2008,05,03, Saturday
#134「兇悪の接吻」(1976年・S51・5月13日OA)
グラマー美女の出てくる映画を見た右田刑事(左とん平)、会田(天知茂)を相手に実演して(右田に迫られて「お、おい…!」と真剣にうろたえてた会田が笑える)ご満悦。それじゃ俺も行こうかな、じゃあボクももう一回、と二人でその気になっていたところへ事件の知らせが。 金を奪われた上にナイフで一突きされた被害者はレトロな映画館の主人。その殺しの手口は上映作品とまるで同じだった。現状の指紋や凶器から、犯人はフィルム運び屋の青年・中田敏彦(多宮健二)で決まりと思われた。不良で厄介者のトシならやりかねん、皆がそう思っている中、映画館の事務員・純子(松木聖)だけは彼の無実を信じていた。事件の頃、ふたりはいつもの場所――スクリーン裏――で束の間の逢瀬を楽しんでいたからだ。ところが当日、自分の先天的な脚の欠陥を治す費用にとトシから受け取った金額が盗まれた金とほぼ同額だったため、アリバイを打ち明けられずに純子は苦悩する。 そのことを綾(岸田今日子)の仲介で純子の口から聞いた会田は一課にトシの保釈を要請。だが皆に疑われ自暴自棄になったトシは死んでやるんだー!と会田を振り切りバイクで突っ走った。「じゃあ勝手にしろ!」そう言うなりバイクを撃って止め(←勝手にさせる気ナッシング)、「甘ったれるな!世の中のカスはお前だけじゃない! この俺だって掃き溜め育ちだ。そして昔はろくでなし、札付きの不良といわれたもんだ!」と久々に兇悪な過去を持ち出し説教をはじめる会田。左ハンドル(復活)に乗ってぱりっぱりのスーツを着たおっさんに諭されてもなあという感じだが、“原爆で死んだ俺の両親は遺骸もなかった、でもどんな形であれお前にはおっかさんがいるじゃないか”と母親のことを持ち出され、さらに純子が駆けつけたことでトシは大人しくなった。 映画館主を殺したのは、立ち退きを迫り断られた窪川(松尾文人)が雇ったチンピラ(たこ八郎)だと判明、トシの無実は立証された。なさぬ仲の母・キヨ(絵沢萌子)とも和解し、定職を得たトシは、いつもの場所で、スクリーンの恋人達と重なるように純子と抱き合うのだった(昭和ブルースは1番) *新東宝の映画が3本立てで上映されていそうな古い映画館での殺人事件。上映作品名がずばり「兇悪の接吻」なのも効いている。 *トシが寝泊りしている部屋に「吸血鬼」と書かれた看板がおいてあったのだが、あれはやっぱり『女吸血鬼』か?(ちなみにそこの映画館の主人は天っちゃんと同期の小笠原弘さん) *森谷刑事(梶健司)、冒頭のトシに注意。「ヘルメット被らんと、危ないよ!」それは前回の会田にも言ってやってください森谷さん。 *綾さんのお店「F」の入り口の位置が変わったような気がする(扉を開けたら階段を下りるんじゃなかったっけ)
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2008,04,28, Monday
#133「兇悪の暴走族」(1976年・S51・5月6日OA)
バイクが青春の暴走族グループ“ハスラー”の頭(ヘッドではなくアタマ)・三田治(星正人)はある晩、母(浅香光代)と兄(剣持伴紀)が死体を埋めている現場を目撃した。暁工業(実態はヤクザ)の花田(川辺久造)の支配から逃れられない家族に苦悩し姿を隠す治だが、その殺人だけでなく、いつのまにかトルコ嬢殺害の容疑まで掛けられて追われる身になってしまう。 グループ内の美子(井上玲子)に連絡を入れたところ、バイクで駆けつけた彼女と一緒に強面のおっさん(=会田:相変わらず黒ネクタイ着用の天知茂)がついてきた。なぜか居場所を探り当て強引に連れ帰ろう(連れ帰ってバラそう)とする花田らを、刑事だというそのおっさん(=会田)は蹴散らしてくれたが、身内が関わっていることだけに真相を打ち明けることができない。 だが、バイクを預かってくれていた長谷川のおやっさん(常田富士夫)が殺され、トルコ嬢を弾みで殺した友人のツネオ(風戸祐介←クローバーキング?)