2009,01,17, Saturday
「自供の背景」(1965年・S40・3月12日OA)TBS 21:30-22:30
出演:本郷功次郎、天知茂、影万里江、河津清三郎、野川由美子、北沢彪、富田仲次郎、江見俊太郎 *社会秩序の守り手である検事の活躍を描いた1時間シリーズ(原作:高木彬光、大映テレビ制作)。本郷さんや藤巻潤さんが検事役みたいなので、ゲストの天っちゃんは裁かれる(自供する)側か、どこぞの凶悪刑事のようにどつきまわして自供させた側か、そんなところかもしれない。ちなみに最近ではテレビ東京系列で「捜査検事・近松茂道(無論“もどう”ではなく“しげみち”と読む)」として高橋秀樹主演でドラマ化されている模様。 (2009.7.18追記)*週刊TVガイドより記事引用 作:長谷川公之、監督:富本壮吉*予想をはるかにこえる展開だった…。ただ、明彦は今の地位が惜しくてウソの自供をしてたのか、それとも(密会写真が送られてきたり、インチキ業者を入れてたりといったことから)社長の座も社長の娘も放り出して邦代ちゃんと一緒になりたくて一連の計画をたてたのか、そのあたりの真相はよくわからない。 *わざわざ天知茂と野川由美子がゲストである、と強調しているのは、当時ちょっとだけ2人が噂になっていたから(「孤独の賭け」でデビューした野川さんの面倒を天っちゃんがよく見てあげていたせいで邪推されたらしい)かもしれない
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2009,01,14, Wednesday
雲をつかむ男 #24〜#26(終)(1964年・S39・11月13日〜27日OA)CX 21:45-22:15
出演:(#24)長門勇、天知茂、大木実 (#25)長門勇、小山明子、天知茂 (#26)長門勇、大木実、小山明子、天知茂、香月美奈子、渋沢時子 (#25のあらすじ) パチンコ業界も伸び悩み、弱気になってきた金太郎に、綾子は“娯楽の殿堂”を造れと強く勧める。(以上、朝日新聞縮刷版より引用) *日本のパチンコ王・庭子金太郎(長門勇)の半生記とのこと。たしかパチンコ発祥の地は名古屋だったように思うので、後半でいきなり出てきた天っちゃんはもしかすると金太郎氏の御同輩かなにかで、お得意の名古屋弁でもしゃべっているのだろうか…?(と楽しく想像)
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2009,01,13, Tuesday
アスファルト・ジャングル #21、#23-#26(1965年・S40・8月26日〜9月30日OA)NET 22:00-23:00
出演:高城丈二、天知茂、根上淳、広瀬みさ、ロミ・山田、野川由美子 (初回4/8の記事)(以上、朝日新聞縮刷版より記事引用) *出てると思っていなかったが、後半の数話に名前が載っていた(友情出演の類?)。#23のあらすじからすると、牧の味方っぽい「国吉」=天っちゃんではないかという気がする。しかし原作にはそういう名前は出てこないのでどんな役なのか不明。 *(2009.9.2追記)8月26日付朝日新聞大阪版夕刊にあらすじが載っていた。 #21あらすじ: 国選弁護人として徳次の弁護を引き受けることになった国吉と協力して頑張る牧の姿を描く。(上記の「勇次」=「徳次」だと思われる) 同枠の次回作「悪の紋章」で主役を張ることになった天っちゃんの顔見せとしての出演、とみて間違いなさそうだ。
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2009,01,12, Monday
「暴かれた禁男の園」(1983年・S58・11月1日OA)
