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非情のライセンス 第2シリーズ #55
#107「兇悪の花道」(1975年・S50・10月30日OA)

依頼主の堀田(神田隆)に裏切られた揚句に愛人を殺されたプロの殺し屋・佐伯(待田京介)は、堀田の娘・美樹(森田―現・五十嵐―めぐみ)を誘拐し身代金を要求した。父の所業を憎んでいる美樹は彼に協力的な態度を示し、いつしか二人はほんのり良い仲に。

佐伯はかつて会田(天知茂)と警察の射撃大会でジャージのいけてなさ具合もとい射撃の腕を競いあった友人なのだが(勝負がつかずに引き分けたのだとか)、暴力団に妻子を殺された佐伯はそのまま警察を辞め、殺し屋稼業に身を落としていたのだった。今までは暴力団員などがターゲットだったためにあえて彼を見逃していた会田も、今回ばかりは乗り出さざるを得なくなる。

堀田と受け渡し場所に現われた会田は、美樹を連れた佐伯に対峙する。しかし堀田は再び約束を違え、佐伯を抹殺しようと企んでいた。胸に銃弾を受けながらも堀田に銃を向ける佐伯。「何をしているんだ、奴(=佐伯)を撃て!」慌てふためき指示する堀田だが、会田は銃を捨て、動かない。やがて一発の銃声と共に倒れ伏す堀田。既に息絶えていた佐伯の代りに父親をその銃で撃ったのは、美樹だった。会田は彼女の頬を張り飛ばし、銃を佐伯に握らせる。
「撃ったのは佐伯だ――分かるな」
その言葉で弾かれたように駆け出した美樹の背を、会田は静かに見送った(昭和ブルース1番)

*脚本は文壇デビュー前(新人賞を取る前)の赤川次郎さん。

*待田 VS 天知といえば伊勢社長 VS 明智センセイ(「魅せられた美女」)が真っ先に思い浮かぶが、任侠路線で誰かさん同様やっぱり殺される回数が多かった待田さんのやさぐれ具合と“実はいいヒト(だから薄幸)”イメージがたっぷり味わえた。「シンデレラには王子様だ、殺し屋じゃないよ」ってな台詞に込められた、顔に似合わない優しさが印象的。

*五十嵐さんはまだほんのり「少女」で固い感じとはいえ、ショートカットで活動的なお嬢様なあたりは文代さんチックだった。

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| TVドラマ(現代劇)::非情のライセンス2 | 03:56 PM | comments (x) | trackback (x) |
非情のライセンス 第2シリーズ #54
#106「兇悪の砂丘」(1975年・S50・10月23日OA)

カイロの砂漠で狙撃され父を失い、自らも撃たれたショックで事件前後の記憶を無くした少女・祐子(森川千恵子)。主治医・牧原和子(小山明子)は彼女の記憶回復のため、現場と良く似た鳥取砂丘へと連れ出すが、そこで再び祐子は命を狙われた。どうやら顔を見られた犯人が追いかけてきたらしい。祐子の記憶を取り戻させて犯人を捕らえるという使命を帯び、会田(天知茂)たち特捜部は鳥取(皆生グランドホテル)へと向かう。

警護を固める中、祐子の行く先々に現われる不審な男。動きがすべて筒抜けなことに、会田は身内に内通者がいるのではないかと疑う。おまけに発砲したところを取り押さえ尋問しようとしたが、男は何者かに射殺されてしまった。

祐子をこれ以上ここに留めておくのは危険だと判断した牧原女医は会田に計画の中止を訴えるが、「そんな時間はない」と一蹴された。ところが偶然、会田が服用している薬の名前(=6メルカプトプリン)を見てしまい、「時間がないのは貴方のほうじゃなくて?」と反撃を開始。…したのだが、会田が祐子の命を大事に思うからこそ一刻も早く記憶を取り戻させたいと考えていることを知って(チークダンスでほだされちゃったりなんかもして)、砂丘でカイロの事件を再現させることに同意した。

