2008,06,24, Tuesday
#148「兇悪のカムバック」(1976年・S51・8月26日OA)
「シュザンヌ、君は幸せかい…?」 恋人を友人に奪われながら、彼ら夫婦の幸せを念じ続ける男を描いた舞台「ミッシェル・オークレール」。数年前、啓子との辛い別れ(#95「兇悪のめぐり逢い」参照)を経験した会田(天知茂)にとって、当時見た舞台上の主人公ミッシェルの心情は痛いほど伝わってくるものだった。その舞台の後体調を崩し、今また5年ぶりにカムバックを果たした主演俳優・狭間次郎(西沢利明)の記者会見を偶然TVで見た会田は、彼の表情の暗さが気になった。 そんな折、マンション内で殺しが発生した。被害者・竹内節子(上野淑子)は会田が追う宝石密輸ルートとの関係が濃厚、しかも第一発見者&通報者は狭間だったことから、会田は一課の向こうを張って独自捜査に乗り出す。節子は狭間のファンで、後援会設立の相談を持ちかけられた彼が部屋を訪れたところ、事切れた彼女が床に倒れていたらしい。まもなく下田(山崎純資)というチンピラが捕まり、通り魔的な犯行かと思われた。ところが彼は、宝石密輸に一枚かんでいる沢田(田島義夫)の指令で、節子のマンションから手帳を奪おうとしていたことが判明。おまけに、刺し傷の数が供述とは違っていた。 会田は狭間に5年前の舞台に感動したことを伝え、わだかまりを抱いたままあの役を演じて欲しくない、とそれとなく自白を促す。帰宅後、妻・幸子(三浦真弓)に真実を打ち明ける狭間。結婚を強要するまでにエスカレートしてきた節子を、混乱に乗じて致命傷を負わせ殺した、と語る夫の言葉に耳を塞ごうとする幸子だったが、狭間の決意に打たれる。そして、盗聴器をしかけて狭間宅を張り込んでいた会田と浮田(松山英太郎)も、初日を終えるまで彼をそのままにしておくのだった。 かくして5年ぶりの舞台の幕は上がり、精一杯ミッシェルを演じきった狭間は、妻に見送られながら会田たちの元へと歩みを進めた(昭和ブルースは1番) *前回の話を引きずっている会田。よっぽど啓子さんがエリート佐伯と結婚したのが辛かったんだなあ。 *橘班長(渡辺文雄)との舌戦は相変わらず絶好調。勘で狭間=犯人説を唱える会田に「捜査は勘じゃないよ、データだよ!」と突っ込んだ班長さん、この事件に口出しするのは何か裏があるんじゃないのか、俺にも教えろよ、と迫って「データのないことは喋れないね!」と突っ込み返されていた(そのやりとりを見ながら「ほんとにコイツら懲りないなあ」ってな顔で微笑んでる矢部さんがこれまたいい感じ) *絶好調といえば、その筋のおねーさんをホテルに誘ってのお姫様抱っこ(もちろんby会田)もあり。 *母お気に入りの天野新士さん(←今ならマツケンの奥さんのパパ、といったほうが分かりやすいかもしれない)の名前を見つけたのだが、クレジット自体は悪くない位置ながら、顔もよく分からないようなチョイ役(=狭間のマネージャー風の人物)で視聴者(主に母)の溜息を誘っていた。
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2008,06,21, Saturday
#147「兇悪のめぐり逢い」(1976年・S51・8月19日OA)
