2007,04,10, Tuesday
「明智さん、好きよ。・・・一緒に死んで!」美女の激しい愛に明智センセイ、かなり押され気味です。おまけに偽者にぶんなぐられて地下に監禁されたり鎌で襲われてる間に依頼者2名を殺されてしまったり、探偵業のほうもふんだりけったり。
【明智先生ファッション劇場】:センセイの服装をキャプチャーしてみました(ニセ明智が強烈)
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2007,03,10, Saturday
#102「真夜中の標的」 (1967年・S42年 OA)
巷で金庫破りが頻繁に起きていた。自分ちの管轄じゃないから助かったよアッハッハ、といつもながら呑気で陽気な高倉キャップ(宇津井健)はじめ東京パトロールの面々のもとへ、ガードしていた宝石店の品物が丸ごと盗まれたという不名誉な知らせが入る。店に出向いた高倉たちは、でかい高級外車でビルに乗り付けた眼光鋭い男に遭遇。彼は宝石店のビルのオーナー、百億の財を持つ三東不動産社長・相良泰介(サガラタイスケ:漢字は当て字:天知茂)だという。 金庫破りの手口は一連の事件と同じ。そのあざやかな腕前から、8年前にムショを出て行方不明となった天才金庫師・マジックの健こと黒木健二(クロキケンジ:漢字は当て字)の名前が浮上する。10年前の黒木の写真を見て高倉は驚いた(合成チックな写真にこっちも驚いた)。先程見かけた相良に目つきがそっくりだったのだ。早速調べを進めたところ、戸籍もまっとう、指紋も違うという結果になるが、高倉ひとりだけは「あの目つきが気になる」と相良=黒木説を曲げない。 そのころ相良は須藤という男を訪ねていた。新東宝の僚友(=宇津井さん)の強引な推測通り相良は元・金庫師の黒木であり、その腕を借りたい昔の仲間の須藤が、彼を釣るため手口を真似た犯行を手下に繰り返させていたのだ。もう二度と金庫は破らないと誓った相良=黒木は誘いを撥ね付け、自分を真似たチンピラ金庫師の右手を潰すが、須藤は本物の相良の実妹・信子(ノブコ:高須賀不二子)を利用し、正体を世間にばらされたくなければ協力しろと迫ってきた。 同じく仲間だった相良を間接的に死に追いやり、戸籍を奪った負い目のある相良=黒木は、信子に全財産を託し須藤の手から逃そうとする。最初は彼を憎んでいた信子も、魅惑の横顔にほだされてか良い雰囲気に。しかし須藤たちに見つかってしまい、信子を人質に捕られた相良=黒木は、金庫破りを強要される。 2重扉の厳重な金庫のダイヤルをひとつひとつ慎重に合わせてゆくマジックの健(手つきと目つきがたいそう色っぽい)。最後の扉を開ける直前、須藤は相良=黒木に銃を突きつけた。が、功を焦った須藤がうっかり非常ベルを鳴らして動揺する隙に相良=黒木は銃を奪う。両者が睨み合う最中に高倉キャップが登場し、どうも彼を見ると殺傷能力が落ちる(気が抜ける)相良=黒木は、それでもいちおう須藤を台尻でどついてから銃を高倉に手渡した。拘束された彼の背中を、信子は涙で見送るのだった・・・。 *横向きやら正面向きやら目だけやら、とにかくアップが多用されていて、「キレ者」という言葉を身体全体で表わしているかのような36〜7の天っちゃん(役設定は42歳)を存分に堪能。切ないギターのBGMも雰囲気を盛り上げていた。 *しかし『マジックの健』・・・かっこいいんだか笑えるんだか微妙なネーミングだ(ラスベガスの金庫を開けて名を挙げたのでそんな名前になったそうだが) *須藤の手下の一人、信子にナイフを向ける男にぴっちりポマード漬けの髪型&あごひげの宮口二郎さん。師匠以上にコワモテだった。
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2007,02,13, Tuesday
