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非情のライセンス 第2シリーズ #18
#70「兇悪の父子(おやこ)」(1975年・S50・1月30日OA)

特捜部に鳴り響く電話のベル。矢部警視(山村聡)が受話器を取ると、うら若き女性の声が工場爆破を予告した。会田(天知茂)らの迅速な通報の甲斐なく多数の被害者が出てしまったこの事件の犯人として浮上したのは、被害を受けた大東重機の社長令嬢・芝木るみ子(服部妙子)。過激派に身を置きながら彼女は父・良三(金子信雄)や弁護士の内海(佐々木孝丸)の前ではしおらしい令嬢を演じており、すぐに釈放された。

だが会田は、社長の良三が娘の行動を黙認、爆破事件で世間の同情を買うことで武器商人としての暗躍をカモフラージュしている真相を看破。被害者の遺族の苦しみを見せ良心に訴えるのだが、横槍を受けて休職させられてしまう(が、これ幸いと捜査を続行)。良三はるみ子を連れて渡航しようとしており、その前に密輸の疑惑を究明せんとして、四方(葉山良二)たちも奔走する。

そんな中、大東重機にまたもや届く爆破予告。爆弾の在り処を聞き出そうとする会田の前でるみ子は発作を起こした。持病の狭心症が進行していた彼女は緊急入院、慌てて良三が駆け付けるが、彼が持参した小包を見てるみ子の顔色が変わる。彼女の表情から、爆弾がその中に仕込まれていると見抜いた会田は小包をかかえて屋上へ走った。幸いにも爆弾は接続の不具合で事なきを得、るみ子は最後に父の手を邪険に払いのけて逝った。そこへ、良三の覚せい剤密輸の証拠を握った四方も現れる。

あんたが娘を殺したんだ!そう会田をなじる良三(ある意味もっともだ)。しかし会田は、娘の病状の悪化、それに伴う自暴自棄な破壊行動をすべて見越して利用していた良三を逆に非難。それでもなお、お前らは甘い、国家百年の計を考えねばならんときに多少の犠牲はやむを得んじゃないか、などと吠える良三に会田は「人の命は百年の計より大事だ!」と止めを刺し、犠牲になった人々への思いを込めて手錠をかけるのだった(昭和ブルースは1番)。

*人助けよりまず世直し、とかいってる新さん@闇を斬れにも聞かせてやりたいセリフだ<ひとの命は…
*矢部さんが会田のために作った休職届の理由欄には「坐骨神経症」。どこからそんな病名が。
*事件に首を突っ込みすぎるとヤケドするよ、と弁護士に牽制された会田がひとこと。「私は原爆の被災者です、たいがいのヤケドには驚きませんよ」。さりげなくフラグ立て
*いつも会田とは別ベクトルでダンディーな四方さんが珍しく土木作業員スタイルで聞き込み。意外と似合っていた。

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| TVドラマ(現代劇)::非情のライセンス2 | 03:42 PM | comments (x) | trackback (x) |
非情のライセンス 第2シリーズ #15
#67「兇悪の故郷(ふるさと)」(1975年・S50・1月9日OA)

ハドソン財閥夫人・和子(赤座美代子)が突然帰国した。病弱な父親(野々村潔)を見舞うという名目だが、バーにいた彼女をハドソン氏に引き合わせてから勢いづいたという東日通商のガードは必要以上に強固だ。そんな中、かつての恋人・寺崎(宗近晴見)が和子の前に出現。しかし東日通商の連中は寺崎に手切れ金を持ちかけ、断わられると暴力を振い出した。そこを助けたのが、訳あって帰国時から和子をマークしていて寺崎の後をつけてきた会田(肩章付きトレンチの襟を立てた天知茂)。

何かあったら電話をくれと名刺らしきものを渡して寺崎のアパートを出た会田だが、その夜、寺崎は電話する間もなく何者かに撲殺されてしまった。「ははーん、先を越されたね」捜査一課の橘警部(渡辺文雄)の言葉がチクチク刺さる上に、アパートを慌てて去る姿が目撃されたとして和子までも先に橘に連行されてしまい、後手に回りっぱなしの会田は少々おカンムリ。

会田が追っているのは、5年前に起きた捜査員殺害事件。鍵を握るとされながら渡米してしまった和子の証言をどうしても取りたかったのだ。橘警部の取り調べに割り込み、ペアで攻めた結果、和子は寺崎殺しのほうを自供。だがそれは偽りだと見抜いた会田は、父親に事の次第を話してわざと“自白”させ、彼女の動揺を誘う作戦に出た。ところが橘はさっさと父親を釈放、和子に喋られては困る東日通商一味(←こいつらが黒幕)は父親を人質にとり彼女に早期出国を迫る。橘警部の真意は? 果たして会田は彼女の証言を取れるのか…?