予定を変更して砂丘に向かった祐子たち。とそこへぶちこまれる銃弾。ハッとする坂井(宮口二朗)と右田(左とん平)の眼に映ったのは、カービン銃を構えて歩み寄るサングラスの男(=会田)。会田は無言で次々に祐子に向かって銃をぶっぱなす(←悪い人にしか見えません)。やがて祐子は「おにいちゃん、やめて!」と叫んで地に伏した。彼女と父親を狙撃したのは義理の兄――母・節子(赤木春恵)の前夫との息子・孝之介(倉島襄)だったのだ。

祐子を追って砂丘に来ていた孝之介は逮捕、殺人を依頼した節子はホテルの窓から身を躍らせ、事件は解決した。「お体を大切に…」祐子と共に機上に消えた牧原女医を、会田は黙って見送るのだった(昭和ブルースは3番)。

*ロケ地を元気に走り回っていたとはいえ、白血病設定は(2週目だけあって)まだ健在。しかしながら、眩暈を堪えていたりでお疲れの様子だなと思いきや、牧原女医に「センセイ、俺に付き合ってくれませんか…」とダンスに誘い出すムーディー会田。踊りながら「貴方ってひとがわからないわ」と言われてフッと笑みを漏らし「俺にも分からないね。ただ分かっているのは…死ぬまで生きる、ってことだ」と呟くシーンにはこっちが眩暈を起こしかけた。

*砂丘で恐怖のカービン銃を手に歩いてくるシーンも、胡散臭さが堂に入りすぎてて眩暈が。やりますねセンパイ!と言いたげにニヤッとする坂井刑事(宮口二朗)の表情もナイス。

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| TVドラマ(現代劇)::非情のライセンス2 | 03:58 PM | comments (x) | trackback (x) |
非情のライセンス 第2シリーズ #53
#105「兇悪の無実」(1975年・S50・10月16日OA)

「バカヤロウ、死んじまえ!」酔いどれ老医師・山岸(大友柳太朗)に怒鳴られながら会田(天知茂)が美人の看護婦(女医?)・ユミ(明智センセイと香港でハト料理を食べ損ねる6年前の中島ゆたか)から意味深な治療を受けている医院へ、腕を切ったという黒縁眼鏡の男・秋本(小池朝雄)が飛び込んできた。

後日、その秋本が強盗容疑で警察に連行されたことを知った会田は、寿司折り片手に帰宅途中だったらしい彼が犯人なことに疑問を抱くが、被害者の夫婦が彼の仕業だと一方的に決めつけ、容疑が確定してしまう。幸いなことに後になって真犯人が現われ、秋本は釈放された。ところが、散々マスコミによって叩かれたおかげで、彼の娘は父の潔白を晴らさんと抗議の自殺、妻は心労でノイローゼになってしまった。

新たに起こる連続強盗事件。それは、娘をいじめた同級生宅を狙っての秋本の犯行だった。次に彼は最初に自分を犯人だと決め付けた家の娘を拉致、殺そうとしたところで会田に阻まれた。秋本の心情を思って自首を勧めた会田は「俺ならいつかの病院にいる」と言い残してその場を離れるが、一課の橘警部(渡辺文雄)の血の気の多い部下が無理やりとっつかまえようとしたせいで、ほだされかけていた秋本の心は再び炎上。

「バカヤロウ! お前は何の病気に罹っていると思ってるんだ!」またしても山岸先生に怒鳴られつつ意味深な輸血を受けている会田の元へ、逆上した秋本が飛び込んできた。寝ている会田にメスを突きつけながら、裏切りやがったな、お前なんかじわじわ苦しめて殺してやる!と消毒液を輸血ビン(パックにあらず)の中へ入れようとする秋本。咄嗟に山岸先生が酒のコップを投げつけたのだが、その拍子にバシャッと液が輸血ビンに入ってしまった・・・!

