2006,03,28, Tuesday
「旗本ハイジャック」(1981年・S56・6月16日OA)
歌舞伎の助六みたいな格好で街を練り歩いては豪遊三昧の、札差(ふださし:主に旗本に対して蔵米の換金やら金貸しを行う商い)・大口屋のぼんくら主人(市川好朗)に眉を顰めながら、叔父の番頭(=今回の極悪人)は自分の息子を旗本に据えんと裏で腹黒いことを画策している。 一男一女を持つ善良な旗本・石見に目をつけた番頭は、医者と結託して病弱な妻にと法外な値の薬を売りつけ(妻は結局助からず死去)、困窮したところで金を貸し渋り、金が欲しくば息子・一之進を廃嫡し、自分の息子を娘の婿に迎えて跡を継がすように脅迫(つまりこれが「旗本ハイジャック」)。 石見は突っぱねるが、孝行息子の一之進少年は自ら廃嫡されようと望み、馬鹿正直にも番頭にその方法を尋ねに行く。辻斬りでもしなさい、とアドバイスを受けるも拒否(当然だろ)、「それじゃ商人の俺と対決して負けるというのはどうだ?」とタカビーな番頭の息子に挑発されるが、腕を折られて負けたのは番頭の息子だった。大事な息子を疵モノにされた番頭は、用心棒を集めて一之進少年を襲わせるが、突如現れたやたらと強い素浪人に蹴散らされる。雨宿りの際に一之進少年と出会い、彼の聡明さに感銘を受けていた新さん(天知茂)だ。 事前に元締めから「札差の悪行を正せ」とかいう実にアバウトな指示を受けていた新さん一味は、大口屋にターゲットを絞る。・・・のだが、なにやら悠長に構えているうち、ブチきれた番頭が、医者を遣って石見家の人間すべてを薬殺してしまう。あまりに非道な展開なのだが、それでもなお「(番頭をヤるには)確証が必要だ」と慎重論を唱える新さんは正直じれったい(ここらへん、天っちゃん自身の性格か?)。けなげな一之進くん、無駄死にしちゃったじゃないか! 薬殺計画を聞きながら黙っていたぼんくらな助六主人を問い質し、ようやく証拠を掴んでから新さんは渚さん(坂口良子)と一緒に(←これは今までに無いパターン)闇を斬りにいく。札差を廃業して僧門に入る助六主人と会釈して別れる新さんでエンドマーク。自主的に廃業した札差は大口屋だけだった、というナレーションが入るので、その実話を元に作った話といえないこともないが、なにやら後味の悪い話だった。
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2006,03,28, Tuesday
「大岡越前」(1970年・S45・3月16日OA)
放送禁止用語のせいで地上波で再放送がされなかったらしい幻の第一話。本放映時はさすがにまだ生まれてないので見たことがなかった。 伊勢・山田奉行だった若き忠相(加藤剛)と紀州大納言(=当時)・吉宗(山口崇)とのひと悶着。それが原因で江戸へ還される忠相と、彼に従う親友の医師・榊原伊織(竹脇無我)。鳶の伊三郎(中村竹弥)との遭遇。両親(片岡千恵蔵&加藤治子)や懐かしい人々(大坂志郎&土田早苗)との再会。そして吉宗から下された命とは・・・。 いやもう、みんな若くて美しい(凛々しい)のなんの。特に清廉潔白を絵に描いた様な忠相と、友思いの熱い血がたぎっている伊織のコンビは眼福極まりない。でも何か物足りないんですけど、と思っていたら、40分あまり経ってようやく真打が登場した。世間の「忠相バンザーイ」な喧騒を他所に黙々と仕事をこなす、かみそりとあだ名された敏腕の与力・神山(=こうやま)左門(天知茂)。与力なので袴履きです。朱房の十手がまぶしいです。落ち着き払ってえらそうです。 神山さまは冷たすぎますよ、と同心の源さん(大坂志郎)に突っ込まれた左門さまはアップになって(画像参照)重々しくのたまう。 「与力というものはな、お奉行に仕えるのではない、奉行所に仕えるのだ。たとえ奉行に万石の大名がこようと、俺の仕事は変わらん。それが、俺の覚悟なのだ」 か、かっこええ!(すみません理性とんでます) クールなキャラを保ったまま、お奉行様の初お白州を背後で見つめる左門さまだったが、忠相の手腕の鮮やかさに「ほお、なかなかやるな」って顔して、「でしょでしょ、私が言ったとおりでしょ?」と嬉しそうな源さんと目配せしあう場面は微笑ましかった。