反目しあいながらも悪を憎む気持ちは共通項の会田と橘警部。互いの奮闘を認めつつ、外見上はあくまでドライな大人の関係を築いているふたりが実にいい味を醸し出していた(昭和ブルースは4番)

*東日通商の連中とのカーチェイスの末、やおら車を降り、ハコ乗りで両サイドからパンパン撃ってくる相手に颯爽と銃を構えて対峙する会田。当然のように全員がやられて車は身体スレスレの位置で停止、というベタすぎる展開に笑う。

*会田が送った、和子さんの父親への見舞いの花束は当然バラ

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| TVドラマ(現代劇)::非情のライセンス2 | 03:44 PM | comments (x) | trackback (x) |
非情のライセンス 第2シリーズ #14
#66「兇悪のロマン」(1975年・S50・1月2日OA)

心中とおぼしき死体が林中で発見された。昼食についてきて、心中はロマンなのだよ会田クン、と熱く語るボーイッシュな女性記者に、心中死体がいかにえぐいかを血が滴るようなビフテキやらエスカルゴやらを食べながらじわじわと話してきかせる会田(天知茂)。食べ方はお上品だが、正月OAというのにちょっとダーティーだ。

ハンドバッグから割り出された女の身元は、大富豪・道家仙太郎(曾我廼家明蝶)の若き妻・雪絵(浜田ゆう子)だった。どうやら男の方は彼女の浮気相手らしい。ただ、遺体のネックレスが、男の馴染みで行方不明になっているホステスのものではないかとの疑惑が浮上。特捜部は道家氏をマークするため、江沢啓子刑事(江波杏子)を口述書記として潜入させた。

自叙伝に対し歯に衣着せぬ感想を述べる啓子を気に入ったらしい道家氏は、事件の真相めいたものをぽつぽつと語り始め、なんと彼女にプロポーズ。一方、道家氏の行くところ頻繁に後を追いかける無言電話。電話の主は誰なのか? そして“恋人”として啓子にコンタクトを図る会田の背後を銃が狙う…!

…真相は控えるが(というより分かったような分からなかったような微妙な感じだった)、老いに抗う富豪の哀しさがひしひしと伝わってくる、ちょっぴり寂しさ漂う男女のロマンが展開されていた。(昭和ブルースは4番)

*美女シリーズでもたまに使われていた迎賓館前にて、豪勢な衣装の啓子さん(道家氏の破格のお給料で買ったのか?)とすれ違う会田。しばらくしてお互い「あっ」と気付いて後戻りするのがラストシーン。あのあとお茶でも飲んだのだろうか。

*椅子取りゲーム(?)で後れをとる矢部警視(山村聡)、女性のスリーサイズを記憶から割り出す大門刑事(高城丈二)など、特捜部内のライトな雰囲気が面白かった。

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| TVドラマ(現代劇)::非情のライセンス2 | 03:46 PM | comments (x) | trackback (x) |
非情のライセンス 第2シリーズ #12
#64「兇悪の空白」(1974年・S49・12月19日OA)

線路上をフラフラさまよっているところを保護された右田刑事(左とん平)。後頭部を強打され、記憶を一部分失っているらしい彼は「死」と「7」の文字に反応する。7のつく日に誰かが死ぬ…? 空白の時間を辿るうち、自分を注視する謎の女性・三原りえ(西尾恵美子)を発見、真相を聞き出そうとするのだが、眉間を深くした会田(天知茂)は「君は俺を狙撃した犯人を追っていたんだ」と打ち明け、それ以上の深追いを禁じる。狙撃の現場に偶然居合わせた右田は、会田あての電話を受けて身代わりで赴き、災難に遭ったのだ。