時は(2話分ほど)流れ、51歳で6代将軍・家宣が死去。お喜世の方(いしだあゆみ→江波杏子)は剃髪し、月光院を名乗ることになった。だが彼女の魔性は治まることはなく、剃髪式の際にも、母にすがろうとする鍋松君を膝に乗せた間部詮房(“越前守”に出世:天知茂)と粘着気味の視線を絡ませていた。 やがて鍋松君は7代将軍・家継に。まだ5歳ゆえ、ほんの近所にある東照宮の御霊屋への参拝も「母さまと行く〜!」と駄々をこねる始末だが、御霊屋は女人禁制。土屋相模守(林彰太郎)たち老中は間部にお守を押し付け、将軍を参拝させなかったらお前が責任を取れと、彼の蹴落としを図ろうとする。しかし、子供ウケする間部は家継を抱っこして平然と御霊屋へ現れ、「御前にておわす。お控えめされい!」と老中たちを一喝、頭を下げさせるのだった。 ある日、月光院の右腕として大奥を仕切っていた絵島(神崎愛)が主人に呼ばれてみると、あろうことか月光院は裃姿の男(=間部)の胸に身体を預けていた。しかもそのあと「わらわは今夜、越前と臥所(ふしど)を共にします」と高らかに宣言した月光院は、間部と自分との浅からぬ関係を語り(中の人が違うので回想映像は無し)、彼の夢を果たしてやった自分には何も残っていないではないか、だから今からは女(おなご)として生きようと思う、好もしい男とふたり、互いに肌と肌を合わせ喜びを分かち合う、これ以上の喜びはあるまい、などと憑かれたように絵島に同意を求める。カタブツだが忠誠心の篤い絵島は混乱しつつも、襖の陰からじっと聴き耳を立てていた間部と月光院にOKを出さざるを得なかった。 …そして禁男の園の禁を破ってふたりはいちゃいちゃ、その声を聞きながら少女時代のトラウマが蘇り心乱れる絵島。一方、大奥建て増しの便宜を図ってもらいたい栂屋善六(北町嘉朗)から賄賂をもらった交竹院(田中明夫)が年寄・宮路(加茂さくら)と結託、御法度だが黙認されている芝居見物に絵島を誘いだし、あの生島新五郎(田村亮)に引き合わせる。そこへ、絵島の色紙を貰いたかっただけなのに宮路に足蹴にされてキレた松永弥一郎(河原崎長一郎)が訴状をしたため、間部に敵愾心を燃やす秋元但馬守(綿引勝彦)がそれを取り上げ、間部追い落としのために絵島の失脚を画策せんとし、かくして絵島生島事件は幕を開く…というところで「続く」。 *出番は前半だけ(しかもセリフは数語)にも関わらず、相変わらず濃厚なオーラを放っていた間部越前守。月光院さまとのラブシーンは意外と地味だったが(下半身責めがお得意らしかったが)「お控えめされい!」の時の勝ち誇った表情のブラックさは際立っていた。あの表情はこの役ならではだろう。
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2009,01,06, Tuesday
「女帝への階段」(1983年・S58・10月11日OA)
#27のダイジェスト(むろん湯浴みシーン含む)で開始した今回。間部詮房(天知茂)の狙い通りに西の丸の殿様・徳川家宣(露口茂)は、他の女人とは一味違うお喜世(いしだあゆみ)に一目でぞっこん、めでたく彼女は寵愛を受けるようになる。 明けて正月、5代将軍綱吉が逝去し、家宣は6代将軍に。綱吉に重宝された柳沢吉保(かなり無理のある老け役:あおい輝彦)は家宣に呼び出され、間部&新井白石(山村聡)の特捜師弟に挟まれた状態で、生類憐みの令の廃止を告げられる。抗っても前後の凶悪視線に射抜かれてはなすすべもなく、せめて落髪したい、と申し出たときには既に家宣(と白石)は退出した後。それは順番違い、先に職を辞すべきでしょう私ならそうしますなあ、などとうそぶく間部に、「いずれお手前にも失脚の時が・・・底なしの落とし穴が…それ、すぐそこに待ち受けているやもしれぬぞ」と捨て台詞を吐くしかない吉保だった。 だが未だ権力に未練のある吉保は、男子・大五郎君を産んで以来上様の足が遠のきヒステリー気味のお須免(自分の側室の従妹:松本留美)と共謀、かつてのお喜世の腐れ縁・文次郎(峰岸徹)を利用して、彼女の過去を上様に暴露せんと画策する。