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ミスター・シャネル
ミスター・シャネル(1965年・S40・2月1日〜9月27日:全35回)KTV(CX)21:45-22:15

(1965年2月1日付読売新聞より引用)
【陽気なタフガイ―特命で捜査に活躍する刑事】
「結婚作戦」にかわって、スタートするサスペンス・ドラマ。
刑事でありながら、特命を帯びて捜査のため身分を隠して活躍する“ミスターシャネル”が主人公。彼はなぐられたら、必ずなぐり返すことをむねとし、常におしゃれでドンファンたらんことを欲する男。陽性で明快さを好むタフガイで女性に親切な話のわかる男だ。ドラマは、彼が社会悪を倒すために活躍する爽快さを主軸に、主人公が背負っている戸籍なき男(戸籍抹消を行った男)の孤独感をからませながら、スマートに発展する。主役のシャネルには天知茂がふんしている。
現在日本では、武器は製造されていない。しかし、暴力団は五人に一人のわりで、ピストルを持っているといわれる。このピストルを、東南アジアから日本に大量に密輸し、これを国内に流している「死の商人」の大規模な組織があった。それは戦後最大の組織といわれた。

脚本:高久進、音楽:小坂務、演出:鍵田忠俊
出演:天知茂(シャネル)、若原雅夫(高原警部)、橘公子(高原由紀)、福田和子(川草かおり:シャネルの妹)、人見きよし(地獄耳)、二本柳寛(車椅子のボス)、江見渉(中部刑事)ほか。

*役名は週刊テレビガイドより。放映リストはこちら

(週刊TVガイド1965年5月21日号に掲載されていた視聴者の声)
読者サロン
「ミスター・シャネル」に主題歌を望む!

シャネル・ルックでさっそうと、天知さんのスマートさがテレビの画面いっぱい。私たちの目には珍しい数々の小道具が使用され、一話ごとに違ったスターが共演してスリルとお色気と笑いとでファンを楽しませてくれる。ただこれが30分の前・後編にわかれず1時間番組であったらと、見るたびに私は思うとともに、2、3回で終わる番組ではないのだから、ぜひシャネルの歌が欲しいと思う。番組のタイトル・バックに流れる音楽が私はとても気に入っています。この音楽でか、または他のでも良いのですが、天知さんにぜひ主題歌を歌ってほしいと願っております(制作局にお願い致します)
天知さんはNETの「廃虚の唇」の主題歌を歌われたし、レコードにもなり、なかなかの低音で素晴らしいと思います。
ぜひ私の願いが実現しますよう、祈っております。そして他局の「七人の刑事」や「特別機動捜査隊」のように、1年も2年も長くつづきますよう重ねてお祈りします。(川崎市のNさん)

*そのほか、「TVガイドの表紙かグラビアにシャネルを…」という声が多数届いたそうで、6月18日号にはカラーグラビアに登場している(ソファーに足延ばしてかっこよく寛いでる写真など)。天っちゃんの陽気なタフガイ路線、お目にかかってみたかった(おしゃれでスマートなしょぼくれ刑事@犬シリーズ、を想像すればいいものか)。

| http://www.amachi.info/blog/index.php?e=539 |
| TVドラマ(現代劇)::その他(シリーズ) | 10:44 PM | comments (x) | trackback (x) |
非情のライセンス 第1シリーズ #41
#41「兇悪の試験地獄」(1974年・S49・1月10日OA)

主婦の吉永文子(福田公子)にはこの春東大を受験する息子がおり、夫の昭三(三谷昇)は息子につきっきりで文子を家政婦扱い。そんな彼女が、銀行から下ろしたての200万をひったくられた。だがさしたる手掛かりが無く、坂井刑事(ヒゲの宮口二朗)と鈴木刑事(梅津栄)が両人とも失敗。そこで「女に甘い会田さんとしては、一丁やってみますかな」とヤル気を見せた会田(天知茂)が捜査に乗り出すことに。