矢部警視(山村聡)の友人で会田(天知茂)とも親交のあった小宮刑事(外野村晋)が殺された。葬儀におもむいた会田はそこで、忘れ得ぬ女性の姿を発見する。四方の奥さん(#3「兇悪の序曲」)…ではなくて、6年前に恋仲だった啓子(宮本信子)である。だが彼女は会田を見ると顔色を変え、逃げるようにその場を離れた。 小宮が自分の助けを借りたがっていたことを二課の古賀刑事(太田博之)から聞かされた会田は、彼が射殺された現場に居合わせたのが啓子だと知る。彼女の夫の佐伯(塚本信夫)は、とある収賄事件の重要参考人だった。夫と息子に囲まれ何不自由ない主婦生活を営んでいるかにみえる啓子は、小宮の死について聞き込みに出向いた会田をけんもほろろに追い返す。 啓子の態度には理由がある。6年前、暴力団の組長の娘だった彼女は、内偵にきた会田をそれと知らずに愛したが、手入れの際に父親を彼に殺されたのだ。小宮を撃ったのはかつての組の者ではないのか、と迫る一課の橘(渡辺文雄)の執拗な取調べにも、見かねた会田の助け舟にも口を閉ざし続ける啓子。しかし、彼女と結婚するために会田が刑事を辞職しようとしていた事実を知り、心が揺れる。 銃弾は小宮ではなく啓子を狙った可能性が高いとみた会田と坂井(宮口二郎)は彼女宅を張り込み、案の定、その筋の連中が押し入り啓子の首を絞めようとしたところを逮捕した。やはり狙いは啓子だったのだ。そして、彼女のコネを利用するため会社の指示で結婚した佐伯もまた、用済みとばかりに殺された。 マンションに連れて来られた啓子は、6年前、父を密告したのは自分だと会田に打ち明ける。ヤクザの血を呪い、父さえいなければ…そう思ったのだと。貴方が私を真剣に愛してくれていたのは知っていた、と言う啓子に、それならなぜ佐伯と結婚したんだ、子供まで作ったんだ!と詰る会田だが、子供は佐伯の愛人の子だと聞かされ呆然とする。自分の血が流れていない子供なら愛せると思った、でも本当は、愛する人の子供が欲しかった――。今度生まれ変わったら結婚してくれるわね、そう涙にくれる啓子を、会田はただしっかりと抱き締めるしかなかった(昭和ブルースは4番) *会田の切ないラブ・ストーリー。現在のギクシャクした関係と6年前のラブラブな様子が交互に映し出されて(長髪で若々しい啓子さんと、髪型その他は一緒でもほぼ素で嬉しそうに微笑んでる会田は必見)、ついそっちに頭がいってしまうので、事件の真相がいまいち掴めていないような。啓子さん、別に人を殺してるわけじゃないから罪軽いんじゃないのか? 旦那死んでるし、子供は婆ちゃんが見ててくれそうだから、待っててやれよ会田! *啓子さんの前で辞職云々の話を暴露したのは橘さん。実は会田をバックアップか? *親友が殺され頭にきていたらしい矢部さん、取調べ室で拳銃取り出してどこぞの元締めのような凄みを漂わせていた。 *ロボコン、(ある意味)ゲスト出演。東映だもんなあ。
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2008,06,15, Sunday
#146「兇悪の判決」(1976年・S51・8月12日OA)
敏腕検事の伊達史郎(藤巻潤)が暴力団に便宜を図っている節がある――。 チンピラが岩川組の幹部を刺殺した事件で、伊達が3年という短すぎる刑期を言い渡していたことに疑問を抱いた矢部部長(山村聡)と会田(天知茂)は、自分たちが捕えた組長・岩川登(伊達三郎)の事件でも伊達が罪を軽くするのではないかと危惧して捜査を進める。 案の定、伊達は岩川の顧問弁護士・吉岡(穂積隆信)に何かを言い含められている様子。おまけに彼の妹・俊子(北村優子)は岩川の息がかかったナイトクラブで歌っていた。そして会田の顔を見るなり極度に怯えた伊達の妻・英子(北林早苗)。確かに怖い顔だが無論それが理由ではなく、彼女は「男」と「警察」を恐れているのだ。 服役中のチンピラ・佐川(高林謙)のヘタレな様子に、彼が幹部殺しのホシではないと直感した会田は、英子が事件の鍵を握っていることを確信する。事実、岩川組に拉致され、暴行されかけた英子が幹部を刺殺、その口止めに、伊達は岩川組に便宜を図るよう強要されていたのである。 