相変わらず小物の文次郎は、吉保子飼いの才蔵(遠藤征慈)に唆され、お喜世に濃厚な恋文を書くよう言われてホイホイその通りにするのだが、謎のコワモテ侍・助川(宮口二郎)にバッサリ斬られてあっけなくお陀仏。助川が恋文を届けた殿様は、誰あろう間部その人だった(特捜部恐るべし)。 まもなくお喜世が懐妊した。身辺保護のため、家宣ゆかりの根津御殿行きを勧めた間部は「心に夜叉を」「この闘いに勝ってこそ、天の頂きに上ることができるのです」と彼女を叱咤激励。大五郎君は(虚弱ゆえ)お世継にはなれません、そう言い切る間部に、お喜世は恐ろしさを感じる。 そんな折、間部と白石を連れた家宣が根津御殿を訪れた。「間部をどう思う? 政(まつりごと)一筋で、おなごには全く関心がないらしい」家宣の言葉にここへきたあらましを思い出しながら「つまりません、女に興味のない殿方なんて…!」と言い切り、それでは(間部が)気の毒だと言う家宣にストレートに愛を告げるお喜世。翌日、白石と歓談中に物乞いに打ち掛けを与えたことを(白石が仲の良い間部に言ったらしく)厳しく間部に諌められ「そなたには心というものが欠片もないのでしょ、キライ!私は上様が大好き!」と必要以上に煽ったお喜世だが、よろめいた彼女を咄嗟に抱き止めてくれた間部の半ば理性のたがが外れかかったような視線をもろに浴び、言葉とは裏腹の自分の想いを見られた気がしたのか、なんで今さらそんな眼をするのよ!と腹立たしくなったのか、思わず間部をビンタしてその場を去る。一瞬驚いた間部だが、次第に諦観してゆくその表情はどこか満足気でもあった。 月満ちてお喜世は鍋松を出産。輝くばかりの“お腹様”となったお喜世の参詣の様子を垣間見た父・玄哲(長門裕之)は、奇しくも境内で瞽女となった出奔妻に巡り逢った。娘とは正反対の人生を送りながら悔いはないという彼女に、どちらの道にも仏はいる事を噛みしめる。 その頃、お須免の産んだ大五郎が風邪をこじらせて死去、お喜世が一服盛ったのではとの憶測が流れた。間部を問い詰めるお喜世。「そなたが殺したのですね」しばらく沈黙してから否定する間部(沈黙長過ぎ)を信じることにした彼女は、我が子のため、今こそ心を夜叉に、鬼になると誓う。そのために、そなたのことも特別な殿御からただの家臣とみなします、そう宣言して去る完成品のお喜世を、間部は万感の思いで見送るのだった――(お喜世を思わせる咲き誇るハスの花と共にセフィニ〜♪) *ストイックを通り越してマゾ気すら感じてしまった間部のマイ・フェア・レディ物語、ひとまず完結。彼に敗れてみじめに去った柳沢吉保に未来の姿がオーバーラップしつつも(あれほど惨めではなく、むしろ最後まで壮麗なんだが)、野望を達成した姿に拍手。 *聡さん演じる新井白石とは直接会話シーンはなく、裏で仲良くしてんだろうなと想像するしかないとはいえ、宮口二郎さんを加えた強力タッグがなんとも非ライ的で嬉しかった。
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2009,01,06, Tuesday
「塵に咲く花」(1983年・S58・10月4日OA)
内蔵助以下の討ち入りメンバー切腹の報を聞き、悲しみに打ちひしがれる浅野邸で、TPOをわきまえない文次郎(峰岸徹)と慣れ合ってしまった女中のお喜世(いしだあゆみ)は、不興を買い屋敷を去る羽目に。1年半後、茶屋の女に身を持ち崩し夜の街を彷徨うお喜世に、鋭く艶やかな視線を注いだひとりの侍(天知茂)の姿があった…。 自分自身にも、煮え切らぬ文次郎との腐れ縁にも辟易しているお喜世は、父に貰った短刀を取り出し「いっそ殺しておくれよ」と詰め寄っている内にテンションが上がり、「死んで…!私も後で行くから…!」と抜き身を片手に文次郎を追い回し、隣の座敷にまで乱入。と、そこにいたのは先刻の侍。