凍りつくその場の雰囲気をよそに、いつもながらクールな会田は秋本を諭す。そこで山岸先生が「忘れていたよ、その男があと半年しか持たねえ寿命だってことをな。見たところはぴんぴんしているが、白血病なんだ」でもそれでも一生懸命生きているんだ、きっとお前さんにも生きてほしくて自首を勧めたに違いない、と会田をバックアップ。そんなこと知ったこっちゃねえ、と息巻く秋本だったが、最後には泣き崩れながら会田の腕のチューブを握り締め、血を止めるのだった。(昭和ブルースは1番)

*何の前触れもなく唐突に白血病設定が飛び出した回、とのこと。急に病院通いに励んでいる会田に、お茶の間の奥様びっくり仰天ってところか。

*あと少しで消毒液入りの血が会田の腕に入っちゃう・・・という時に、自分の切ない心情を(コロンボな声で)語り始める秋本。「・・・犯人のときだけデカデカ書きたてやがって・・・無実だと判って、新聞がデカデカ書きたてたかよぉ、テレビがデカデカ書きたてたかよぉ、ラジオがデカデカ書きたてたかよぉ!・・・(以下続く)」告白長すぎてハラハラしたよ!

*先走る部下を持っているとはいえ、橘警部は会田の気持ちを汲んでくれるいい人だ(彼だけ会田の病気に気づきそうな感じがしたのだが、この設定は細っていく一方らしいのでそういう後日談はないようだ)。

*オープニングに天っちゃんの歌声(「非情の街」)が入っているシーズン。

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非情のライセンス 第2シリーズ #114
#166「男 (後編)」(1977年・S52・1月13日OA)

(前編からの続き)
会田(天知茂)は沢木(鶴田浩二)に会い、少年時代に彼から貰った海軍帽を見せる。どうやら沢木も当時を思い出したらしい。
「この帽子はお返しする」(←正体を知った途端、言葉遣いが丁寧に)
帽子を置いて部屋を出ていった会田を想う沢木。
――こいつ(=海軍帽)の思い出のために、俺の分もしょい込む気か・・・。
(はいそうです、そういう義理堅い男なんです会田は)。

さっそく会田は沢木を狙撃した黒崎(藤岡重慶)を捕らえ吐かせたのだが、その黒崎は上層部からの圧力で早々と保釈されてしまった。30年前の恩義を感じ、沢木を死なせないために清和会を動かす黒幕連中を自分の手で潰したい会田だったが、桜の代紋を付けたお前には無理だ、邪魔をするなと沢木に言われ、言葉に窮する。

その間、沢木の身辺では辛いことが津波レベルで襲ってきていた。スキャンダルが原因で花屋を閉店に追い込まれ、心労がたたって保子(北林早苗)が入院。ちょっぴり臆病なだけで本当はアニキ思いの良い奴ということが判明した大田黒(根上淳)が、沢木の忠告を受けて黒幕・志村と縁を切ると宣言した途端に海に浮かび、大田黒の指示で沢木の言動を見張るのではなく見守っていたピアニストの京子(堀越陽子)も、沢木を庇って銃弾に倒れた

実は京子は、彼が唯一愛した女性との間に出来た娘でもあった。「おとうさん・・・」胸の中で呟いて命を落とした自分の娘をなすすべもなく看取った沢木は、止めたはずの酒を呷って静かに腹を決めるのだった。そしてまたしても後手に回り、悲劇の後に姿を見せた会田。沢木の決心は固い。それを知りながらなお彼を行(逝)かせまいと銃を向ける会田だが、やがてそっとその手を下ろす。

その夜。清和会の会長に収まった黒埼とフィクサー志村、そして政界の大物が揃ってパーティー会場から出てきたところへ拳銃を持った沢木が現われ、3人をまとめて撃ち殺した。その瞬間、清和会の組員や制服警官たちの銃弾が沢木を襲う。会田が(警官の弾に当りつつ)たどり着いた時には、沢木は3人にとどめの一発をぶちこんで絶命していた。胸元から覗く封筒には、保子への贈り物(土地の登記書)と会田への遺言が。それを読みつつ、会田の胸に様々な想いがよぎるのだった・・・(鶴田さんの声とかぶりつつ「昭和ブルース」1番)。

――あばよ、広島の美少年。元気でやってくれ――。

*とにかく会田(天っちゃん)の舎弟キャラが前面に出た縋り付くような表情がたくさん見られてこっちまで切なくなる回なのだが、最後の最後で沢木さんったらそんなお茶目な!>美少年(遺言の締めがコレ)

*しかし、お兄様の写真集(「五十年の光芒」)に載っている同年代のノボル少年の掛け値なしの美少年ぶり(いやホントに)を見た今となっては、なかなかに頷ける台詞でもある(さては鶴田さん、当時から知ってたのかそれを?)