#107「兇悪の花道」(1975年・S50・10月30日OA)
依頼主の堀田(神田隆)に裏切られた揚句に愛人を殺されたプロの殺し屋・佐伯(待田京介)は、堀田の娘・美樹(森田―現・五十嵐―めぐみ)を誘拐し身代金を要求した。父の所業を憎んでいる美樹は彼に協力的な態度を示し、いつしか二人はほんのり良い仲に。 佐伯はかつて会田(天知茂)と警察の射撃大会でジャージのいけてなさ具合もとい射撃の腕を競いあった友人なのだが(勝負がつかずに引き分けたのだとか)、暴力団に妻子を殺された佐伯はそのまま警察を辞め、殺し屋稼業に身を落としていたのだった。今までは暴力団員などがターゲットだったためにあえて彼を見逃していた会田も、今回ばかりは乗り出さざるを得なくなる。 堀田と受け渡し場所に現われた会田は、美樹を連れた佐伯に対峙する。しかし堀田は再び約束を違え、佐伯を抹殺しようと企んでいた。胸に銃弾を受けながらも堀田に銃を向ける佐伯。「何をしているんだ、奴(=佐伯)を撃て!」慌てふためき指示する堀田だが、会田は銃を捨て、動かない。やがて一発の銃声と共に倒れ伏す堀田。既に息絶えていた佐伯の代りに父親をその銃で撃ったのは、美樹だった。会田は彼女の頬を張り飛ばし、銃を佐伯に握らせる。 「撃ったのは佐伯だ――分かるな」 その言葉で弾かれたように駆け出した美樹の背を、会田は静かに見送った(昭和ブルース1番) *脚本は文壇デビュー前(新人賞を取る前)の赤川次郎さん。 *待田 VS 天知といえば伊勢社長 VS 明智センセイ(「魅せられた美女」)が真っ先に思い浮かぶが、任侠路線で誰かさん同様やっぱり殺される回数が多かった待田さんのやさぐれ具合と“実はいいヒト(だから薄幸)”イメージがたっぷり味わえた。「シンデレラには王子様だ、殺し屋じゃないよ」ってな台詞に込められた、顔に似合わない優しさが印象的。 *五十嵐さんはまだほんのり「少女」で固い感じとはいえ、ショートカットで活動的なお嬢様なあたりは文代さんチックだった。
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2007,02,03, Saturday
稀代の女賊・黒蜥蜴(小川真由美)と明智センセイのスリリングかつセクシーな大人の駆け引きが秀逸な1本。「ライバル」が出てくるとセンセイの輝きがまるで違います。もれなくお姫様だっこ付き。・・・ところでこの回の変装解除シーン、人物切り替えがなかったように思うんだけれど、あのヒト、最初から天知茂?←最近いろんな天っちゃんを見ているので、彼ならやりかねんと思ったりもして
*(2006年4月13日追記):どうやら本物が消えた時点で、明智センセイの変装になっていた模様。芸達者だな天っちゃん!(じゃあ声も彼なのか?) *本編(1979年)を遡ること11年前、かの三島由紀夫に推されて舞台「黒蜥蜴」(主演・丸山(現・美輪)明宏)で明智役を演じた天っちゃん。むちゃくちゃ見てみたいこの舞台、劇場中継が当時TV放映されたそうなので、映像は残っているらしい(そんなことを知ったら余計見たくなる)。・・・しかし明智=榎木版をナマで見た限りでは、舞台は黒蜥蜴の独壇場なのであんまり明智の印象って無いんだよなあ。 【明智先生ファッション劇場】:センセイの服装をキャプチャーしてみました(松吉チェック付き)
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2007,01,29, Monday
#106「兇悪の砂丘」(1975年・S50・10月23日OA)