彼の並みでない眼力に、お喜世はハタと短刀をとり落とす。彼の名は間部詮房(あきふさ)、5代将軍綱吉の世継として西の丸に入ったばかりの徳川綱豊(後の6代将軍家宣:露口茂)に仕える、甲府藩江戸詰の侍である。 間部は七夕の夜、屋形船で星を待ち侘びしこたま酔い潰れていたお喜世のもとへも姿を見せた。「何をそんなに苦しんでいる…?」静かに問う間部に、「抱・い・て…」と呟くお喜世。だが間部は文字通りただ抱き寄せるのみで酔いを覚まさせると、もう一度武家の飯を食う気はないかと彼女を誘うのだった。 ――けがれた悲しみは川へ流すがいい。七夕の笹竹と共にな…。 澄んだ朝方の星を眺めながら、お喜世の心は揺れた。 お喜世の父はかつて侍だったが、ある理由から出家、玄哲(長門裕之)と名乗っていた。寺を訪れ、お喜世を御殿奉公させたいと許しを乞う間部を見た玄哲は、彼が娘に潜む魔性に迷ったことをズバリ指摘、彼女の母も男を惑わせる女で、間男と夜逃げ、それが原因で自分は仏門に入ったのだと告白した。だが、お喜世に惚れていることを正直に打ち明け、自分もそうなる(=頭を丸める)覚悟はできた上での願いだと間部は力説。お喜世は、間部の屋敷へ奉公することとなった。 妻も家族もいない間部には老女中だけが仕えていた。生花の出来栄えを褒める間部の優しい言葉に頬を染めるお喜世。彼は次に、酒と男を断てと注文した。さらに美しく、さらに気高くなるために――言われるまま行儀作法を磨くお喜世が彼の真意を理解したのは1か月後、今後は大奥に仕えよと言われたときだった。 主君・綱豊には正室の煕子(ひろこ:加賀まりこ)、側室のお須免(松本留美)らがいたが、学問好きの綱豊は儒学者・新井白石(山村聡)との勉学時間の方が大事らしいと踏んだ間部は、自分が大輪の花を咲かせたお喜世を大奥へ送り、綱豊の世継を産んでもらいたいと考えていたのだ。 男としての壮麗な夢をお前に賭けた、とまで言われたお喜世だが、間部を愛し、いつかはお情けを、との想いだけで精進してきた彼女にとって、それはあまりに辛い事だった。しかし、たまらず屋敷を飛び出し父の寺に戻ったお喜世は、玄哲の励ましを受けて再び間部の前に姿をみせ、大奥行きを承知する。彼の夢をかなえるために――。 *壮麗な野望のためには目先の情欲をストイックに自制してのける男・間部詮房。お喜世へ向ける、理性と感情がうねり合っているような視線がなんとも強烈だ。 *強烈といえば、「酒と男を断て」シーン。モチ肌全開で湯浴みしてるホの字の男に「男も断たねばな」と言われたお喜世、さぞや訳が分からなかったろう。…というより、なぜまた脱いでるんだ天っちゃん。 今回は誰もお色気要因がいないから俺が、とか思ったのか? モチ肌をぺったんぺったんしたくなったじゃないか!(←何もお喜世はぺったんしていたわけではない) *今回は一瞬だけツーショットになった程度だが、おそらく非ライ第3シリーズ以来、久々(3年越し)の山村聡さんとの共演。新井白石と間部詮房といえば、史実ではこの時代将軍を支えて活躍した最強コンビか。ナイスなキャスティングだ。
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2009,01,01, Thursday
リアルタイムで観ていた作品は、そのあとで何回観ようが当時の思い出が勝るので価値判断ができません。今観ると笑っちゃうシーンがてんこもりだとはいえ、当時はとにかくカラスが不気味で義眼の伊東四朗が怖くてパノラマ島ちょっと行ってみたいかも、なんてことを思ってたりして(人間花火を見損ねたのは悔しかったなあ)、お正月(2日)からめくるめく土曜ワイドの世界をじっくり堪能していた小学生でした。こんな番組をゴールデンタイムに3時間も放映していた80年代、やっぱり素敵です。
