2006,05,04, Thursday
「隠密犬・危機一髪!」(1981年・S56・7月21日OA)
いつになく嬉しげに白い歯を見せて釣りに興じている新さん(天知茂)の元に隠密わんこ・火山が駆け寄ってきた。ところが、よしよしと撫でた手にべったりと血が。新さんびっくり。事件の陰に犬ありと気づいた田沼ジュニア(原田大二郎)と取り巻き4人衆が、町方に命じて怪しい犬を捕らえるよう指示、居合わせた火山は放たれた小柄で負傷したのだった。それにしてはえらく元気そうに走ってきたぞ、火山。 わんこを飼ってることが長屋中にバレバレな新さん、仲間たちから引っ越すよう諭されるが、首を縦に振らない。それじゃ隠密わんこから闇狩人の存在が知れたらどうします、火山を殺せますか?と突っ込まれると「そのときは、俺も死ぬ・・・!」とまで言ってのける、なぜだかわんこラブ全開モード。「正体を知られたら愛する女でも殺せ」とか言ってたくせに自分はそうきましたか。最近助けてもらうことが多かったからってそこまで思いつめんでも、と観ている方も仲間達も思うのだが、聞く耳まるで無し。そんな新さんの愛を知ってか知らずか(いやたぶん知らないんだろう)、小屋からふらふら抜け出して町を散歩してたりする火山、緊張感の欠片もないヤツだ。 迷惑がかかるからと解散宣言をして自分だけで取り巻き4人衆を血祭りに挙げてゆく新さんだが、罠を承知で乗り込んだ待田京介(役名忘れました)宅で短筒やら火縄銃やらで狙われ危機一髪(承知じゃなかったのか)。そこへわんこを始め仲間達が駆けつけてくれて事なきを得る。「水臭いぜ新の字」「一緒に死にましょう」って、みんな良いひとたちすぎるんだよなあ。 *実は火山役のわんこ、天っちゃんにそれほど懐いていない。やはり顔が怖いとみえる(オイ) *新さんが犬笛を吹くと♪チャララララ〜と音楽が流れるのだが、笛の音というよりは、魔法の杖をひと振りするときの擬音のようで脱力する。
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2006,05,04, Thursday
「妖異・鬼火ケ淵の精」(1971年8月28日)
能登・七尾(=ななお)城では、当主・正臣(天知茂)の夜毎の忍び歩きに家臣たちが頭を悩ませている。黒頭巾に身をやつし、愛馬にまたがった御前様がふらふら向かう先は、いかがわしそうな連中がたむろする、ひとよんで地獄宿。住人らしい、怪しさ満開の徳丸(天本英世)の手引きで束の間の戯れに身を委ねる御前にはかつて、忘れられない女人がいた。 それは2年前、白鳥ただよう水辺を写生中に見染めた、笛を吹く美しい女・おりん(加賀まりこ)。写生目的で城へ連れ帰り、その後妻にすると宣言した御前は、「おおい待ってくれよ~、うふふ、捕まえてごらんなさ~い」ごっこ(誇張)をしている際にぽっきり折れてしまった笛を嘆いている彼女のためにせっせと国中の笛を集めてやったりと甲斐甲斐しい。だがおりんは悲しく頭を振るばかり。御前の笛にはどうやら満足らしいのだが、ってそういうノリの話ではない(18禁な暴走すみません)。 素性の知れぬおりんを快く思わぬお局様・歌野(宮内順子)が家臣・刑部(外山高士)と結託し、ある嵐の夜、御前に内緒でおりんを絞殺、死体を木箱に入れて鬼火が淵に沈めてしまった。愛妻の突然の失踪に心を痛めた何も知らない御前はそれ以来「おなごも、人も、わしには信じられん・・・!」と、自らが描いたおりんの絵姿にニヒルで物憂げな視線を注ぐ毎日だったのだ。しかしその絵というのがちょっと笑っちゃうような可愛らしい画風で、リアクションに困った・・・いや、仮にもし天っちゃん作だったらと思うと迂闊なことはいえないなと。 