自らの犯した罪に慄きながらも夫の立場を思い、何も言えずに心身ともに追い詰めらている英子に会田は自首を勧め、猛反対する伊達に「あんたは自分の体面しか考えていない!」と言い放った。かくして岩川の公判当日、伊達はありのままの事実を述べ、岩川と吉岡を糾弾。夫婦そろって会田に手錠を掛けられたが、その顔はどこか清々しかった(昭和ブルースは4番) *特捜の刑事に目をつけられた、と吉岡に話す伊達さん。そんなもんくらいで、と鼻で笑っていた吉岡だが、彼の帰宅後に「あの会田が…!」と顔色を変えてボスに電話するのが笑えた。会田、人気者だ(そうなのか) *その人気者の会田、今回もバイオレンス風。陸橋から落とされそうな勢いで締め上げられ「なっ、なにするんだ!」と怯えるチンピラにひとこと「事故死だよ!」 *英子さんが怯えたのは、会田が岩川組の幹部と瓜二つだったからか?などと想像してしまったが、幹部は似ても似つかぬ人相だった。なんとなく残念。
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2008,06,13, Friday
昼と夜の巡礼(1971年・S46・1月8日〜29日OA:全4回)CX 21:30-22:26
原作:黒岩重吾 脚色:大野靖子 出演:栗原小巻、天知茂、菅原謙次、河村有紀、入川保則、山形勲 【企業の株買占めの裏を描く】(以上、朝日新聞縮刷版より引用) *原作を読んでみた。 天っちゃんの役どころは謎の証券会社社長・島健次。「断崖の上に立って冬の冷風に耐えている凄絶な男に思える」と称されるような、やり手だがどこか影のあるキャラクターに、不倫相手が失踪中でなにかと孤独なヒロイン・葉子はくらくらっときてしまう。実は島社長は妻子持ちなのだが、奥さんがとある事件をきっかけに精神病院に入院、その彼女のために女性断ちしているストイックな一面を持っており、その凄絶なロマンチストぶりを知ってますます惹かれてゆく葉子。同じことの繰り返しのようでいて、うまく収束したといえるラストで読後感もまずまず。
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2008,06,09, Monday
#145「兇悪のM16自動小銃」(1976年・S51・8月5日OA)
銃弾で蜂の巣にされた若い男の死体が川から発見された。使用されたのは命中率抜群の米軍仕様の銃・M16自動小銃と判明。インターポールに依頼され、1年以上前から傭兵部隊の日本支部の存在を追っていたらしい会田(天知茂)は、一課の橘(渡辺文雄)に渋い顔をされながら事件に首を突っ込む。 まもなく2人目の蜂の巣死体が上がり、容疑者として谷口竜治(郷?治)が逮捕された。竜治はある組織の元傭兵で、8年越しの恋人・菊地真理(安西マリア)と暮らすため、脱退の条件として仲間を処刑し(=ひとり目の蜂の巣)自由を得たばかりだった。だが組織は彼に罪を着せようと、わざと次の裏切り者を彼の居場所の近くで処刑したのだ。 2人目が竜治の犯行ではないことを見抜いた会田は彼を逃がして匿い、組織の実態を聞き出そうとする。組織のことを話せば1人目の処刑のことを打ち明けざるを得なくなるジレンマに陥った竜治は(真理に自分の所業を知られたくない男心も手伝って)なかなか口を割ろうとはしない。そのうち、真理が組織の連中に拉致されかけ、護衛していた坂井(宮口二郎)が件の銃で撃たれ負傷。会田は右田(左とん平)を組織の居城らしきクラブに潜入させ、支配人のヘンリー・権田(五味竜太郎)にさんざん脅しをかけると、自らを囮に黒幕を洗い出そうとする。 しかし潜伏先のホテルで狙撃されかけた竜治が逃げ出してしまった。