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浮草
浮草(1964年・S39・1月5日OA)CX 22:00-23:00

演出:土屋達一郎
出演:柳永二郎(駒十郎)、藤間紫(すみ子)、加賀まりこ(加代)、杉村春子(お芳)、岸田森(清)、宮口精二、西村晃、殿山泰司、天知茂
昭和9年と、戦後は昭和34年に故小津安二郎監督によって映画化された作品。ドサ廻りの旅芸人一座を舞台に、その生活と哀観を描いていくもの。
相生座の座長・嵐駒十郎は12年ぶりでやってきたこの町に、思い出深いものがあった。それは12年前、お芳という女となじみができ、子供をつくったままこの町をさってしまったからだ。駒十郎は足のむくまま、お芳の家を訪ねたが……。
(以上、週刊TVガイドより引用)

*小津監督の「浮草」は未見なのでなんともいえないが、このメンツの中では年齢的に岸田さん(息子役)に一番近い天っちゃんの役柄が気になるところだ。ぎりぎりでも一応名前が載っているから、少しは目立っていたのだろうか?

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砂の器(前・後編)
砂の器(1962年・S37・2月23日・3月2日OA)TBS 20:00-21:00

出演:高松英郎、月田昌也、天知茂、夏目俊二、美杉てい子、千秋みつる、香月京子、藤沢宏、飯沼慧
【東北-山陰へ刑事はとぶ】
TBSテレビは今夜8時からの「金曜劇場」で、松本清張原作、大垣肇脚色の「砂の器・前編」を放送する。前後編で2時間スタジオ・ドラマとしてははじめての本格的推理もの。ロケ30か所の実景フィルムも入れ、出演者90人に及ぶという。
――東京・蒲田駅構内で、男の他殺死体が発見される。年齢52、3歳。今西刑事(高松英郎)と吉村刑事(月田昌也)は、その前夜、被害者らしい男が駅付近のバーで若い男と飲んでいたことをつきとめる。その席上、「カメダは…相変わらずでしょうね」と、若い男が被害者にたずねていたこと、被害者に東北ナマリがあったことも知る。
しかし、東北地方では、手がかりがつかめない。やがて、被害者は岡山県の雑貨商・三木謙一とわかる。「カメダ」の疑問を追う今西刑事は、国語研究所で、意外にもズーズー弁は東北だけでなく、岡山に隣接する出雲地方にもあることを教えられ、それがヒントで同地方に亀嵩(カメダケ)という土地があることを知った…。
担当ディレクターは「大臣の娘との結婚、渡米という前途を目前にした新進前衛作曲家・和賀英良(夏目俊二)が、ライ病者を父に持つ自分の素姓を隠し通すために、命の恩人でもある老人を殺す――という犯行動機のなかにひそむ問題に焦点をおきたい。つまり、前衛的なスタイルをとる者の心に、案外古い立身出世主義が巣食っているというテーマを、とくに盛り上げたかった」といっている。
(以上、朝日新聞縮刷版より引用)

*クレジットは加賀役の夏目さんより先。ということは天っちゃんは、(映画では存在を抹消されていたが)原作で最初っから挙動が犯人っぽい評論家・関川重雄役が濃厚という気がするが、カメダまでアリバイ作りに行く俳優の宮田邦郎でも面白いなと思う(でも宮田は“背が高い”そうなので除外か)

*それにしても、こんなあからさまなネタばれ解説をされてはミスリードもなにもあったもんではない(それだけ小説が当時から有名だったということか)

※(2009.9.2追加)読売新聞より引用:
【二回にわたってドラマ化】
金曜劇場(TBSテレビ後8:00)読売新聞に連載され、近く松竹で映画化する予定の松本清張原作「砂の器」のテレビドラマ化で、二時間ドラマでは初めての本格的推理物である。蒲田駅構内で発見された殺害死体をめぐって舞台が秋田や鳥取にとぶというロケ30か所以上に及んだ作品。
一つの殺人事件を描いていく中で、前衛的な生活スタイルをとる者の心に古い立身出世主義が巣食っているというテーマを追う。きょうは前編。
(脚色)大垣肇。
【出演】
今西栄太郎(高松英郎)、吉村弘(月田昌也)、関川重雄(天知茂)、和賀英良(夏目俊二)ほか。
*やっぱり関川だった。

