2006,06,04, Sunday
「抜忍無情」(1973年・S48・10月27日OA)
ゲン(天知茂)と同じ、「陰」の抜け忍が近くにいるという。飢饉続きなのに年貢米を強制する代官(芦屋雁之助)に楯突き、彼の息子や奥方を誘拐する若き百姓のリーダーに目をつけたゲンだが、実は代官自身が、本物を殺して成りすました、かつて「みみずくの繁造」と呼ばれた抜け忍だった。忍びの掟を破った男が幕府の掟に再び縛られ、罪もない百姓たちを殺めていることがゲンには許せない。 ゲンに斬られた繁造は良心に目覚め、百姓のための遺言を残して果てた。 「最後の幕の一芝居…俺に泣けとでもいうのか」 一面の菜の花畑でそう呟き花を手折るゲン(渋い!)に掟討ちが迫り、またひとり消えてゆく。 *抜け忍オーラを周囲に発散させているゲン=天っちゃん(お気に入りの草笛だって、元はといえば「陰」の合図だし)と違い、こういう身の隠し方&雁之助さんの「人生結構楽しんでます」キャラは、意外とリアルだった。 *監督は中川信夫氏。
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2006,06,04, Sunday
「傀儡人形の草笛」(1973年・S48・11月3日OA)
1年前に暗殺した男(1話目の人はもっと若かったような気がしたが)の娘(吉田日出子)に出会ったゲン(天知茂)。彼女の許婚だが己の野望に目がくらみ、門下生を見殺しにした青年侍(江原真二郎)を倒し、娘に正体を明かす。だが彼女はゲンを討てなかった(やはりモテモテだ)。ゲンの行動がすべて「陰」の思い通りになっていることが薄々分かってくる、不気味な回でもある。 *吉田日出子さんといえば「江戸の牙」でおヒョイさんといちゃつく女郎さんのイメージが強いので、シリアスに出られると戸惑うなあ。 *以前これ1本だけ見たことがあるのだが、その時の印象がまるで思い出せない。要するに天っちゃんにどれだけ目が眩んでいるのかで左右される作品なのか。 *ふたたび中川信夫監督。
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2006,06,04, Sunday
「俺が拾った宿命」(1973年・S48・11月10日OA)
「あんた、探したよ・・・!」偶然ゲン(天知茂)の元に転がり込んできた女・こはる(御影京子)は、自分が愛する賞金首の「疾風の左近」(岸田森)と彼が似ていることを利用し、身代わりにゲンを奉行所に差し出した(拷問されてちょっとピンチ)。実はこの左近、貧乏故に人買いに売られた兄を想い親を憎むあまり、グレて悪行を重ねるに至った、ゲンの生き別れの弟だった・・・という、ゲンの哀しい過去が分かる回。 ゲンに好きだった兄の面影をみてはっとする左近。何に驚いたのか教えてくれと詰め寄るゲン。だが突如襲ってきた「陰」からゲンを庇って左近は倒れる。 「あんた、俺に何を聞きたいというのだ・・・子を売ったことを悔やみ続けた親たちのことか、ろくでもない弟のことか・・・」 ――あんたが兄貴だったとしても、俺は何も言わない。あんたのために――。 最後まで兄と呼ばずに左近は逝った。優しいけれど不器用な兄弟愛が泣ける。 *出ました吸血鬼ブラザーズ! でもあんまり似てないと思うぞ、こはるさん。
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2006,06,04, Sunday
「情無用の罠」(1973年・S48・11月17日OA)
くの一・あかねの策略により深手を負い倒れたところを、瓦職人(中村竹弥)と縁者の娘(神島ひろ子)に助けられたゲン(天知茂)。陰の正体を暴くため、早く問題の里へと向かいたいと焦るゲンだが、彼女の赤い簪にさと(宇津宮雅代)をまざまざと思い出し、捕らえられている娘の兄を救おうとする。しかしそれは「陰」の予測どおりの行動だった。 *川原でぱったり倒れているゲン、別にヤラレメイクだったりはしないのだが、色っぽさ全開。 *天っちゃんは馬には乗れる(&降りられる)が、走らせるのはムリらしい
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2006,06,04, Sunday
「無情の唄」(1973年・S48・11月24日OA)