急ぎ真理の喫茶店に向かった会田は組織の連中と銃撃戦になり、真理が負傷するが、竜治の出現で場は収束。逃げるのはもうやめて、と懇願した彼女の後押しもあって今度こそ黒幕の名前と所在を聞き出すと、会田は後の処理を橘らに任せて黒幕・藤堂大三郎(潮万太郎)の元へと車を走らせるのだった(昭和ブルースは1番) *橘班長さんとの相変わらず味のあるやり取りにニヤリ。(橘)「今どこにいるんだ!」(会田)「日本国内だ」には吹き出した。なんだかんだいって班長さんにちゃんと連絡入れてあげてる会田が微笑ましい。 *それにしてもインターポールから極秘依頼、って、会田凄いな(というより矢部さんが凄いのか) *右田が潜入したクラブにいた外人(黒人)の傭兵さん、「悪魔のような美女」で真由美コレクションになってプルプルしてた人と同一人物だろうか?(チェックしなおすほどではないがちょっと似ていた) *冷房がないという特捜部屋でシャツを着崩しながらトランプなんぞしている坂井&右田のところへ、寸分の乱れもないパリッパリスーツ(と髪型)で現れる会田。しかもなんだか匂う(香る)らしい(←「男の身だしなみさ」会田談)
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2008,06,07, Saturday
#144「兇悪の孤独」(1976年・S51・7月22日OA)
藤丸商事の手形パクリ事件を捜査中の会田(天知茂)は、レストランで旧知の女性・柏木節子(葉山葉子)と再会した。節子はかつて会田が四課にいた頃に殉職した先輩刑事・柏木の一人娘。妻子ある男性と道ならぬ恋を続けている彼女には孤独の影がつきまとっている。翌日、パクリ屋・恩田(高野隆志)の焼死体が発見された現場で再び節子を見かけた会田は、彼女のマンションを訪ねた際、妙な少年が外をうろついていることに不審を抱く。 少年の名は竹沢宏(川代家継)、近所で続く連続放火事件の犯人だった。節子に落し物のコンパクトを届けに来た宏は、死体があった現場で彼女と一人の男を見たのだという。非難するでも強請るでもなく、ただ人に言えぬ秘密を持つ孤独な者同士が寄り添うように親密になるふたり。しかし、節子の不倫相手で恩田殺しの実行犯である垣沼利夫(柳生博)は、「あの晩のことは誰にも言わないから、彼女(=節子)を幸せにしてやれよ!」と甘っちょろいことをいう宏がうっとおしい。 放火容疑で捕まった宏は会田たちの取調べを受け、垣沼をおびき寄せることに同意したが、節子の関与には黙秘を続けた。会田は節子のマンションに向かい「僕も人の心は分かるつもりです。いや、分かるように心がけているつもりです」と彼女の良心に訴えかけ、落としの名人だった先輩の娘を自白させるに至った。 大株主の工藤栄之助(竜崎一郎)の命によりわざと自社の手形を恩田にパクらせ、欲を出した恩田を殺した垣沼は、目撃者である宏を抹殺しようとし、特捜部の手で逮捕された。自分の寂しさを、間違った男で埋めていた。そう自嘲する節子に会田は言う。 ――そんな思いを埋めるのは他人じゃない。自分しか、ないんじゃないかな。 (昭和ブルースは1番) *またまた会田のモノローグ付き(原点回帰?)。「ボク」という一人称が聞けたのは珍しい。 *第3シリーズで同僚になる柳生さん、前回(#70「兇悪の秘め事」)は被害者だったが今回は悪人。リバーシブルな人なのね。
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2008,06,06, Friday
#143「兇悪の愛と友情」(1976年・S51・7月15日OA)