今では「御前と一夜を共にした女は変死する」という呪われた噂(か真実かは本編では分からない)まで背負い込んでいる御前だが、ある夜、徳丸が見つけてきた女がおりんそっくりなことにびっくり仰天、アカネと名乗るその女を徳丸共々城へと迎え入れる。性格はまったく違えども、彼女がおりんの亡霊ではないかと戦々恐々の歌野が御前の寝所をそっと覗き込むと、見覚えのある髪型と着物に身を包んだおりんの姿が! 響き渡る物悲しい笛の音に苦しむ歌野。 翌朝、精神に異常をきたし物置で力なく震える歌野を発見、近寄った御前の耳に聞こえてきたのは、「苦しい、ここから出して」との愛妻おりんの叫び。飛び込んできた刑部が歌野を殺害するが、声は犯人暴露にまで及び、ようやく真相を知った御前は、急ぎ鬼火が淵から木箱を引き上げる(運び上げられた木箱の下敷きとなって刑部死亡)。だが、鎖が巻かれていた箱の中に遺体はなく、白い羽根が一枚落ちているだけだった。 帰城後に問いただすと、実は私は白鳥の精で、写生に訪れた殿に心を奪われたのだと告白するおりん=アカネ。笛が折れたために白鳥に戻ることも叶わず、幽界から抜け出すためには御前のお命を頂戴しないといけません、そう続けるおりんにその気マンマンな御前だが、徳丸の妨害で彼女の姿は忽然と消えた。なぜ邪魔をするのだと怒りにまかせて徳丸を斬り、笛の音に導かれて鬼火が淵に向かった御前の目の前に再びおりんが現れる。 おりんの手招きに応じようとする御前の背後になぜか愛馬が現れ、彼を止めようといななく。はっとする御前だったが、何度かの葛藤の末、遂におりんの白い手を取ってしまった。そりゃあ、(正体は白鳥の)加賀まりこVS(もしかしたら正体は天本英世かもしれない)馬だもの、勝負は最初からついているようなものだ。霧の中に消えてゆく二人をじっと見つめた後、頭から血を流しながら狂ったように笑う、なぜか生きていた徳丸。実のところ、おりんよりも徳丸の正体が無性に気になるクライマックスだった。お前やっぱりあの馬か? それで御前さまラブだったというわけなのか徳丸よ。若い尼と偽りわざと年増を用意していたし。・・・もしや御前と一夜を共にした女を殺していたのも彼だったりして。ああ愛あればこそ(って、そういうノリの話でもない) *しかし最初に馬上の御前が徳丸と会って話しているシーンが(影だけだが)あったので、徳丸=馬じゃないのかもしれない。 *寝所でのシーン、手の添え方や身体の角度など、カメラワークをきっちり計算に入れた天っちゃんの動きが実に美しかった。さすがに手馴れている。 *脚本は宮川一郎氏。こちらも手馴れている(天っちゃんの魅せ方に)。
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2006,04,27, Thursday
「金粉の若君登城!」(1981年・S56・7月14日OA)
諏訪・高島藩の幼君・忠丸が江戸へ向かう途中の宿で寝込みを襲われた。彼が死ねば後継ぎのいない藩は取り潰される。空きを狙う浅川能登守と、彼に肩入れする田沼ジュニア(原田大二郎)の差し金だった。 「重傷を負った幼君の安否を確かめ、護衛せよ」との命を受けた新さん(天知茂)たちが探りを入れたところ、何事もなかったように高島藩一行は江戸へと向かったが、忠丸は駕籠から出てこないらしい。そして数名の侍たちが密かに別行動を取っており、近所の仏具師が殺されたという。侍の一人は、大きな葛籠(つづら)を背負っていた・・・。 忠丸は生きているのか、はたまた死んでいるのか? 葛籠(つづら)には一体何が入っているのか? このふたつの大きな謎で最後まで引っ張ってくれる上、迫り来る虚無僧集団から葛籠(つづら)を死守する侍たちに合流した新さんが、葛籠(つづら)のダミーを2つ用意し、そのうちのひとつを哲三(三浦浩一)に運ばせたりするものだから、どの葛籠(つづら)が本物なのか?