明智センセイの出番は意外に短いのですが、変装が2回あるほか、硫酸の池に落っこちて芸達者なところを魅せてくれます。ヒロインの姉となにやら深い関係があったようで、彼女そっくりのヒロインにも心を動かされている様子も見逃せません(表情動きませんけど)。 *芸達者といえば小池・コロンボ・朝雄氏。怪しさ満開の新興宗教の教祖をアノ声とアノ顔で熱演されておりました(そういや小池氏、天っちゃんと同年生まれな上に、同年に亡くなってるんですね)。 【明智先生ファッション劇場】:(話とOPが濃厚なぶん、相対的に地味めです)
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2008,12,30, Tuesday
#202「あゝ兇悪! さらば会田刑事」(1980年・S55・12月4日OA)
引退まであと6日と迫った矢部警視(山村聡)から、女子中学生・真山百合子(小野はるみ)が幸せに暮らしているかを調べろとの単独指令を受けた会田(天知茂)。「もし不幸せだったら、俺が引き取る」と言う矢部の真意を図りかねつつ彼女を尾行すると、物々しいボディガードに囲まれて百合子が帰宅した豪華料亭から、思いがけない人物が姿を見せた。15年前に1度だけ会った女(第1シリーズ初回参照)・真山由比(加賀まりこ)――かつて見逃してやった彼女が、百合子の母親だったのだ。 ボディガードは公安の連中だと矢部に聞かされ、おまけに「あの子はお前の娘だ」と言われて会田は驚く。あの時お前が由比を逮捕していれば生まれるはずはなかった、だから百合子は俺とお前の責任で生まれてきた子なのだと矢部は続けた。そんなとき、ボディガードの一人が事故死に見せかけて殺される。遺体安置所になぜか公安局長と共に姿を見せたのは、由比のパトロンで近頃羽振りの良い総会屋・秋山(田中明夫)だった。非常に胡散臭いものを感じ取った会田は「間接的な父親としてあの子を守る義務がある」と由比に会い事情を問い質す。由比はしらばっくれたものの、会田を本当の父かと問い「18歳になる3年後(1983年11月2日)、本当のお父さんからプレゼントが贈られてくるの」と無邪気に言う百合子は、なぜだか化学式を落書きしていた。 会田が忠実に暗記して帰った百合子の化学式(核酸)は、15年前に自殺した化学者・早崎の癖を踏襲していることが判明。“生化学者からみた食糧問題”をテーマにしていた早崎は突如蒸発、見つかった時は廃人同様で、ある夜夫婦で死んでいるのが見つかったのだという。以来、夫妻の8か月になる娘・真理子は行方不明になっていた。もしや百合子は「早崎真理子」なのではないか、そして「廃人」というキーワードから、かつてジャンキーだった由比が関わっているのではと推理した会田の元へ、またしても百合子のボディガードがディスコで刺殺されたとの報せが届く。 現場には捜査一課の橘(渡辺文雄)らがいた。“グレーの背広を着た目つきの鋭いがっしりした体格の60くらいの男が娘を連れて行った”との目撃者情報を聞き、会田はそれが矢部であると直感。はたして矢部は、会田のマンションに百合子を保護していた。少女の寝顔に安堵した会田だが、傍らの直筆メモを見て顔色を変えた。 「あの娘を守るために秋山と刺し違えるつもりだ 俺の身に万一のことがあったら 後はたのむぞ会田 真山百合子はお前の娘で 俺の娘だ しっかり育ててくれ 矢部」 尾けてきたらしい橘に百合子を託し、秋山邸へ急ぐ会田。しかし、一足遅く矢部は連れ去られた後だった。総理から真相を聞き、秋山に銃を突き付けた矢部だが、秋山と由比のどちらか一方でも死ねば事が公になると脅され、百合子を想って断念したのだ。会田のマンションでは押しかけた公安相手に橘が頑張っていたが、会田は由比から矢部の居場所を聞くために百合子を手放した。 明け方近くになって、河原に放置された車内に縛られている矢部をようやく会田は発見。だがドアを開けた途端、時限爆弾が時を刻み始めた! 「俺のせいだ…俺がドアを開けたからスイッチが!