2008,07,21, Monday
「男たちの詩」(1978年・S53・10月9日OA)
空港特捜部の鯉沼(中村雅俊)の友人・及川(堀之紀)が、政財界の黒幕・脇坂(内田朝雄)のチャーター機にセスナで体当たりしようとして失敗、爆死した。会社秘書だった彼の恋人は、脇坂が仕組んだ会社乗っ取りの犠牲となり、社長との無理心中を偽装され殺された、と及川は信じていたのだ。 無念の死を遂げた友人に代わって脇坂に鉄拳を浴びせようとした鯉沼だが、パリパリスーツの中年にぶっ飛ばされる。有無を言わせず彼を遠ざけて(←クビを救うための親切行為)脇坂に挨拶したその男は特捜部の上司である警察庁の三井係長(天知茂)。心中事件に拘る鯉沼の暴走を懸念した三井は彼を捜査から外そうとするが、加賀チーフ(鶴田浩二)から「捜査には怒りが必要だ。鯉沼を外すんならまず俺を罷免するがいい」などと舎弟キャラの弱みに付け込まれては引き下がるしかない。 事件のカギを握るパートのおばさんを執拗に付け回していた鯉沼は脇坂の罠に陥り、大事な証人を殺されたあげく容疑者に仕立て上げられた。同僚の立野(岡本富士太)と海原(高岡健二)が彼の無実を晴らそうと脇坂子飼いのヤーさん事務所で大乱闘、密かに事件を洗い直していた三井係長の神経(と眉間)を逆なでする。おまけに「自分に事件を預けて欲しい」という彼の切なる願いは、相変わらず頑固な加賀チーフにすげなく断られてしまった。 一方、三井の申し分のない経歴と部下に対するウケの悪さを調べ上げた脇坂は、格好のイヌを見つけたとばかりに彼に接触を図ってきていた。呼び出しに応じた三井は、心中事件の偽装を目撃したカップルの存在を土産代りに漏らすという、脇坂につくかのような言動をとる。早速カップル抹殺に動く脇坂配下の連中。しかし彼らの正体は特捜の梶(緒形拳)と紀子(片平なぎさ)、既に替え玉にすりかわっていたのだ。「裏切ったな!」詰る脇坂秘書(北町嘉朗)を「仲間だと思っていたのか。なめるな!」とキレイにぶっ飛ばした三井は、加賀チーフと共に脇坂逮捕に赴くのだった。 *初回以来の登場、しかもこれで出番はおしまいとはいえ、目立ちまくって存在感をアピールしてくれた三井さん。キレすぎて何を考えているのか分からんだの冷酷非情だのと評されるエリート係長だが、実は正義感が人一倍強くて仁義に篤い(おまけにやたらと手が早い)あたりが実に良い味を出していた。「三井くん」「加賀さん」と呼び合う加賀チーフ(鶴田さん)との名コンビぶりにも磨きがかかっていて(対立しながらも“あなたには勝てませんよ”ってな風に視線がふっと和らぐのが天っちゃんらしいと思った)、ラスト、脇坂逮捕にパリパリスーツ(と高い襟)で並んで歩いてくるカッコいい二人は必見。もっと出てくれたらよかったのに! *しかし非ライの刑事連中の平均年齢の高さに慣れているせいか、ぶーたれてばかりの若い刑事たちがうろちょろするのがちょっとばかり目障りなドラマでもある←所詮おっさん好き
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| TVドラマ(現代劇)::大空港 | 09:30 PM | comments (x) | trackback (x) | |