2008,02,21, Thursday
#114「兇悪の超特急」(1975年・S50・12月18日OA)
1億円相当のヘロインが神戸から東京へ持ち込まれようとしていた。新幹線で神戸へ向かう途中だった会田(天知茂)と右田(左とん平)は、麻薬捜査官の荒井(藤巻潤)がターゲットと共に東京行きの「ひかり」に乗り込んだと知らされ、慌てて名古屋駅で列車を乗り換えた。 “敵”は複数で行動しているとの情報があり、それぞれ囮であったり殺し屋だったり、役割が決まっているらしい。ボストンバックを肌身離さず持ち歩く見るからに挙動不審な髭面の男は本当に運び屋なのか? 会田の隣席の女が持っている、必要以上に重いタヌキのぬいぐるみの中身は? そして冒頭、新神戸から飛び乗った殺し屋カップル(藤岡重慶&八並映子)が狙うのは誰か? 限られた時間の中、真相に迫ろうとする会田を筋肉弛緩剤入りの注射器(圧縮ポンプ付き)とスリ3人組が襲う・・・!(ミステリー仕立てなので結末は見てのお楽しみ:あっと驚く結末の後の昭和ブルースは4番) *実際に走行している新幹線内(お客はエキストラ?それとも本物?)での事件簿。明智センセイばりの推理力が冴える一方、あちこち走りまくり殴りまくり怒鳴りまくりの会田(女の子にもモテモテ)、「この俺が法律だ!」なんていうマイク・ハマーな台詞も飛び出すハッスルぶりだった(安静にしてなくていいのか、というより白血病設定は終わったのか!?) *乗り換えに1分しかない、と名古屋駅の階段を全速力(とはいえ律儀に1段ずつ上り下りしていたが)で駆け抜けた会田と右田。ぎりぎり間に合って「今後は特捜部にも実技に短距離種目を加える必要があるよ」ってなコメントを残した会田だが、そんなものがあったら不合格になるような気が(失礼)
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2008,02,20, Wednesday
#113「兇悪の美女」(1975年・S50・12月11日OA)
銀行を襲撃し、現金1億円を奪った学生グループ6人。だがリーダーの野村勝二(山本聡)は手榴弾のカウント途中に爆死、ひとりは追い詰められてビルから身を投げた。紅一点の半村ユミ(戸板順子)は、恋人・勝二の死の原因が、わざと誤ったカウント数を教えた堀内(堀勝之祐)ら3人にあることを知り、現金を隠して彼らの処刑を誓う。 金だけが目当ての3人はユミの自宅に押し入り、公開されたモンタージュ写真で自分の娘が犯人だと悟ったばかりの父・平七郎(中村竹弥)や母・静江(真味美枝)、結婚を控えた妹のマキ(君夕子)ら家族を恐怖に陥れた。やがて一家に押し寄せる残酷な世間の目。頻繁に掛かる糾弾(いたずら)電話に母はノイローゼ気味、マキの縁談は破綻、そして“娘は娘、私は私だ!”と気丈な態度を取っていた平七郎も、左遷めいた転勤を命じられて自殺を図りかける。 だが家族のユミを想いやる気持ちは強く、家に張り込んで彼女からの電話を待つ会田(天知茂)たちは「出て行ってくれ!」と非難される始末。特に、恋人を亡くした姉にシンパシーを抱き、その行動を正当化しているマキは姉の居場所を明かそうとしないのだが、そんな彼女に会田は「君の姉さんなど場合によっちゃ死んでもいい。しかしまた新しい善良な市民を巻き添えにするわけにはいかないんだ!」と熱く反論するのだった。 ユミは3人組をおびき寄せ共に爆死しようとしたものの、突然マキが現れたため形成が逆転、3人は姉妹を縛って時限爆弾をセットした。あと2分で爆発、という際どい瞬間、会田が飛び込んできて“素人がいじると大爆発だ”という爆弾のコードをちょちょいと引っこ抜いて2人を救出。のうのうと爆破の瞬間を見物しようとしていた3人組は警官隊のライトと兇悪な面相の会田に追い詰められ、手榴弾を投げ損なって自爆した(昭和ブルースは4番) *学生運動・モンタージュ作成に躊躇する銀行OLなど時事ネタも多いのだが、正直どこに主眼を置けばよいのか悩む作品だった。せめてタイトルが「兇悪の時限爆弾(手榴弾も可)」だったほうがしっくりくるのだが。 *歌入りOPテーマは、しゃべくりのある映像(今回は銀行襲撃シーン)が流れるとどうしても声が混じってしまうので、ちょっとおかしな具合である。