文子が大金を下ろしたのは、高校時代からの友人で麻雀仲間のひとり・松原桐子(磯野千鳥)のダイヤを買い取るためだったと鈴木から聞いた会田はまず桐子に接触。「警視庁って事件の解決が難しくなると、最後はハンサムな人よこすのかしら」警視庁きってのマダムキラーにさっそくヨロメく様子をみせた桐子は、株で大損した穴埋めにダイヤを文子に買ってもらうつもりだった、そのダイヤは宝石商に預けてあるのだと証言。

その宝石商・中野涼子(浜田ゆう子)も文子らの友人で、連絡網により会田の到着を待っていた。「あなたになら、言いたくないことまで言ってもいいわよ」ここでもアタックをかけられる会田だが、件のダイヤの指輪が桐子宅でさりげなく調べた彼女のサイズと全く違うことを発見、このダイヤは偽物ですねと言い放ち、澄まし顔で帰った。

「バレちゃったわよ」「でもすごいハンサム刑事
「刑事はみんな鬼のような顔かと思ってたら、すっごいハンサムねえ
あんな素敵な男、ホストクラブにだっていやしないわよ

どうやら桐子と涼子は、文子と申し合わせて嘘をついていたらしい。それがバレても悪びれもせず、電話口でさっき来たハンサムについて喋くるふたりを他所に、会田が次に向かったのは、最後の麻雀仲間・カメラマンの安西レオ(万里昌代)のスタジオ。自分だけは関係が無いと言うレオには別段なにも問わず、(会田萌え奥様ズの要望通り)写真だけ撮られてやったように見せかけた会田だが、その前に暗室で何やら証拠フィルムをこっそりちょん切っていた。

特捜部屋に戻り、レオの写真集の69ページ目の男がホシだと断言する会田。彼はホストの加賀秀三(倉石功)、ひったくりの現場に居合わせて文子を助けた男である。事情が呑み込めない矢部警視(山村聡)(と我々視聴者)に会田が答える前に、彼が出向かなかったことで御機嫌を損ねたらしい当の被害者(=文子)から電話がかかってきた。なんでも“犯人”から脅迫電話があったのだという。筋の通らない話だが、ピンときた会田は文子に付き合うことにする。

指定場所で、会田の一瞬の隙をついて犯人の置手紙が表れた。会田の存在がばれているらしい。あなたと一緒にいて犯人をもっと怒らせちゃいましょう、と食事やダンスやモーテルにまで誘う文子と行動を共にする会田。そのころ、ホストクラブに潜入していた坂井&鈴木両刑事はおばちゃんに迫られながらも、加賀がレオのスタジオへ向かったのを尾行、彼らの取引(写真のネガを100万で売買)がネガをぱくった誰か(=会田)のおかげでおじゃんになり、加賀がレオの首を絞めようとしたところを現行犯で押さえた。

加賀など知らないと言い張っていた文子だが、会田が何もかも知っているのを見てとりついに折れた。夫に顧みられない寂しさからホストクラブで知り合った彼と情事を繰り返すうちに金をせびられるようになり、ついに夫名義の金を下ろす羽目になった文子は、夫の追及を恐れるあまり、最初から彼女を陥れるつもりだったレオに唆されて大掛かりな芝居を打ったのだった。

加賀は殺人未遂で起訴できるから、小さな罪は問わない――文子の件を丸く収めようとする特捜部だが、妻の告白を聞いた夫は、会田とモーテルへしけこんだ一件も激しく非難。だがぬかりのない会田はビデオを用意し、誘う文子を「俺は(旦那の)代用品になるほど安物の男じゃない」などと突っぱねて何ごとも無かった様子を映し出してみせた。

後日、ネクタイを持って訪れた彼女に礼を言いながら、件の写真のネガ(文子と加賀のラブラブ証拠写真)そして置手紙(実は文子のイタズラ)を目の前で廃棄してくれた会田に、文子の目から感謝の涙が溢れた(昭和ブルース1番のイントロとともに矢部さん登場、「女に甘い会田さんが、御婦人を泣かしちゃ困るじゃないか」と笑って一件落着。新しいネクタイをつけて文子を送ってやる会田でエンド)