という謎(哲三も知らされていない)まで追加され、目が離せなかった。 そこへ渚さん(坂口良子)と哲三の過去(#1〜#3を見逃しているのでよく分からないが、どうやら彼らは武田忍者の末裔なんだとか)が絡んできて、安斉さん(山城新伍)や隠密わんこ・火山も活躍の場がたっぷり与えられている、実に濃厚な展開。「しかし、いろんなものを見たなあ」という新さんの締めの言葉に深く頷いてしまった。「鮎担ぎ」なんていう習慣も初めて知ったし。 ・・・とはいえ、肝心の新さんの活躍シーンは最後の殺陣の黒頭巾以外ほとんど皆無だったのだが、まあ面白かったのでOKだ。
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2006,04,20, Thursday
「妻恋い逃亡・男でない男」(1981年・S56・7月7日OA)
*タイトルから、ピーターか美輪さんでも出てくるのかと思ったのだが、そっち系ではない 隠密わんこ・火山が持ってきた文には、理由のよくわからない特赦で遠島から戻ってきた二人の男の名前が書かれていた。一人は花火師、もう一人は一刀流の使い手。気に入らないヤツはみんなやっつけて出世しちゃえ〜、と腹黒いことを考えているお代官さまと廻船問屋がぐるになり、自分たちの計画に必要な技を持つ二人をチョイスしたのだ。 花火師のほうはもともと小悪党なのだが、一刀流の使い手で元同心の堀谷(大門正明)は、上司が美人の奥方(志庭いずみ)にちょっかいを出したせいで上司を斬り殺して島送りになり、奥方に会いたい一身で何度も逃亡を図って拷問を受け(この際に男性の大事な部分を無くしているので「男でない男」というわけ)、今また、奥方との生活のために要人の暗殺を引き受けざるを得なかった、根は真面目なのだがとにかく奥方激ラブの人物である(さらに奥方も輪をかけて旦那様ラブなので、相思相愛ここに極まれりといった風情)。 このラブラブな夫婦に、やがて悲しい結末が訪れる。悪い側の人(宮口二朗)に用済みとばかりに飛び道具で撃たれた堀谷は虫の息になりながら帰宅し絶命、最愛の夫の死を目の当たりにした奥方は、実に痛そうな方法(=女性の大事な部分を刀でぶっすり)で果てる。彼らの仇討ちのためにも、闇狩人たちは腹黒代官たちを始末しに向かう・・・。 といった具合で、この薄幸夫婦にスポットが当たっているのだが、主役(←いちおう)だというのに彼らとまるで接点が無かったのが新さん(天知茂)。もっとも今回の新さんは、無法地帯に潜んでいる例の花火師と黒幕との関係を秘密裏に探るというかなりオイシイ役割を買って出て(からくりは我々視聴者にはもう読めているので、ムダといえばムダなのだが)、へらへらした軽い口調で嬉しそうに島帰りの遊び人を演じてはいた。・・・いたのだが、目つきが目つきなのでやはりすぐに怪しい人扱いされてしまい、ならず者たちに荒縄でくくられてあわや!というところで忠犬わんこの火山(と哲三)に助けられ 「旦那、少々お遊びが過ぎたんじゃないすか」と哲三に言われてしまう始末。もっともだ。 *「今の世の中 真っ暗闇よ・・・」とキメ台詞をしゃべる新さん。あなたの衣装も真っ暗闇です。
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2006,04,12, Wednesday
密偵(1983年・S58・12月22日OA)