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2008,02,19, Tuesday
#112「兇悪のお母さん」(1975年・S50・12月4日OA)
荒川の土左衛門を横目で眺めつつ車上の人となった会田(バックミラーにぶら提げているファンシーなお人形マスコットは何なのか:天知茂)は、道路の真ん中にしゃがみこむ少女を発見、側の家まで連れ帰った。その夜、表札の氏名が先の被害者と同一人物であることを知った彼は家を再訪し、聞かれもしないうちからヒステリックにまくし立てる母親・安子(中原早苗)の様子に疑念を抱く。 会田は少女・民子(小谷真規子)を連れ出し、公園でボート漕ぎに興じながら事情を聞こうとするのだが、彼女は口を閉ざしたまま。もしや病気では、と山岸(大友柳太朗)に診せたところお前さんと同じ“愛情欠乏症”だと言われる。父性というより母性本能に目覚めたらしい会田、「俺たち刑事にはもうちょっとクールな心が必要だってことを忘れなさんなよ!」と民子を尋問に来た橘警部(渡辺文雄)からお株を奪うような捨て台詞を浴びながらも、けんもほろろに追い返し彼女を擁護する。 一旦は家に帰したものの、会田は民子が気になって仕方がない。そしてもう一度赴いた際、彼の不安は的中。裸のまま後ろ手に縛られ震えていた民子を救出しながら、会田は母親への怒りを募らせる。だが話せるようになった最初の言葉が“おかあさん”だった民子を見て、あんな母でも親は親なのだろうと思うと内心複雑だ。 民子が言葉を失ったのは、下宿人の土田(大塚吾郎)との濡れ場を押さえられた母が父を刺殺する様を目撃したせいである。土田に邪険にされ始めた母・安子はその鬱憤を娘への虐待で発散。挙句に娘の口封じと引き換えの逃避行を持ち出され、男を選んだ彼女は民子を山岸医院から拉致、手をかけようとする。そこへ飛び込んできた会田は、娘に出刃を突きつけ自省のかけらもない安子に発砲、駆け寄った民子を腕に抱きしめた。 「全くお前って奴は・・・!」苦い顔の橘警部に背を向け、会田は自身を納得させるかように言い切るのだった。あんな母親はあの子にとって必要ない、と――(昭和ブルースは2番) *このドラマならではのハードテイストの作品のひとつ。ほんとにいろんな意味で「全くお前って奴は!」な会田だが、彼だからこその決着のつけ方に唸る。でもこのあと民子ちゃんをどうするんだ会田よ。・・・それより気になったのは、民子ちゃんに会う前からフォロー一切なしで会田の車にぶら下がっていたお手製マスコット。そういうシュミなのか会田よ。 *久々に裸族なお目覚め(のあとコーヒー片手に新聞読んでる)シーンあり。サービス? *山岸先生、会田が愛に飢えているってことまで見抜くとはさすがだ。 *会田が民子ちゃんに与えた、赤い帽子でシマシマ服の「お母さん」人形、当時(←ほぼ彼女と同年齢)買ってもらった記憶が・・・(お腹を押すと鳴くんだ、確か)
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2008,02,18, Monday
#111「兇悪の三億円」(1975年・S50・11月27日OA)
1968年12月10日に発生した三億円事件の犯人は、学歴社会に押し潰された元・白バイ警官だった――。 時効が成立する3日前、関係者に挑戦状のごとく郵送されてきたのは盗まれた五百円札。だがそれでアシがつき、犯人・柿本昌夫(森次晃嗣)の所在が判明、一課と特捜部の面々は博多へ飛んだ。 今は廃虚となった故郷のボタ山に潜伏する柿本は、長い逃亡生活の果て、精神に異常をきたし始めている。彼の犯行を知ってしまった幼馴染の敏江(宮園純子)は、学歴偏重の警察機構、ひいては社会が彼を追い詰めたのだと会田(天知茂)に訴え、また一課の橘警部(渡辺文雄)は、柿本が現職警官だから、警官への信頼を裏切ったから許せないのだと心情を吐露(会田、今回は聞き役多し←「あんたは人情よりメンツが大事なんだな」など、言うことは言う)。 