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男ならやってみな
男ならやってみな(1964年・S39・6月20日OA)NTV 21:30-22:30
【名誉欲に駆られた議員さん】
田口竹男の戯曲「文化議員」のテレビドラマ化(脚本・柳沢類寿)。名誉欲にとりつかれた地方議員の生活をユーモラスに描くもので、天知茂と長門勇が初顔合わせする。
泡田市で映画館、ストリップ劇場を経営する羽野(長門)が市議会議員に立候補したのは何とかして町に自分の銅像をたてたいという願いからだ。そして市立の文化会館建設という公約が功を奏したのか、羽野は最高点で当選した。しかし選挙に使った金のことで苦しい立場になった。穴山(天知)という新聞記者が現れたのはそんなときで、その穴山によって羽野の危機は救われた。しかも秘書になった穴山の活躍で羽野の人気は上昇の一途をたどるが――。
出演はほかに角梨枝子、清川玉枝、江見俊太郎、野口ふみえ、小林裕子ら。

【写真キャプション】ストリップ劇場で市議会議員の羽野(長門勇)と新聞記者の穴山(天知茂)
(夕刊あらすじ)
劇場経営の羽野は市議当選いらい人気は上がる一方。彼は市に自分の銅像が建つのが念願だ。
(以上、朝日新聞縮刷版より引用)

*長門さんとはこれで意気投合したのか、初舞台(「道場破り」)や映画(「いも侍」)などでも仲良く共演している。

*掲載写真の雰囲気が意外にとても良く似ていたので、もしかしたら穴山が羽野になりきるようになって、最後は出し抜いて自分の銅像をちゃっかり建てる、ってな話なのかもしれない(あくまで想像)

※(2009.9.2追加)朝日新聞大阪版あらすじ:
ストリップ劇場の経営者、羽野玄三(長門勇)は、自分の銅像を建てたい一念から市会議員になり人気もあがる一方だったが、そんなとき彼の参謀で秘書をしている穴山(天知茂)が東京へ帰ると言い出した…。地方議員の名誉欲をユーモラスに描く。ほかに小林裕子ら。


(週刊TVガイド 1964年6月20日号より引用)
【天知と長門 初の顔合わせ】
戦後間もなく田口竹男が“劇作”に発表、俳優座が青山杉作の演出で舞台にのせた戯曲「文化議員」を、このところテレビ界の人気をさらっている天知茂、長門勇の初顔合わせで送る。また水原弘の歌う「男ならやってみな」をバックに流して、コメディー風なムードを出そうというもの。

羽野玄三の夢は自分の銅像を建てること。人は成り上がり者の玄三をストリップの親方だのキャバレーのボス、活動屋のおやじといった。だが、いまは違う。なにしろ、初めての選挙に、一大文化都市建設を公約にして最高点で当選した市会議員様だ。ある日、羽野興行事務所に、太陽新聞泡田通信部の穴山がたずねてきた。彼は自分を秘書にしてくれれば、玄三の夢である銅像建設にひと役かうとなかなか鼻息があらい。玄三はこの強引な男を使ってみようと、現在の秘書、矢木をしりぞけ穴山をその席につかせる。かつては東京本社の政治部で、国会詰めを5年もした穴山のこと政治のかけひきは心得たもの。やがて、玄三は穴山の指図通り、羽野興行のドル箱である海岸遊園地を市へ無償で寄付し、名実ともに有力者となる…。

原作:田口竹男、脚本:柳沢類寿、演出:河野和平
配役:穴山(天知茂)、羽野(長門勇)、仙子(角梨枝子)、ギン(清川玉枝)、実太郎(江見俊太郎)、良子(野口ふみえ)、白鳥弓子(小林裕子)、矢木(直木みつ男)