一方、会田は独自の捜査(天知ファミリー・岡部さんからのタレ込み情報など)で狙撃犯人・遠山(服部哲治)の居場所を突き止めた。しかし遠山は尋問中に何者かの銃弾に倒れ、依頼者は女だと言い残して絶命。直後にかかってきた脅迫電話と部屋にあったバーのマッチから、会田もまた、三原りえへとたどり着く。

1年前、りえの息子は凶悪犯に拉致された。ひとりの刑事が彼女を制して後を追い、視界から消えた。やがて銃声――駆け付けた彼女が見たのは、刑事に抱かれた動かぬ息子の姿と、「奴が、奴が…」と呟く瀕死の凶悪犯。それ以来、りえは情夫・石津(勝部演之)や遠山の手を借りて、ただひたすらその人殺し刑事・会田を息子の命日(=12月7日)に殺すことだけを生き甲斐にしていた。

日付にこだわった故か、単身でバーを訪れた会田に手を出せず、自宅にまで姿を見せたときも狙撃に失敗した石津を置いて逃げたりえだったが、12月7日、息子の墓前にぬけぬけと花を手向けに来た会田にようやく銃口を向ける。邪魔をしないよう会田によってモーテル(1泊8000円)に監禁されていた右田が割って入るが、会田は彼女の好きにさせろと言い、引き金を引くよう命令。その言葉に釣られるようにりえは指に力を込める。

弾は会田の左腕に命中した。思いつめていたりえの表情に変化が表れたのを見て会田はその場を去る。後に残った右田は、死んでやると叫ぶ彼女を、身を持ってあんたに勇気を与えた彼の気持ちが分からないのか!と叱咤激励して立ち直らせるのだった。

病院の玄関にて。怪我を銃の暴発で片付けた会田と、記憶喪失の後遺症でさっきのことは何も覚えていないととぼける右田。その頃りえは、何かが吹っ切れたような安らいだ表情で息子の墓標を見つめていた(昭和ブルースは1番)

*こんな捨て身の説得してたら身体がいくつあっても足らんぞ会田!(でもそれがまた悔しいほどカッコいいから許す←悔しいのか)

*1年前の事件の回想シーン、会田は白のトレンチを着て雨の中を床に転がって頑張っていた(銃を捨てたら子供を返すと言われてその通りにしたら卑怯にも向こうから発砲、子供を自分の体で庇って撃ち返したものの、子供はすでに被弾してこと切れていたというのが真相)。ちょうどそのシーンのものと思われる、髪はくりんくりんでいろいろと凄まじいスチール写真が家にあるのだが、動いていると不思議にカッコよくみえるのも悔しい←だからなぜ悔しいのか

*とん平キャラは第2シリーズが一番いいヤツのような気がするなあ。

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非情のライセンス 第2シリーズ #11
#63「兇悪の夢」(1974年・S49・12月12日OA)

柿沼という青年が少年刑務所から脱走、ライフル銃を奪って潜伏した。脱走の理由が自分を交番へ引き渡した男に復讐するためと知った会田(矢部さん不在ゆえにまた仕切っている天知茂)たち特捜部は、柿沼の標的・長津田(長門裕之)の身辺をマークする。

ところが長津田は倒産の危機に瀕した会社の課長で、労組から突き上げを喰らう毎日。おまけに、労組の動きを密告する見返りに新居購入用の融資を約束してくれたはずの社長に逃げられてしまい、柿沼どころではない。引越しを心待ちにしている家族のためにもと、不足分を競馬で補おうとする長津田だったが逆に大負け、マイホームの夢が完全に断たれてしまった。

絶望する長津田の元へ、ライフルを構えた柿沼が現れた。だが殺してくれと積極的に迫る長津田におびえた柿沼は銃を奪われてしまう。その銃を手に社長を突き止めた長津田は彼を射殺。もう少しで自分のものになるはずだった家に戻ったところを、会田に逮捕されるのだった(昭和ブルースは1番)