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2006,03,22, Wednesday
『スター毒殺事件』(1958年・S33)
フィアンセの真理(万里昌代)を自分と同じ世界に誘ったばかりにライバルにまんまと奪われてしまう映画スタア・上原城二(天知茂)。真理ちゃんとの幸せシーンでの眉根に締まりのない天っちゃんはその軽いしゃべくりと相まって、良いひとを演じていても胡散臭さがそこはかとなく漂ってしまうのが難点。ご本人は同期の高島氏や宇津井氏のように青春映画で爽やかな二枚目を演じたかったが叶わず、ふてくされたこともあったらしいが、彼のオトコマエ振りというのはそういうシチュエーションでは生まれ得ないということを周りの人たちが分かっていたのは幸いだったかもしれない。最初の胡散臭い存在の軽さはどこへやら、人を殺めてから先がすこぶる活き活きしてくるひとなんてザラにいないだろう。 「真理は僕のものだ・・・いやだ、いやだ、いやだあああ!」泣くわ絶叫するわ、もすこし落ち着けよ城二!と肩を叩きたくなるようなパラノイアぶりにはびっくりだ。とうとう混乱の中で最愛の真理ちゃんを殺してしまい(ネタバレすみません)「僕も真理と一緒に死ぬんだ!」とか言って亡骸をお姫様抱っこ(←またもや)して車に乗せて逃避行を始めたのに、警察に追われるといつのまにか亡骸を置いて「僕は逃げなければ!」とサバイバルモードになってるあたりはらしくて笑えたが。とにかく逃げなくちゃ、は条件反射なのか? とことんまで追い詰められて(ここらへんまた艶っぽさMAX)、最終的にいかにもピストル自殺しそうな状況になったところで、「真理がいないのに逃げたって仕方がない。せめて罪を償おう」と言って自主的に投降するラストは少々肩透かしだった(そういや「自殺する天っちゃん」というのはまだお目にかかったことがないが*1)。真理ちゃんの元に行くんじゃなかったのか君は。 『暁の非常線』はどうでもいい人たち(失礼)のハッピーな様子でエンドマークだったが、虚無感溢れる表情の城二で締められていたのは、後味は悪いとはいえ(別に天っちゃんの顔が後味悪いという意味ではない)満足だった。渡辺宙明氏の音楽も要所要所を盛り上げていて聴き心地がよかった。 追記:好きよ好き好き城二さん、と恋女房よろしく世話を焼いてくれる女優役で、ぐぐっと色っぽくなった三原葉子ねえさんが出ているのだが、彼女には実につれない天っちゃんだった。 追記2:下記DVDのジャケットは良いとして、このポスターはシリアスな雰囲気をぶち壊しじゃないのだろうか(実際こういう格好してたけども) *1:『怒号する巨弾』で見ました(2006.4.1)
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2006,03,21, Tuesday
「三つの命を持つ男」(1981年・S56・6月9日OA)
今回のターゲットは火事を自演して油の値段を釣り上げている強欲油問屋&レイプ魔の馬鹿息子(堀内正美)。コトの最中にうっかり娘に死なれてしまった馬鹿息子を救うため、油問屋が賄賂をさげて田沼ジュニア(原田大二郎)に泣きついたところ、刀傷沙汰を起こしてその罪で牢に入るよう勧められる。殺人なら死罪だが、刀傷沙汰なら遠島で済むからだ。しかも牢内でわざと火事騒ぎを起こし、解き放ち→刻限に戻ってきて所払いに減免、というセコイ方法で命拾いする馬鹿息子(だから「三つの命」か)に、闇狩人たちの怒りが爆発する。 死んだ娘の家で情報収集してくる渚さん(坂口良子:馬鹿息子を殺るのも彼女)、髪結いに化けて女囚たちに可愛がられつつ牢内の馬鹿息子の様子を探ってくる安斉さん(山城新伍:強欲油問屋殺しも担当)、潜入のため髪結いの練習をしに行って逆に渚さんに切り刻まれ、あげく安斉さんに先を越されてしまうお笑い担当の哲三(三浦浩一)と、他のメンバーは見どころが均等にあったのだが(隠密わんこですら尾行に活躍していたのに)、肝心の新さん(天知茂)の出番がいまひとつなのが残念だった。朝もはよから隠密わんこに起こされたり、強欲問屋お抱えの用心棒たちをなんとなく挑発したり、馬鹿息子の出方を推理しつつちょっとズレたり、どう突っ込んでいいのかわからない(いや別に突っ込まなくてもいいのだが)地味さ加減なんだもの。 ただ、ラストの立ち回りで「ハハハハハハ!」と意味なく明智笑いしながら紫頭巾で登場したのだけが印象に残った。出番のしょぼさに高笑いするしかなかったというわけですか新さん。