が花田らにヤクの運び屋を強要させられていることを知り、シマに戻ることを決意。ヤクを運ぶツネオを止めようとするのだが、バイク走行中に揉み合う内に襲われ、短い命を散らしてしまうのだった。 美子たちと夜の蛇行ツーリングに付き合う(制服警官に「いいオトナが恥ずかしいとは思わんのか!」と尋問され手帳を出し相手をビビらせるオチ付き)など、「あれ(=バイク)が青春なんだよ」と実に話のわかるおっさんデカになっていた会田だが、結果的に治を失ったことで「アタマ(=治)が死んだのはあいつのせいだ!とっぽいこと言いやがって!」と非難集中。 「帰れよ!」「お前が殺したんだ!」治のお別れ会に姿を見せた彼は罵声を背に受けながら、黙って手を合わせるのだった(昭和ブルースは1番) *会田のせいというより、ツネオが悪いんじゃないか〜! 花田をボコって逮捕したのは会田なのに〜!(←ちょっと可哀想に思えた) *おねーちゃんの後ろにまたがってバイクに乗る会田、ピースサインを決める会田、なんていうレアなものを拝める話。しかし、バイクに乗るときはせめてメットを被ってくれよ会田(被り辛いのは重々分かるが←失言) *でも車はまた右ハンドルに戻っていたような。
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2008,04,27, Sunday
#132「兇悪のゆりかご」(1976年・S51・4月29日OA)
会田(天知茂)と坂井(宮口二郎)の兇悪チョンガー・コンビの今回の担当は、所轄もお手上げの赤ちゃん誘拐事件。病院で目撃された女の似顔絵を手に聞き込みに励む会田だが成果は芳しくなく、川原で赤ちゃんの水死体が発見されたりして(幸いなことに別件だったが)大事な子供を奪われた若夫婦は半狂乱。 20日ほど聞き込みを続けている会田を可哀想に思った(というよりコワモテがうろうろすると営業妨害だと思った?)焼き芋屋のおっちゃんが「その絵、佐川んちの娘に似てるよ」と助け舟を出してくれたおかげで、誘拐された女の子と同じ年頃の赤ちゃんをあやす佐川富枝(左時枝)を突き止めた。 何度も子供を亡くし、不幸な結婚を繰り返していた富枝は、タマミ(←赤ちゃんの名前。通称“たっち”)を可愛がる内縁の夫・吉村(谷村昌彦)とだけは幸せな暮らしを営みたいと願っている薄幸の女性。タマミは本当に富枝の子供なのか。産院などに問い合わせる会田、赤ちゃんの血液型を調べるためにオムツ換えまで練習する坂井、ふたりの慎重な捜査の甲斐あって、やはり病院から赤ちゃんを連れ出したのは富枝だと判明した。 捜査方法はともかくグラサン姿が慎重ではなかった会田のせいで尾行がバレ、富枝は赤ちゃんを抱いて立て篭もるのだが、「人を不幸に陥れた代償で、幸せになれるはずがない」という会田や吉村の説得で泣く泣く子供を手放すのだった(最後は矢部さんが赤ちゃんを抱いて車に乗り込み昭和ブルースは2番) *救われない話の中で唯一和ませてくれたのは坂井さんの奮闘ぶりだった。綾さん(岸田今日子)の店で人形相手にオムツ換えに励んでいる坂井さんに、後から来た会田いわく「小さすぎんだよ人形が。(ホステスに向かって)おいキミ、実験台(?←よく聞き取れなかった)になってやれよ」。言い方と顔が会田じゃないよ天っちゃん(素で宮口さんをからかってたっぽい)
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2008,04,25, Friday
#131「兇悪の道しるべ」(1976年・S51・4月22日OA)