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喧嘩太郎
源氏鶏太シリーズ 喧嘩太郎(1961年・S36・4月16日OA)TBS 21:00-21:30

出演:天知茂、小山明子、小林寛

*原作によれば、喧嘩好きのサラリーマン・喧嘩太郎こと宇野太郎くんが婦人警官の雪江さんに一目ぼれ、彼女に猛アタックして愛を勝ち取るコメディ。非常にらしくない配役だが、南郷次郎先生@『影なき殺人者』のテイストで爽やかに頑張っているのかもしれない。ただ、1年前に石原裕次郎&芦川いづみで映画化されており、その向こうをはったTV版で果たして見るからに喧嘩っぱやそうな裕ちゃんとどれだけ張り合えているのかはナゾである。

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騙す
テレビ劇場 騙す(1964年・S39・9月8日OA)TBS 22:00-22:30

作:松田暢子
出演:瑳峨美智子、天知茂ほか
座敷女中富子は、独立するため、板前の米吉と共謀して、せっせと店の金をごまかしたが…
(以上、朝日新聞縮刷版より引用)

*天っちゃんは米吉か。共謀していたつもりが米吉にぜんぶ持ち逃げされたりして? (しかし板前と女中といえば「庖丁」ふたたび、ってな組み合わせだ)

※(2009.9.12追加)週刊TVガイドより引用
脚本:松田暢子、演出:川俣公明
配役:富子(瑳峨美智子)

【三悪人の騙し合い】
下町のさびれた旅館の一室で、つつぬけに聞こえる笑い声をよそに、一組の男女がよからぬ相談をしている。男は米吉、女は富子といい、ある小料理屋の板前と女中頭である。二人は売上と仕入金の一部をごまかし山分けしているのだ。この1年間、二人がこうしてためこんだ金は百万円ほど。二人はあと五十万ためて大阪で料理屋をひらこうと企てていたのだ。だが、二人は愛し合っているわけではなく、お互いに利用し合い、1日でも早く、いまの生活を打破したいがためであった。不足分の五十万円、その穴埋めは富子が受け持つことになる。だがその頃、二人の勤める小料理屋のごうつく女将は、富子のピンハネにうすうす気がつきはじめた。そして、女将は米吉に富子の見張りを頼んだ。


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庖丁
庖丁(1962年・S37・8月4日OA)CX 22:00-23:30

原作:丹羽文雄
演出:塚田圭一
出演:瑳峨美智子、大木実、天知茂、浦辺粂子

(週刊TVガイド 創刊号より記事引用)
【瑳峨美智子ひさびさのドラマ「庖丁」に体当たり演技】
月影が川面にゆれる浜町河岸、粋な三味の音、橋のたもとにひっそりたたずむ男と女…とくれば新派の当り狂言「明治一代女」を思いおこすところ。さて今夜の丹羽文雄原作「庖丁」もまた、時は現代であるが、そんな情景をほうふつさせるドラマである。この作品は、かつて週刊誌に連載されて、映画各社がねらっていたものだが、主演の瑳峨のたっての希望で、はじめてテレビにお目見えする。「相手役は気心の知れた大木実さんや天知茂さんですし、まわりが映画のかたばかりなので、とても楽しくお仕事させてもらっております」と語っていたが、それでも馴れないテレビのこととて、だいぶ勝手が違うらしくフウフウいっている。

<物語>
お雅は浜町の料亭の女中だった。彼女には求愛する2人の男がいる。料理場をとりしきって、気ぐらいは高いが腕のたつ板前山名。同じ板前だが、山名にはいつもどなられている小心者の房吉。戦争が激しくなり山名に赤紙が来た夜、彼に妻となることを約束した。だが終戦を迎え、母をかかえたお雅にやさしい手をさしのべたのは房吉だった。
(座りこんでる瑳峨さんに手をさしのべているらしい黒い着物の天っちゃんの写真つき)