困窮のあまり一揆を企てたが雇われ浪人たちに皆殺しにされた百姓たちに共感したゲン(天知茂)だが、実は難を逃れた生き残り百姓も、浪人(中谷一郎)も、すべて掟討ちの「陰」の者達だったと判明。「お前はもう人間を信じることなど出来まい!」あざ笑う陰たちにゲンは無言で燃える瞳を向ける・・・。普通なら深い人間不信に陥ってしまうところだが、彼の純粋さ、生への飽くなき欲求はこれしきのことでは曇らない。 *ゲンにフられたきらら(松岡きっこ)が久々に登場、したと思ったら実にあっけなく消えて残念(明智センセイなら生きてるだろうけど、あれはなあ)。その他、一揆の片棒をかつぐためにお役人の娘をかどわかす計画を立てるゲンもらしくなくて(天井から彼女をくいっと釣るのもイキナリで失笑)、珍しく「それはないだろう!」連発な回だった。そろそろヘタレてきたのか? *足場の悪そうな林での立ち回り。仰向け状態から生脚キックを繰り出すゲンにくらくら(見えそうで)
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2006,05,29, Monday
「本日鬼退治の日にて候」(1981年・S56・8月18日OA)
自己防衛のため、もしくは偶然出会った薄幸な人たちの仇討ちのために闇狩りを続けているような形ではイカンと製作サイドが知恵を絞ったのか、今回は、アンチ田沼の要人を刺客から護るための闇狩りという新たな存在意義が打ち出されていたのが興味深かった。 田沼に反抗的な人たちが何者かによって抹殺される事件が起きていた。若き側用人、酒井津島守は新さん(天知茂)の大事なお殿様・松平定信公と同じくアンチ田沼派の要。信頼を置く腰元・おはるに廻船問屋・灘屋を探らせ、彼と幕府大目付・稲取との癒着を知るに至る津島守だったが、そのことで田沼派の次のターゲットとして刺客に狙われる羽目に陥った。 最初はこっそりと津島守の危機を救おうとしていた新さん一行だが、大目付だけでなく味方サイドからも怪しまれてしまい(当然だろう)、おはるさんが消されるに至って新さんようやくカミングアウト。稲取と灘屋を闇に葬り、津島守の信頼を得る。 先週から「若人を支える、頼りになるベテラン」オーラを醸しだしている新さん=天っちゃん。馴染みの井上梅次監督@美女シリーズだからなのか、動作に余裕が感じられ、殺陣も綺麗でなかなかダンディだった(そうか明智センセイモードなんだな) *始まるなりロープに吊るされ移動するスイカを撃ち落す妙技を見せてくれた鉄砲射ちがいて、今日はコレで狙われてピンチになったりするんだろうかと思いきや、2度も新さんによって的を外され挙句に大目付に殺されるというなんだか情けない末路を辿っていた。合掌。 *隠密わんこ・火山は伝書犬としての職務を全うしていたが、首輪の付け文が目立ちすぎ(老眼ですか>新さん) *目立ちすぎといえば渚さん(坂口良子)の忍者衣裳・夏服バージョン。ピンクのシルク生地ってどうなのか。
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2006,05,29, Monday
「掟討ち」(1973年・S48・10月6日OA)
ゲン(天知茂)と弥藤次(山崎努)は「陰公方」に仕える忍者集団「陰」の一員で親友同士。いつも冷徹に仕事をこなすゲンに対し、弥藤次は傀儡(くぐつ)人形である己に疑問を覚え、漠然とした不安を抱いている。 暗殺任務を終えて休む二人の耳に女性の悲鳴が。少女が崖から落ちそうになっているのを、ゲンは咄嗟に助けた。少女の姉・さと(宇津宮雅代)はそんなゲンにひとめぼれ、だが彼女に熱い視線を返したのは弥藤次のほうだった。 さととの出会いがきっかけとなり、更に頭目の雲十郎(西村晃)から、一揆を計画するさとの父親たちを抹殺せよと命じられたことで、鬱屈していた弥藤次の心は出口を見つけて一気にスパーク。一緒に出かけた仲間を殺し、さとの父親を助けてしまう。父親を助け、朴訥な愛の告白までしたのに「この前一緒に居たひと(=ゲン)は・・・?」とさとに問われて複雑な弥藤次だが、追っ手の松丸(露口茂)たちを蹴散らし、さとと共に生きることを宣言。 一方ゲンは任務から外され、「子を作れ」との命を受けていた。相手は「陰」のくの一・きらら(松岡きっこ)。