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2006,03,14, Tuesday
「親の涙は血の涙」(1981年・S56・6月2日OA)
凄腕だが仕官のクチ探しに苦労している子連れ浪人(土屋嘉男)が、田沼の息がかかった殺人集団・般若党(般若のお面を被ってアンチ田沼の要人を消しまくる連中)にスカウトされた。まだ幼い息子・新之助のため、図らずも悪事に加担してゆく浪人。 息子と顔見知りになっていた新さん(天知茂)は、良からぬことに巻き込まれているらしい父親の傷の手当なども甲斐甲斐しく(?)こなしたりなんかして、貧しくともまっとうな道を歩むようさりげなく諭すのだが、般若党の次のターゲットが自分たち闇狩人の総元締め・松平定信(出番はなかったけど沖雅也)宅と知り、阻止せんと討伐に向かう羽目に。 決行時、「旦那、無理しないでくださいね」と新さんに声をかける闇狩人の紅一点・渚さん(坂口良子)が珍しかったが、般若党のパトロンやその背後にいる黒幕を単独で殺しにいく彼女や安斉さん(山城新伍)の方がむしろ大変そうだった。新さんなんて、素顔で般若のお面に圧勝してるんだから大丈夫に決まっているじゃないか。 自分に何かあったら息子の身の振り方を決めてくれ、とパトロンから貰った前金をごっそり親切な近所の素浪人(=新さん)に預け、安心して死地に赴いたはずなのに、当の本人が「…闇を、斬る!(チャキーン♪)」なんて恥ずかしいセリフと狂四郎スタイル(=黒の着流し)で自分たち般若党の前に現れるもんだから、父親の動揺はいかばかりだったろう。「金で魂を売るな!」→「息子が心配してるぞ!」→「新之助の元に帰ってやれ!」面被ってても正体バレバレなんだぜ、とでも言いたげに徐々に具体的になってくる新さんの言葉も耳に入らないかのように(「つーかアンタ、息子と金を託したのになんでここにいるんだよ?」と心の中で突っ込んでいたせいなのか)、斬りかかる父親。 勝負は一瞬で決まった。鮮血したたる新さんの刃の向こうで「貴殿に斬られて本望だ・・・」と呟き、浪人は息絶えた。座頭市vs平手造酒テイストだが、ちょっと待ってほしい。余命いくばくもないわけでなし、あれだけ新さんが見逃してやるってジェスチャーしてんだから、息子のためにも生きのびるのがフツーじゃないのか父親。新さんも条件反射みたいに斬るなよ! ラストは朝の長屋。父親の分まで朝餉の用意をしているあまりにけなげな息子の姿を戸口から垣間見て、形見らしき印籠すら渡し損ねてそっとその場を去る新さん。石畳をひとり歩く背中には昭和ブルースが色濃く滲んでいた(預かった金はどうしたんだ、などと下衆なことは突っ込んではいけない)。 ところで今回の隠密わんこ・火山は、元締めの兼子さまからの文を届けたあとぐったり横になっていた。どうやら熱があるらしい、ということで、なにか話に絡んでくるのかと思ったのに全く無意味だった。構ってほしかっただけなのか火山よ。
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2006,03,12, Sunday
『恐怖のカービン銃』(1954年・S29)は、タイムリーに世間を騒がせていたカービン銃ギャング事件の顛末を忠実に再現した映画で、主犯・大津を演じているのが23歳にして初主演の天知茂。