のっけから身に覚えのない収賄罪で切腹を言い渡される旗本・榊原主計(=かずえ:天知茂)。裃姿をじっくり愛でる間もなく切腹シーンに突入。怖い表情だが(それはいつものこと)さして悔しさも見せず、主計さんは腹に刀を突き立てんとする。おいおい、抵抗しないのか? 身の潔白を明かさないのか? あまりに平静なのでこっちがそれなりにハラハラしかけた瞬間、「まあ待て待て、お主は無実だ」と実にのんびりとした調子の止めが入った。やってきたのはなんだか緊張感のない、事務方っぽいお侍(ここは山村聡or三船敏郎レベルの大御所タイプに来て欲しかった気がする)。幕府転覆の陰謀を防ぐために、名前を捨てて密偵として生きてくれと頼まれた主計さんはにやりと不敵に笑って承知する。さっきまで死ぬ気マンマン(?)だった人がそんな簡単にアンタ、と突っ込みたくなるが、2時間弱で事を収めようとするといろいろ忙しいのだ。 娘ともども拉致され、大砲を作らされている柳原氏の救出任務を遂行するため、飾り職人の卯之吉(森川正太)と医者の平野(岡本冨士太)をヘッドハンティングする主計さん。危ないところを助けたというより、仲間に引き入れんがために罪をでっちあげてるようにもとれる展開だが、なにしろ2時間弱だ、そこも目を瞑ろう。 揃って任務地・高松へ向かうがすぐに刺客に襲われ、結局別々に高松入りすることになる三人。主計さんは板前・佐吉と称して助格ルックで高松入りし、前の密偵(任務失敗で死亡?)が目をつけていた小料理屋の女将(范文雀)に接近する。小粋な遊び人を気取り、ちゃっちゃと刺身を作ったりするとても器用な主計さんだが、会った瞬間から女将に密偵だとバレてしまうくらいお里が出ているあたり、さすが天っちゃんだ(褒めてるのか)。 最初は非常に頼りなかった他の二人(コワモテのお侍にいきなり密偵になれといわれてもそりゃ困るわなあ)だが、それぞれ自分の能力を生かして活躍。彼らが無事柳原親子を救出すると、主計さんは廻船問屋(川合伸旺)& 代官(高松英郎)のゴールデン悪役コンビたちを相手にばっさばっさと旗本姿で立ち回り独壇場。 任務完了後、江戸に戻った主計さんは例の事務方お侍(いやきっと偉い人なんだろうけど)から新たな名前とお庭番としての仕事を与えられるが、小判だけ貰ってあっさり断り、江戸まで付いて来た女将さんと仲良く旅に出る。一匹狼(そして女運の悪い)キャラの多い天知氏にしては、かなり珍しい部類のラストだった。 脚本は美女シリーズ等でお馴染みの、天っちゃん御用達ともいえる宮川一郎氏。唐突な切腹シーンや板前シーンなどのコスプレ(といっちゃイカンか)もさることながら、単発物のくせにやたらと気合の入ったアイキャッチ(赤いバックで、おもむろに編み笠をバッと取る天っちゃんの怖い顔のアップ)のインパクトの強さも印象深い作品である。
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2006,04,11, Tuesday
「仇討ち恋泥棒」(1981年・S56・6月30日OA)
養女(実は田沼意次の娘)に上様の子供を身籠らせようと画策する淡路守は、上様似の若者を拉致しては娘に与え、使い捨てていた。弟を死に追いやった「乳房に黒子が3つある女(=田沼娘)」を探して仇を討つため、旗本屋敷に忍び込んでは首ならぬ「乳」実検していた(ついでに操も頂戴していた)「お役者助左」(風間杜夫)とひょんなことで知り合った闇狩人の渚さん(坂口良子)の淡い恋と悲しい別れ・・・ということで、新さん(天知茂)の出る幕はほぼ皆無。あんまりつれなくされるから新さんゲットは諦めたのか、渚さん。 10話くらい前まではまるで生活感の無かった新さんだが、井戸端で長屋のおばちゃんたちと仲良く米を研ぐという前回に引き続く所帯臭さが見られた。ちなみに長屋には、花沢さん@サザエさんのような積極的な娘さんがいて、今回も「お役者助左より新さんのほうがずうっと素敵よぉ!」とアタックしようとするも新さんにかわされ、勢いで井戸にぼっちゃーんと落ちていた。ある意味、これが一番大事件。 *最近の立ち回りは狂四郎風の黒の着流しでクールに決めることが多い新さん。どっちかというと紫頭巾&白の「風林火山」を復活させてほしい(目立つところが立ち回りしかない回は余計にそう思う)。