ゲンにぞっこんなきららは大喜びだ(天っちゃんモテモテ)。だが、組織を裏切った弥藤次を始末してこいと言われたゲンの心中は穏やかではない。 弥藤次はゲンを待っていた。刀を交える二人。 お前は何のために生きているのだ。陰とは、掟とは何なのだ。 弥藤次の言葉に、掟に盲従することへ疑問を抱き始めるゲンだったが、彼にとって上からの命令はまだ強い支配力を持っていた。 お前には分かるまい、そう呟き絶命する弥藤次、そこへ駆けつけるさと。 「人殺し!」 彼女の言葉と簪に身と心を(文字通り)突き刺されながら、ゲンは思わずさとを抱き寄せ接吻、彼女を残しその場を去る。 雲十郎はゲンの迷いを見抜き、きららと里へ降りろと指示するが、自分の存在意義を疑ってしまったゲンにはもはや魂の安寧はなかった。きららの誘いから逃れ、陰公方の指令を雲十郎に運びに来た伝達師を問い詰めるゲン。陰公方はどこにいるのか。俺は一体誰なのか。だが答えはなく、ゲンは気が付くと、絶対服従を誓わねばならぬはずの伝達師を殺めていた。「伝達師もただの当たり前の人間じゃないか・・・!」彼の中で、またひとつ何かがはがれ落ちた。 きららや松丸たちに追われる側になったゲン。「抜け忍」と呼ばれた瞬間、彼の顔に凄惨な笑みが浮かぶ。「抜ける、俺は抜けるぞ!」陰公方の正体を暴くため、そして弥藤次が果たせなかった人間らしい何かを掴むため、ゲンは新しい世界へ足を踏み入れる・・・。 冨田勲の重厚な音楽をバックに天っちゃんの劇画チックな殺陣(と顔)が拝めるオープニングから、がっつんがっつん飛ばしまくる初回。殺陣がうまいかどうかはもはや目が曇ってるのでよく分からないが、剣をすっと逆手に持つ構え(「逆手斬り」)がカッコいいのなんの! 分別臭くなる一歩手前の、脂の乗った天っちゃんの熱い演技が堪能できる。 弥藤次役の山崎さんは天っちゃんより5歳若いんだけれど(1936年生まれ)、先輩格の悩めるインテリ・エリート忍者の雰囲気には圧倒された。上背もあるし(隣にいる男のせいか?←失言)それからさと役の宇津宮さんの凛とした美しさも印象深かった。 細かくみるとツッコみたいところも色々あるけれど(抜け忍なのに素浪人風体になるってどうよ、とか、さとの妹・ちこちゃんをどこに置いてきたんだよ、とか)、有無をいわさぬハードボイルドな展開に目を奪われた。しかし初回がこんなに面白いのに13話で打ち切りってどういうことやら。ヘタレていく様もまた見ものなのかもしれない。
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2006,05,26, Friday
「女が牙をみがく夜」(1981年・S56・8月11日OA)
田沼に取り入り甘い汁を吸いたい勘定奉行やその部下とつるんで米をしまい込み、値を釣り上げては上納金として差し出している米問屋・大和屋の若い後妻(風間舞子)は、米を出し惜しみすることに懐疑的な同業者の家に刺客を使って主人を殺害、家に火を放つ。 見回り同心・佐竹真之助(堀之紀)はその刺客たちと鉢合わせ、逆に襲われかけたところを、たまたま居合わせたどうにも夜歩きが治らない深編み笠のナゾの人(=もちろん新さん:天知茂)に救われた。ひとりが落とした大和屋印の手ぬぐいを番屋に持ち帰ると、上司は「そんなものは証拠にもならん、それよりその深編み笠の男の正体を探れ」と言う。実は真之助の上司こそ、勘定奉行のコバンザメ、放火殺人の計画者だったのだ。 合点がいかぬものの、上司の命には忠実な真之助は、翌日また出くわした新さん(ブラブラ歩きすぎ)の後をしっかりつけ、長屋で張り込みを続ける。正体がバレないかと心配する哲三(三浦浩一)だが、新さんは真面目で純な真之助を微笑ましく見守ってやり、自分への疑いを晴らすためだといいながら、別の米問屋襲撃の現場を押さえて主犯格の男を引き渡してやりさえする親切さんぶりを発揮。 だがこのシリーズの常として新さんに親切にされるとロクなことはない。大和屋の後妻にタンカを切ったまでは良かったが、事件の核心に近づきすぎた真之助は案の定、上司の放ったゴロツキたちにばっさり斬られて絶命。かわいい許嫁を残して逝った彼のため、闇狩人たちは田沼への上納金を運ぶ勘定奉行たちの一行&大和屋後妻を成敗に向かう・・・という話。 