…俺がそのスイッチを!」 「違う、しっかり聞いてほしかったからドアを開けさせたんだ」 パニック状態の会田を諭すように静かに真相を語って聞かせた矢部は、それでも「イヤだ! 俺はイヤだ!」と駄々っ子のように繰り返す会田を「責任をとるんだ、会田!」と蹴とばして前へ進めさせる。放心状態で頷き、踵を返した会田の背後で、矢部を乗せた車は轟音とともに炎に包まれた。 白昼、公衆の面前で自己紹介するなり秋山を襲った会田は、書類のキーを手に命乞いする彼の額に弾をぶちこむと、その足で由比の元へ。15年前、真理子が貰うはずの“遺産”欲しさに早崎夫妻を殺し、真理子を百合子として育てたのは彼女と秋山だった。 「会田さん、今度こそ…本当に捕まえてよ」 百合子を母親として愛していた由比の気持ちに応えることを約束し、会田は彼女に銃を向ける。そして閑静な邸宅に、銃声が一発響きわたった。 矢部が死んだ場所で、「真理子=百合子」である証明書類を灰にする会田。真理子宛の父の遺産とは、食糧問題を解決する人間改造計画(腸を半分にして人間を小型化)のあらまし。人類を二分化しようと画策した秋山のような人物を出さないためにも、唯一の遺産相続者「早崎真理子」はこの世にいてはいけない。いたいけな15歳の少女に、そんな重荷を背負わせるわけにはいかなかったのだ。 「部長は事故死、秋山と由比を殺したのは、現職警官の三角関係のもつれ…」 橘は“会田の娘なら自分が面倒をみる”と百合子を預かった。西井刑務所の門前で、手錠姿の会田に「母さんを返してよ! あんたなんか…あんたなんか死刑になればいい!」と叫ぶ何も知らない百合子だが、ただ黙って頷いてみせた橘に微かな笑みをこぼし、会田は兇悪の門へと入ってゆくのだった(昭和ブルース新録1番の終了と同時に門が閉ざされ、「完」マーク) *「この俺に、悲しみを引きずりながらどこまでもさまよい歩けというのか――」(予告の台詞) 部長と会田、会田と橘の愛と友情ここに極まれりといった感の最終回。第2シリーズの最終話同様、橋本脚本はどこのSFドラマなんだ、ってな壮大な(荒唐無稽ともいう)スケールのテーマを扱っているものの、ぐいぐい引き込まれてしまった。 *ただ、この3人がやたら良い味を出す一方、あとの特捜部メンバーが完全に蚊帳の外。非ライは群像ドラマではないとはいえ、あんなぞんざいな扱いされるなら出てなくてもよかったんじゃなかろうか。というより、部長ったら可愛い会田さえいてくれればそれでよかったのねと思えばよいのか?(二人の子供も出来たし! ←茶化すな) *しかし、あのまま6日後に矢部さんが円満退職したら特捜部はどうなる予定だったんだろう…まさか会田が昇進? (ってことだけはなさそうだが) *(2010.12.8)本文中の「凶悪」を「兇悪」に変更しました(ご助言ありがとうございます) *(2010.12.9)秋山を襲ったのは「白昼」でなく「夜」ではないか、との質問をいただきました。株主総会が行われていたビル(ホテル?)内での出来事でしたが、射殺直前の画面で窓の外が明るいことを確認しました。矢部さん爆死が明け方、秋山射殺後に由比の所へ行った時もまだ明るかったので、時系列上からみても「白昼」の記述のままでも良いと判断します。 *(2010.12.9)矢部さん退職の日、カレンダーには「4」に○がついていた記憶があるので4日後では?との質問をいただきました。確認したところ、浦川(左とん平)が丸を付けたのは12月「8」日、そこから「いち、に、さん…」と「ろく」まで(12月2日まで)遡って数えていましたので、6日後ということにしました(放送日は12月4日なんですけども)。
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2008,12,29, Monday
#201「兇悪の誘拐・恐怖のカーテレフォン」(1980年・S55・11月27日OA)