*TVガイドのあらすじと写真から、大木さんに怒鳴られてびくつく天っちゃんが頭に浮かんで「たぶん房吉役だな」と思ったのだが、原作を読んでみたところ、お雅さんと所帯を持つ戸田房吉のほうが山名直規より年上で容貌的にも難ありなので、もしかすると天っちゃんは山名のほうかもしれない、という気もしてきた(大木さんに大変失礼だが)…でも、「蛇のような目」だとか高利貸しに燃えているところとか、房吉も捨てがたい(?)んだよなあ。気位の高い板前に小心者、どっちも守備範囲だから始末におえない。

*(追記)下記の読売新聞の記事によれば、房吉でした。

(読売新聞1962年8月4日号より記事引用)
【板前と女中の悲恋】 非情な戦争通じて描く
築地の料亭「千樹」を舞台に、板前の山名と女中のお雅との悲恋を急激にうつりかわる世相を背景にえがく丹羽文雄原作の「庖丁」。
築地の料亭「千樹」は板前のウデがよいので知られている。その板前の山名は女中のお雅に好意をもっていた。ある日の夜、召集令状を受け取った山名は九段の待ち合いでお雅と結ばれたが、戦争はふたりの仲をひきさき、山名を戦場にかりたてていった。
(脚色)成沢昌茂、中園みなみ。
【出演】お雅(瑳峨美智子)、こと(浦辺粂子)、山名直規(大木実)、房吉(天知茂)ほか。


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ありったけの青春
ありったけの青春(1964年・S39・2月29日OA)CX 20:00-20:56

原作:藤原審爾
出演:天知茂、小坂一也、久保菜穂子、高津住男、中島そのみ、利根はる恵
【にわか役者になった愚連隊】
原作は藤原審爾の「ぐれん隊純情派」。若月組組長が密輸容疑で捕まった。残された子分たちは権田組にナワ張りを荒されて手も足も出ない。そんな時、若月組のチンピラ錦之介(小坂一也)のもとにドサ回りの一座の座長だった父親が死んだという知らせがはいった。錦之介には一座を引きつぐ気はなかったが、兄貴分の三吉(天知茂)や松(高津住男)のあとおしで、とにかく引き受けることにする。松や三吉は、一座の小道具を売りとばして若月組の再建資金にしようというハラがあったのだ。だがにわか役者として舞台に立った彼らは、しだいに一座に愛着を覚えるようになる。他に久保菜穂子、中島そのみらが出演。

(夕刊あらすじ) 父親が死んだのでドサ回り一座を引きついだ錦之介のもとにチンピラヤクザが入り次第に人間的になっていく話。
(以上、朝日新聞縮刷版より引用)

(以下、ほぼネタバレのあらすじ@週刊TVガイドより)
【ちんぴらヤクザの純情】

がらく太の青春 ←TVガイド誌ではタイトルがこうなっていた
<フジテレビ 後8:00>

脂ぎった人間性をえぐりだすことが得意な作家、藤原審爾のこれは珍しく、ちんぴらやくざの純情を謳いあげた小品。
若月組と権田組は犬猿の間柄である。若月組はこのところ落ち目だ。というのは、親分が密輸の疑いでサツにあげられたからだ。裏には、権田組の密告があったと、若月組の若いもんは思っている。
三吉、松の二人は若月組の若いもん。同じ錦之介も旅役者の一座からやくざの世界に入った男だ。
錦之介がやくざの足を洗うことになった。かつて、自分の父親が座長をしていた一座の解散を見るにしのびなかったからだ。
三吉と松の二人は、手もちぶさただったし、ひょっとするとウマい汁が吸えるかも……という腹つもりで同行することになった。
ところが、うまい汁を吸うどころか、一座の窮状は惨めなものであった。そこはやせても枯れても男一匹。松と三吉の二人はひと肌ぬいで、にわか役者に転向、結構、客席をわかせた。
ある日、若月組の姐御、テル子から電話があった。
権田組の密告だというたしかな証拠をつかんだというのだ。
三吉は、ひとりで上京し権田組の組長を刺した。
「父帰る」の舞台は三吉や松の熱演で、長男を演じた三吉は幕がおりてからも舞台にひっぱりあげられる始末。
舞台のソデに刑事が三吉を待っている。殺人容疑だ。井上三吉の一世一代の芝居はこうして……。