時効成立の当日。敏江は柿本と共に死のうと決意、薬をバッグにしのばせ仕事に出た。しかし彼女の願いは叶わなかった。犯人逮捕に燃える橘の望みもまた潰えた。なぜなら狂った柿本を自らの手で縊り殺したのは、彼らの父親たちの親友で、炭鉱事故でひとり生き残った鉄造(阿部徹)という老人だったのだから――(昭和ブルースは1番) *三億円事件と炭鉱の悲劇がシンクロし、人間の弱さがうまく表現されていた作品。はっきりいって会田がいなくても話は十分通じるのだが、こういう話は好きだなあ。 *エリートなんて一握りだ、学歴もない、出世の望みもない俺たち特捜部のような警官だっているんだ、と敏江に反論していた会田だが、どうも彼は見た目がエリートっぽいので(パリッとスーツとか、髪型とか←余計)説得力に欠けるようである。 *博多のスーツ店の店員に茶川一郎さんが友情出演。やはり茶ァさんはコミカルな役でないと。
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2008,02,17, Sunday
#110「兇悪の雨に濡れて」(1975年・S50・11月20日OA)
カエリタイ、カエリタイ・・・! たどたどしい遺筆をのこし、異国の娘は人身売買の餌食となって死んだ。会田(天知茂)は外国人女性を不法に売買する関東菱田会を捜索するが、なぜか捕まるのはザコばかり。どうやら“コケシ”と呼ばれる黒幕が事前に情報を得ているらしい。手入れの日時を知っていたのは自分と四方(葉山良二)だけのはずなのに、なぜ―。そこで会田は、待ち合わせ場所で四方が美しい女性・早苗(松本留美)と一緒だったことを思い出す。 早苗は四方の外事課時代の親友・黒木誠二(岡田真澄)の妹。黒木はある事件で四方を庇って銃弾を受け、車椅子の生活を余儀なくされていた。妹と二人、つつましい暮らしぶりの彼が身障者施設に巨額の寄付をしていること、菱田会の会計を受け持っていることを探り当てた会田は、黒木兄妹が四方を利用しているのではないかと疑い、関東菱田会の秘密会合に潜入した四方の後を追う。 会合場所で早苗の姿を見つけて驚く四方。やはり黒木が“コケシ”だったのだ。素性がばれた四方は(会田がけしかけたせいもあり)組員たちにボコボコにノサれるわ室内プールに放り込まれるわ散々な目に遭う。次は同じく捕まった会田の番か、という状況で菱田会ボスを人質に取った会田は四方を助け、黒木に対峙した。火を噴く3人の拳銃。――プールに沈んだ兄に駆け寄った早苗は「寄らないで人殺し!」と四方を非難。おまけに『わざと外したな』と会田に睨まれ(ってことは会田が人殺しなわけだがそれを彼女に弁明することなく)、四方は警察手帳を置いて姿を消した。 雨の夜。ハマで自堕落な生活を送っている四方を訪ねあてた会田は「彼女(=早苗)と結婚しろ」と強引に殴りかかり、カッとなった四方も彼をサンドバッグ代わりに。雨の中しこたま殴りあった末、会田が差し出した手帳を受け取った四方。二人の背後では、早苗が喜びの涙を浮かべていた。 翌朝、会田が見守る中、教会で式を挙げる四方と早苗。だが幸せの絶頂で、たぶん早苗ラブだったのかもしれない生き残りの組員(佐藤京一)の凶弾が四方を貫いた。命乞いをする男を問答無用で撃ち殺した会田は、泣き崩れる早苗を残し、悲しみを堪えて教会を後にするのだった(昭和ブルースは1番) *四方刑事殉職の回。葉山さんに華をもたせようと(?)いろんな趣向で四方メインに話が進んでいくので画面が濃い、のはさておき、唐突極まりないラストを含め、いろいろ詰め込まれすぎていてかえって散漫な印象を受けた。黒木との対決シーンをクライマックスに持ってきても良かったのになあ。 *ただ、特捜部で(部長を除き)唯ひとり会田にタメ口がきけて、よき相談相手でもあった四方さんがいなくなってしまったのはとても残念だ。(#9「兇悪の口紅」のナイスフォローが印象深い←会田はモンローシャツの回・#3「兇悪の序曲」を思い出していたが) *医学の世界は日進月歩だ、俺は決して諦めんからお前もちゃんと静養しろ!と山岸先生(大友柳太朗)にお説教されていた会田、薬も貰わず捜査に直行。しかし雨の中で殴り合っても平然としてたので、相変わらず元気そうで何よりだ。 *岩田刑事(岩城力也)にカミさんがいることが判明。この人ほんとにマイペースだな。