女性からのタレこみ情報により、農協強盗殺人犯のひとり・須藤真澄(整形後が辻萬長)を追っていた会田(天知茂)と山路(柳生博)。路上で須藤らしき男を発見したのは良いが、車で逃げようとする須藤を車から降りて追いかけようとした会田と須藤の車に生身で体当たりしようとした山路の連携ミスのせいで(はないがそう見えた)女子高生が巻き添え死、おまけに車を丸ごと爆破してとっ捕まえた須藤は「もうすぐ大手を振って出て行ってやるさ」とあくまでふてぶてしい。 まもなく山路の元へ「娘を預かった」という脅迫電話が届いた。18になる純子(五十嵐知子)が、ボーイフレンドの良一(川代家継)と共に須藤の一味に拉致されたのだ。逆探知不可能のカーテレフォンから、人質と須藤の交換要求を出してくる石岡(大谷朗)ら一味。「あのとき、須藤の野郎、ぶち殺しときゃよかった…!」会田が兇悪極まりない台詞を兇悪な顔で吐いたところで後の祭りである。 我々はお前たちの要求を呑むことはできない、そう気丈に犯人に告げる山路も、上層部の“何があっても須藤は釈放しない(=人質は見殺し)”という選択に内面の苦悩を隠せない。拳銃つきつけてでも、と総監を諌める気まんまんの会田に経験者(第2シリーズ最終話「兇悪の終焉」参照)の矢部警視(山村聡)は「お前はどうしても俺をクビにしたいらしいな」と折れて再度の交渉に向かおうとしたのだが、そこへまた石岡から電話があり、なんと良一が国務大臣の孫であることが判明、上層部の指示は手のひらを返したように須藤釈放へと変わった。 須藤は大手を振って出て行ったが、人質は時間になっても解放されなかった。そもそもなぜ一味は須藤をそれほど必要としたのか――。会田は北里(小野武彦)と村井(高田洋)の協力で冒頭のタレこみ女性・井上英子(清水まゆみ)の居場所を突き止めた。英子が持ち逃げした須藤の鞄には、人数分の偽造パスポートと韓国への密航の割符が入っていたのだ。やがて須藤が仲間を連れ、出前に身をやつし英子を訪ねてくる。それを待ち構えていた会田の「5秒やる。死にたくなかったら喋れ」との脅しをせせら笑ったせいで須藤は本当に5秒で射殺され、びびった相方はアジトの場所を吐いた。 急ぎアジトへ向かった会田と山路だが、純子と良一は既に冷たい骸と化していた。石岡と残党(三夏伸・きくち=帰マン=英一)を射殺後、拉致され犯され殺された娘の亡骸を抱き寄せる山路に、会田はかける言葉もなかった――(昭和ブルースは新録2番) *非ライならではの非情クオリティで繰り広げられた山路さんの悲劇、なのだが、#13「兇悪の唇」で「肉親は妹しかいない」発言があったせいで急に降ってわいた娘(と奥さん)設定に違和感を持ってしまったのがマイナス。もっとも、今のメンバーで妻子持ちにできるのは彼しかいないからなあ。 *非情といえば、久々にギンギンに非情な会田が見られるのが特筆事項。ホントに撃っちゃうとは思ってなかった…でもそこまでしたのに結局人質が助からないのも非ライならではだ。
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2008,12,28, Sunday
妻こそわが命 「ピストン堀口」(1962年・S37・10月1日〜12月24日OA:全13回)
CX 22:15-22:45 作:藤本義一 演出:加藤哲夫 このドラマシリーズは、テーマを夫婦愛およびそれにまつわる親子、兄弟愛を描く。今夜は堀口の妻(稲垣美穂子)のけなげな愛情をドラマ化したもの。(以上、週刊TVガイドより引用) *これだけしか情報がなかったので、果たしてどういう役柄なのか、出番は#9しかないのか、すべて不明。もしかしてボクサー仲間…?(フェザー級だからアリか?)
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