*人が死なない話というのもたまには良いものである。っていうか、どれだけ奥様連中にモテるんだ会田。でもレオが撮った写真はちょっと欲しいと思った(これ

*そんな大変な思いして東大入りたいもんですかねえ、という鈴木さんを受けた会田の珍しい冗談:「ま、あんたらみたいに東大に入ったことのない奴には分からないよ」鈴木「会田さん、東大でたんですか!?」「当たり前だ、犬吠埼のな」うしろで東大出の矢部さんが笑ってるよ会田。

*ちなみに会田が東大に入ったのは、東大紛争のゲバ事件のときに駆り出された時らしい。(1968年あたりか…でも四課なのに?それとも既に特捜入りしていたのか?)

| http://www.amachi.info/blog/index.php?e=127 |
| TVドラマ(現代劇)::非情のライセンス1 | 11:17 PM | comments (x) | trackback (x) |
「雲霧」紹介記事
ケーブルテレビの番組ガイドに、「雲霧仁左衛門」の写真付き紹介記事がありました。
雲霧仁左衛門
しかしなんですかねこの悪人笑顔は(あ、いちおう悪人でしたか)

| http://www.amachi.info/blog/index.php?e=391 |
| TVドラマ(時代劇)::雲霧仁左衛門 | 12:14 AM | comments (x) | trackback (x) |
闇を斬れ:エンディング曲
「ゆるゆるな女性の歌声にのせてわんこと新さんの春夏秋冬プロモーション映像みたいなのが流れるエンディングになるとなんだか体中の力が抜けてしまう」(#8)なんてことを書いていたが、毎回聴いてるうちにクセになってしまったのがこの曲。

大橋純子「アプローズ」(ベストアルバム「MINDS」収録:1982年6月)

*サワリ部分を公式サイトで試聴できます。この後の展開が好きなんだけど。
*時代劇のエンディングとしてのシングルは出なかったのかなあ(たぶん人気が無かったんだろうな←本編の)

(2009.10.23追記)上のアルバム(「MINDS」)はまだCD化されていないようですが、今年6月にリリースされたCD(「Tea For Tears」)のボーナストラックに「アプローズ」が収録されています

| http://www.amachi.info/blog/index.php?e=350 |
| TVドラマ(時代劇)::闇を斬れ | 11:18 PM | comments (x) | trackback (x) |
ロビーの女
ロビーの女(1962年・S37・8月26日OA)NET 20:45-21:45
茂木草介が池内淳子のために書き下ろしたもの。東京のある豪華なホテルを舞台に、美しい女、純子(池内淳子)をめぐる数人の男…オパールの指輪をはめた女の正体は…。出演はほかに天知茂、石黒達也、斎藤美和、坂本和子、永野達雄ら。
(以上、朝日新聞大阪版より引用)

*テレビで大活躍の池内さん主演もの。天っちゃんは群がる男第一号(ひとよんでロビーの男?)といったところか。

| http://www.amachi.info/blog/index.php?e=538 |
| TVドラマ(現代劇)::その他(単発など) | 10:43 PM | comments (x) | trackback (x) |
「主役が悪人」に珍しさ
(1979年・S54年7月3日付朝日新聞より引用)
試写室
雲霧仁左衛門
「主役が悪人」に珍しさ


劇場用映画でヒットした作品をそのままテレビ化――最近は別に珍しくはない安全路線の手法である。この「雲霧仁左衛門」もその一つ。いまさら企画の貧困などというまい。どうせテレビと割引いて見れば、意外な新鮮さもある。

まず、このシリーズ、主人公がはっきりと「悪人」であることが、将軍様や十手持ちばかりもてはやされる最近のテレビの中では珍しい。雲霧仁左衛門(天知茂)とは江戸の町を荒す盗賊の首領。ねらわれるのは悪徳商人だが、犯罪者の側が変に思想性など振りかざさないのがいい。盗むのは単に自分たちが“老後”を安楽にくらすため、理屈などないのである。

見せ場は知恵を絞った盗みのテクニックだが、時代劇には珍しく、美女が、それも悪人役でどんどん出てくるのもいい。世の中、善人の美女ほどつまらないものはない。悪女は美女の条件なのだ。