本編約46分の短さの上に淡々とドキュメンタリー・タッチで話が進行するので(しかも天っちゃんを含めて皆セリフ回しが軽いので)地味な印象は否めないが、特に逃亡生活に入る中盤あたりから、天っちゃんのただならぬオーラがむんむん漂ってくるのが見ものだった。 無防備に畳に大の字になりながら、欲におぼれた相棒たちに向ける虚無的な瞳。愛撫するかのようにカービン銃に優しく這わせる華奢な指。相棒に裏切られボコボコにされ、憤怒に燃え上がる形相。追い詰められるほど零れ落ちるこの妖しい色気は何なんだ。 共に逃避行する愛人・みさお役が、後にお色気路線で大活躍する三原葉子ねえさんなのだが、当時はまだ垢抜けないぽっちゃりさんなだけに、天っちゃんの艶っぽさの方にばかり目がいってしまった。意外に掘り出し物。 ・・・そして初主演作から3年後、天っちゃんは立派な色悪に成長していた。 『暁の非常線』(1957年・S32)での役柄は、表の顔は親分の娘(三ツ矢歌子)目当てに跡目を狙う若き幹部、裏の顔は皆殺しの銀行強盗と、どちらにしてもワルな馬島(まじま)政吉。楯突く者はガンガン消しまくり、保身のためなら子分であろうが情婦であろうが、はたまた好いていたはずの親分の娘であろうが容赦なく切り捨ててしまう、半端でない極悪非道ぶりには感動すら覚えた(小柄な体にぶかぶかの背広、相変わらず少し浮わついたセリフ回しには目をつぶるとして)。 悪事が警察にばれ、ギリギリまで追い詰められてからも笑っちゃうくらいしぶとく逃げる馬島。窮地に追い込まれれば追い込まれるほど醸し出される天っちゃん特有の色気がここでも健在だ。しかも追いかける側の人たち(『地獄』の沼田さん等)が精細と鋭さを欠いているので、そのまま頑張って逃げのびちゃえよ馬島!と密かに応援したくなった。 しかし悪は滅びるのがお約束。クライマックス(goo映画掲載のあらすじはちょっと違うんじゃなかろうか。足をケガしたのは自分でトラックから転げ降りたからだ。ちなみにこっちはどうでもいいが、クラブの名前も「マンダリン」ではなく「モナコ」)で、過去の亡霊に怯えてどうしようもない小物ぶりを露見させ、馬島は自滅する。情けない天知茂、というレアなものまで拝めてなかなか眼福。 親分の娘の周辺人物が集まってめでたしめでたし、なエンディングは、個人的には不要だと思った。馬島で始まったんだから馬島で終わってやんなきゃあ浮かばれないだろう(天っちゃんが)。 2作とも無駄なBGMが一切なく(もしかして予算の関係?)、緊張感に溢れていたのもまた良し。 追記:『暁の非常線』でも「お姫様だっこをする天っちゃん」発見。生涯で何度やったのか数えたくなるなあ。
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2006,03,08, Wednesday
『女王蜂の逆襲』(1961年・S39)
鬼怒川温泉の元湯を巡るいざこざに一肌脱ぐ、東京・桜組のお嬢、タマミ(三原葉子ねえさん)。どこからともなく現れて彼女を救うのが、カウボーイ・ハットのスカした色男・無鉄砲のマサ(天知茂)。元湯の権利は悪い奴らから取り返せるのか?・・・はこの際どうでもいい。ザコを片っ端からなぎたおしーの、三味線片手に都々逸を唄いーの(けっこう上手い)、浴衣のまま寝床で芸者のとんぼ姐さん(池内淳子)といちゃいちゃしーの、粋な着流し姿を披露しーの、な天っちゃん29歳の実に嬉しそうな(もう眉毛なんて下がりまくりの)ハチャメチャ振りを堪能する映画なのだこれは。インディ・ジョーンズか君は、と突っ込みたくなる彼の「正体」も面白かった。 新東宝はたしかこの年(1961年)に倒産するので、撮影当時も状況は相当やばかったとは思うのだが、正月映画だし、何もかも忘れてパーッと景気良く撮りましょうや!ってな現場の和やかな雰囲気も感じられる。・・・たぶん新東宝がずうっと続いていたら、天っちゃんは冷酷な悪役だけでなくこっちのコメディ路線でもイイ線いってたかもしれない(小粒でも)。そう思うと残念だ。
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2006,03,07, Tuesday
「女体にひびくオルゴール」(1981年・S56・5月26日OA)