なんとも微妙な柄が散りばめられたシャツとラフな青ジャケットの会田(天知茂)は、親友の麻薬取締官・佐伯辰雄(根上淳)と共に金庫破りの真っ最中。麻薬組織を追い、シップチャンドラー(=船舶納入業)として潜行捜査に携わっている彼等は、金庫の中から目当てのスヌーピー(の中の割符)を奪うと退散した。 取引に赴くには3千万の現ナマが必要。佐伯の助言に従って、会田がバー“ナルシス”のママ・由美(珠めぐみ)に金の無心をしたところ、由美は父・島村圭介(郡司良)に5千万借りて、そのうち2千万を私に貸して頂戴と条件を持ち出す。了解した会田は、担保がわりに“愛と友情のシンボル”・ガーネットの指輪を受け取った。 ところが金を借りてきた途端、事務所(“サンライズ・カンパニー”)に脅迫電話が。「奥さんを預かった。5千万用意しろ」会田はむずかる佐伯に5千万を渡し、自分は空手で取引先へ向かう。だがいくら待っても相手は来ず、おまけに佐伯の妻・友子(榊ひろみ)は無事であることが判明。そして佐伯が、顔を撃ち抜かれた無残な焼死体で発見された。 佐伯宅を弔問に訪れた会田は、仏前で生あくび&死んだ金魚にエサをやるなどの友子の不審な挙動に眉を顰める。だがまずは消えた5千万の行方を追い、見るからにそのスジの輩を使ってあくどい組織を率いている島村を詰問しに向かうが、手下に待ち伏せられボコ殴りされて失神。気がつくと、偶然通りがかったという由美に(なぜかご丁寧に上半身脱がされ、ピンクのおしぼりを額に乗っけられて)介抱されていた。 ――偶然の闇の中で、俺をあざ笑っている奴がいる。 不可解な偶然が続くことに、会田は苛立ちを隠せない。 事務所に帰ると、友子からの電話。受話器の向こうの不穏な雰囲気に急ぎ佐伯宅へ向かった会田は、そこで彼女の絞殺死体とテープ(リール)の切れ端を発見する。先日の様子から、友子がヘロイン中毒ではないかと踏んだ彼が書斎を探すと、案の定、未使用の白い粉袋が見つかった。事件のカラクリが読めてきた彼は、会いたいというメッセージをリールの切れ端とガーネットの指輪と共に置いて去る。 夜、事務所へ現れたのは死んだはずの佐伯だった。ミイラ取りがミイラになってしまった彼は、会田を騙して金を工面させ、脅迫電話を自作自演して先に取引相手を殺し、ヤクと金をまんまとせしめていたのだ。禁断症状で苦しむ佐伯を見兼ねて自ら麻薬を打ったという夫想いの妻が良心の呵責に耐えられず会田に告白しようとしたところを発作的に絞殺してしまった佐伯。「どうか俺を裁いてくれ!」そう叫びつつ誰かを庇っている様子の彼を「カッコいいこと言うな!」と突き放し外へ出た会田は、自決の銃声を耳にして静かに目を閉じるのだった。 そのころ、会田のワンマン捜査が気が気でない一課の橘(渡辺文雄)は、由美に会田の正体をバラすという、ちょっとそれはマズいのではな行動に出ていた(ジェラシーですか班長さん)。ほどなくして県警に会田宛のたれ込み電話が入り、橘たちは島村邸から麻薬を回収する。 一方、由美と会田はムード満点に乾杯中。お姫様抱っこでベッドへ由美を横たえた彼は、宝石箱から、ここにあるはずのないガーネットの指輪を取り出して突きつける。黒幕は由美だったのだ。佐伯を操り父親の麻薬組織を乗っ取ろうと画策した彼女の唯一の誤算、それは「心底あなた(=会田)を愛してしまったこと……」。 ――会田さんの胸で思いっきり泣いてみたい。 それを実現させた由美を前に、会田は手錠を握り締めながら暗い目を彼方へ投げていた(昭和ブルースは4番) *会田のモノローグが付く、第1シリーズ風のハードボイルドなストーリー展開。会田がいちいちキザでカッコいい(お肌は肩の方がちょっと荒れ気味だけど、ってどこをみとるんだ)
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2008,06,01, Sunday