「夢はいつか消えるもんだ」 非情なセリフを吐く以外は動きの少なかった(でも最後のおいしい部分は持っていく)リーダー会田。

*退職後に小料理屋「吉田署」を経営している“オヤジさん”こと吉田さん(多々良純)、会田の動きが読めるのはワシだけだと弁当片手に大活躍。

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| TVドラマ(現代劇)::非情のライセンス2 | 03:49 PM | comments (x) | trackback (x) |
非情のライセンス 第2シリーズ #10
#62「兇悪の星」(1974年・S49・12月5日OA)

ボス・矢部警視(山村聡)の要請で、日頃から何かとお互い突っかかっている橘警部(渡辺文雄)ら捜査一課の協力に駆り出された会田(天知茂)。資産家の独居老女が絞殺されたという現場に来てもやる気まるでなし(殺人現場でちゃっかり出前を取ってカレー食べてる始末)。翌日、犯行時刻頃にTV修理に訪れていた電気店勤めの青年・育野久雄(佐々木剛)が容疑者として連行された。夜間中学に通っているという、自分の漢字も満足に書けない久雄を犯人と決め付けて取り調べる一課のやり口にムカついた会田は俄然ハリキリ、真相究明に乗り出す。

事件当夜、久雄はかなりまとまった金を難聴の恋人・初枝(奈良富士子)に渡していた。せっせと稼いで貯めた金だというのだが、状況はどうみても不利。そんな中、ふたりが通う夜間中学の教師・橋田節子(岩崎智江)だけは、廃人に近い父と4人の弟妹を養うために必死に働いている久雄を真っ向から庇う。貧困が犯罪を生むと決めつける警察を目の敵にし、うろちょろする会田のことも当然快く思っていなかった節子先生だったが、夜間中学廃止論が飛び出した教育委員会に怒鳴り込んだ会田の偏見のない態度に次第に心を和らげる。

会田の勘だけで久雄は釈放されることに。しかし周囲の目は冷たく、すべてに絶望した久雄は首を吊ろうとする。とそこへ会田が出現、自らの兇悪な生い立ち、何度か自殺しかけたことなどを打ち明けつつ、死ぬなんて卑怯だ、甘ったれるな!と熱く説得するのだった。

真犯人は、久雄を利用してアリバイを作った老女の養子だった。疑いが晴れ、ふたたび初枝と共に夜間中学で学び始めた久雄の様子をそっと見に行った会田の頭上に、名もなき星たちが寄り添うように瞬いていた(昭和ブルースは1番)。

*橘警部「(久雄が犯人ではないという)根拠はなんだ!」会田「俺の勘だよ!」 橘さんでなくても「なにぃ!」と突っ込みたくなる自信家ぶりで事件を解決。ハードな犯罪事件を追う一方で、こういう“下町・ちょっといい話”的なエピソードがうまいタイミングで挿入されているのが非ライの醍醐味のひとつかもしれない。

*南刑事(望月太郎)が相棒役。コワモテだけど舎弟キャラの坂井刑事(宮口二郎)に比べると態度がでかい。

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| TVドラマ(現代劇)::非情のライセンス2 | 03:50 PM | comments (x) | trackback (x) |
非情のライセンス 第2シリーズ #9
#61「兇悪の口紅」(1974年・S49・11月28日OA)

マンションでホステスが絞殺された。現場に残された指紋から、犯人は傷害事件の前科持ちの西川(池田駿介)と判明。だが、かつて彼の更生の手助けをした会田(天知茂)には信じられず、一緒に目撃されたという女性を追って鹿児島へ飛ぶ。

西川の幼馴染・志津(ジュディ・オング)は絞殺された女性・江津子(霧島八千代)の実の娘だった。窯元の父を半月前に亡くしたばかりの彼女がなんらかの理由で上京し、事件に関与したとみた会田は、故郷に向けて逃走中の西川を追って同じく鹿児島入りしていた捜査一課の連中に睨まれながらも志津に接触を図り、真相を聞き出そうとする。

幼い頃の両親の離婚で傷ついた志津は最初、江津子を母親と認めようとすらしなかった。「親を恨む気持ちと慕う気持ちは同じだ」会田は自らの過去(両親共に原爆死)を打ち明け、今でも母を慕う気持ちは変わらないと話す。その後の四方刑事(葉山良二)のさりげない会田フォローなどにより志津の態度は軟化、会田に口紅が付いた茶器で一服点てながら告白を始めた。