もう一つ付け加えれば、盗賊を取り締まる側、つまり体制派の役人(田村高広)の方が、「私財を投げ打っても治安を守る」という使命感にとらわれているのも、妙にナマナマしく現代風だ。原作 池波正太郎、脚本 宮川一郎、制作 関西テレビの13回シリーズ。

ただし、何ごともほどほどにのテレビ映画、剣劇シーンは映画のように、そう快とはいかない。登場人物の人物像も今一つ不鮮明で、話には未消化の部分も残った。

*お頭とお千代姐さん(大谷直子)がいちゃついてる写真つき。

*初回放映時の記事。ライターさんは(というより1979年当時の風潮がまだ)映画≫テレビという図式なのか、少々辛口な書き方ではある。雲霧のお頭が盗みを働くのは子分達の老後のためなのは確かだが、彼自身には大事な目的があるはずでは…と思ったりするのだが、そういう部分が不鮮明な初回なのかもしれない。…しかし少しくらい天っちゃんの演技がどうとか書いてほしかったなあ。そのあたり、未消化な部分も残った。←真似

| http://www.amachi.info/blog/index.php?e=392 |
| TVドラマ(時代劇)::雲霧仁左衛門 | 12:15 AM | comments (x) | trackback (x) |
非情のライセンス 第1シリーズ #35
#35「兇悪な密の香り」(1973年・S48・11月29日OA)

「警視庁の会田というものです」
岩下圭子(水野久美)の経営するブティック・エルに現れた一人の刑事。おたくの2階を張り込みに使わせてほしい、そう言って昼夜問わず隣のビルを見張り、圭子の運ぶ食事や本庁への電話代などを律儀に机に置くストイックな男に、いつしか惹かれてゆく圭子。警視庁の独身寮に住んでいるという男の言葉に「まあ、独身なのだわ」と心をさらにときめかせる彼女だったが、冒頭からその男は天知茂ではないことに気付かされている我々視聴者は不安が募る一方だ。

特捜部屋で銃を解体していたほんまもんの会田(天知茂)の元へ、井上と名乗る地味な女性(=井上和子:丹羽たかね)が面会に訪れた。やつれ顔の婦人は彼の顔をみるなり「あなたが、本当に会田さんとおっしゃるんですか…」とショックを受けて帰っていった。まるで訳の分からない会田。ところがしばらくして、商売女に様変わりした彼女の溺死体が発見される。「結婚詐欺に遭ったんですよ」男に貢ぐだけ貢ぎ、教師を辞めてホステスになったという彼女の結婚相手が、“警視庁に勤めている会田とかいう刑事さん”だと遺族から聞かされた会田はびっくり。そしてホステス仲間は、彼女がその男を脅迫していたと語った。一課の苦情もなんのその、このホシだけは俺が挙げねばと、会田は眉間をことさら険しくする。

その頃、圭子は“会田”(=和子の口を封じたばかりの会田吾郎:和崎俊也)から、実は別居中の妻子がいることを告げられていた。生さぬ仲ゆえ慰謝料を払えば離婚できるが、高額すぎて刑事の給料では…そう苦悩する男に「そのお金、あたしが出しちゃダメ?」と持ちかけた圭子は、彼との新しい生活を夢見てマンションをも購入した。たまたま圭子のブティックの常連だったリサ(タロさんと新婚ほやほや:小牧リサ)が結婚話を聞きつけ、太郎(左とん平)が会田の祝いの席を設けたことから、話はようやく会田の耳に入る。

「警視庁の会田です。ほんもののね
本物の来訪を受けた圭子は激しく動揺したが、「人を知るってことは住所や名前を知ることじゃないわ。その人を信じられるかどうかよ!」となおも“会田”を弁護。そのとき会田は圭子の部屋で、被害者の部屋にあったのと同じタッチの肖像画を見つけた。スクラップ魔の鈴木刑事(梅津栄)のお蔭で会田吾郎の名前と実家を知った彼は、秋田の山中にある小さな村を訪れた。だが立ち寄った駐在所で吾郎が殺されたことを聞かされ、葬式にまで出くわす。

