた左馬之助の表情がみるみる険しくなった。「不承知だ!」 金を突き返し彼らを追い払った左馬之助だが、話を聞いていた十兵衛からは、吉松の将来のためには実の親に返す方がいいのではないかと痛いところを突かれ、お新からは、私があの子を育てたんです、絶対離しません!と詰め寄られる。俺は剣も吉松も捨てられない未練な男だ、と自分を嘆く左馬之助は、俺達の勝手であいつの将来を台無しには出来ぬとお新を諭し、泣く泣く吉松を手放すことを決めた。 ところが吉松は、(吉田に頼まれた)昼間の道場の一味に連れて行かれそうに。大小を取られてピンチの左馬之助だったが、刀を投げてくれた十兵衛のおかげで見事全員を倒して息子を取り返す。おまけに十兵衛は、藤乃から今後一切吉松から手を引くという証文を取り付けたうえ、高松藩への仕官のため、左馬之助に推薦状までしたためてやる。「酒は一滴も飲めない」だの「一子吉松と、妻のお新を連れて…」だのという文に困惑しまくる左馬之助だが、周囲のあたたかい祝福に送られて、新しい生活に旅立つのだった。 *強い奴が現れてやられちゃったりする話なんだろうか、と序盤は心配したが、予想外にホームドラマだった。道場主と試合中に値段を交渉してる時の「ダーメ♪」というおちゃめな言い方だとか、半分泣きそうな顔で「俺は未練な男だ…」と心情を吐露するところとか、(当時はこの手の役も多かったようだが)少なくとも会田@非ライを過ぎると滅多に見られない挙動が面白い。 *藤乃が来たときの表情の変化(黒目がちだったのが、だんだん憤ってきて三白眼になって睨むあたり)がこれまた素晴らしかった。さすが眼ヂカラ男!←だれも呼んでない *ただ、左馬之助が吉松を拾った経緯をもっと掘り下げてほしかったなあと思う。せめて回想シーンくらいあってもよかったのになあ(そんなに髪がロングじゃない頃の姿も見てみたかったというかなんというか)。
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2008,11,07, Friday
『女間諜(スパイ)暁の挑戦』(1959年・S34)
なかなかの美男子ゆえに特務機関「むらさき機関」に配属され、“岸井隆”の変名で中国でスパイ活動をすることになった元陸軍中隊長(天知茂)。重慶側のスパイと目される京劇スター林晃彩(リン・コウサイ:三原葉子)に接触を図り、彼らの組織を一網打尽にするのが彼の任務である。「いいな、女におぼれてはイカンぞ!」出発前にそう忠告され、北京で直属上司の“三津井雪”(高倉みゆき)から具体的な指示を仰いだ岸井はここでも「晃彩におぼれてはいけません!」ときつくダメ出しされる。 晃彩に近づいた岸井はすぐさま彼女と仲良くなるが、憲兵の怒りを煽って逮捕された。岸井にああ言いながら自分が彼におぼれかけている雪は上司の大佐(竜崎一郎)に即時釈放を願い出るが、これも作戦の一つだと却下される。事実、激しい拷問(バケツの水ぶっかけとか、半逆さ吊りでビシバシとか)を10日ほど受けた後で部屋に転がり込んできた岸井の姿に晃彩は胸キュン、二人の親密度は急上昇。中隊長時代を知る部下に出くわす小ピンチもあれど、思惑通りに進んでいることに岸井は不遜にニヤつくのだった。 京劇の研究会に出かけるからお部屋で待っててネ、と鍵を託して外出した晃彩を追った岸井は、彼女がアジトで日本人参謀の暗殺計画に加担している姿を目撃。急ぎ雪に連絡を入れるも相手はなかなか出てくれず、そうこうするうちに晃彩が帰ってしまい、やむなく電話を切り部屋へダッシュで戻った。ところが岸井が通報しなかったせいで参謀は殺されてしまった。あいつ(=岸井)は役に立たんと言う大佐に雪は必死に彼を弁護、私はキミを信じてるから、と再チャンスを与える。そんな二人の密会を、重慶側のスパイ・謝天成(江見俊太郎)がじっと見つめていた。 再びアジトで、大将を列車もろとも爆破する計画を盗み聞きする岸井。アジトの場所を雪に知らせた彼だったが、晃彩からもらったライターをうっかり落としたおかげで謝の疑惑を決定的なものにしてしまう。憲兵たちを引き連れた雪がアジトへ駆け付けるともぬけの殻、おまけに時限爆弾がセットされていて、多数の死傷者が出た。すべては岸井が晃彩の色気に迷って裏切ったせいとされ、雪は彼を殺せと命じられた。 だが岸井に(一方的に)ゾッコンな雪には彼が殺せない。逃がそうとしてくれた彼女に、ボクを信じてくれているなら、大将が列車に乗る時刻を教えてほしいと頼む。岸井はその情報をネタに、自ら敵の懐に飛び込む策を打ち明けた。