山中で見つかった白骨死体・津久見のかつての同僚、久保辰吉(長門裕之)を訪ねた会田(天知茂)と右田(左とん平)。小さな運送会社のトラック運転手だった津久見は体を壊して退職した後、何者かを強請って殺された節があるのだが、運送会社は社長の病死(死因は肺がん)で潰れており、唯一事情を知る人物は辰吉だけだった。 津久見たち同様、肺をやられている様子の辰吉に、会田は彼らが有害な産業廃棄物の不法投棄に加担していたとの疑いを濃くする。そんな折、冒頭からこっそり(といっても物騒なガタイなので会田並にわかりやすく)辰吉をマークしていた赤根(藤山浩二)という男が辰吉を拉致、彼を消そうとした。そこをスマートに銃をぶっぱなして救った会田は辰吉を病院に連れて行き、精密検査を受けさせたのだが、ふとしたことで自分の病名(=肺がん)を知ってしまった辰吉は病院を抜け出し家族のもとへ。 「俺ァ死にたくねえ。お前達と一緒にいてェんだ!一緒に死んでくれー」と暴れながら妻の政子(園佳也子)の首を絞めようとする辰吉を必死で止める家族。やがて、政子と息子・良一(中沢清三)の間で辰吉はぐったりと動かなくなった。「おとうちゃん、死んでるよ…!」後から駆けつけた娘の千恵子(竹内美香)の目の前で父は死に、母と兄は警察へ連行されてしまった。「(あれほど黙ってくれと言ったのに)どうして病名を教えたんですか!」と政子に詰られた会田は言葉もない(もっとも今回ばかりは会田のせいではないのだが)。 辰吉はショック死ということで、政子たちには情状酌量の余地が認められた。津久見が強請っていた化学工業の社長(伊豆肇)に雇われていた赤根がすべてを自供、会田と右田は社長に逮捕状を突きつけるのだった(昭和ブルースは4番) *#11「兇悪の夢」もそうだったが、長門さんは不幸の坂道を転がり落ちていく役柄が実に似合っている。 *ブルーのストライプ・スーツに黒ベスト&黒ネクタイを合わせた会田。地味にしたつもりかもしれないが、なんだかお通夜帰りのようである。
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2008,04,22, Tuesday
#130「兇悪の花粉」(1976年・S51・4月15日OA)
『以前お世話になった村越です! 会田さん、助けて下さい!』 村越といえばヤク中で死んだはずだが(ってそれは第1シリーズ#31「兇悪の報酬」)、この村越は7年前に傷害事件を起こし、当時所轄の刑事だった会田(天知茂)に捕らえられた男だ。切羽詰まった電話は居場所を聞く暇もなく途中で切れ、次に会ったときには、村越は霊安室で冷たくなっていた。そこに現れた妻・志保(篠ヒロコ)の空々しい嘆き方に、会田は疑問を覚える。 なにしろ志保は彼にとって忘れられない女性のひとり。村越逮捕の際、「人でなし!」と初めて自分を詰った相手だったからである。売れない夫を純粋に支えていたはずの志保は今では美容院を経営するやり手ウーマンに変貌しており、今度宮崎に支店を出すのだという。夫の保険金3000万を受け取り宮崎へ向かった彼女を、会田は追いかけた。 一方、村越を殺したのはヤクザの高橋勝(溝口舜亮)と判明。彼が宮崎へ逃亡したと知った橘警部(渡辺文雄)ら一課もまた宮崎入りした。奇しくも犯人と被害者の妻が同じ地へ――。そしてもうひとり、志保の美容院へ新作を卸すという化粧品会社の小室健二(佐原健二)が現れた。女癖が悪く、会社の金を使い込んでいる小室。やがて、高橋が轢死体で発見される。 夫のヘタレぶりに手を焼いた志保が小室の助言に従い、高橋に夫殺害を依頼、ところが指名手配された高橋が謝礼をせびりまくったせいで、またまた小室の指示を仰いだ彼女が轢き殺したのだ。だが、目撃者の証言などから志保の犯行であることが濃厚になり、一課が迫る。そこへ「彼女はずっと俺と一緒だった」と白々しくアリバイを主張する会田。彼は黒幕である小室を逮捕したいがために一芝居打ったのである。 誰かに操られてなんかいない、あくまで自分の意思で、自分のためにやったのだと言う志保だが、支店設立のための保険金を小室が自分の使い込みの穴埋めに使っていると会田に聞かされ動揺する。問い糾すと小室は志保を殺そうとし、その瞬間、張っていた会田や一課により現行犯で逮捕された。 「結局、私はいつも、誰かの思い通りに生きてきただけ。村越、小室、…そして、貴方」 ようやく悟った志保は、会田にかつてと同じ言葉を投げつける。 ――あなた、やっぱり、人でなしよ――(昭和ブルースは4番) *風や虫などの力無しではどこへも飛んでゆけない「花粉」でしかなかった志保さんの悲哀。 *宮崎、そしてホテル・フェニックスといえば例のもこもこジャケット(#74「兇悪のフェニックス」参照)を連想してしまい戦慄を覚えたが、今回はあくまでいつもどおりトレンチでかっこよくキメてくれていて良かった。サファリパーク(ライオンとトラの合間)を車で移動するときのへんてこなBGMが気になった程度だ。 *特捜部の部屋、地下から元の場所へ戻ったようだ。
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2008,04,19, Saturday
#129「兇悪の終着駅」(1976年・S51・4月8日OA)
――ヤクを捌いている暴力団組長・佐伯(灰地順)を捕まえて。 女からのタレコミ電話を受けた会田(天知茂)。ガセではなかったものの肝心の佐伯は所在不明、その彼は自分を裏切って若いあんちゃんとおねんねしていた女(=タレコミ張本人)を撃ち殺し、三輪車の子供(“どけろよ、ここは終着駅なんだ。Uターンするんだから”)に咎められビビりつつ逃走してしまった。 逃亡した佐伯が頼ったのは、小さな港町にいる古き良き時代の侠客・南部鉄こと南部鉄五郎(大森義夫)。町の名士で裏では関東を仕切っている黒幕・丹菊英二郎(浜田寅彦)の兄貴分である南部鉄じいさんに、口利きをしてもらおうというのだ。気のいい鉄五郎は丹菊に佐伯を預けるが、佐伯は自首を強制された挙句、警察署前で暗殺されてしまった。それが丹菊の仕業だと見抜いた鉄五郎もまた、孫のマリ子(藤山律子)やその恋人のイサム(山本紀彦)と共に、丹菊の手下の犠牲になる。 チンピラのイサムを更正させ、弟のように可愛がっていた弾刑事(北島三郎)は彼の非業の死に激しいショックを受けた。「怒る前に、悲しむ前に、俺たちはデカなんだ」という会田(佐伯を追って港町へ出張中)の自分の日ごろの行いは棚にあげたクールな言葉も聞く耳もたず、丹菊の屋敷へ単身突っ走ってしまう弾。だが丹菊は彼を撃ち、すべてを彼の犯行とするために、義理の娘・ルナ子(小泉洋子)をも撃ち殺した。あまりの仕打ちにキレにキレた弾は、力を振り絞って丹菊の身体にありったけの銃弾をぶち込む。 遅れて到着した会田のフォローで正当防衛を勝ち取り、弾は命と首が繋がった。「今度は北のほうへ流されそうですよ」鉄砲玉のような友人に、笑って煙草を差し出す会田だった(昭和ブルースは1番) *かわいそうなルナ子ちゃんは冒頭、会田お気に入りの左ハンドル車のオカマを掘って登場。警察に黙ってて下さらない、あと1回キップ切られたら免停なの、と一番言ってはいけない相手に申し出るが、美人だったせいで乾杯ランチで許してもらっていた。そのときの会田いわく「外国では車がキッスすると乾杯するんですよ」…久々のキザ台詞にくらくら。
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2008,04,15, Tuesday
スリラー劇場 背徳のメス(1963年・S38・1月4日〜2月8日・全6回)CX 22:15-22:45
原作:黒岩重吾 出演:天知茂(植秀人)、天路圭子(加納伊津子)、山岡久乃(佐藤信子)、市川和子(有吉妙子)、松本克平(西沢科長) #1(1月4日OA):植秀人は女癖の悪い医師。回りの女性を次々とワナにかけてきた。きょうも看護婦の妙子とホテルの一室で…。【以上、朝日新聞縮刷版より】 *「休日の断崖」(1961年)「脂のしたたり」(1961年)に続く、黒岩重吾作品での主演。昼は正義の医師(原作では産婦人科医)、そして夜は節操のないレディ・キラー・植秀人、実に似合いそうな役柄ではある。 *ちなみに1961年の映画版は主演が田村高廣さんで、何かと突っかかる西沢科長役が山村総さん。主演が入れ替わっていたら面白かったかも(会田vs矢部部長!)