急ぎ帰京するとブティック・エルには売店舗の貼り紙、空っぽの部屋には、憔悴した圭子の姿があった。和子の仲間の金欲しさのタレこみ電話で吾郎の郷里に向かった圭子は、そこで家族団欒を満喫している彼を見てしまう。信じていたものが崩れ去ったのを感じた彼女だが、それでも「もしかしたらあの親子も騙されているのかもしれない…」と、東京で待とうとしていた。しかし翌朝、二人は偶然駅で再会。慌てて人気のない川岸に彼女を引っ張っていった吾郎は、金は返すから家族に言わないでくれ、すまなかったと怯えたように泣きじゃくった。そのみじめな姿を目の当たりにした瞬間、吾郎を突き飛ばして棒で激しく殴りかかる圭子――殺したのは、彼女だった。

――謝るあの人が憎かった。
最後の最後まで騙してくれたら…待ってたのに、信じたのに…!

両手を差し出す圭子。だが会田は動けなかった(圭子の回想シーンに被さる昭和ブルース1番&4番)

*身につまされるというかなんというか、寂しい女の自尊心と愛憎にガツンとやられた回。出稼ぎで結婚詐欺やってた吾郎(和崎さん)がそんなに憎たらしい奴に見えないせいで、余計にラストの圭子の行動がこたえる。

*溺死した和子さん、面会に来たときとまるっきり雰囲気が違うので2度ほど見るまで同じ人だと分からなかったのだが、会田よく分かったなあ。

*ともすれば会田の添え物的要素の強い特捜刑事の面々だが、鈴木さんは特技があるから素晴らしい。それに会田がピンチ、ってときには鬼のように相手に喰ってかかったりするあたりもいい感じである。

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非情のライセンス 第1シリーズ #34
#34「兇悪の遊戯」(1973年・S48・11月22日OA)

山道を走るトラック。
荷台には3人の男と1人の女、そして手錠に繋がれ意識のない会田(天知茂)の姿があった。

午後2時過ぎ、特捜部の矢部警視(山村聡)宛に男の声で電話が入る。「おたくの刑事さん(=会田)をひとり預かってる。人質として」工場の給料1億8千万を強奪したメンバーのひとりとして5日前に拘留された石堀辰也(小林勝彦)の釈放を、男は交換条件に持ち出した。どうやら奪った金の隠し場所を石堀だけが知っているためらしい。

その頃ようやく目覚めた会田は、拉致された経緯を思い出していた。石堀の店のレジ係、笠原真知(弓恵子)のアパートを訪れ尋問中、入ってきた男=電話の男・小説家の克見大介(睦五郎)と揉み合う内に真知に殴られ昏倒したのだった。荷台にいたのは真知のほか、罪悪感に怯える工場のガードマン・黒田公平(稲葉義男)、会田の拳銃を弄びながら強がる西城邦男(佐藤京一)、サイレンサーを手にした玄人風の河津竜次(上野山功一)。河津以外は初仕事で緊張していると踏んだ会田は、沸点が低そうな西城を怒らせ銃を奪い返そうとするが、冷静な河津に阻まれうまくいかない。

しかし、矢部の時間引き延ばし作戦に焦れてきた彼らは仲間割れを起こし始め、西城が発砲、弾が真知の左腕に命中した。銃声が外に漏れ、会田を探す坂井刑事(宮口二郎)らは検問所を設けて道路を封鎖。ライターで炙ったナイフで弾丸摘出(当然麻酔なし)というワイルドな手当てを真知に施した際に付いた血を拭ったハンカチで合図をしようとする会田だが、河津に殴られ再び失神、ハンカチは検問所のはるか前方に落ちてしまった。検問所を難なく通過するトラック。ところが坂井刑事を追ってきた竜巻クリーニングの太郎(左とん平)のおかげでハンカチは無事発見され、トラック確定に繋がった。

夜になり、矢部が石堀釈放に応じたとの知らせが舞い込む。用済みだとばかりに会田を消そうとした西城は逆に反撃をくらい、おまけに河津に射殺された。分け前一人占めのために石堀も殺すつもりだと本性を露わにする河津。会田に銃を向けることを拒んだ黒田も消され、河津の銃が会田に迫る。だが真知の土壇場での協力を得て、会田は鮮やかなナイフ投げで河津を倒した。