寝たきり主人の襖ひとつ隔てた先で男と燃える後妻さんの濃厚なお色気シーンが今回のウリのひとつかもしれないが、新さんとの接点は皆無で、むしろ純情な同心クンのストーリーにウエイトが置かれていた。ただ、新さんの身なり(と鬘)がこざっぱりしたせいか、「○七郎江戸日記」系とでもいおうか、「ほんとは身分の高い主人公が忍びで悪を倒します」的なノホホンとした展開が、実際の状況(=闇狩人です追われてるんです)とは甚だかけ離れているのが妙な具合だった。こういう話はもっと初期にするべきじゃないのだろうか。 *真之助クンに張り込まれながら呑気に盆栽弄りをしている最中「若い芽を育てるためには、邪魔な葉っぱを摘む必要がある・・・」と言いつつチョッキンと中心の花を丸ごと切り落としてしまった新さん、ウッカリ具合が板についてきた(しかしこんなリーダーでいいのか闇狩人)。またのんびりお米研いでたしな。
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2006,05,20, Saturday
「おんなの罠」(1981年・S56・8月4日OA)
基本的には金が繋ぎ目の某シリーズの仕事人連中とは違い、闇狩人メンバーは何で繋がっているのかがどうもはっきりしない。先週の展開をみると「仲間」意識が強いのかと思いきや、今回はのっけから安斉さんが仲間割れ。亡き兼子さま(尾上松禄)の魂を受け継いで打倒・田沼を誓おうと息巻く新さん(天知茂)に対し、田沼の悪事(の末端)を人知れず始末するならいいが、俺たち風情では相手が巨大すぎるんじゃないかとの安斉さんの主張はもっともだ。しかし渚さん(坂口良子)や哲三(三浦浩一)はいまさら何を言うんだこの裏切り者!と突っかかる。「まあ待て、喧嘩をしても始まらん」冷静に止める新さんだが、そもそもあなたが原因です。 一方、火盗改め・伊丹(=今週のヤラレ役人)は、故・兼子さま渾身の労作(=新さんの墓に自分の娘の遺体を入れてカモフラージュ)をわざわざ掘り返して蘭学者に骨を調べさせるという寝た子を起こす行動に出ていた。兼子さまの苦労はいったい何だったのか。名前の語呂(鳥居ショウジロウ→鳥飼シンジロウだからバレバレなことこの上ないのだが)から新さんに目星をつけた伊丹は彼を徹底マーク、部下の柳生十兵衛もどきは安斉さんの周辺を探るため、奥様を篭絡しにかかる。 伊丹の配下の尾行に気づきながらもぶらぶらと花街付近を歩いていた新さんは、怪しげな女衒に声をかけられる。女は要らんと言いつつ「武家の女とどうです今夜」との誘いを断り切れずに一軒の家へ。俯き加減で帯を解きかけた暗い目をした薄幸そうな女性を制した新さん。もしや自分でクルクルするのがお好みですかと思いきや(思ってませんが)、そばにあった三味線を手に取りチューニング、小粋に爪弾き始めた。そうかやっぱり舞台の合間に習ってたんだなあ(*51年公演パンフに、空き時間に三味線か踊りを習いたいという発言があった) 胸を病んでいるらしいその女性・おときさんの話をぽつりぽつりと聞いてやり、「貴方(=新さん)のような方は初めてです」との言葉に「あんたのような美しい女に会ったのは初めてだ」と草葉の陰(というか新さんの棺おけの中)で千草さんが歯軋りしていそうな浮いた台詞を残してそっと家を出る新さんだったが、実は彼女は伊丹の妻で、夫に命じられて新さんが闇狩人かどうかを探る役目を担っていたのだった(これが「おんなの罠」)。翌日新さんを見かけたおときさん、早逝した息子の墓前で(たぶんわざと)自害しかけたところを救ってもらい、彼の長屋に連れて行ってもらうところまでこぎつけた。 長屋へ帰るなり新さんひと言: 「さて、床(とこ)を敷こう」ってえらく積極的じゃないですか昼間から! ではなくて、病身のおときさんを労わってのこと(いちいちフォローを入れねばならないのもどうか)。そんな新さんの優しさにころっと騙され、もとい、ほだされたおときさん、闇狩人の寄り合い場所まで尾行・確認したというのに、真実を報告できずにあえなく変態夫・伊丹に殺されてしまう。物悲しい三味線の響きをBGMに敵地に乗り込む黒頭巾(新さん)、形見のかんざしを夫の額にびしゅっと突き刺してエンド。 安斉さんの件はどうなったかというと、奥様に探りを入れていた役者崩れの正体(=伊丹の密偵)を哲三が割り出したことで「仲間ってのはいいもんだな」(by 新さん)であっさり仲直り。うーん、甘いぞ皆の衆。それにもはや自分たちの正体を必死に隠すためだけに殺しを重ねているようで、割り切れないものが残った。 *兼子さまが出てくるオープニングはどうなるのかと思ったら、映像はそのままでナレーションだけが変更されていた。 *キメ台詞復活。