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2006,04,04, Tuesday
「この世の見納め生き観音」(1981年・S56・6月23日OA)
白馬に乗った侍は良い人とは限らない。奥祐筆(極秘文書を管理保管する役職)の奥平は権力をかさにきてやりたい放題、通り道の邪魔になったというだけで町娘らをばっさり斬り捨てる悪党だ。そこにたまたま出くわした隠密わんこ・火山、何しやがるんだテメエ!とばかりに吠え掛かり、奥平を馬から振り落とした。おいおい、いいのか伝書の途中なのに、と思っていたらやっぱり飼い主の新さん(天知茂)がとばっちりを受け、番屋へしょっぴかれてしまう。 ろくに取調べもされず即仕置き(=処刑)が決定となる新さん。移された別部屋には、ひとりの女(おきたさん:池波志乃)がいた。死を前にした罪人のこの世の見納めに身体を与える「改め婆」(「清め女」だったかな?)のおきたさん(池波さん、惜しげもなく上半身をさらしてくれます)、新さんの前でいつも通りご開帳〜♪とやり始めるがあっさり拒否される。据え膳喰わぬは男の恥だろ新さん。中尾彬が怖いのか? *池波さんは中尾氏の奥様です 「俺は死ぬ気はないからな」とクールに言い放って部屋を出た新さんは、荒縄でくくられて処刑場に連れ出されてからも悠長に構えている自信家ぶりで、そりゃあここで殺されるなんて誰も思っていないけど、おっとりしすぎ。 「よし、逃げてやる」顔色ひとつ変えずにそんな無茶を考える新さん。首に刀が迫ってるよ!「垣根は八尺(約2.4m)・・・飛べるか」いやムリだってば! まさに刀が振り落とされんとする瞬間に、役人に化けた安斉さん(山城新伍)と哲三(三浦浩一)が救いにきてくれて事なきを得たのだが、あの分じゃ「俺だって自力で逃げられたぜ」とか思ってそうだ。ウソでもいいからもすこし焦って欲しい。 おきたさんは家族を皆殺しにした下手人・豊次郎(片桐竜次)への復讐のために自ら志願して囚人の相手をしていることが判明。その豊次郎が今回のターゲット・奥平の用心棒でもあったことから、新さんは彼だけをわざと役人に捕えさせる。極刑が決まり、部屋に来た豊次郎を櫛で刺し殺し、自害するおきたさん。もっと他に方法は無かったのか、やりきれない哀しさが残った。そして雨の中、運び出されるふたりの遺体とすれ違い、そっと手を合わせる新さんでいつものエンディング。ゆるゆるソング&映像でちょっと癒される気がした(そろそろ慣れてきたのかな)。 *役人に捕まる直前、「(安全のため哲三に預けてある)火山、エサちゃんと貰ってるかなー」とか「(焼き魚を持ち上げ)お、こりゃちょっと焼きすぎたなー」などと独り言をいいつつ朝ごはんを食べてる所帯じみた新さんが可笑しかった。 *奥平をずばっと斬って、すちゃちゃちゃっと(ツルギさん@江戸の牙風に)カッコつけて刀を納めた後からいつものセリフ「・・・闇を、斬る!」と呟く新さん。それを言うなら「闇を、斬った!」だ(・・・というより別にそこまでして決めゼリフ口走らんでも)。 *いろんな意味で目立っていた隠密わんこ・火山。ラストの立ち回り時、新さんに命令されて天井から悪人に飛び掛かるハッスルぶり。