#142「兇悪の擬装工作」(1976年・S51・7月8日OA)
東南アジア開発計画で多額の裏金を用意、シェアを広げたとされる北亜開発の営業部長・岡本英彦(小倉雄三)の死体が川から浮かんだ。警察上層部は事故死で処理、矢部(山村聡)と橘(渡辺文雄)が苦い顔をつき合わせていた特捜部屋へ「警察を見損なった!」と激しい勢いで突っかかってきた男に、会田(天知茂)は興味を覚えた。 男の名は東都新聞の記者・速見強(川地民夫)。死んだ岡本の親友だったという彼は他殺の証拠を握っているというが、他殺と自殺の区別もつかない“給料泥棒”には教えられない、と取り付くしまもない。しかし会田が上層部の命令を無視して捜査を続行しようとしていることを知り、徐々に心を開いてゆく。 速見の協力で、事件の鍵を握る総会屋・深尾(高木淳一)を拘置所から強引に誘拐、ボコ殴りした会田は、彼の口から裏金問題のカラクリを知る。社長・若月(森塚敏)の姪を妻に持つ岡本は会社の犠牲にされたのだ。そして金にモノを言わせた黒幕は、政界とも繋がりを持つ大貫泰造(浜田寅彦)という人物だった。 公務執行妨害と誘拐容疑でブタ箱入りになった会田だが、深尾が拘置所内で毒殺され、部下の身を案じた(に違いない)矢部部長が「特捜の切り札(=会田)がいなければ勝負できない」云々と上層部に掛け合ってくれたおかげですぐに釈放された。身代わりともいえる深尾の死にショックを受けた会田は、黒幕たちへの憎悪をたぎらせる。 会田と速見の次の手がかりは、若月社長の秘書・津村理恵(生田悦子)。かつての恋人・岡本から出世のために別れ話を切り出された理恵の愛憎半ばする思いに訴えたふたりに応え、融資依頼書のコピーを持ち出した彼女だったが、若月らが雇った連中の手により転落死させられてしまった。そして、ペンで挑もうとした速見は記者の命ともいえる利き手を傷つけられて入院、会田もまた、彼らに車で連れ去られ暴行を受ける。 かろうじて逃げ帰った会田がぱりっぱりにキメ直して速見の病院に駆けつけると彼の姿はなかった。TVの生中継に飛び入りして、若月と大貫の悪事について訴えかける速見。その決死の声は途中で中断されたが、彼の想いを汲んだ会田は大貫の出版記念パーティーに乗り込み、本性を現し銃を向けた彼の額に鉛の弾をぶち込むのだった(昭和ブルースは4番) *ペンを武器に闘う記者との対比ゆえか、普段以上に腕力に訴えていたバイオレンス会田。さすが「潰される前に潰す」が人生訓だけのことはある(←特捜が潰れたらどうするか、と矢部さんに問われたときの回答) *こんど(理恵さんの死が)事故死にされたら休暇をとるよ、とヤル気をみせた橘班長、ラストも「撃つのもうちょっと待ってくれりゃいいのに。逮捕状とってきたのにさあ」とでも言いたげに、でも会田の行動にも理解を示している様子が伺える表情が相変わらず良い味だった。 *前回からレギュラー入りした浮田刑事(松山英太郎)と仲良く将棋指してる坂井刑事(宮口二郎)。右田との関係もそうだが、顔の割にはなぜかいつも相手にしてやられている姿が可笑しい。
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2008,05,26, Monday
#141「兇悪犯指名手配」(1976年・S51・7月1日OA)
