2006,07,28, Friday
『獣(けだもの)の剣』(1965年・S40:松竹)
安政四年十月、飯富宿に浪人平木弦之助がやって来た。彼は人材登用藩政改革の藩論を覆えせると判断し、城代家老山岡監物を斬った。だがこれは次席家老星野頼母の策略であった。……(goo映画あらすじ より) 弦之助(平幹二朗)ら下級武士のいる家屋にふらりと雨宿りに立ち寄り、他所では下積みの若い衆が藩論を改革しているそうだ、うちもお前たちが奮起して城代家老さえ黙らせれば改革が進むだろう、などと暗に家老抹殺をそそのかしたにも関わらず、口車に乗って家老を斬ってしまった弦之助に「馬鹿なことを。城代家老ひとりを殺しても藩論は覆るまい」と無情に言い放つ冷徹な策士・星野頼母(天知茂)。進退窮まっている弦之助とは裏腹に、のんびりお茶など点てながら顔色ひとつ動かさず知らぬ存ぜぬを決め込むあたりの冷血漢ぶりが実に絵になっていて、出番はあっという間なのに妙なインパクトがあった。 監督は五社英雄氏(シナリオも共同執筆)。弦之助メインの話に加え、藩のために働きながら藩に殺される薄幸の武士夫婦(加藤剛&岩下志麻)たちのエピソードも挿入されているのだが、弦之助がピュアな瞳を燃やして彼らの仇を討つあたりなどはどこか「無宿侍」を髣髴させてくれた(あれの原型か?)。主演が天っちゃんでも面白かったかもしれない。 *三原葉子ねえさんも十八番のお色気を取り混ぜながら熱演していた(天っちゃんとの絡みは無い)
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