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2008,02,03, Sunday
#108「兇悪の情事」(1975年・S50・11月6日OA)
今夜は宿直でヒマなもんだから電話したんスけどね、という坂井刑事(宮口二郎)からのハタ迷惑な連絡(会田は静養が必要なんだよ、遠慮しろよ!)を枕元で受けた会田(ほんのりR指定:天知茂)は、矢部警視(山村聡)や一課の橘警部(渡辺文雄)らお偉方が深夜に雁首そろえて会議中との話に興味を示す。「こりゃ何かありましたよ、大事件が!」 好奇心旺盛な(出歯亀ともいう)特捜部の面々は早速一課をマーク、とあるモーテルで激しい暴行の痕がある女性の死体を発見した彼らが、遺体と現場に残されたいわくありげな外車を運び出すのを目撃した。秘密裏に処理されたこの殺人事件の謎を矢部部長の目を盗んで探っていくうちに、日本と関係の深い(らしい)アンドリアの一等書記官・ノンブル(ダン・ディピートロ)という人物が容疑者として浮上。だが彼はアンドリアの皇族で、大使である兄の所でのうのうと匿われていた。 ノンブルがクロだと知りながら外交官特権を前に引き下がらざるを得なかった上層部を非難する会田たちだが、一警官の立場ではどうにもできんのだ、と苦渋の表情の矢部部長にこの件から手を引けと諭される。会田はそれでもしつこく食い下がったものの、部長パンチでふっとばされるわ、おまけに体調も悪化してくるわで踏んだり蹴ったり。 「あとどれくらい持ちますかね」輸血がてら余命を山岸医師(大友柳太朗)に尋ねたところ、正直分からん、あと半年か3年か5年か、10年20年、30年以上生きられるとも限らん、と実に幅のある答えを貰った会田はそれならガンガン突き進んでやると思ったのか、バーに勤めていた被害者女性の同僚でベテラン格の真理子(杉本美樹)の協力を取り付け、ノンブルを大使館の外へおびき出す計画を立てた。 兄に釘を刺されていたにも関わらず、真理子からの電話でホイホイ会いに出かけたノンブル。少年時代、育ての母が日本兵に陵辱され殺された現場を目撃してしまった彼は、それ以来猟奇的な衝動を抑えきれないのだ。真理子を自分の別荘へ連れてゆき、ベッドの上で再び同じ過ちを繰り返そうとした彼を会田が(立ち聞きに熱中したのか微妙に遅れつつ)間一髪で制止、銃撃戦になりかけるも、一課の応援のおかげで無事逮捕。泣きが入ったノンブルに最後通牒を突きつけた橘警部と頷きあい、真理子とも別れた会田を待っていたのは、「特捜部を追い出されてどこへ行くつもりかね」――辛らつな言葉とは裏腹に温かい眼をした矢部部長だった(昭和ブルースは4番) *会田のえらそうな返答:「もうひとつ特捜部を作っていただくんですな」。矢部さんがいるのを見た途端、悪戯が見つかった子供みたいな表情をみせる会田がいい(このあと車まで歩いてゆき、会田がさっとドアを開けて矢部さんをエスコートするところも好きだ)。 *杉本美樹さんといえば池玲子さんの妹分(という認識でいいのだろうか)。脱ぎっぷりはさすがだが、どんなときも眼が笑わないクールなひとだった。 *眩暈、それにときおり脚が引きつることも、と初めて不調を訴えていた会田。てっきりノンブル逮捕のときになにか症状が出ちゃうのかとか、はたして矢部さんは知ってるのかとか、いろいろと想像を逞しくしてしまったのだが、そういう乙女なノリは禁物らしい。(ちなみに山口百恵の白血病ドラマ「赤い疑惑」がオンエアされたのが、同年のこれまた同じ10月から、という事実と、会田の白血病立ち消えの件は関連はないのだろうか?)