引き渡し現場に矢部と降り立った石堀は狙撃された(防弾チョッキで無事)。撃った克見が帰宅すると、真知と会田が待っていた。真知との間に娘をもうけながら、恋愛も犯罪も遊戯(ゲーム)にすぎないとうそぶく克見。小説だけではなく、本当のコマを動かし、この身体で裏切りの快感を味わいたかった――「その主人公の結末は決まったようだな」そう言った会田の手錠を素直に受ける克見に、真知は最後に子供の声を聞かせたいと電話に駆け寄る。しかし、電話口に娘が出た頃には二人の姿は消えていた(「女は逃げちまった」と坂井に報告して車に乗り込む会田を窓から見送る真知がうつって昭和ブルース1番)

*いきなり人質になってる会田、何が起こったんだ! その怪しげな男女は誰だ!とぐいぐいストーリーに引き込まれていく回。

*弓さん・宮口さん夫婦の絡みは1シーンのみ(会田を助けに来たとき、真知さんの腕を取っていた程度か)

*わざと克見からの電話になかなか出ず、彼をじらせる矢部さん。「洋服の仮縫いをしていてね」かなり無理目の言い訳です(そうか会田が心配なんだ)。

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雲霧仁左衛門 番組徹底ガイド
週刊平凡(1979年・S54年8月2日号)より記事引用
雲霧仁左衛門 番組徹底ガイド
悪徳豪商を次々と襲う神出鬼没の盗賊集団


【主な登場人物】

・雲霧仁左衛門=天知茂。盗賊・雲霧軍団の首領。有能な部下を組織して、天下の政道に徹底的に立ち向かう。盗みをしても血は一滴も流さないのが掟。
・木鼠の吉五郎=財津一郎。仁左衛門の右腕といわれる小頭。雲霧軍団の軍師で人情家。
・七化けのお千代=大谷直子。変幻自在で男を骨抜きにする凄腕の“引き込み役”。
・おみつ=池上季実子。お千代とおなじ“引き込み役”の美女。性質は底抜けに明るい。
・因果小僧六之助=江藤潤。子供のとき仁左衛門に拾われ、その恩義のため死ぬ覚悟で活躍。
・州走りの熊五郎=谷隼人。物心ついたときからの泥棒で、仕掛けやからくりの名人。
・黒猫のお松=ホーン・ユキ。雲霧軍団で料理と変装術を担当。
・山猫の三次=左とん平。軍団きっての手先の器用な男。
・富の市=荒井注。鍼灸の心得があり、軍団の情報係。
・安部式部=田村高広。雲霧と対決する火付盗賊改め方長官。
・山田藤兵衛=高松英郎。火付盗賊改めの筆頭与力。
・高瀬俵太郎=三浦洋一。激しく悪を憎む火盗改め方同心。
・岡田甚之助=穂積隆信。火盗改め方与力だが、雲霧側に情報を流す裏切り者。
・お京=宮下順子。火盗改め方の密偵として働く女スリ。

【雲霧軍団の大敵はヤブ蚊の攻撃とか】

徳川八代将軍吉宗の時代を舞台に、雲霧仁左衛門を首領とする盗賊集団が権力に挑戦、つぎつぎに悪徳豪商を襲って大金を奪うという神出鬼没の活躍を描く娯楽時代劇。
昨年、仲代達矢主演で映画化されてヒットしたが、原作は池波正太郎の同名小説。
ドラマでは、雲霧軍団と火盗改め方の二大組織の熾烈な対決を中心に、奇想天外な盗みのテクニックや女賊たちが織りなす妖艶な色模様が展開。
主役の仁左衛門を演じている天知茂は、芸能生活30周年を迎え「ぜひ記念になる作品にしたい」と語っている。

* * *

迫力満点だったのは、第2話に登場した仁左衛門の隠れ家炎上シーン。
神奈川県相模川近くに、500万円をかけて本格的セットを製作。
消防車4台が警戒するなかで撮影したのだが、火炎が吹き上げ、轟音とともに家が崩れ、2週間かけて作ったセットも、わずか40分で焼け落ちた。500万円があっという間に灰になったというしだい。