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非情のライセンス 第2シリーズ #113
#165「男 (前編)」(1977年・S52・1月6日OA)

暴力団・清和会は、戦時中から政財界を牛耳っている黒幕(フィクサー)・志村と組み、紛糾状態の産油国への進出を図ろうとしていた。そんな折、理事長・大田黒(根上淳)の兄貴分で、8年前にブラジルへ渡った沢木二郎(鶴田浩二)が帰国する。かつての会長の意向で清和会の前身である組織を解散させて渡航した沢木の顔に泥を塗る形で新たに清和会を作った大田黒は、沢木アニキの眼が怖い。

一方、沢木帰国の知らせは特捜部へも届いており、会田(トレンチの天知茂)は矢部警視(山村聰)から彼の帰国の目的を探るよう指示を受けた。四課にいた8年前、疑獄事件で沢木を落とせなかった会田にとっても、彼は気になる存在だ。

そんな彼らをよそに、沢木はこじゃれたステーキハウスのオーナーとして、会長の娘で今は花屋を切り盛りしている寡婦の保子(北林早苗)を密かに支援しながら、地道なカタギ暮らしを始めていた。ところが彼を再び仲間に引き込みたい大田黒の部下・黒崎(藤岡重慶)が保子と沢木の純愛をスキャンダルに仕立てて週刊誌に売り込んだせいで、沢木は仕方なく清和会に乗り込む羽目に陥った。黒崎をどつき、志村を追っ払ったあとで大田黒とサシで話し合う沢木。

彼が清和会から出てきたところを、会田が待ち受けていた。沢木をパクりたいがため、週刊誌に記事を書かせたのは俺なんだぜ、どうだ怒らないのか、8年ですっかり骨抜きになっちまったのかと挑発しまくる会田(視聴者ですら真相を知っているので非常にウソ臭い)。沢木は「清和会は警察の手など借りずとも、この俺の手で潰す」ときっぱり告げ、別れ際にこう言い残した。

「命は、大事にするもんだぜ」

この言葉を聞いた途端、会田の脳裡に広島のキノコ雲がフラッシュバック。帰宅して思い出の箱から古びた海軍帽を取り出した会田は、その帽子にかすかに残る「サ○キ」の文字を発見し愕然とする。30年前、姉が自分の目の前で進駐軍に強姦された時、誰もが見て見ぬふりをする中で強姦魔を撃ち殺してくれた恩人こそ、沢木その人だったのだ。

帰宅途中で狙撃され腕を負傷する沢木。ステーキハウスの専属ピアニスト・享子(彼女もワケあり:堀越陽子)が奏でる激しいピアノ曲(#73「兇悪のノクターン」と同じショパンのノクターン)をバックに、会田は沢木に会いに店を訪れようとしていた。思い出の海軍帽を握り締めて――。(後編につづく)

*タイトルより先に「特別出演:鶴田浩二」と出てくるあたりからして既に別格な鶴田さん。彼に対すると皆どこかしら腰が引けており、会田(天っちゃん)にしてもやることなすこと後手に回っていて、存在感がちょっとばかり希薄だった。

*やはり#17「兇悪の誇り」の設定はなかったことになっているらしい

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非情のライセンス 第2シリーズ #17
#69「兇悪の誇り」(1975年・S50・1月23日OA)

矢部警視(山村聡)から受けた指令に会田(天知茂)は耳を疑った。ある女を見つけ、捕らえる前に自殺させよというのだ。

同棲していた若い男(「ボク」とか言われて可愛がられていた西田健)との別れ話のもつれから殺人を犯したレストランの女性オーナー・梨花(加茂さくら)は旧子爵令嬢で、かつての夫は政府要人。事を荒立てないために殺人は銃の暴発で処理され、彼女は秘密裏に消されようとしていた。