カイロの砂漠で狙撃され父を失い、自らも撃たれたショックで事件前後の記憶を無くした少女・祐子(森川千恵子)。主治医・牧原和子(小山明子)は彼女の記憶回復のため、現場と良く似た鳥取砂丘へと連れ出すが、そこで再び祐子は命を狙われた。どうやら顔を見られた犯人が追いかけてきたらしい。祐子の記憶を取り戻させて犯人を捕らえるという使命を帯び、会田(天知茂)たち特捜部は鳥取(皆生グランドホテル)へと向かう。 警護を固める中、祐子の行く先々に現われる不審な男。動きがすべて筒抜けなことに、会田は身内に内通者がいるのではないかと疑う。おまけに発砲したところを取り押さえ尋問しようとしたが、男は何者かに射殺されてしまった。 祐子をこれ以上ここに留めておくのは危険だと判断した牧原女医は会田に計画の中止を訴えるが、「そんな時間はない」と一蹴された。ところが偶然、会田が服用している薬の名前(=6メルカプトプリン)を見てしまい、「時間がないのは貴方のほうじゃなくて?」と反撃を開始。…したのだが、会田が祐子の命を大事に思うからこそ一刻も早く記憶を取り戻させたいと考えていることを知って(チークダンスでほだされちゃったりなんかもして)、砂丘でカイロの事件を再現させることに同意した。 予定を変更して砂丘に向かった祐子たち。とそこへぶちこまれる銃弾。ハッとする坂井(宮口二朗)と右田(左とん平)の眼に映ったのは、カービン銃を構えて歩み寄るサングラスの男(=会田)。会田は無言で次々に祐子に向かって銃をぶっぱなす(←悪い人にしか見えません)。やがて祐子は「おにいちゃん、やめて!」と叫んで地に伏した。彼女と父親を狙撃したのは義理の兄――母・節子(赤木春恵)の前夫との息子・孝之介(倉島襄)だったのだ。 祐子を追って砂丘に来ていた孝之介は逮捕、殺人を依頼した節子はホテルの窓から身を躍らせ、事件は解決した。「お体を大切に…」祐子と共に機上に消えた牧原女医を、会田は黙って見送るのだった(昭和ブルースは3番)。 *ロケ地を元気に走り回っていたとはいえ、白血病設定は(2週目だけあって)まだ健在。しかしながら、眩暈を堪えていたりでお疲れの様子だなと思いきや、牧原女医に「センセイ、俺に付き合ってくれませんか…」とダンスに誘い出すムーディー会田。踊りながら「貴方ってひとがわからないわ」と言われてフッと笑みを漏らし「俺にも分からないね。ただ分かっているのは…死ぬまで生きる、ってことだ」と呟くシーンにはこっちが眩暈を起こしかけた。 *砂丘で恐怖のカービン銃を手に歩いてくるシーンも、胡散臭さが堂に入りすぎてて眩暈が。やりますねセンパイ!と言いたげにニヤッとする坂井刑事(宮口二朗)の表情もナイス。
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2007,01,21, Sunday
#105「兇悪の無実」(1975年・S50・10月16日OA)
「バカヤロウ、死んじまえ!」酔いどれ老医師・山岸(大友柳太朗)に怒鳴られながら会田(天知茂)が美人の看護婦(女医?)・ユミ(明智センセイと香港でハト料理を食べ損ねる6年前の中島ゆたか)から意味深な治療を受けている医院へ、腕を切ったという黒縁眼鏡の男・秋本(小池朝雄)が飛び込んできた。 後日、その秋本が強盗容疑で警察に連行されたことを知った会田は、寿司折り片手に帰宅途中だったらしい彼が犯人なことに疑問を抱くが、被害者の夫婦が彼の仕業だと一方的に決めつけ、容疑が確定してしまう。幸いなことに後になって真犯人が現われ、秋本は釈放された。ところが、散々マスコミによって叩かれたおかげで、彼の娘は父の潔白を晴らさんと抗議の自殺、妻は心労でノイローゼになってしまった。 新たに起こる連続強盗事件。それは、娘をいじめた同級生宅を狙っての秋本の犯行だった。