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2008,02,01, Friday
#104「兇悪の再会」(1975年・S50・10月2日OA)
おねーさんのむっちり脚と天っちゃんの歌声(「非情の街」)入りOPに気を取られているうちに公害企業反対組合のリーダーが駐車場で射殺され、たまたま通りがかった赤ん坊連れの若夫婦も巻き添えをくって死亡。現場でいちゃついていた山野(西田健)は犯人・黒崎(黒部進)の顔を目撃したが、不可解なことに後になって証言を覆す。そして山野も、坂井刑事(宮口二郎)と四方刑事(葉山良二)が張り込んでいる目の前でガス自殺に見せかけて殺された。 自分たちのヤマをさっさと一課に託すなど、最初からなぜかおとなしの構えの会田(天知茂)だが、「なんでヤマちゃん(=山野)を守ってくれなかったのよ、人殺し!」と恋人・伸子(=冒頭の生脚おねーさん:ジャネット・八田)にシャレのように張ったおされてスイッチが入ったらしく、黒崎のボス・大和田(天本英世)の事務所を急襲、黒崎ほか5人を血祭りにあげ、矢部警視(山村聡)に拳銃と警察手帳を返上した。橘警部(渡辺文雄)に過剰防衛の咎で逮捕され留置所入りとなった会田は、自分ひとりで責任を被るつもりが新聞沙汰になり、特捜部の存続も危うくしてしまう羽目に。 そんな折、会田の行為を正当防衛だと証言し彼を保釈に導いた人物が現れた。伸子と大和田である。大和田は「奪った手帳を返してくれ」と1000万を提示。会田が事務所で手に入れた手帳には、大和田たち殺し屋グループを差し向けた黒幕の大企業・帝都物産の名前が記されているのだ。俺も安くみられたもんだとお近づきの小切手を破り捨てた会田に大和田は刺客を差し向けるが、彼をマークしていた(助けたわけじゃない、とか言いつつ実にタイミングの良い)橘班長によって事なきを得る。 一方、伸子も同じ手帳を欲しがってきた。彼女が大和田に唆されていることを知りながら会田は手帳を彼女に手渡し、部長にまたしても拳銃その他を返却すると、大和田一派を振り切って帝都物産を強請りに向かった。帝都の総務部長が顔色ひとつ変えずに用意した5000万を「俺はこれでも刑事の端くれだから」と丸ごと伸子に譲った会田は、田舎へ戻ってかあちゃんたちにこれ見せてやるんだ、と涙ぐむ彼女の純朴さに笑みを漏らす。 しかしコケにされた大和田たちが彼らを許すはずはなく、ビルを出てすぐ二人は狙撃された。逃走中に現金入りケースを落とした伸子は、会田の制止を振り切りケースに駆け寄ったところを射殺された。丸腰の会田も左肩を撃たれてあわや、というところでまたまたナイスタイミングで橘班長さんらが現れ、殺し屋グループたちは一網打尽と相成った。 とはいえ、親玉の帝都物産は無傷のまま。会田に刑事グッズを返しながら、こうなったらとことん突き詰めてやる、そのためには人殺し(=会田)でも強請り(=会田)でも、戦力になるヤツは集めてやろうと思ってね、と俄然張り切る矢部部長。だが会田は「ありがたい話だが、俺はそれまで待てないんでね」とひとりごちると、拳銃を握り締めて帝都物産のビルを睨み付けるのだった(昭和ブルースは4番) *なんとなく大人しめかと思いきや、がんがん人殺しちゃったり2回も辞職宣言しちゃったり、どこか自棄になってるような今回の会田。ラストの「それまで待てない」というセリフといい、これはもしかすると次回(白血病カミングアウトの#53「兇悪の無実」)への伏線だったのだろうか?