逃亡を続ける梨花は、先祖の墓地だけでなく自宅までを買収していた英吉(仲谷昇)を訪ねた。戦争孤児だった英吉はかつて梨花の両親に拾われ、兄妹同様に育てられたのだが、梨花が彼を捨てて他の男と結婚したため、彼女への愛憎を募らせていた。梨花を屋敷の物置に監禁し、鞭でいたぶる英吉。だがそれは愛情の歪みがなせる業だった。

屋敷を突き止めた会田に梨花は銃を向け「(逮捕を)3日間だけ待って欲しい」と懇願した。3日経てば梨花は自殺してしまう、そう直感した会田だったが、彼女を信じてその場は引く。暴発ではなく、殺意をもって自分の品位を貶めた相手を殺したのだときっぱり言い切った梨花のプライドに賭けたのだ。

しかし機動隊まで動員して強引に彼女を捕らえよう(追いつめて自殺させよう)とする上層部。あえて彼らの人質になることで屋敷内に入り込んだ会田は梨花を説得するが、不治の病にかかっている英吉は、愛する梨花を道連れに死ぬつもりだった。「あんたまで彼女を自分の都合で殺そうとするのか!」憤る会田を尻目に、ライフル銃(の暴発?)で倒れる英吉。彼の後を追ってピストルで自殺を図ろうとする梨花を会田は張り飛ばした。

「あんたの「誇り」とはそんな程度のものなのか!」会田は自らの過去(=戦争孤児で、親代わりの姉は終戦翌年に進駐軍に犯され自殺)を梨花に話す。姉は自分を恥じたり悲観したりして自殺したんじゃない、犯人を捜して何度も警察に通いながら、相手が進駐軍だからととりあってもらえず抗議の自殺をしたのだと、そんな姉こそ、人間としての尊厳を持っていたのだと語る会田。
「俺は人間の愛や誇りがピストルなどで守れると思っちゃいない。こんなもの(=ピストル)で守れるのは、せいぜいヤクザの縄張りぐらいだ」
あとは好きなようにしろ、とピストルをあえて床に置き外へ出た彼の後から、梨花は無傷で出てきて会田に両手を静かに差し出した・・・。(昭和ブルースは4番)

*梨花と英吉の関係が「嵐が丘」のキャサリン&ヒースクリフのようで濃厚だった。

*それはそうと、会田のお姉さんをレイプした相手は鶴田浩二さんがその場で始末してくれたんじゃなかったんだろうか?(←まだその回を見ていないので分からないが)

*「聞いてるのか!」「いいえ、聞いてません」「分かっとるのか!」「いいえ、分かりません!」 矢部の不条理な命令にぶーたれる会田のやりとりが楽しかった(「そんな命令を平気で下せる部長こそ、自殺してもらいたいもんですな!」とか言っちゃう会田の性格を判った上で怒鳴りつけてる矢部さんがオトナで素敵だ)

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非情のライセンス 第2シリーズ #16
#68「兇悪の青い鳥」(1975年・S50・1月16日OA)

一子(=いっちゃん)はいつもひとりぼっち。夜のお仕事をしているママはいっちゃんが邪魔だし、よく遊んでくれた眼鏡のおにいちゃん――ママは「ろくでなしのパパ」だっていう――はいつのまにかいっちゃんを置いてどこかに行ってしまった。

ある日、大好きな近所のおにいちゃん(下条アトム)にこっそり付いて行くと、おにいちゃんは知らないおうちで知らないおじさんのお首をギュッとしていた。でもその後、デパートの屋上や、大きなお船がたくさんいる海に連れて行ってくれたから、いっちゃんはそんな優しいおにいちゃんが大好きだ。

工場の高いところから落ちて頭に怪我をしたいっちゃんの元に、ちょっと面白い顔をしたケイサツのひと(右田刑事:左とん平)がきた。ケイサツのひとはみんな悪いひとだってママは言うし、おにいちゃんと約束したから、いっちゃんは何もしゃべらなかった。