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2006,05,08, Monday
「暗殺!兼子八郎左衛門」(1981年・S56・7月28日OA)
冒頭、娘の墓参りをしながら思い出に浸る白河藩公用人・兼子様(尾上松禄)。亡き娘・千草と新さん(天知茂)はデキていて、あるとき娘が殺されるか自害したかで、骸を抱きながら悲しむ新さん(当時は侍姿の鳥居ショウジロウさん)の回想シーンがここで挿入。このことがきっかけかどうかしらないが(何しろ初回を見逃しているので)、乱心して切腹、という偽装により闇の人となった新さんに思いを馳せながら「すまんショウジロウ、お主は墓参りも叶わぬ身」と大層すまながる兼子様だが、当の新さんってばこっそり森の茂みから覗いてるから大丈夫。しかしながらそれで田沼の放った忍び連中に見つかってるあたり、全然大丈夫じゃないのだが(ガード甘いよ新さん)。 マークされた新さんと接触した安斉さん(山城新伍)、渚さん(坂口良子)が相次いで田沼の手の者・三浦(小林・おやっさん・昭二)に掴まった。お嬢さんの一大事と顔色を変える哲(三浦浩一)だが、新さんは堪えろという。彼はとにかく主君・松平定信(沖雅也)命なので、わんこは助けても(そして自分は幾度となく助けられていても)仲間はおいそれと助けに行かない、実に慎重な、というと聞こえはいいが悪く言えば非情の男だ。仕方なく単身乗り込んだ哲は案の定捕らえられてしまい、三人揃って兼子様の前に引き出される。 その場は平静を装った兼子様だが、自分もマークされているため迂闊に動けない。急ぎ主君に告げると、定信公自らが新さんとコンタクトを取るために行動を開始してくれた。このあと二人が温泉で落ち合うという美味しい、というかすこぶる濃厚な(だって沖雅也と天知茂が仲良く褌姿でお湯に浸かってるわけですよ、沖さん元気そうですよ、天っちゃん色白いんですよ)シーンがあり、途中で全裸のくの一に襲われるというデジャブな展開に軽く眩暈(『狼男とサムライ』参照・・・というより時期的にむしろこっちが先か?)。 仲間を助け出せないときは斬りますと定信公に誓った新さんだが、渚さんの必殺武器・赤い鉄扇や安斉さんの爆弾(=口に放り込んでドカン)を駆使して敵を撹乱、あれ〜、それじゃさっき捕まえた奴らって別人?と思わせて三人を無罪放免させる知恵者ぶりを披露(というよりたぶん、珍しいことをやってみたかっただけかもしれない←天っちゃんが)。 しかし先のディープな逢瀬を偶然見かけてしまった町方役人(穂積隆信)の通告によって、とうとう闇狩人と白河藩の接点(=新さん)が田沼親子に知られてしまった。死んでるんなら、鳥居ショウジロウ=新さんの墓を暴いてみろと迫る田沼親子。無論死んでないから中は空のはず、と思いきや、棺を開けると変わり果てた侍の頭が。そういうこともあろうかと兼子様が娘の千草さんをこっちに埋めておいたのだ(実の娘の頭を侍ヅラにしてまで!) してやられた田沼ジュニア(原田大二郎)はぶち切れ、親父(三國連太郎)に内緒で兼子様抹殺を命じる。防御むなしく、三浦&忍びの者たちに惨殺されてしまう兼子様が不憫。形見の刀を差し、キメ台詞を言う余裕もなく(黒頭巾を巻く余裕はあったようだが)おやっさん(三浦)以下バッサバッサと切りまくる新さんだったが、大ボスはまた逃してしまった。まあ田沼氏は歴史上の人物だからして、新さんレベルにやられたりするのはムリがあるというものだ。しかし、元締めがこんな早くに亡くなっちゃって、しかも闇狩人のメンツ割れまくりなのに、次回からどうするんだろう(まだ9話ほど残ってるのに)。 *いつもはオープニングしか出てこない面々が勢ぞろいした回をみるのは初めてだった。三國さん、デカくて貫禄あるなあ。 *新さんのヅラがちょっと変わったんじゃなかろうか(素浪人風から、愛染@狂四郎無頼剣みたいな感じに)
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