原作:藤原審爾
脚本:田村幸二
演出:吉田央
配役:三吉…天知茂、松…高津住男、錦之介…小坂一也、姐御…久保菜穂子、ほかに利根はる恵、中村是好、春江ふかみなど (56分)
*原作の主人公は錦之介で、そもそも「三吉」という人物はおらず、松の弟分に「豊」というのがいて、彼が相手のボスを刺して刑事に捕まるエピソードがちょこっと入っているだけだった(劇も「父帰る」ではなく鼠小僧)。朝日とTVガイドではあらすじの書き方がまるで違うので分かり難いが、クレジットからすると、三吉メインで筋を大幅に変更しているようだ。ある意味、舞台初出演(?)がこれかもしれない。

*同名タイトルの映画が1963年に公開されていて、こっちのほうが原作に近い(かなりハッピーエンド気味だが)
*ちなみに「ぐれん隊純情派」には「地平線がぎらぎらっ」も収録されている

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首無し島
首無し島(1978年・S53・8月20日OA)

ある夏の日、流人の首を村人が落としたという伝説のある初根島へ静養に訪れた北川駿(白いよれよれ帽子&ラフなカーキ色Tシャツの天知茂)。「今夜は晩飯にありつけないだよ。首吊りの始末で忙しいから」着くなり変てこな仮面を被った男・河原権次(谷啓)からガチョーンな出迎えを受け戸惑っているところへ、スケッチブックを持った若い女性(五十嵐めぐみ)が助け舟を出してくれた。で、お嬢さん、あなたは。「わたし、塚原みどりです。1ヶ月前までエーゲ海でコバルトブルーの海を描いてました
「こりゃあ退屈しないで済みそうだ」至極まっとうなコメントを口にした北川だが、彼女はムクレて行ってしまった。

ともかくセンパイお勧めの宿を見つけ、部屋いっぱいの夕陽を満喫していると、宿の小山のようなメイドさんの悲鳴が。物置で下宿人のカモンさんが首を吊っていたのだ。駆けつけた駐在の沢田(ハナ肇)に、ホトケが使ったはずの踏み台が低すぎる件を指摘する北川。あんた一体何者? 「僕は北川駿。警視庁捜査一課の刑事です」沢田巡査、まさにアッと驚く為五郎だ。

カモンさんの葬儀の日に、酔っ払いの大作さんの死体が海から上がり、溺死ではない(=他殺だ)とまたもや北川はツッコミを入れた。“まだまだ人が死ぬだよ”そう予言めいたことを呟く権次、そして現場に流れていたという彼の十八番の口笛が気になる北川だが、事件の最中にボートに乗って颯爽と帰島した沢田巡査の息子・ハジメ(山本紀彦)は、みどりと北川の仲(って、ただ歩いてただけ)が激しく気になる様子。決死のプロポーズを一笑に付されてますます「そんなこと言って、ほんとはあの刑事が…!」と、いい年をしたおっさん(しかも相対的にくたびれキャラ)相手にメラメラと嫉妬の炎を燃やすのだった。

次にアベックの串刺し死体が発見され、北川は彼らの共通点を役所で地道に調べることにした。そして衝撃の事実を掴み、勢い込んでみどり宅へ。被害者は全員、島の所有権を持っていたのだ。そして生き残りの所有者は権次とみどり。慌てて権次を訪ねると、彼は既に何者かに襲われた後だった。「龍ヶ崎…見た…」死の間際の彼の言葉を辿ったふたりは、そこでボートを発見する。

となると最後のターゲットはみどり。僕が夜通し外で見張っていてあげるから君はお休み、と俄然頼もしく立ち回る北川にクラッときてしまった彼女は彼の肖像画なんぞをうっとり描く始末(だがどうみてもそのストライプスーツのコワモテは特捜のはみ出し刑事だよみどりさん)。しかし翌日、再び聞こえる戦慄の口笛。「北川さん、あの口笛よ・・・!」だが当の北川が上司からの電報で急に呼び出され船上の人になっているのを彼女は知らない。これはおおごとだ!