でも次に家に来た白いコートのおじちゃん(会田:天知茂)は、ママとなんだか難しいお話をしてたと思ったらプイといなくなっちゃって、いっちゃんがアヒルのおばさんのところでエサをあげていたら来てくれた。怖いお顔だけど、いっちゃんがニコッてしたら微笑んでくれたから、悪いひとじゃないみたい。

白いコートのおじちゃんは次の日もやってきて、ドライヴに行こうよって誘ってくれた。ケイサツのひとじゃないの?って聞いたらウンって言ったし、おじさんは悪いひとじゃないよって言ってくれたから、いっちゃんは嬉しくて一緒に付いていった。食べ物屋さんの2階でトランプしながら、おにいちゃんのことをちょっと喋っちゃったんだけど、内緒にしようねって言われたから安心した。

この頃おにいちゃんは誰もいないところばかり連れて行ってくれるけど、いっちゃんはおにいちゃんがやっぱり大好き。でもおにいちゃんはもうすぐ引越すかもしれない、ってアヒルのおばさんから聞いてすごく心配になったから、付いてきちゃダメだよって言われたのに古い工場まで付いて行った。急に姿が見えなくなったおにいちゃんを探すうち、重たい扉が閉まっちゃって、いっちゃんは閉じ込められてしまった。一生懸命おにいちゃんを呼んだけど来てくれなくて、そのうち何も分からなくなった。

気が付くと扉が開いていて、おにいちゃんが涙を流しながらいっちゃんを抱きしめてくれた。そこへ白いコートのおじちゃんとケイサツのひとが来て、大好きなおにいちゃんをタイホする、って言った。白いコートのおじちゃんはケイサツのひとじゃないって言ったのに、いいひとだと思ってたのに!「 おじちゃんのウソつき! 」思いっきりにらむとおじちゃんはちょっぴり悲しそうな顔をしたけど、もうひとりのひとが止めるのもきかずに、いっちゃんの目の前で、おにいちゃんの手に光る輪っかをガチャンとはめた。

「人を殺すということは良くないということだけは、分からせなければいけないんだ! たとえどんなにむごいことであっても・・・それがいずれこの子のためになるんだ・・・強く生きなければならない、この子のためにな・・・!」

おじちゃんの言葉。今はよく分からない。
夕陽の中、おにいちゃんは車に乗せられて行ってしまった。一生懸命追いかけたけど、いっちゃんを置いて、行ってしまった。

――おにいちゃん、行っちゃいや!
――おじちゃんの、ウソつき!

*会田の辛さをいつか分かってやってくれよ、いっちゃん・・・!(ちなみに「昭和ブルース」は王道の1番)

*おにいちゃん=小倉伸一は、生活のためにクラブで働いていた新妻を誘惑し自殺に追い込んだ男を絞殺。その現場を一子に見られたために、連れ回してひと気のない場所で殺そうとしていたのだった(どうやら彼女の頭の怪我も、彼が突き落としたせいらしい)

*育児放棄の一子の母親(夜の女)を見て、自分の母親もひどい女だったと会田に過去を語る右田刑事。「会田さんには分からないんだ。俺は男だったからまだましだったけど、あの子は女の子なんですよ・・・!」ラストの車中での言葉に、彼の優しさが滲み出ていた。そこで何も言わずに車を一子から遠ざける会田がまた切なくていい。

*でもってそんな優しい右田刑事がお気に入りになったらしい会田は、彼と自宅(会田の)で一杯やる仲になっていた。

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非情のライセンス 第2シリーズ #13
#65「兇悪の噴煙」(1974年・S49・12月26日OA)

冒頭いきなり採掘場で男が爆死。年の離れた妻の由紀(武原英子)はその遺体が夫・林(潮万太郎)だと証言するが、どうも様子が不自然だ。江沢刑事(江波杏子)は身代わりを立てた狂言ではないかと調べを進めるが、なぜか会田(天知茂)は、偽証バレバレっぽい林夫人を庇うのだった。