次に彼は最初に自分を犯人だと決め付けた家の娘を拉致、殺そうとしたところで会田に阻まれた。秋本の心情を思って自首を勧めた会田は「俺ならいつかの病院にいる」と言い残してその場を離れるが、一課の橘警部(渡辺文雄)の血の気の多い部下が無理やりとっつかまえようとしたせいで、ほだされかけていた秋本の心は再び炎上。 「バカヤロウ! お前は何の病気に罹っていると思ってるんだ!」またしても山岸先生に怒鳴られつつ意味深な輸血を受けている会田の元へ、逆上した秋本が飛び込んできた。寝ている会田にメスを突きつけながら、裏切りやがったな、お前なんかじわじわ苦しめて殺してやる!と消毒液を輸血ビン(パックにあらず)の中へ入れようとする秋本。咄嗟に山岸先生が酒のコップを投げつけたのだが、その拍子にバシャッと液が輸血ビンに入ってしまった・・・! 凍りつくその場の雰囲気をよそに、いつもながらクールな会田は秋本を諭す。そこで山岸先生が「忘れていたよ、その男があと半年しか持たねえ寿命だってことをな。見たところはぴんぴんしているが、白血病なんだ」でもそれでも一生懸命生きているんだ、きっとお前さんにも生きてほしくて自首を勧めたに違いない、と会田をバックアップ。そんなこと知ったこっちゃねえ、と息巻く秋本だったが、最後には泣き崩れながら会田の腕のチューブを握り締め、血を止めるのだった。(昭和ブルースは1番) *何の前触れもなく唐突に白血病設定が飛び出した回、とのこと。急に病院通いに励んでいる会田に、お茶の間の奥様びっくり仰天ってところか。 *あと少しで消毒液入りの血が会田の腕に入っちゃう・・・という時に、自分の切ない心情を(コロンボな声で)語り始める秋本。「・・・犯人のときだけデカデカ書きたてやがって・・・無実だと判って、新聞がデカデカ書きたてたかよぉ、テレビがデカデカ書きたてたかよぉ、ラジオがデカデカ書きたてたかよぉ!・・・(以下続く)」告白長すぎてハラハラしたよ! *先走る部下を持っているとはいえ、橘警部は会田の気持ちを汲んでくれるいい人だ(彼だけ会田の病気に気づきそうな感じがしたのだが、この設定は細っていく一方らしいのでそういう後日談はないようだ)。 *オープニングに天っちゃんの歌声(「非情の街」)が入っているシーズン。
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2007,01,08, Monday
#166「男 (後編)」(1977年・S52・1月13日OA)
(前編からの続き) 会田(天知茂)は沢木(鶴田浩二)に会い、少年時代に彼から貰った海軍帽を見せる。どうやら沢木も当時を思い出したらしい。 「この帽子はお返しする」(←正体を知った途端、言葉遣いが丁寧に) 帽子を置いて部屋を出ていった会田を想う沢木。 ――こいつ(=海軍帽)の思い出のために、俺の分もしょい込む気か・・・。 (はいそうです、そういう義理堅い男なんです会田は)。 さっそく会田は沢木を狙撃した黒崎(藤岡重慶)を捕らえ吐かせたのだが、その黒崎は上層部からの圧力で早々と保釈されてしまった。30年前の恩義を感じ、沢木を死なせないために清和会を動かす黒幕連中を自分の手で潰したい会田だったが、桜の代紋を付けたお前には無理だ、邪魔をするなと沢木に言われ、言葉に窮する。 その間、沢木の身辺では辛いことが津波レベルで襲ってきていた。スキャンダルが原因で花屋を閉店に追い込まれ、心労がたたって保子(北林早苗)が入院。ちょっぴり臆病なだけで本当はアニキ思いの良い奴ということが判明した大田黒(根上淳)が、沢木の忠告を受けて黒幕・志村と縁を切ると宣言した途端に海に浮かび、大田黒の指示で沢木の言動を見張るのではなく見守っていたピアニストの京子(堀越陽子)も、沢木を庇って銃弾に倒れた。 