必ず助けに行くから待っていてほしい、雪は自分のペンダントを託し、彼が重慶側スパイたちに連行されるのを見送った。 岸井のネタに食いついたスパイ一味は、雪たちによってほぼ全滅。だが隠れ家に逃げ帰った謝は岸井を射殺しようとし、それを庇った晃彩が死亡。雪が駆け付けたときには岸井もまた銃弾に倒れていた。「雪さんすまない、ボクは晃彩を…」と呟き絶命した岸井の手を、雪はそっと、傍らに倒れている晃彩の手の上に重ねてやるのだった…。 *……で「完」にはならず、スパイをやめて日本へ帰国する雪が思い出のペンダント(ロケット仕様だからもしかしたら岸井の写真でも入ってたかもしれない)を海へ投げ捨てるシーンでエンドマーク。やはり主役は「女間諜=雪さん」だったらしい。 *特務機関の若き切り札・色仕掛け要員の岸井クン。葉子ねえさんとはむちゅーむちゅーとキスしまくってるし、高倉さんには(『東支那海の女傑』同様、やはり苗字を呼び捨てにされていたが)ひたすら可愛がられてるし、天っちゃん実に役得。特に上官である雪さんの恋心を知ってか知らずか「雪さんは、ボクを信じてくれているんですか…」などとかすれ声で俯き加減に囁いちゃったりするあたりの妙な色気に往年の年上キラーぶりを垣間見た(高倉さんは年下なんだけども) *ただ、最初の方、晃彩をたらし込み、彼女の見ていないところでニヤリと笑う顔がいかにも悪人面なので、ラストの純愛展開が唐突に思えなくもなかった。今までこっちのほうが本職(?)だったから仕方ないか。
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2008,11,05, Wednesday
#188「兇悪の骨・肌を売る捜査官」(1980年・S55・8月14日OA)
↑別名「兇悪の裸・肌をさらす特捜刑事」 白のダブルを着た、外見がモロに明智センセイな会田(天知茂)は、麻薬Gメンの乃木(長谷川哲夫)、麻鳥マスミ(中島ゆたか)のふたりと共に、香港麻薬シンジケートの顔役コウ・トッキョウ主催パーティへと向かった。 浪花のおばちゃん仕様の豹ドレスに身を固めたマスミはコウの夜の相手候補としてコールガールに。コウの配下でヤク中の桂(堀田真三)と我慢して半年つきあい、次回の取引内容を聞き出そうという矢先、桂が溺死体となってしまったため、彼女は今回の任務に闘志を燃やしているのだ、と会田に説明する乃木だが、なぜだか手が震えている。もしや彼もヤク中なのか? 会田は、部長の指示で30万のデート代(←男との)を運んできた浦川刑事(左とん平)にマスミを調べさせ、自分は乃木を尾行。彼とチンピラのヘロイン受取り現場に遭遇してチンピラを詰問するが、捕らえられてボコ殴りの憂き目にあう。彼を救ったのは乃木だった。 一方、コウとの一夜を過ごしたマスミだが、正体はとっくにばれており、金をもらってすごすご引き下がる羽目に。「私、負けたわ」「そんなことはない、君は頑張ったさ」生温く傷を舐め合うようなふたりを前にして、会田は、彼女に汚れ仕事をさせて自分は何もしない乃木に不満をぶつける。「あんた何にもわかっちゃいない! 俺は正体がとっくにばれている。正体がばれた麻薬捜査官は“気の抜けたラムネ”と呼ばれてるんだ!」反論する乃木に会田は言った。「わかった、それじゃあ人をひとり殺そう」 ターゲットは、コウの右腕・石黒(山本昌平)。彼の胸ポケットにペーパーナイフを突っ込んで凶器不法所持をでっちあげ、用意したマンションへ連れ込んだ会田は、なぜかおもむろにシャツを脱ぎ捨てるとビシバシどつき始めた。それでも「死んだって(取引内容なんか)言わねえ」と不敵にうそぶく石黒をベランダから放り投げ、手錠を右手だけで掴んだ状態で迫る会田(脱いだまま)。「手がしびれてきたぞ…もうダメだ…あばよ、石黒!」「わあああ、やめてくれええ!」(←視聴者の叫びも代弁する石黒氏) 呼び出され別室に通された乃木&マスミは、会田のあまりの捜査方法(「しょっちゅうですよ」浦さん談)に呆然。そこへ、右腕をさすりながら(脱いだままの)会田が姿を見せた。「吐いたぜ」内容を聞きだそうとする乃木だが、会田は、冗談言うな、これは俺の手柄だとにべもない。 帰る途中マスミと別れた乃木は、コウの自宅へ電話を入れようとして、会田とマスミに見つかった。乃木はコウの手先になり下がっており、うすうすそれを感じていたマスミが、特捜部へ調査を依頼し、会田が派遣された、というのが真相だった。あんたの口からも取引場所と内容を聞いておこうか!と凄む会田に気押され自白する気の抜けたラムネ。「横浜の埠頭で○時、ワインに偽造した50キロのヘロインだ…」「なにっ、50キロ!?」