* * *

江藤潤と左とん平による、田んぼの中の格闘シーンが第5話に出てくるが、2人には撮影前日、ディレクターから「あすは覚悟してください」と通告。
その予告どおり、ある農家の田んぼを借りてのロケで、すさまじい格闘がくりひろげられた。
おかげで2人とも、泥だか人間だかわからないほど。農家の風呂でどうにか泥を洗い落したものの、2人は口をそろえ、「泥で死ぬかと思ったよ」

* * *

夜のシーンが多いため、夜間のロケがひんぱんだが、悩みのタネはヤブ蚊の襲来。殺虫剤で防衛しても、かいくぐって襲ってくる。
着物の上から刺すやら胸元から侵入して腹を狙われるやらで、被害続出。ドラマは雲霧軍団と火盗改めの死闘だが、撮影はヤブ蚊との“仁義なき闘い”というところ。

* * *

第7話から元ジャニーズの真家宏満がレギュラー入りするが、これを機会に、芸名を立花正太郎と改名。名付け親は原作者の池波正太郎さんで、傘屋の忠吉という役どころ。
ところで、スタジオに野良猫が迷い込み、だれがつけたか呼び名が《忠吉》。
それを知った立花、
「ぼくの役名と野良猫の名前がいっしょとは、かわいがられているのかバカにされているのかわからないですね」

【芸能生活30周年を迎えた天知茂】

天知茂は天下を揺るがす大盗賊役だが、
「無実の罪で追われた武家社会や権力に復讐するのが本当の目的。その心情は、ぼくのやった『非情のライセンス』の会田刑事と共通していると思っている。また、たとえ盗賊でも人間的魅力のある人物だけに、その面を強く打ち出すように心がけてやっています」

* * *

大谷直子は雲霧軍団の姐さん役。
「仁左衛門にひたむきな思いを寄せながら、そのいっぽうで狙いをつけた男はすべて籠絡してしまう。そして度胸がよくていさぎよい。お千代というのは、女の私から見てもほれぼれするほどで、その原作のイメージを裏切らないように、それこそ一生懸命です」

* * *

仁左衛門と対決する火盗改め方長官の田村高広は、
「盗みは許せないのだが、仁左衛門に対しては男としてのみごとさに共感していく。いわば武士の情けというやつです。立場をこえた男の友情を、うまく表現していきたい」

* * *

このほどアマチプロゼに所属、芸名を改めた立花正太郎は、途中からレギュラー入り。
「ぼくのやる忠吉は、原作ではほんのわずか出てくるだけ。それがドラマでは第7話から最後まで登場。改名して心機一転、がんばります。天知茂さんには、晩飯に誘われたりして演技を教えてもらっているけど、なるべく2人きりにならないようにしているんです。なんとなく、まだ怖いんですよ」

* * *

雲霧軍団の情報係役をひょうひょうと演じている荒井注、
「この暑いのにヅラなんかつけて、さらに髪の毛が薄くなるんじゃないかと心配しているというのに、スタッフときたら、もうそれ以上ハゲないよなんていっている。これ、慰めなんでしょうかねえ」

★スタジオから★

人を殺さない仁左衛門
剣法に苦労


「迫力のある立ち回りは欠かせませんが、天知茂さんの注文はなるべく人を殺さず血を流さないようにという方法。そこで合計13回の放送で、人を殺すのは4回、それもよくよくのことでしかたなくです。
したがって、天知さんの殺陣はもっぱら峰打ち。しかし、明らかに峰打ちだとわかるような見え見えの方法ではなく、一瞬、本当に斬ったように思わせて、じつは峰打ちだったといったやり方で迫力をだしています。
また、仁左衛門は元武士という設定だから、当然剣法の型も、武士スタイル。やくざ剣法とは違います。どうかすると、侍でもやくざでも、やたらとぶった斬る立ち回りが目につきますが、侍には侍の型、やくざにはやくざの剣法がある。その違いがないのはおかしいわけで、それぞれ役の設定に応じた殺陣をつけるようにしています。
このドラマの場合、雲霧軍団側は仁左衛門以外はやくざ剣法、対する火付盗賊改め方は侍の剣法。まともに正面からぶつかれば、剣の修行を積んだ火盗改めのほうが強いはず。でも、それではおもしろくありませんので、やくざ剣法でも侍と対等にやり合えるように、くふうをこらしています。とはいっても、殺陣師の力はわずかに3分、あとの肉付けは役者さん。その点、このドラマのみなさん、うまく肉付けしてくれているので、殺陣師の私も安心して見ていられます」
(殺陣担当・安川勝人さん)