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2008,04,14, Monday
東北新幹線殺人事件
東京−仙台−盛岡、「やまびこ27号」死体を乗せて東日本縦断!!七夕まつりの女(1984年・S59・7月14日OA) ある夏の夜、道端でOLが絞殺された。彼女のアパートから紛失していたのは、東北新幹線のグリーン券。件の列車に乗り込んだ十津川警部(天知茂)の眼前で男が殺され、犯人らしき男も死体となって仙台の川に浮かんだ。そして、実業界のドン・立野(田中明夫)が仙台行きの新幹線から誘拐される。巨額の身代金をせしめた犯人は誰か? 捜査線上に浮かび上がる一人の女――元クラブのママ・二ノ宮由美(大空真弓)。3年前に土地投資で失敗し散り散りになった、彼女を囲む「二の会」の役割とは果たして? 七夕まつりに纏わる由美の悲しい過去が事件にリンクする……! ……ざっと言えば由美ママが自分にメロメロな「二の会」メンバーの男たち(三ツ木清隆ら)と共謀して、投資失敗の元凶で両親の仇でもある立野社長に復讐する話、といったところなのだが、どうも話がごちゃごちゃしてきてややこしい(←美女シリーズくらいでないと頭がついていかない)。第2・第3の仲間割れ殺人はともかくとして、事件の発端であり十津川警部を仙台に送り出すツカミとなる第1のOL殺人の経緯がなんともご都合主義で最後まで釈然としないせいでもある。イモ姉ちゃん(←作中に飛び出す死語)殺され損じゃないか! それはともかく、急きょ三橋さんの代理を務めることになった天っちゃんの十津川警部は「今夜も蒸すなあ」との言葉とは裏腹にかっちりばっちりストライプ・スーツでキメて(ワイシャツ襟はいつも通りエベレストのごとく)OL殺人の現場に現れたのが初登場。明智センセイよりも心持ちおっとりしたカジュアルな口調で話しているように思えたが、顔は怖い(というより、なんだか険しい)。最初に仙台に行った程度で、もっぱら部屋に控えている場面が多いとはいえ、部下を大勢使って尾行を指揮したり、コワモテを武器に取調べ室をハシゴして片っ端から自白させたり、デキる一課の班長さんぶりが伺えた。 *ヒロイン・大空真弓さんの処遇をすべて亀さん(愛川欽也)に任せたため、新東宝コンビの再会シーンは見られなくて残念(まあ、ヒロインと絡めば美女シリーズになっちゃうだろうしなあ)。そのかわり、ドン・立野の会社の経理部長役で出ていた同期の松本朝夫さんとはさりげなくツーショットになっていた。 *役者の卵だという「二の会」メンバー1の甘えっ子・琢二(三ツ木清隆)が覚えている台本が「黒蜥蜴」。取調べ室で十津川警部の尋問に雨宮の台詞を口ずさむくだりもあり、ミスター明智の顔を余計怖くさせていた。 *視聴率は過去の同シリーズ中で最高の25.7%をマークしたらしい(美女シリーズより上じゃないか)。かくいう私もリアルタイムで見ていたが、「どうして明智センセイやってくれないの〜」と悲しがった覚えがある。 *ちなみに同日夕方(16:30-18:00)にはテレ東で『東海道四谷怪談』が放映されていることを縮刷版で発見。アマチ予習番組? (朝日新聞夕刊「出会い」より記事引用) ★天知茂(*素でふにゃっと笑ってる写真つき)の明智探偵、十朱幸代の朝吹弁護士、藤田まことの音川刑事、田中邦衛の宇野刑事、三橋達也の十津川警部……。「土曜ワイド劇場」(朝日、9.02)の人気シリーズの主役たちだ。*たしかにお洒落だし田舎より都会の方が似合っていたが、あか抜けていたかどうかは微妙である。周囲の人と空気が違っていたのは確かだが。 *そういやラスト付近で強烈に不似合いなサングラス(縁が太くて大きいやつ)をかけて登場した十津川警部にくらくらきたが、逮捕した三ツ木クンに掛けるために持ってきたのだと知りホッとした。