そのころ、同船していた郵便局長の言葉から先の電報が偽物であることを知った北川は、しまったー!と海へ飛び込み猛烈な勢いで島に向かって泳ぎ出していた(当然スタントさん)。島に上がった時分にはとっぷり陽も暮れている。みどりはナゾの仮面男に首を絞められ大ピンチ。シャツをはだけて必死に走る北川! 間一髪で間に合った彼に仮面を剥がされ(でもご大層にストッキングも被っていた)犯人は逃走、北川はみどりと共に沢田巡査を訪ねる。

ふたりには犯人の察しがついていた――沢田の息子、ハジメだと。そして沢田もまた薄々感づいていた。北川と沢田に追い詰められ、龍ヶ崎で進退窮まるハジメ。お前さえいなければ!と北川に銃を向けた息子を、沢田は泣く泣く射殺するのだった。

この島が原発の勧誘地になったことを知り金儲けを企んだハジメは、血は薄いが自分も所有者の端くれであるのをいいことに、他の者を排除して回っていたのだ。その上でみどりと結婚すればもう万々歳、と思っていたところに「強力なライバルが現れたというわけさ」(北川談)。それは誰?と問われて「俺だよお」とぶっきらぼうに言ってのける北川にみどりはようやく笑顔を見せるのだった――。

*1時間弱の推理ドラマ。原作は洋物ミステリだが、当時大流行の横溝チックな世界観を匂わせた和物に仕上がっていた。ただ、原作では非常に重要なキーポイントになっている口笛の扱いがぞんざいで、その口笛の主である権次が、原作の“薄らバカ”ではなくオカルトチックなキャラクターに変えられているため、謎解きの面白さは多少削がれている。

*とはいえ、カジュアルな天っちゃんを楽しむという意味ではなかなか面白い。カジュアルな服装(金鎖つき。でも靴は何があってもいつもの革靴)、カジュアルな言動(上半身裸で髭剃りシーンとか、夜這い?を見咎められてびくぅっ!とするところとか、例の「俺だよぉ!」とか)、同時期の明智センセイや三井係長@大空港ではお目にかかれない姿は必見である。(原作ではヒロインと同い年くらいの設定なので、それなりに頑張っちゃったのかもしれない)

*しかしながら天っちゃん&五十嵐めぐみさんのカップル、やはり美女シリーズの明智センセイ&文代さんが頭にあるせいか、どう見ても健康的(=色気ナッシング)。でもこの年の秋に「孤独の賭け」なんだよなあ…。

*音楽は「非情のライセンス」の渡辺岳夫さん。あのイントロの「とんしゃららん♪」(擬音似てなくて失礼)めいたのが聴けるが、全体的に明るめである。

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黒い天使
名作推理劇場 黒い天使 (1963年・S38・3月24日OA)NET 20:45-21:45

原作:コーネル・ウールリッチ
出演:市川和子、天知茂、舟木洋一、珠理恵、山口幸生、山本一郎
デザイナー・新藤と妻令子の仲は、春のファッションショーから次第に冷たくなり、新藤はモデルの須本晴美と急速に親しくなっていった……。
(以上、朝日新聞縮刷版より引用)

*原作の主な登場人物は下記の通り。

アルバータ:夫に裏切られた若妻
カーク:アルバータの夫。ミア殺しの容疑で死刑確定
ミア:カークの浮気相手(死亡)
マーティー:ミアの手帳の男その1(ミアの元亭主でアル中)
モーダント:手帳の男その2(麻薬売買の藪医者で前科持ち)
ラッド:手帳の男その3(“気持ちのいい顔”の資産家青年)
マッキー:手帳の男その4(嫉妬深いナイトクラブのオーナー)
ウェズリー・フラッド:殺人課刑事

