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非情のライセンス 第1シリーズ #25
#25「兇悪の書斎」(1973年・S48・9月20日OA)

倒産危機の真珠会社社長の宇野(浅野進治郎)が金融会社で猟銃を乱射、社長の潮田(東大二郎)を撃ってその場で自殺した。期限前に手形を流させるなどして会社乗っ取りを背後で画策したのが、矢部警視の死んだ友人の息子で弁護士の真谷(しんたに)吾郎(津川雅彦)だとみる会田(天知茂)は、罪を暴いて弁護士の資格を剥奪してやると本人に宣戦布告。

だが宇野未亡人は自ら真谷に持ちかけ株を処分しており、真谷は尻尾を掴ませない。宇野の息子・圭一(竜村直樹)は暴行事件を起こし2年前に家出、その被害者側の代理として真谷が関与していたことから、会田は真谷の法律事務所に忍び込み、その事件から調べなおす(が、尾行ともども真谷にもろバレ←ワザと証拠を残してたそうだが)。

圭一は茨城県の精神病院にいることが判明したが、暴行した女の幻覚を見て沼で溺死していた。会田は真谷家を訪ね、夫人の陽子(長内美那子)に宇野の息子の件を話す。暴行事件の被害者とは、陽子のことではないのか――。会田の読み通り、動揺する陽子。彼女が圭一に襲われるところを目撃していた真谷は、「女は自殺した」と嘘を言って圭一を家出させ、時折陽子の姿を見せることで彼を発狂に導いていたのだ。圭一が死んだ今、そのからくりを知るのは陽子一人。次に消されるのは陽子だと忠告する会田だが、真谷の母・さかえ(北原文枝)の妨害に遭い、陽子は真谷の電話に誘われて外出してしまう。

真谷は事務所のガス管を開き、室内にわざと置いた車のキーを陽子に取りに来させる電話をかけた上で自分はアリバイ作りのために帰宅。会田の糾弾に「私は法を犯してはいない」とうそぶく真谷は、母親をも「(親子の関係は)読み捨てた本と同じで、何の役にも立っちゃいないんだ」と切り捨てた。ショックを受けたさかえは会田と真谷がいる書斎の防火用扉を閉じ、仏壇に遺書を置いて毒薬入りのコップに手を伸ばす。おふくろに詫びろと真谷をボコ殴る会田だが、密室から出ることは不可能かと思われたとき、駆け付けた矢部(山村聡)がさかえを止めてくれたおかげで事なきを得た。

密室で母から受けたスパルタ教育がトラウマになっている真谷は、自分が自殺を強要したわけではない、母が勝手にやったことだと冷たい態度を崩さない。そこへ、幸いにも無事だった陽子(何の罪もない水道工事の2名がガス爆発に巻き込まれてはいる)が坂井(宮口二朗)に伴われて帰宅、「あなたは人の愛を信じられない可哀想な人です」と涙ながらに夫を迫る。それでも「妻の夫に対する不利益な証言は無効である」という法律を持ち出し、最後までふてぶてしい態度のまま、真谷は矢部の手錠を受けるのだった。

――法律を武器にしてきた男は、やがてその法律によって裁かれるだろう。
あの男の言うように、法律とは確かに、扱うものによっては恐ろしい武器になる。
そしてその壁には、人の愛のかけらさえ見当たらない。
俺は今更ながら、そんな法律の中に生きていることが、うんざりするほど嫌になっている。
……だが、俺はまた、明日も、俺の信ずる法律のために、命を懸ける。

(仏壇に手を合わせる矢部さん、泣くおふくろさん、気持ちが変わるまで義母と共に真谷を待つという陽子夫人、そして会田の渋い独白のバックに昭和ブルース4番)

*津川さん扮する人間失格エリート弁護士、夜泣きの半次@『女賭博師 花の切り札』に匹敵する嫌味っぷりがかえって潔い。

*いくらはみだし刑事だからってピッキングで不法侵入はいかんだろう、会田。

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| TVドラマ(現代劇)::非情のライセンス1 | 11:56 PM | comments (x) | trackback (x) |
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