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2006,03,30, Thursday
「町火消誕生」(1970年・S45・3月23日OA)
火事場で見かけた不審者を問い正したところ、突然斬りかかられる左門さま(天知茂)。十手を弾かれてしまいピンチ。危ない!あっ刀を抜いた!と思ったら相手あっさり死んじゃったよ! さすがはカミソリ与力、切れ味抜群って訳ですな(何か違う)。 ところが斬った相手は直参旗本、それも幕府の定火消(=じょうびけし)取締役の甥だったからさあ大変。町火消設立の許可を取り付けるためお偉方に掛け合おうとしていた矢先の忠相(加藤剛)は、それどころではなくなってしまう。だがお偉方の嫌味を物ともせずに「町方与力、慰みに人は斬らぬもの」と不肖の部下を庇う、相変わらず立派なお奉行様は見ていてウットリ。 不審者を捕らえずに斬ったのはどう考えても俺の落ち度だと、処分の沙汰を待つために自主的に屋敷に引きこもる左門さま。何もそこまでせんでも、とお奉行の命を受けて訪れた源さん(大坂志郎)の言葉にもまるで耳を貸さない。 「ご自分に向かっても情け容赦はしねえ。・・・あなたってお人は、鬼だねえ」 (源さん) 「損な性分だ。しかし、今さら自分にだけ仏では通らんだろう」 フ・・・ッと自嘲的な笑みを浮かべながらそう呟くあたり、むちゃくちゃニヒルー!(崩壊中) とうとうお奉行様にまで腰を上げさせてしまい、(実はこれが目当てだったかのように)ちゃっかり書状をしたためてもらって、左門さまは殺した旗本の叔父の家へ出向く。実は不審者はもうひとりいて、そいつが逃げ帰っていないか確かめるためだったのだが、徒労に終わる。 源さんや岡っ引きの辰三(高橋元太郎)も逃げた男・与六を必死に探すが、まるで行方が分からない。みな左門さまの為に苦労しているわけだが、「泣き言は与六を捕まえてから言え!」なんてエラそうに、いや、自分も他人も同じように厳しく戒める左門さま。まあそのうち上手い具合に事が運んで、左門さまもお奉行さまも万々歳な結果に終わるのだが、死人の元結い(=もっとい)に隠された証文に気づくなど、明智ばりの推理も冴えていた(ちなみにまだ美女シリーズは始まってません)。 【追記】画像は旗本の叔父の家に向かったときのもの。「大岡といい貴様といい、(正面から出向いてくるとは)たいした度胸だ」と言われて「恐れ入ります」と愁傷ぶる左門さまだが、叔父いわく: 「恐れ入った面とは思えん!」 ナイスツッコミ。 【追記その2】連日の捜査が不発に終わり、「少し痩せたな」(by お奉行様)とか「目ばかりになっちまって怖いくらいで」(by 辰三)とか心配されている左門さまだが、当時(1970年)の天っちゃんはかなり恰幅の良い方なのでとてもそうは見えず、普段と変わらずふてぶてしかったのがなんともいえない。
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| TVドラマ(時代劇)::大岡越前 | 12:37 AM | comments (x) | trackback (x) | |
2006,03,28, Tuesday
「旗本ハイジャック」(1981年・S56・6月16日OA)