実は京子は、彼が唯一愛した女性との間に出来た娘でもあった。「おとうさん・・・」胸の中で呟いて命を落とした自分の娘をなすすべもなく看取った沢木は、止めたはずの酒を呷って静かに腹を決めるのだった。そしてまたしても後手に回り、悲劇の後に姿を見せた会田。沢木の決心は固い。それを知りながらなお彼を行(逝)かせまいと銃を向ける会田だが、やがてそっとその手を下ろす。 その夜。清和会の会長に収まった黒埼とフィクサー志村、そして政界の大物が揃ってパーティー会場から出てきたところへ拳銃を持った沢木が現われ、3人をまとめて撃ち殺した。その瞬間、清和会の組員や制服警官たちの銃弾が沢木を襲う。会田が(警官の弾に当りつつ)たどり着いた時には、沢木は3人にとどめの一発をぶちこんで絶命していた。胸元から覗く封筒には、保子への贈り物(土地の登記書)と会田への遺言が。それを読みつつ、会田の胸に様々な想いがよぎるのだった・・・(鶴田さんの声とかぶりつつ「昭和ブルース」1番)。 ――あばよ、広島の美少年。元気でやってくれ――。 *とにかく会田(天っちゃん)の舎弟キャラが前面に出た縋り付くような表情がたくさん見られてこっちまで切なくなる回なのだが、最後の最後で沢木さんったらそんなお茶目な!>美少年(遺言の締めがコレ) *しかし、お兄様の写真集(「五十年の光芒」)に載っている同年代のノボル少年の掛け値なしの美少年ぶり(いやホントに)を見た今となっては、なかなかに頷ける台詞でもある(さては鶴田さん、当時から知ってたのかそれを?)
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2007,01,05, Friday
#165「男 (前編)」(1977年・S52・1月6日OA)
暴力団・清和会は、戦時中から政財界を牛耳っている黒幕(フィクサー)・志村と組み、紛糾状態の産油国への進出を図ろうとしていた。そんな折、理事長・大田黒(根上淳)の兄貴分で、8年前にブラジルへ渡った沢木二郎(鶴田浩二)が帰国する。かつての会長の意向で清和会の前身である組織を解散させて渡航した沢木の顔に泥を塗る形で新たに清和会を作った大田黒は、沢木アニキの眼が怖い。 一方、沢木帰国の知らせは特捜部へも届いており、会田(トレンチの天知茂)は矢部警視(山村聰)から彼の帰国の目的を探るよう指示を受けた。四課にいた8年前、疑獄事件で沢木を落とせなかった会田にとっても、彼は気になる存在だ。 そんな彼らをよそに、沢木はこじゃれたステーキハウスのオーナーとして、会長の娘で今は花屋を切り盛りしている寡婦の保子(北林早苗)を密かに支援しながら、地道なカタギ暮らしを始めていた。ところが彼を再び仲間に引き込みたい大田黒の部下・黒崎(藤岡重慶)が保子と沢木の純愛をスキャンダルに仕立てて週刊誌に売り込んだせいで、沢木は仕方なく清和会に乗り込む羽目に陥った。黒崎をどつき、志村を追っ払ったあとで大田黒とサシで話し合う沢木。 彼が清和会から出てきたところを、会田が待ち受けていた。沢木をパクりたいがため、週刊誌に記事を書かせたのは俺なんだぜ、どうだ怒らないのか、8年ですっかり骨抜きになっちまったのかと挑発しまくる会田(視聴者ですら真相を知っているので非常にウソ臭い)。沢木は「清和会は警察の手など借りずとも、この俺の手で潰す」ときっぱり告げ、別れ際にこう言い残した。 「命は、大事にするもんだぜ」 この言葉を聞いた途端、会田の脳裡に広島のキノコ雲がフラッシュバック。帰宅して思い出の箱から古びた海軍帽を取り出した会田は、その帽子にかすかに残る「サ○キ」の文字を発見し愕然とする。30年前、姉が自分の目の前で進駐軍に強姦された時、誰もが見て見ぬふりをする中で強姦魔を撃ち殺してくれた恩人こそ、沢木その人だったのだ。 