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闇を斬れ#2
「春風に泣いた血汐花」(1981年・S56・4月14日OA)

#1〜#3を見逃していた前回放映時、闇狩人メンバーがどういう絆でまとまっているのかが分からずもどかしい思いをしたのだが、どうも最初からうやむやではないのかという疑問が生じた。

隠密わんこ・火山が運んできた兼子様(尾上松禄)からの今回の指令は、市中を自分の足で見て回りたいという松平定信公(沖雅也)の警護。田沼の悪政を正すってんで仲間になったんだ、俺ァ定信なんざ知らねえぜ、と取り合わない安斉さん(山城新伍)と、私だって定信公なんか知らない、でも新さん(鳥居庄次郎あらため鳥飼新次郎:天知茂)のことは信じてるから協力するわ、と言う渚さん(坂口良子)&哲三(三浦浩一)が早速不穏な雰囲気。兼子様の言う打倒・田沼はすべて定信公のためであり、殿さま命の新さんも無論それに追随しているのだが、どうやら新さん、メンバーにはそこのところをはっきり説明していないらしい。ただ単に新さん自身がイイやつだからいっちょ一肌脱いでやるか、なボランティア仲間っぽいのだ闇狩人は(しかも「奥方になる人は自害しちゃって、お家は取り潰され、旦那(=新さん)には帰るところがねぇんですよ!(by 哲三)」と思いっきり同情されているリーダーってどうなんだろう)。

それはさておき、今回は最終話(#26)で重要な役割を果たすことになるおしのさん(松坂慶子)が登場。賄賂を嫌う心正しき米問屋の父は同業者に疎まれ、濡れ衣を着せられてスピード処刑。跡取りの弟・清太郎(佐藤仁哉)はしっかり者の姉に気後れしてか放蕩三昧、そこをつけ込まれてピンチに陥っている。

たまたま知り合った新さんとたいそう良い仲になっていたおしのさんはある日「刀の使い方を教えて下さい」と決死の表情で彼に頼み込む。身体を張って刀を教えた新さんだが、後日おしのさんがエイヤーと突きかかった相手はなんと定信公だった。「殿だけは斬らせるわけにはいかん。どうしてもというのなら、あなたを斬る…!」と新さん大慌てで愛しの殿をカバー。捕まった弟の命と引き換えに脅迫されていたおしのさんは、私いったいどうしたらいいんですかあと泣き崩れた(もっともだ)。

米問屋連中と勘定奉行が田沼ジュニア(原田大二郎)の意向によって米価釣り上げを画策、邪魔な定信とも懇意だったおしのさんの父を罠に嵌めたことが分かり(もっとも田沼ジュニアとの繋がりが見えないうちから「おのれ田沼め…!」と眉間を険しくしていた人が約1名いたが)、おしのさんが好みの顔だという理由だけで「俺も乗るぜ新の字」と安斉さんが加わって闇狩は実行された。

闇狩人の正体を知ったものは死なねばならない――メンバーはなあなあの関係なのにどこからそんな厳しい掟が飛び出してくるのか不明だが、図らずもメンバー全員と定信公の関係を知ってしまったおしのさんを成敗しようとする新さん、覚悟はできていますと眼を閉じた彼女に刀を振り上げる。

…血しぶきの代わりにハラハラと舞い落ちたのは、桜の花びら。「あなたはもう死人(しびと)だ」 粋なセリフと共におしのさんは救われた。いつか貴方がたのお仲間に…と言う彼女に、新さんは優しく頷くのだった。

*決め台詞「今の世の中真っ暗闇…その闇の世に刺す一条の光(キラン♪)…闇を、斬る!」初登場。どうしても「江戸の牙」の強烈なのと比べてしまうので地味さは否めない。

*「妻は死にました…私もその時死んだんです」そう言いながら嬉しそうにおしのさんに付き添って甘酒御馳走になってる新さん。そうですか死人だから何でもアリですか。

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| TVドラマ(時代劇)::闇を斬れ | 11:22 PM | comments (x) | trackback (x) |
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