落石に巻き込まれた囚人護送中のバス。人一倍兇悪な面相の黒崎鉄次(今井健二)は警官と囚人を皆殺しにした挙句に逃走した。彼の行き先は、ボス・赤根(近藤宏)のいる港町。自分の居ぬ間に情婦・さつき(峰洋子)を地元の黒幕・白石豪造(高木均)に与え、さつきを自殺に追いやった赤根たちに復讐をするためである。 さて、その港町では、アロハシャツ&格子柄スーツ(胸にはもちろん金鎖)のいかにもな男(=会田:天知茂)が、さつきの勤め先だったピンクショーに姿を見せていた。彼女によくしてもらったという悠子(川崎あかね)の部屋を借りた会田は、そこで黒崎の来るのを待つ。生死にかかわらず黒崎を捕獲せよ、が今回彼が受けた特別指令なのだ。 その夜、赤根組のチンピラが刺殺され、会田は黒崎がすでにこの町にいる事を知る。 血に飢えた一匹狼――奴のけものみちは、俺には判るような気がする――。 同じく一匹狼の会田の勘は、黒崎の潜伏場所を探り当てた。しかし、相手もまた彼の存在に気づき(さすが兇悪顔が酷似しているだけのことはある)、悠子の部屋で待ち伏せて殴り倒した。この“泉田健一”(会田の財布に入っていた偽名の名刺)が赤根に雇われた殺し屋だと思っている黒崎は、こいつはこっちで始末してやるざまあみろと赤根に最後通牒を突きつける。 当然そんな殺し屋のことは知らない赤根&白石サイドだが、彼らの側にもひとり、関東から来た怪しい男(松山英太郎)がいた。これはきっと、我々のシマを根こそぎ奪おうとする関東連合の差し金に違いない、そう勝手に解釈した彼等は男を捕える。 悠子と仲間の女たちのおかげで会田は難を逃れ、悠子に撃たれながらも白石邸に向かった黒崎を、ナイスタイミングで駆けつけた坂井(宮口二郎)と共に追いかける。坂井によると、内偵していた特捜の浮田刑事からの連絡が途絶えたのだという。「君はそのなんとかっていう刑事を救出しろ」 そう命じて(でもなぜか会田とずっと一緒に動いてる坂井さんと)屋敷に駆け込むと、既に黒崎は自分の復讐を遂げた後だった。女たちからろくでもない男だと怖がられ蔑まれていた黒崎は、会田の銃弾に倒れた後、愛しい女の名前を呼びながら笑みさえ浮かべて死んでいった。 無事に脱出できた浮田刑事(=松山さん)に特捜の掟(というよりオヤジ=矢部さんの手法)についてひとくさり先輩面して語ると、会田は港町を後にした(昭和ブルースは1番) *会田(いつものスーツ以外)と黒崎(=今井さん)は結構キャラが被ってて思わず間違えそうになった。だから会田、途中から(ヤクザなのに)いつものストライプスーツにしたのか?(違) *なぜか港町に綾さん(岸田今日子)が居合わせて(ムーミンパパ=高木さんを訪ねていたのでは無論なくて、友達がいたのだそう)会田とばったり。「偶然って、メロドラマだけじゃないのね」 なんだか最近、会田クンが愛しくて仕方がないらしい綾さんは、単独捜査中の彼が心配でたまらない様子だった。
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2008,05,25, Sunday
紳士淑女協定(1963年・S38・10月9日〜 12月25日OA:全12回)CX 21:45-22:15
原作:岡田教和 出演:園井啓介、天知茂、谷幹一、田中邦衛、熊倉一雄、三原葉子 放映リストはこちら *「キザふうおしゃれが身についたスター」(週刊平凡1963年11月28日号)だの「すっとんきょうな探偵」(週刊平凡1963年12月19日号)だのと噂になっていた探偵モノ。 あらすじに載っていた名前から察するに、圭介=園井さん、茂=天っちゃん、谷=谷さんだろうが、「宮地」は果たして茂の苗字なのかどうかは不明。それからおそらく、初回あらすじの「探偵事務所長の葉子」は三原葉子さんではないかと思われる。葉子ねえさんの下で働く、キザでおしゃれですっとんきょうな探偵の天っちゃん。すごく見てみたい。 ※(2009.9.4追加)週刊TVガイド 1963.10.11号より 【銀座を舞台にしたコメディー】
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