いくら洗っても消えないその口紅は、別れた母が付けたもの。母の話題を許さなかった厳格な父が死の間際、その茶器を握りしめ無言で懇願した瞬間、父もまた母を忘れられずにいたことを志津は悟った。しかし茶器を持って上京し、幼馴染の西川に伴われて母を訪ねた彼女は、自分たち父娘が母にとっては既に嫌悪すべき過去になっているという事実に直面。金が目当てなのかとまで邪険に言い放つ母に、今日は何の日か知っているかと尋ねる志津。答えが返ってこなかったとき、茶器箱の紐を持った彼女の手は母の首を絞めていた。「お母さん、お母さん、お母さん!」――娘の誕生日すら、母は忘れていたのだった。

語り終えた志津は自首するふりをして逃走、桜島近くの岩場で自殺を図った。死ねば父に会える、やっと母と暮らせる。だが追いついた会田はナイフを撃ち落とし、志津を張り倒して生きろと説得。弾みで粉々になった茶器が君の身代りになってくれたのだからと――(昭和ブルースは2番)

*母親への愛憎半ばする激情が引き起こす悲劇。「(離婚する親は)子供の気持ちなんて考えていないのよ!」志津さんの叫びは、OA後30年以上経った今も痛々しく響く。

*両親の愛に恵まれなかった志津さんと西川に同情してしまい、逮捕に二の足を踏んでいた会田の誕生日は広島に原爆投下され、両親が亡くなった8月6日らしい(四方さん談)。実に兇悪な過去設定だ。

*会田はその土地の一流ホテルしか泊まらないらしい(これも四方さん談)。

*西川役の池田さんはキカイダー・ゼロワンが終わった直後の出演だったそうである。

(週刊女性自身 S49.10.24より引用)
NET「非情のライセンス」(木ヨル10時)
鹿児島発
非情の刑事 天知茂も桜島の爆発にビクビク

今回の鹿児島ロケは2本分。

《その1》
桜島の火口に現れた天知茂とジュディ・オングを見て観光客が、
「おや、ラブシーンかな」
と期待していたが、実はジュディが犯人で天知が刑事。
「こんな景色のいいところでジュディちゃんを追いつめるなんて、色気ないですね」
と天知はニガ笑い。
死地をもとめて火口に来たジュディは、火山灰にまみれての大熱演。
桜島は活火山で、たえずゴーッ、ゴーッと小爆発が起こっているので、音がするたみに一同はブルブル。なにかというと、避難所のほうへ逃げ腰になる。
カメラマンとしては、なんとか噴火の一瞬をカメラに収めたいとがんばっているが、待っていると、なかなか起こらない。ほかにカメラを向けているとドカーン!

《その2》
天知茂、高城丈二、江波杏子のレギュラーにゲストの武原英子が加わって、現場も宿もガゼンにぎやか。市の観光協会などの主催で、ロケ隊の歓迎レセプションがおこなわれた。
晴れた一日、ゴルフ場で天知と武原のカラミ。
「ハイ、スタート」
で武原がフルスイングしたが、ボールは足元に残ったままなので、スタッフはガックリ。しかたなく、プロの打ったボールだけを撮影したが、放送用の画面ではちゃんとつながっていた。

*ジュディちゃんをお姫様抱っこしているモノクロ写真つきの記事。《その2》は#13「兇悪の噴煙」

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| TVドラマ(現代劇)::非情のライセンス2 | 03:51 PM | comments (x) | trackback (x) |
非情のライセンス 第2シリーズ #8
#60「兇悪の燦(きら)めき」(1974年・S49・11月21日OA)

インフレ対策に宝石でも買おうかと思い立った右田刑事(左とん平)。日本一と称される宝石鑑定家・伊能正幸(加藤嘉)を訪ねたところ、当の本人の葬儀の真っ最中。近所の噂話から、下戸なのに飲酒運転でミキサー車に突っ込んだという伊能の死に不審を抱き、所轄署へ聞き込みに行くのだが、「2度も同じことを言わせないでください!」と冷たくあしらわれる。その頃1度目の男・会田(天知茂)は、ミキサー車の運転手・石黒(「江戸の牙」でオカマ役が強烈だった三夏伸)が暴力団・浦上(近藤宏)の指図を受けていたことを探り当てていた。

