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土曜日の虎 #18
「ニューヨークから来たスパイ」(1966年・S41年・6月11日OA)

企業コンサルタントの津村(主人公:成田三樹夫)の父と懇意だったカメラ会社の社長・等々力が不可解な転落死を遂げた。それと同時に、いつもあくどい企業買収を仕掛けてくる太陽グループ(=津村の宿敵)の息がかかった男が社内に潜り込み、跡を継いだ長男や社員たちを懐柔し始めたという。次男から相談を受けた津村が調べを進めると、その男は数日前に空港で再会した大学時代の知人、ビクター竹内(天知茂)だった。

在学時にアメリカ国籍を取得、渡米してから産業スパイとしての修練を積んでいたらしい竹内は、等々力の会社を乗っ取る使命を帯び、ニューヨークから来日したのだ(*ビクターだからといってカタコトで喋ったりガイジンっぽい動きをしたりはしないので悪しからず)。なんとか買収を阻止しようとする津村だったが、ソツのない竹内の手管に翻弄され後手に廻るばかり。しかし、会社の命運もこれまでかという直前で、津村は竹内の犯した微細なミスを突き、形勢を逆転させる・・・。

使命の為なら手段を選ばぬ(女も泣かす)やり手のスパイながら、仲間がしでかした人殺しや強盗を容認するほど性根は腐っておらず、本当は企業買収なんて嫌な仕事だと思っているんだと心情を吐露したりする、実に味のあるライバル役。負け惜しみを言うんじゃないが俺も(ミスに)気付いていたさ・・・などとさらっと(ぬけぬけと)呟いてから笑顔で津村を称えてみせる余裕のある敗北の仕方にも大物感が漂っていた。実際、「大物ですねえ!」とか「凄い奴だ・・・!」とか、レギュラー陣の持ち上げ方がハンパではなく、見た目は小粒なのに(それは言うな)扱いはやたらと大きかったのが印象深い。66年当時、天っちゃんは既にお茶の間のスタアとしての地位を確立していたからか、はたまた成田ミッキーの顔の怖さと迫力に負けてないのは彼くらいのものだからか(でも背は負けていたなあ←だからそれは言うな)

*「ザ・ガードマン」の単細胞ドラマーとか、「泣いてたまるか」のニコニコお巡りさんとか、まったく1966年というのは芸風の広さに目を見張る年だ(映画でもショボクレから愛染まで、という凄さ)

*2009.5.4追記(朝日新聞縮刷版より引用)『光学機械の中堅メーカー等々力光学を乗っ取ろうとするたくみな作戦の前に津村はあぶない』…ちなみに朝日新聞での副題は朝・夕刊とも「ニューヨークから帰ったスパイ」になっていた。

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| TVドラマ(現代劇)::その他(ゲスト) | 08:20 PM | comments (x) | trackback (x) |
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