素で驚いている会田に、乃木は図られたことを悟った。実は石黒は吐かなかったのだ(つまり会田のアレはまったくの徒労だったらしい←単に脱いでオイタがしたかっただけか) ヘロイン押収やコウ逮捕などの後の処理はすべてマスミに任せた会田。「早く足を洗って、いいカミさんになるんだね」会田の昭和オヤジな台詞にふふっと笑い、マスミは吹っ切れたように元気に歩いていくのだった(昭和ブルースは新録1番) *「兇悪の門」収録の同名タイトルの原作と大枠は同じ内容(むろん会田はボコられないし脱がないし、オイタもしない)。OAがお盆時期だからサービスしなきゃと思ったのかどうなのか、『楽しませますよ奥さん』ってな意気込みは十分感じるものの、とにかくなぜそこで脱ぐ必要があるのかが気になって仕方がない回である。そんなサービスはいいから天っちゃん。 *第2シリーズから続けて見ていると、第3シリーズもちゃんと「会田」として認識できていたのだが、今回のようなWスーツは見た目が完全に明智センセイなので違和感おおありだった。もっともセンセイはべらんめえ調で喋ったりしないが。
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2008,11,04, Tuesday
#187「兇悪の女囚・コールガール殺人事件」(1980年・S55・8月7日OA)
殺人罪で服役中の西山女囚(漢字は当て字:早瀬久美)は、夫の葬儀のため仮釈放された。事故死という旦那の死因が彼女には(そしてOPで殺しの実況中継を目の当たりにした我々視聴者も当然)信じられず、事実、京浜連合会会長の武藤(早川雄三)以下の物騒な顔の連中が葬儀にウロウロしていた。そんな中、ひときわ物騒な面構えの男(=会田:今回もパッチワークみたいな明智ネクタイの天知茂)が近寄ってきて彼女に囁く。「俺と逃げる気はないかね?」かくして西山未亡人は、警官とヤクザを振り切り、会田との逃避行に踏み切った。 服(「エスプリ」ママ・しずえさんの)を与えられ、旦那の愛人をボコ殴りさせてもらい、ディスコに行った帰りに若いにーちゃんと熱い一夜を過ごす西山さん。京浜連合と捜査一課をかわしながら彼女を好きなようにさせるスポンサー会田の真意は、彼女が犯した殺人の真相を聞くことにあった。内外の重要人物と関係を持ち、寝物語をテープに録っていた同僚コールガールを“はずみ”で殺したことになっている西山さんだが、実際は旦那の属する京浜連合会に命じられて、テープを盗み出す目的があった。しかし旦那は愛人と高跳びするため、殺人のからくりをネタに武藤から金をせびろうとして殺されたのだ。 さんざん遊んだ西山さんだが、会田の頼みを無視。そればかりか、一夜を共にしたにーちゃんを利用して、マルトモ商事の加納社長(漢字は当て字:玉川伊佐男)を手持ちのテープで脅そうと画策する。だが再びヤクザたちに襲われ、しぶしぶ打ち明けた西山さんを連れて、会田は加納社長の元へと乗り込み、庇護を要求した。 社長のゴージャスなマンションを与えられた二人。手伝いのにーちゃんが殺されたのを知り、危険を説く会田に、こんな良い目をしたらもうム所生活なんかに戻れないと西山さんは武藤たちと交渉、海外逃亡用の10万ドルを要求する。うまくいけば儲けものだワ、とあくまでポジティブな西山さんに折れた会田は、テープの所在と引き換えに自由を約束した。 やがて10万ドルが部屋に届けられる。届けにきたヤクザが速攻で逃げようとするのに不審を抱いた会田が「(札束に)触るな!」と声を上げたときには既に遅く、運が尽きた西山さんは札束を抱いたまま爆死してしまうのだった(物悲しく響くオルゴール「エリーゼのために」に被って昭和ブルース新録1番) *もちろんこのあと、武藤の事務所とマルトモ商事に殴り込んで関係者を逮捕。焼け焦げた現場に白い花束をささげる会田であった。 *脱獄を手助けした咎で会田の罷免を要求する橘係長(渡辺文雄)と総監室長(戸浦六宏)を、あいつの任務が表沙汰になれば国際問題になりますよ、と不敵に笑って追い払った矢部部長(山村聡)。さすがだ。 *西山さんをしずえさん(野川由美子)のマンションに匿おうとした会田、帰ってきたしずえさんに肘鉄をくらう。当然だ。 *会田の車は(日産)ローレルのグレイ。
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| TVドラマ(現代劇)::非情のライセンス3 | 03:27 PM | comments (x) | trackback (x) | |