(それにしてはえらく微妙な・・・) *この回からしばらく(年末OAの#63「兇悪のデザイン」まで)OPに「非情の街」が流れる。会田同様、非情になりきれない揺らいだ雰囲気が良く出ている歌声である。 (歌詞を検索して来てくれる人のために↓) ♪薔薇は嘆きの花か 俺に良く似た花か 傷を抱きながら 強く生きてくために 棘もいるさ 咲いて散るのが花か 散ってばかりが俺か 運命(ほし)に身を任せ ひとり枯野を歩く 馬鹿な奴さ 俺が歩く 道はいつも 暗くて 遠い ←最後に付く「ん〜ん〜」がちょっとセクシー *天井が高くて外の眺めも良かった特捜部が、薄暗い地下の息苦しそうな部屋へと押しやられた回でもある。すだれを張ったウエスタン・ドアがちょっとしたアクセント。 *そしてさりげなく若い新刑事(谷刑事:新倉博)が交通課から配属されていた。伸子が大和田に襲われたとき、会田よりも先に助けに入っていたような気がするんだが、あまりにさりげないゆえに良く分からなかった(この先さりげなく消えているほうに100アマチ) *さすがに暑い時分はとっくりが着られないので、四方さんがブルーの背広&シャツ&赤ネクタイで登場。
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2008,01,22, Tuesday
#103「優雅な兇悪」(1975年・S50・9月25日OA)
新藤恭子(葉山葉子)29歳、シェルブール化粧品販売員。リッチな2DKマンションに小鳥ちゃん達と暮らす彼女を密かにマークしている会田(天知茂)と江沢刑事(江波杏子)も、彼女が犯罪に関わっているとは半信半疑である。しかしボスの矢部警視(山村聡)によると、新規ルートで入手した拳銃を所持していたヤクザの手帳に、彼女の名前と住所があったらしい。 やがて会田らは、恭子と上司の堂脇(玉川伊佐男)との不倫現場をつきとめる。やはり恭子は吉岡(江幡高志)という男から、不倫をネタに拳銃の運び屋を強要されていた。堂脇の子供を宿している彼女は彼に助けを求めるのだが、彼は関わり合いになりたくないと避ける。 会田が堂脇を揺さぶった直後から、頭上から看板が落ちてきたり部屋のガス管が開かれたりと、恭子の身辺に危険が迫るようになった。彼女を襲った犯人は誰なのか・・・吉岡、それとも?(ちなみに真夜中、ひとり暮らしのレディーの部屋にドアをこじ開けて忍び込んだのは会田) 恭子に付きまとう吉岡の背後にいたのは堂脇だった。彼女を運び屋に仕立て、足がつきそうになったらお腹の子ともども厄介払いして自分はちゃっかり出世しようとしていた堂脇に、会田は皆の面前で逮捕状を突きつけ、明智センセイばりに真相を語り追い詰めるのだった。 騙されていたと知った恭子は子供を堕ろし意気消沈するが、同じ会社で働き続ける勇気を見せた。君(=江沢さん)の言う通り、やっぱり女に悪い奴はいないんだな、とフェミニスト発言をした彼は、恭子に買わされたというオーデコロンをふんわり匂わせつつ(曰く「紳士の身だしなみさ」)、彼女のマンションを後にした(昭和ブルースは4番) *街に流れる音楽が♪港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ〜♪な時代に、月収35万円ってのは相当裕福な恭子さんである。 *実はさしたる確証もなく恭子さんの張り込みを命じていた矢部さんに会田、渋い顔。でも紅一点の江沢さんと張り込めて良かったじゃないか。 *次回からいろいろとテコ入れ(?)があるため、見慣れた特捜部の部屋はこの回でおしまい。