原作にはデザイナーという設定はないが、ドラマでいえばアルバータ=令子、新藤=カーク、晴美=ミアだろう。ミア殺しの犯人として捕まった夫カーク。だが、その日ミア宅に偵察に出かけ、部屋で彼女の死体を発見したアルバータは、偶々その時かかってきた電話が夫の声だったことから彼の無実は確信していた。アルバータは夫を救うため、現場に落ちていたイニシャル入りのマッチとミアの手帳から、怪しい男たちを単身つきとめ、真犯人を捜す…というストーリー。

はじめは夫=天っちゃんだろうと思っていたものの、旦那は冒頭ですぐ刑務所に入ってしまって出番が意外と少ないので、容疑者グループ(=手帳の男たち)か殺人課の刑事なのかもしれない。手帳の男は全員天っちゃんが演じててもおかしくないので、クレジットからすると真犯人の線も濃厚?

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これが法律だ
ミステリーベスト21 「これが法律だ」(1962年・S37年 11月16日OA)NET 21:00-22:15

原作:高木彬光
出演:天知茂、松本朝夫、中原美沙緒、加藤嘉、上田吉二郎、長門勇、文京子

(朝日新聞縮刷版よりあらすじ引用)
一人の男が生涯をかけて研究した法律も、無実の男の処刑を救うことができなかったという皮肉な運命を描く。
*原作での主要人物は以下のとおり:

・神津恭介:東大助教授(日本三大名探偵のひとり
・大木五郎:神津の親友(行動派)
・富山剣次:殺されるワンマン作家
・恵利子:富山の奔放美人妻
・夏村大二郎:富山殺害を自供した死刑囚
・丸岡日照:夏村を見舞う教誨師
・津雲国利:弁護士(恵利子ラブの真犯人)

クレジット順だと天っちゃんが主演とみてよさそうだが、この話における主役はいったい誰なのかが問題である。神津役だったらかなり興味深いのだが、今回は神津よりも大木五郎のほうが出番がはるかに多く、体当たりで真相を明らかにするのも大木なので、もしかするとドラマは神津抜きで作られた可能性もある。となると肉体派でレディ・キラーな大木=天っちゃん、ってことになるのだが、後者はともかくマッチョというのがひっかかる。

あと考えられるのは死刑囚・夏村役。死刑執行を前にあくまでクールでニヒルなこの男が真相を知らされ崩れてゆく様に「これが法律だ」という言葉が重々しくのしかかるクライマックスを考えると、彼を主役と捉えてもいいような気がする。それにたぶんマッチョよりは適役だ

・・・とあれこれ想像を逞しくしていて、以前こんなポスター画像を戴いたのを思い出した。ううむ、正面写真と「ベスト21」の文字のところ(は天っちゃんじゃないのかしらん?)を見ると、神津か大木っぽいけどなあ。のけぞってるから死刑囚・夏村の顔がわからんなあ。真相やいかに・・・!

*とはいえ、原作とまるで違う展開というのもアリなわけで(“生涯をかけて法律を研究した男”なんて原作じゃ出てこなかったようだし)

(2013.3.16追記:毎日新聞より引用)
【どうしても救えぬ無実の男】
高木彬光の原作を北一郎が脚色。法律を生涯かけて研究した男の力をもってしても、無実の男の処刑を阻止することができなかったという皮肉な運命を描く。

大木=天知茂、夏村=松本朝夫、恵利子=中原美沙緒、津雲弁護士=加藤嘉、刑務所長=上田吉二郎、所長代理=長門勇、守衛=佐藤昌也、教師=冬木京三、女給=文京子。
*神津恭介ではなくて大木だった。マッチョなレディ・キラーか!

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