帰宅途中で狙撃され腕を負傷する沢木。ステーキハウスの専属ピアニスト・享子(彼女もワケあり:堀越陽子)が奏でる激しいピアノ曲(#73「兇悪のノクターン」と同じショパンのノクターン)をバックに、会田は沢木に会いに店を訪れようとしていた。思い出の海軍帽を握り締めて――。(後編につづく) *タイトルより先に「特別出演:鶴田浩二」と出てくるあたりからして既に別格な鶴田さん。彼に対すると皆どこかしら腰が引けており、会田(天っちゃん)にしてもやることなすこと後手に回っていて、存在感がちょっとばかり希薄だった。 *やはり#17「兇悪の誇り」の設定はなかったことになっているらしい
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2007,01,04, Thursday
#193「兇悪のグラビア 警視庁を売るOL」(1980年・S55・9月18日OA)
警視庁で婦警さんとぶつかり「メガネ、メガネ」と古典的なギャグ(違)を実践している壜底メガネの女性・直子(結城しのぶ)を助けた会田(ごついタイとストライプシャツが相変わらず強烈な天知茂)は、彼女が自分を訪ねてきたと知り驚く。 1年前、国会議員・大沼(内藤武敏)にひき逃げされたことを表沙汰にして欲しいと語る直子。警官だった父に圧力が掛かり、当時は示談にされてしまったのだが、その父が最近になってひき逃げされて死亡、大沼が自身の出世のために父を抹殺したのではないかと彼女は疑っていた。大沼は会田が以前からマークしていた人物でもあったため、会ったばかりの直子を信用することにかすかな疑問を抱きながらも、彼は協力を約束する。 直子の証言は、几帳面な彼女の父が克明に綴っていた日記により裏付けされた。会田はその日記を預かり、大沼の魔手が伸びぬよう直子を安全な場所へ匿うのだが、彼の漠然とした不安は的中してしまう。直子は「会田に監禁されて偽証した」とマスコミに流すことを条件に、大沼から1億円をまんまとせしめて姿をくらましたのだ。大沼を捕らえるどころか自分が逮捕されてしまい、会田は橘警部(渡辺文雄)の取調べを受ける羽目になった。直子を追いたい会田は、真実を教えろと迫る橘に対し、あえて彼女の主張を認めることで保釈を得る。 壜底メガネをコンタクトに変え、奪った金で恋仲の男・志郎と逗子の海で束の間の青春を謳歌する直子のもとへ、会田が姿を見せた。彼女を消そうとする大沼の手先(実は会田が連れてきたのだが)との銃撃戦の最中、志郎は「面倒はゴメンだ」と直子を置いて逃げてしまった。悲観して入水自殺を図ろうとした直子を自ら海へざぶざぶと入り込んで助けた会田(塩水かぶって大健闘。一番ハラハラしたシーンだ←暴言)は、父の無念を晴らしたくはないのかと彼女を諭す。「寂しかったの・・・!」直子は会田にすがって泣き崩れた。 大沼の裁判の日。出席が危ぶまれた直子だが、再び壜底メガネで姿を見せるのだった(昭和ブルースは1番) *初めて見る第3シリーズ。オープニングの額から“情”ビーム、聞きしに勝るインパクトだった。タイトル文字に迫力がなくなったのと、役名が出てこなくなったのが残念(誰が誰だか分からんじゃないか)。それよりも新録の「昭和ブルース」が風呂場の鼻歌調(失礼)なのがちょっと・・・(もっともEPのほうは、後発のものも全てオリジナルの再録なので安心?だが) *既に剣さん@江戸の牙を経て明智センセイも佳境の天っちゃん(49歳)が演じる会田刑事。ルックスは見慣れているとはいえ、声の出し方が違う(高い?)というか、サングラス姿が怖いというか(それはいつものこと)、どうも80年代のライトな世界観(BGMもなんだか軽かった)とのギャップに違和感があるような雰囲気だった。小林君チックに若く垢抜けている同僚(村井刑事:高田洋)が側にいるのも、そのスジの事務所みたいなおどろおどろしい面子揃いだった第1・第2シリーズの特捜部と比べると物足りない気がした。