歌舞伎の助六みたいな格好で街を練り歩いては豪遊三昧の、札差(ふださし:主に旗本に対して蔵米の換金やら金貸しを行う商い)・大口屋のぼんくら主人(市川好朗)に眉を顰めながら、叔父の番頭(=今回の極悪人)は自分の息子を旗本に据えんと裏で腹黒いことを画策している。 一男一女を持つ善良な旗本・石見に目をつけた番頭は、医者と結託して病弱な妻にと法外な値の薬を売りつけ(妻は結局助からず死去)、困窮したところで金を貸し渋り、金が欲しくば息子・一之進を廃嫡し、自分の息子を娘の婿に迎えて跡を継がすように脅迫(つまりこれが「旗本ハイジャック」)。 石見は突っぱねるが、孝行息子の一之進少年は自ら廃嫡されようと望み、馬鹿正直にも番頭にその方法を尋ねに行く。辻斬りでもしなさい、とアドバイスを受けるも拒否(当然だろ)、「それじゃ商人の俺と対決して負けるというのはどうだ?」とタカビーな番頭の息子に挑発されるが、腕を折られて負けたのは番頭の息子だった。大事な息子を疵モノにされた番頭は、用心棒を集めて一之進少年を襲わせるが、突如現れたやたらと強い素浪人に蹴散らされる。雨宿りの際に一之進少年と出会い、彼の聡明さに感銘を受けていた新さん(天知茂)だ。 事前に元締めから「札差の悪行を正せ」とかいう実にアバウトな指示を受けていた新さん一味は、大口屋にターゲットを絞る。・・・のだが、なにやら悠長に構えているうち、ブチきれた番頭が、医者を遣って石見家の人間すべてを薬殺してしまう。あまりに非道な展開なのだが、それでもなお「(番頭をヤるには)確証が必要だ」と慎重論を唱える新さんは正直じれったい(ここらへん、天っちゃん自身の性格か?)。けなげな一之進くん、無駄死にしちゃったじゃないか! 薬殺計画を聞きながら黙っていたぼんくらな助六主人を問い質し、ようやく証拠を掴んでから新さんは渚さん(坂口良子)と一緒に(←これは今までに無いパターン)闇を斬りにいく。札差を廃業して僧門に入る助六主人と会釈して別れる新さんでエンドマーク。自主的に廃業した札差は大口屋だけだった、というナレーションが入るので、その実話を元に作った話といえないこともないが、なにやら後味の悪い話だった。
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2006,03,28, Tuesday
「大岡越前」(1970年・S45・3月16日OA)
放送禁止用語のせいで地上波で再放送がされなかったらしい幻の第一話。本放映時はさすがにまだ生まれてないので見たことがなかった。 伊勢・山田奉行だった若き忠相(加藤剛)と紀州大納言(=当時)・吉宗(山口崇)とのひと悶着。それが原因で江戸へ還される忠相と、彼に従う親友の医師・榊原伊織(竹脇無我)。鳶の伊三郎(中村竹弥)との遭遇。両親(片岡千恵蔵&加藤治子)や懐かしい人々(大坂志郎&土田早苗)との再会。そして吉宗から下された命とは・・・。 いやもう、みんな若くて美しい(凛々しい)のなんの。特に清廉潔白を絵に描いた様な忠相と、友思いの熱い血がたぎっている伊織のコンビは眼福極まりない。でも何か物足りないんですけど、と思っていたら、40分あまり経ってようやく真打が登場した。世間の「忠相バンザーイ」な喧騒を他所に黙々と仕事をこなす、かみそりとあだ名された敏腕の与力・神山(=こうやま)左門(天知茂)。与力なので袴履きです。朱房の十手がまぶしいです。落ち着き払ってえらそうです。 神山さまは冷たすぎますよ、と同心の源さん(大坂志郎)に突っ込まれた左門さまはアップになって(画像参照)重々しくのたまう。 「与力というものはな、お奉行に仕えるのではない、奉行所に仕えるのだ。たとえ奉行に万石の大名がこようと、俺の仕事は変わらん。それが、俺の覚悟なのだ」 か、かっこええ!(すみません理性とんでます) クールなキャラを保ったまま、お奉行様の初お白州を背後で見つめる左門さまだったが、忠相の手腕の鮮やかさに「ほお、なかなかやるな」って顔して、「でしょでしょ、私が言ったとおりでしょ?」と嬉しそうな源さんと目配せしあう場面は微笑ましかった。
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