按摩の安斉さん(闇狩人のひとり・山城新伍)の馴染みの女性、おむらさんが、借金のカタにとある悪徳医者に連れて行かれる。幕府お抱えにならんと画策する悪徳医者は、毒針使い(蛾次郎←いつものアフロで登場)を使って邪魔者を消したり、田沼のドラ息子・意知(原田大二郎)に自分の薬で調教した女を送り込んだりしている外道で、彼女は次のターゲットに選ばれたのだ。 医者宅で良い服を着せてもらい、南蛮のお茶(コーヒー)を勧められたりオルゴールをあてがわれたりで至れりつくせりのおむらさんだが、なんとか彼女を救い出したい安斉さんはリーダー(天知茂)に相談する。しかし今日の新さん、「その女(=おむらさん)、ただの(ゼイタク好きな)雌猫かもしれんぞ」などとひどくつれない。 あげく、単独行動のせいで医者の用心棒たちに奥さんをかどわかされてしまう安斉さんに対しても「いくら愛した女でも、俺たちの秘密を知られたなら容赦なく斬れ」とか言っちゃうし(まあ一緒に助けに行ってあげてたけど)、ラストの立ち回りで悪徳医者を成敗した際、「人殺しぃ! アタシのこれから、どうしてくれんのよお!」と叫んで番屋へタレ込みに行かんとするおむらさん(←結局彼女ってばメス猫だったらしい)を背後からばっさり斬り捨てちゃうし、いつものほんのりオトボケ新さんが非情のライセンスと化していた。前回のことで女性にコンプレックスでも持ったのか新さんよ。それとも出番が少ないので情念の嵐が暴発したとか? こんなに新さんばっかり目立っちゃ他の連中の立場がないよなあ、という展開もどうかと思うが、今回のように前半ほとんど出番がなかったりすると、見ているこっちがつまらないことが判明。・・・しかし半裸の女性に蝋燭攻めとか、「お前は誰だ!死んだはずだぞ」「ふっふっふ(べりべりべり←横からマスクを剥がす音)」ってなどこかで見たようなシーンが盛り込まれていて、そういうところは思わず笑いが漏れた(さすがに「マスクべりべり」を天っちゃんがするわけではなかったが)。 ところでいつも、ゆるゆるな女性の歌声にのせてわんこと新さんの春夏秋冬プロモーション映像みたいなのが流れるエンディングになるとなんだか体中の力が抜けてしまうんだが・・・いつになったら慣れるやら。 *かといって天っちゃんの歌声が流れたら余計に力は抜けそうだが
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2006,03,07, Tuesday
『君は海を見たか』(1971年・S46)
あと数ヶ月の命と宣告された我が子の運命に煩悶する父親・増子一郎(天知茂)。もともと生活感のない天っちゃんだから余計に、仕事一辺倒で家庭を顧みなかった男の不器用な愛情表現がリアルで切なさを増長。家に帰って背広を脱いでカーディガンを着るとか、休日は軽装で釣りに行くだとか、「パパはな、」という物言いだとか、そういうなんでもないシーンがこれまた新鮮だった。 息子が二十歳になったら、一緒に酒を飲んで、彼女が出来たという話を聞いてやって・・・彼があり得ない未来を想像するくだりに、そういえば天っちゃん自身がそういう経験をする前に死んじゃってるかもしれないんだなあと、なにかしんみりしてしまった。まあ下戸だから酒は飲めなかったろうけど。 余談だが、息子を救わんと奔走する一郎が向かった大学病院の教授役が中村伸郎@「白い巨塔」の東教授。イヤミなインテリ具合がまさに東教授っぽくて「お前はいいから財前を出せ」と言いたくなった(しかしここで田宮がいたら鴨井&しょぼくれの漫才が始まるかも←それは犬シリーズ)。
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2006,03,04, Saturday
『眠狂四郎無頼剣』(1966年・S41)
無差別テロを画策する非情さの裏で幼き者への優しさをも併せ持つ知恵者リーダー。その上狂四郎の十八番である円月殺法まで繰り出すという、あまりに目立つ白装束の敵役・愛染(天知茂)に、雷蔵サマが嫉妬したとかしなかったとか。クライマックスの対決シーン(そして最期)は何度見ても引き込まれます。
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| 映画::大映with市川雷蔵 | 11:54 PM | comments (x) | trackback (x) | |