「今度の俺はどうかしている・・・」部屋でブランデー・グラスを片手に考え込む会田。自覚はあるらしいが理性のネジが少々緩み気味の彼は、やはり生きていた夫からの連絡で鹿児島へと向かったらしい夫人を追って城山観光ホテル(今回のタイアップ先)へ。同じく鹿児島入りしていた江沢刑事や大門刑事(高城丈二)が現地PRに余念がない中(コワモテの高城さんがニッコリ笑って「おはら餅、ウマいよ喰うかい?」とわざわざパッケージをかざして江波さんに勧めている姿はインパクトがあった)、会田はというと、林夫人に自首を勧めるため(だとは思うが)、夕食を共にしたりサイケなシャツでゴルフに付き合ったり、ひたすら奥さんあなたの会田ですってな状態で彼女に密着。夫人のほうも「会田さんは、私が昔好きだった方に似てますの」とかなんとか言ってモーションをかけまくる。

そうこうしているうちに夫から『海外へ高飛びするから一緒に来い』との連絡を受けた夫人。会田の部屋のドアへ「鍵は開いています」とのメモを差込み、最後のアバンチュールを計画した。しかしさすがに会田は(彼女の部屋には行ったものの)一線を越せずにその場を去ってしまう。どうにも引き下がれなかった(らしい)夫人は、夫から送られてきた航空券を残して小島(←会田と一緒に散歩した場所)へ赴き、会田にファーストネームを呼んでもらう&お姫様抱っこをしてもらう権利を命と引き換えに勝ち取るという最終手段に訴えて、見事それを果たしたのだった。

ラストは会田が空港にて海外逃亡を図ろうとしていた夫をボコ殴りしておしまい(夫人の面影を思い出しながらの「昭和ブルース」は♪なんにもせずに 死んでゆく〜♪の3番)。

*ほんの6話分空いただけで奥さん奥さんとやたら連呼するマダムキラーと化していた会田(ロケだからか?)。全国のお茶の間の奥さま達はさぞ喜んだのだろう。・・・そういえば、レストランで飲んでいる時に生ピアノの演奏が流れていたのだが、アップになったピアニストの顔がなんだか本物の奥さん(=純代夫人)に似ているような気がしてちょっとウケた。ってまさかロケに着いていってたんじゃ・・・?

*夫の秘書役で池田・ゼロワン・駿介さんが登場していた(#9「兇悪の口紅」と同じ鹿児島ロケだったようで)

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非情のライセンス 第2シリーズ #6
#58「兇悪の母」(1974年・S49・11月7日OA)

銀行勤めの夫、結婚間近の娘、高校3年の息子と和やかな家庭を築いていた主婦・文江(小畠絹子)の幸せは、ある朝コワモテの刑事(=会田:天知茂。同伴は右田刑事)が訪ねてきたことで崩れ始める。

彼女の夫・一郎は裏金の横流し容疑で事情聴取を受けた後、料亭で青酸カリを飲んで死亡。ご丁寧に特捜部あてに抗議の遺書をしたためての自殺に疑問を持った会田は文江に接触を図ろうとするが、彼女は頑なに沈黙を守る。面倒をみようと約束してくれた一郎の上司・小沢(戸浦六宏)を頼り、子供たちと生活を立て直そうとする彼女だったが、まもなく娘は縁談を断られたショックで自殺、母の卑屈な態度に反抗した息子は小沢に刃物を向け、傷害の現行犯で逮捕された。

一方、会田たちは黒幕が小沢で、一郎は利用され抹殺されたと睨んでいた。だがそれを裏づけるには一郎が遺した証拠のメモが必要で、文江の協力なしでは手も足も出ない状態だった。そのうち、小沢の息のかかった弁護士(中条静夫)のはからいで息子は釈放され、文江の元へ戻った。ああみえてフェミニストな会田は「おっかさん」には特に弱いようで(それとも相手が小畠さんだから?)、社会悪を糾弾できずに悔しい思いをしながらも文江母子のちいさな幸せを願ってみたりするのだが、すっかりグレた息子は今度はチンピラ相手にひと悶着起こし、人ひとりを殺してしまう。