暴力団と宝石鑑定家との接点は何なのか。やがて、気に入った宝石しか鑑定しない完璧主義が信条だったはずの伊能の鑑定書付きダイヤが安値で大量に出回りだしたことが判明。右田と会田の疑惑の眼は、伊能の娘で父親譲りの鑑定眼を持つ妙子(松尾嘉代)へと向かう。父の潔癖さ故に生活が困窮、母を亡くした妙子は、父を、そして宝石を恨んでおり、浦上たちの言うなりに鑑定書を偽造していた。それが実の娘の行為だと知ることなく逝った父は幸せだったはず、そう開き直る妙子を「違う。違うんだ。違う、それは違うんだ!」とえらい勢いで否定する会田。

伊能氏は知っていたのだ。娘に偽造を勧めた浦上を非難しに向かい、口封じのため手下に酒を飲まされ車に放り込まれた彼は、自分が死ねば鑑定書は無効になるという事実に浦上たちより早く気づき、ワンテンポ遅れた連中が制止する前に自らアクセルを踏んでミキサー車に衝突したのだった。

「だからお父さんを殺したのはあんただ」会田の言葉と命を賭した父の愛情に打たれ、妙子は静かに両手を差し出した(昭和ブルースは4番)。

*右田刑事がほぼメイン、でもおいしいところは会田がかっさらう展開。右田が伊能氏の事件を追う動機は(多少無理があるとはいえ)判ったが、会田がどうして首を突っ込んだのかは謎。事件のあるところ常に会田あり、か。

*今回も、会田を前にして銃を取り出した無謀なヤーさんがひとり地獄送りになった模様。

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非情のライセンス 第2シリーズ #7
#59「兇悪の黒い天使」(1974年・S49・11月14日OA)

実業界の大物が次々に射殺される事件が起こった。しかし追い詰められた狙撃犯は屋上から転落死。一件落着したようにみえたが、会田(矢部さんがいないので真ん中に陣取って仕切っている天知茂)は真犯人が背後にいると直感、再び事件が起きることを予測する。

会田が目星をつけた真犯人とは、被害者たちに会社を潰された過去を持つ女実業家・上坂晶(影万里江)。彼女は自身の復讐のため、過激派の若者たちを使って狙撃を指示していた。こんな事件には関わりたくないと言いながらも会田は晶を尾行、滞在先のホテルの部屋に先に潜り込み彼女を詰問する(「警察を呼ぶわよ!」と言われて後ろ向きのまま手帳だけチャッとかざすところからキザ全開モードに)。

会田と晶が危険な香りのプンプン漂う濃厚な会話を展開中、若者3人組は次のターゲットを襲う準備に取り掛かっていた。しかし晶からの封筒には、標的の写真ではなく白紙が一枚。会田が前もって抜いておいたのだ。それでも「場所は分かっているからそこにいるヤツらを皆殺しにしようぜ」と過激なことを言い出した連中は実行場所へ。

標的・勝又(富田仲次郎)の居場所が掴めなかった会田だが、若者たちの暴走を知った晶の自白で現場へ急行、間一髪で狙撃を阻止した。ところが若者同士が仲間割れ、仲間に銃を突き付けられたほうが会田に「邪魔をするな!」とエラそうな口をきく。「俺は特捜部の刑事だ! 矢部さんに聞いてくれ!」叫ぶ男にええい面倒だとばかりに手錠を掛けた会田だが、彼・南(望月太郎)は本当に特捜の刑事だった(特捜部の個人主義ぶりが伺える一幕だ)。

またしても会社潰しを計画していた勝又も逮捕された。現場に来て彼に銃を向けた晶は、会田の静かで怖い視線に圧されたように動きを止めるのだった(昭和ブルースは1番)

*動きの少なかった会田のバランスを取るように、若々しい新刑事がアンダーカバーで登場(おっさんが多い特捜部の若返りを図ったのか?)。 我々視聴者はオープニングで南“刑事”だと分かっていたが、会田は知る由もなかっただろう。っていうか矢部部長、紹介くらいしてあげてください。