★これからのあらすじ★

第5話「松屋襲撃」7月31日(火)夜10:00放送
名古屋の豪商・松屋善兵衛の金を狙う雲霧一味だったが、山猫の三次が暁一味の福右衛門に金と女で籠絡されたことから火盗側に松屋掠奪の意図を知られてしまう。仁左衛門は火盗の裏をかいて松屋の金を奪ったが、金は5000両しかなかった。

第6話「裏切り者は消せ!」8月7日放送
松屋襲撃のあと、仁左衛門の気がかりは、味方に引き込んだ火盗改めの与力・岡田甚之助のことだった。仁左衛門の不安は的中、長官の安部式部が岡田の行動に目をつけていた。仁左衛門は、式部の先手を打って、岡田を斬るのだった。

*詳細な(写真もかなり付いている)番組ガイド。殺陣の違いなども分かって興味深い。しかし注さん、よりによってヅラ話ですか。

| http://www.amachi.info/blog/index.php?e=393 |
| TVドラマ(時代劇)::雲霧仁左衛門 | 12:16 AM | comments (x) | trackback (x) |
“執念持つ男”に執念
(読売新聞1979年7月1日付記事より引用)
今週のタレント 天知茂
“執念持つ男”に執念
“雲霧”は痛快な時代劇を


「僕がずっと演じ続けている役柄は、復しゅうとか、体制への反逆とか、執念を持つ男です。今度の役も、この線を行きます」

3日からフジテレビ系で始まる「雲霧仁左衛門」(火曜=午後10:00)で演じる仁左衛門のキャラクターである。
八代将軍吉宗の時代を舞台に、非情な武家社会から追われた仁左衛門が、盗賊集団を作り、悪徳商人から大金を奪って、幕府の権力に挑戦するというドラマである。
「この仁左衛門は、現代なら悪徳商社といえる大店ばかりをねらって盗み、人は絶対に殺傷しないという人物ですけど、泥棒は泥棒ですからね、魅力的に仕上げるのが難しいです」

天知は今年芸能生活30周年。先週は東京の日劇で芝居と歌のワンマンショー、きょう1日から約1カ月は大阪の梅田コマで「雲霧―」の舞台と忙しい。
天知といえば、テレビ朝日系で放送した「非情のライセンス」の会田刑事の印象が強く、劇場へ来る客もこのファンが多い。ねらった獲物は逃さないという、タカのような目が魅力で、これが会田にも雲霧にも共通する。

「映画なら黒沢明監督の『用心棒』、テレビだと五社英雄さんの『三匹の侍』あたりから、時代劇も西部劇タッチでリアルになってるようですが、ともすると、リアルがイコール汚れになっているような気がします。僕はアラカンの『鞍馬天狗』、大河内の『丹下左膳』で育ったもんで、やはり、今度の『雲霧―』も昔からの様式美を大事にして、きれいなふん装と痛快なアクションの古典的時代劇を目ざします」
(刀を構えている盗賊姿の写真付き)

*「雲霧仁左衛門」放送前のインタビュー記事。時代劇とはどうあるべきか、彼流の考えが分かる。「雲霧…」は現時点では未見なので分からないが、ものすごくシリアスなのにどこか非現実的な雰囲気が感じられる出演作が多いのは、このあたりが根本にあるのかもしれない(汚れた天っちゃん、なんて見たことないもんなあ)

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| TVドラマ(時代劇)::雲霧仁左衛門 | 12:17 AM | comments (x) | trackback (x) |
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