文江が必死に守ろうとしたものは脆くも崩れ去った。俺がこうなったのはお袋のせいだ!と文江に食って掛かる息子を「お前は自分の痛みしか分からんのか!」と髪を振り乱してボコる会田に触発されたのか、文江は証拠のメモを手に、レストランで一家団欒を楽しむ小沢の元へ行き、彼の息子の首に刃物を突きつけた。息子を助けたければ夫に仕組んだように遺書を書いてお前も死ねと小沢に迫る文江だったが、間一髪で駆けつけた会田の説得(というより協力)により流血の事態は回避、小沢たちの悪事は明るみに出ることになったのだった。(昭和ブルースは当然♪この世に生んだおかあさん〜♪の2番)。

*小畠さんと二人っきりのシーンが結構多く、シリアスな展開なのに新東宝時代を思い出してニヤケてしまった。

*多々良純さんの居酒屋にて、とん平さん・葉山良二さんと3人でしみじみ飲んでるシーンが2度ほどあるのだが、3人とも息が微妙にずれているというか空回りしていて、見ているこっちまで脱力する。

*(2007.8.5追記)戸浦さんが家族団らんで食事していたレストラン・ストックホルム、まだ営業しているようなので今度行って見たいような(出刃包丁持った小畠さんが来ると怖いが)

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非情のライセンス 第2シリーズ #5
#57「兇悪のカナリヤ」(1974年・S49・10月31日OA)

さきごろ電撃移籍した歌手・蘭れい子(池玲子)を自宅のTVでニコニコと鑑賞中の矢部警視(山村聡)。お父さん趣味悪いわねえ、清純歌手ってふれ込みだけど色々あるみたいよ彼女、との娘の言葉が信じられない矢部さん(が正直ちょっと信じられない。相手は女番長ですよ、先天性淫婦の池玲子さんですよ部長!)はネタ元の女性誌をチェック、彼女の移籍によってバックにいた東西の暴力団が一触即発状態なことを知り、かつて四課(=マル暴)だった会田(ゴシップより昼寝が好きらしい:天知茂)に双方を殲滅するよう指令を出した。

記者会見の場で、れい子がどちらにせよ暴力団の手中にある点をストレートに突く会田に、彼女は自ら接触してきた。「アタシを抱きたくない?」「来るものはこばまない主義だから当然遠慮なく」まんざらでもない会田の様子に、見返りとしてマネージャーの村井(世界のニナガワになる前の蜷川幸雄)を殺して欲しい、とれい子は続けた。 無言でベッドインしたものの、いざというとき電気を点け警察手帳をかざす会田(相当キザ)。

そんな折、彼女の秘密を握っていたらしいトップ屋(中田博久)が殺された。稼ぎ頭に抜けられた東の暴力団・東華会の秋川(高品格)は、関西の倉田組に乗り換えたマネージャーの村井に怒り心頭だったのだが、この殺人を機に密かに協力体制を敷いていた。実はれい子の身体は麻薬に侵されており、ヤクの供給源である双方の組織は密売ルートが表沙汰になるのを避けたかったのである。

れい子に接触した会田も狙われた。彼が帰宅して洗面所の蛇口を捻ったところでピストル片手にドアから忍び寄った刺客だが、棚に隠れた会田にあえなく捕まり水攻めに(なぜシャワーまで待てなかったのか刺客よ)。男の「もう遅い、れい子も消される」との言葉を受けてマンションに急行した会田は、彼女ではなく、顔見知りになっていた追っかけの青年・三郎(石田信之)の射殺体を目にした。

れい子の同級生である三郎は彼女の窮地を知り、なんとか助け出そうとしたのだが、あえなく命を落としてしまったのだ。れい子は更正施設に収容された。檻の中でもがき苦しみながら、三郎との思い出の子守歌だけを口ずさむれい子を、会田はただ見つめるばかりだった・・・(昭和ブルースは4番)。

*基本設定は「兇悪のささやき」(「兇悪の眼」収録)に沿っているが、原作よりれい子の悲劇に重点が置かれていた。れい子が飼っている駕籠の中のカナリヤと彼女自身との対比が印象的。

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| TVドラマ(現代劇)::非情のライセンス2 | 04:11 PM | comments (x) | trackback (x) |
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