*晶役の影さんは当時の劇団四季の看板女優(南刑事役の望月さんも四季所属)。外見はそれほど華があるようには見えないけれど(失礼)、会田との演劇っぽい=歯の浮くような応酬がとても似合っていた。

*晶に「俺も人を殺したいと思ったことが何度もある」と言って思いとどまらせた会田。でも貴方はその都度殺していませんか

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非情のライセンス 第2シリーズ #57
#109「兇悪の壁」(1975年・S50・11月13日OA)

会田(天知茂)の休暇願いをあっさり受諾した矢部警視(山村聡)はにこやかにお小遣い(20万円!)までフンパツ。ただし条件は、ある女性と過ごすこと。彼女の写真を見て会田は驚いた。近ごろ世間を震撼させた某国政治家の拉致事件の目撃者で、命を狙われ公安で身柄を保護しているはずの重要人物だったのだ。そんな女性と一緒にいたら気の休まる暇がない、とぶーたれる会田をよそに、矢部は「彼(=会田)は独身で女性の扱いにも慣れていますから安心ですよ」などと良く分からない理屈で“鈴木よし子”(矢部さんが付けた仮名:吉行和子)を引き合わせる。

「この方が安全だからって矢部さんが」とのことで仕方なく“よし子”の真っ赤なスポーツカーで自宅マンションへ向かう会田だったが、さっそく尾行車が現われ、立ち寄った喫茶店でも胡散臭い男たちに絡まれる(喫茶店の食材を全部くれとウエイトレスに頼む会田もたいがい胡散臭いがそれはさておき)。そしてマンションで会田のお手製料理を堪能し落ち着いたのも束の間、森山周一郎声で掛かってくる脅迫電話。怯える“よし子”を力強く励ます会田、ふたりの身体は自然に重なり合うのだった(だからどこが安心なんですか>矢部さん)。

翌日、ほんわか新婚さん気分に浸っていた彼らの元へ、不審な小包が届けられる。最悪の事態に備えて必死に浴槽内で解体したそれは幸い単なる脅しに過ぎなかったのだが、敵の包囲網の狭まりを感じて迂闊に動けないでいるうちに数日が過ぎ、気が付いたときにはライフラインを全て絶たれてしまっていた。何よりも食料が底を衝いたことにイラついた(推定)会田は“よし子”を連れて車に乗り込むが、大型ダンプの挟み撃ちに遭う。銃撃戦を制した会田の眼に飛び込んできたのは、被弾した“よし子”の姿。

――自分は本当の目撃者ではない、敵を欺くには、私が死ねばそれでいい。

虫の息で真相を語り息絶えた彼女を前に、会田はなすすべもなかった。

何もかも承知で自分に彼女を預けた矢部に掴みかからんばかりに詰め寄る会田だが、殺すつもりはなかったと返されては言葉が無い。「せめて、彼女の本当の名前を・・・!」会田の懇願にも、明かさぬことが約束だからと冷静に告げて矢部警視は去った。立ち尽くす会田ひとりを残して…(昭和ブルースは3番)。

*実際に起こった金大中事件がモデル。原作(「兇悪の眼」収録)の“鈴木さん”は男性なので会田と寝食を共にしても違和感がなかったが、独身かつ女に甘い会田に彼女を預ける矢部さんの真意は謎である。謎といえば、電話やら電気やら、すべてのライフラインを絶たれるまで何もせず部屋に引きこもっていた会田も不自然(原作だと食料だけが無くなったので買出しにいこう、ってことで外へ出る)。だがその「なんかおかしいよなあ」を払拭してあまりある無情のラストがいい。

*彼女がシャワー中にちゃっちゃと料理を作ってしまう会田。帰宅後すぐ「先にハムは冷蔵庫に入れなきゃ悪くなる」とか言って冷蔵庫に肉類を突っ込む主婦のカガミのようなマメさが可笑しい。

*毎回ゲストと寝ているような印象のある会田だが、ラブシーン自体は珍しいそうだ。これにしても、重なり合って画面がぐるぐるしてるだけなので拍子抜けする(←何を期待しているのか)

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