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非情のライセンス 第1シリーズ #23
#23「兇悪のシャンソン」(1973年・S48・9月6日OA)

坂井刑事(宮口二朗)と共に一課の応援にいやいや出向く途中、会田(天知茂)は前方の車から投げ出された女性(長谷川稀世)を救助、ショックで記憶を失った彼女を引き取ることになった。会田宅の絵画(ムンクの「春」)に興味を示し、フランス語が読めた彼女が口ずさんだ歌が、竜巻太郎(左とん平)が前の夜にクラブで聞いてきた“今パリで流行っている日本の歌”と同じだったことから、会田はそのクラブ「シャンソン」に出向く。

クラブで妖しく歌っていたのはサリー丸山(特別出演:美輪明宏)。冒頭から件の彼女をずっとマークしており、会田のマンションに彼女を狙った銃弾が撃ち込まれた際にもさりげなく現れたハンチングの妖しいオーラの青年に良く似ている(というか同一人物)。

いまだ記憶が戻らない女性は、自分が組織の人間で犯罪を手を染めているのではないか、それで会田に迷惑がかかる(嫌われる)のではないかとの恐れから、医師が勧めるショック療法に消極的だった。「あたしがどんなに酷い女だったとしても、怒らないで下さいますか…?」不安気な彼女に会田は、誰でも忘れたい過去はあるが、忘れる代わりにわざと思い出すようにしている、今日一日を精一杯生きるためにと励まし、ショック療法を受けることを決意させた。

一方、坂井がサリーから手渡されたライターは、偽作の疑いで捜索されたフランスの画廊のものと判明。その画商・吉谷(植田灯孝)はクラブ「シャンソン」のオーナーだった。そして記憶を完全に取り戻した女性・外川恵美は、自分がパリで絵を学んでおり、勉強のための模写が贋作に使われていると知って帰国したのだと会田に告白した。贋作売買がばれるのを恐れた吉谷が、クラブの支配人・丸岡(五味竜太郎)とその手下A・B・C(山口暁・桐島好夫・畠山麦)を使って恵美を消そうとしたのだ。

実はICPOのはぐれ刑事(本名・丸山明男←名は当て字)だったサリーの活躍もあって一味は無事逮捕。別れを悲しがる恵美を「あんたとおれは住む世界が違う」と宥めた会田は、サリーと共に証言のためパリへ発つ(そしておそらく二度と戻ってこないであろう)彼女を空港で見送るのだった。
(昭和ブルースは4番)

*特別出演の美輪さんは衣装も特別(協力:君島一郎オート・クチュール)。ドレス姿は見慣れているせいか、男の恰好が印象的だった。

*坂井さんは読めないけど原書での画集の蒐集が趣味らしい。

*恵美がフランス語を解せることに驚いていた会田だが、ライターの件をフランス語で現地に問い合わせていた会田にこそ驚いた。

*ライダーマンになる前の山口さんとキレンジャーになる前の麦さんが会田たちにどつかれてるのはちと複雑。

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| TVドラマ(現代劇)::非情のライセンス1 | 11:53 PM | comments (x) | trackback (x) |
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