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2007,01,02, Tuesday
#69「兇悪の誇り」(1975年・S50・1月23日OA)
矢部警視(山村聡)から受けた指令に会田(天知茂)は耳を疑った。ある女を見つけ、捕らえる前に自殺させよというのだ。 同棲していた若い男(「ボク」とか言われて可愛がられていた西田健)との別れ話のもつれから殺人を犯したレストランの女性オーナー・梨花(加茂さくら)は旧子爵令嬢で、かつての夫は政府要人。事を荒立てないために殺人は銃の暴発で処理され、彼女は秘密裏に消されようとしていた。 逃亡を続ける梨花は、先祖の墓地だけでなく自宅までを買収していた英吉(仲谷昇)を訪ねた。戦争孤児だった英吉はかつて梨花の両親に拾われ、兄妹同様に育てられたのだが、梨花が彼を捨てて他の男と結婚したため、彼女への愛憎を募らせていた。梨花を屋敷の物置に監禁し、鞭でいたぶる英吉。だがそれは愛情の歪みがなせる業だった。 屋敷を突き止めた会田に梨花は銃を向け「(逮捕を)3日間だけ待って欲しい」と懇願した。3日経てば梨花は自殺してしまう、そう直感した会田だったが、彼女を信じてその場は引く。暴発ではなく、殺意をもって自分の品位を貶めた相手を殺したのだときっぱり言い切った梨花のプライドに賭けたのだ。 しかし機動隊まで動員して強引に彼女を捕らえよう(追いつめて自殺させよう)とする上層部。あえて彼らの人質になることで屋敷内に入り込んだ会田は梨花を説得するが、不治の病にかかっている英吉は、愛する梨花を道連れに死ぬつもりだった。「あんたまで彼女を自分の都合で殺そうとするのか!」憤る会田を尻目に、ライフル銃(の暴発?)で倒れる英吉。彼の後を追ってピストルで自殺を図ろうとする梨花を会田は張り飛ばした。 「あんたの「誇り」とはそんな程度のものなのか!」会田は自らの過去(=戦争孤児で、親代わりの姉は終戦翌年に進駐軍に犯され自殺)を梨花に話す。姉は自分を恥じたり悲観したりして自殺したんじゃない、犯人を捜して何度も警察に通いながら、相手が進駐軍だからととりあってもらえず抗議の自殺をしたのだと、そんな姉こそ、人間としての尊厳を持っていたのだと語る会田。 「俺は人間の愛や誇りがピストルなどで守れると思っちゃいない。こんなもの(=ピストル)で守れるのは、せいぜいヤクザの縄張りぐらいだ」 あとは好きなようにしろ、とピストルをあえて床に置き外へ出た彼の後から、梨花は無傷で出てきて会田に両手を静かに差し出した・・・。(昭和ブルースは4番) *梨花と英吉の関係が「嵐が丘」のキャサリン&ヒースクリフのようで濃厚だった。 *それはそうと、会田のお姉さんをレイプした相手は鶴田浩二さんがその場で始末してくれたんじゃなかったんだろうか?(←まだその回を見ていないので分からないが) *「聞いてるのか!」「いいえ、聞いてません」「分かっとるのか!」「いいえ、分かりません!」 矢部の不条理な命令にぶーたれる会田のやりとりが楽しかった(「そんな命令を平気で下せる部長こそ、自殺してもらいたいもんですな!」とか言っちゃう会田の性格を判った上で怒鳴りつけてる矢部さんがオトナで素敵だ)
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| TVドラマ(現代劇)::非情のライセンス2 | 04:04 PM | comments (x) | trackback (x) | |