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2008,04,12, Saturday
#128「兇悪の慕情」(1976年・S51・4月1日OA)
土砂降りの夜。刑事の勘を騒がせながら(でも右田とポーカーに興じている)夜勤中の会田(天知茂)にタレ込み電話がかかって来た。だが直後に一課からお呼びがかかり、「帰り道だから俺が代わりに行ってやるよ」と彼の車(左ハンドル)に乗って出かけた矢部警視(山村聡)が、バイクの男に狙撃され負傷してしまう。 大事な部長が自分の代わりに撃たれたと信じて疑わない会田はお礼参りだと決め付け、心当たりの男たちと接触を図ることに。しかし、刑期を終え全うに働いていたひとりめ・山口金男(山谷初男)は自分を捕まえたデカの出現に「いつまで俺を苦しめるんだ!」と激しい憎悪をぶつけてきた。 「お前にとっては何十人のうちのひとりだが、あいつらにとって、お前の顔は一生忘れられないものなんだ」自己嫌悪に陥る会田に、こうなることは判っていたと静かに諭す矢部。そして、もうひとりのターゲット・田中透(沖田駿一)は暴走族とのゴロ巻きに余念がないバイク青年だったが、会田の顔を忘れるほど“今”を生きていた。 自分の勘が完全に外れていたことに安堵したのも束の間、会田は再び(*夜道で一度襲われている)狙撃の的に。他に忘れられない顔はないの、と綾(岸田今日子)に聞かれて会田は、1年前に死んだ女のことを思い出す。彼女・本島文子(村松美枝子)は麻薬を売っていたところを会田に逮捕され、交番から逃げ出そうとして車に轢かれて死んだのだった。もし彼女の背後に男がいたとしたら……? 調べると、文子には赤沢辰夫というヒモがいたことが判明した。 会田が勘を頼りに突っ走っている一方で、坂井刑事(宮口二郎)は現場の足あとから割り出した靴屋の店先を見張っていた。そこへ合流した会田は、同じマンションの住人である吉見(山崎純資)の姿を見て驚く。この吉見こそ、会田を文子の仇と付け狙う赤沢辰夫だったのだ。 坂井と会田に追い詰められた赤沢。赤ん坊をあやしていた子煩悩の君がなぜ、そう詰問する会田に彼は叫び発砲した。「文子のお腹には、俺の子がいたんだ!」 その言葉に動けないでいる会田のかわりに、坂井が赤沢を捕まえた。すさまじい形相の赤沢の顔が、会田とすれ違う。 俺の脳裏にまた、忘れられない顔がひとつ増えた――。 (絶妙なタイミングでの昭和ブルースは1番) *まさに“生まれたときが悪いのか、それとも俺が悪いのか”を地で行く非情のライセンスな世界。眉間にまたひとつ苦悩の皺を増やす会田に胸キュン(超死語)だ。 *しかし、同じマンションの住民になってまで執拗に会田暗殺の機会をうかがっていたらしい赤沢、子作りの命中率に比べたら(失礼)ブローニングの命中率低すぎだろう!←ある意味大当たりだった矢部さん *でも矢部さんも、わざわざ会田の車を借りるってどうなのか(そうか、左ハンドルに乗ってみたかったのか) *文子の遺留品を見せてくれた一課の佐々木刑事(名前入り)に北町嘉朗さん。北町さんといえば居酒屋「吉田署」の板前だとばかり…。
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2008,04,11, Friday
ゴージャスに香港ロケ。薄幸ヒロインの最後の独白に悲しさが滲みます。それより何よりサングラス姿が怖すぎです明智センセイ。ルービックキューブ、懐かしい!
【明智先生ファッション劇場】:センセイの服装をキャプチャーしてみました(香港・グラサン・ルービックをご堪能下さい)
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