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2008,01,19, Saturday
#102「兇悪の金」(1975年・S50・9月18日OA)
国際的ギタリスト、にしては場末のクラブで細々と演奏中の沖達也(剣持伴紀)の裏の顔は闇ドルをさばく地下銀行組織の運び屋。今日もクラブの歌手・小枝子(鮎川いづみ)を隠れ蓑にラブホテルに向かい現金3千万をギターケースに収めたのだが、帰宅するなり2人組に襲われてあっけなく死亡、彼をずっと張っていた坂井刑事(宮口二郎)は苦労が水の泡となり渋い顔。 2人組の正体はムショ帰りの佐川鉄男(佐々木剛)と金井三郎(山崎猛)。小枝子の幼馴染の鉄男は、彼女の話から犯行を思いついたものの、ボクサーくずれの三郎がうっかり沖を殺してしまったせいで身動きがとれなくなった。組織のボス・岩佐(伊達三郎)から資金強奪の責任を押し付けられた松宮(中田博久)が事情を知る小枝子をつけ狙う一方、右田(左とん平)は彼女を護衛、そして鉄男の動きは会田(天知茂)がつかず離れずマークしていた。 世の中は金がすべてだとふてぶてしく言い切り悪びれる様子のない鉄男だが、紙をこよってバレリーナを作る(某SNSの「紙ナプキンでバレリーナを折る会」とかに入れそうな)繊細さと小枝子への純粋な愛情を垣間見た会田は、そんな彼の良心に賭けるように鉄男を泳がせる。 八方塞がりでイラついた三郎は金を独り占めしようとし、小枝子や鉄男ともみ合いに。ナイフを取り出し暴れる三郎に小枝子が切られ、劣勢になる鉄男。その様子を見て飛び出そうとする右田を会田は制止した。黒幕(=松宮)がおびき寄せられるのを待っていたのだ。かくしてギリギリのところで松宮が到着、地下銀行組織は根絶やしにされた。傷を負いながらも「私が悪いんです!」と必死に自分を庇う小枝子の姿に、金では買えないものの存在に気づいてしまった鉄男は、「金がなんだー!」と3千万を地面にばら撒き慟哭するのだった(昭和ブルースは4番) *#62「兇悪の星」に続き、今回も2号ライダー・佐々木さんはツッパリながらも会田になんだかんだと熱く励まされて(可愛がられて)良心に目覚める役だった。ちなみに宿敵・ゾル大佐(宮口さん)との直接的な絡みは無かったと思う。 *会田と鉄男がいたレーザーライフルの射撃場の名前が「レーザープレー・ゴルゴ」。グラサンかけて余裕ぶっこいている会田がデューク東郷チックではあった。 *右田刑事がさりげなく名セリフ:「あぶく銭は金じゃない。ただの紙っ切れだよ」 *エンディング、昭和ブルースをしょって歩く会田に蛇行するバイク3台が絡んできてなんだか危ないシチュエーションだった(むろん、避けたのはバイクのほうだったが)
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2008,01,17, Thursday
#101「兇悪の射殺命令」(1975年・S50・9月11日OA)
女が砂丘を歩いている。 歩きながら女は思い出す・・・5年前の忌まわしい出来事を。 自分を強姦した脂ぎった男の顔。 その男に銃を向けた夜の事。 多くの血が流れて。堕ちるところまで堕ちて。 ――だけど、あいつは生きていた。 ――だから、あたしは。 5年前に同僚を射殺、輸送中の金を奪って逃走した元警官・加西芳郎(茶川一郎)を追って鳥取に来ていた坂井刑事(宮口二郎)は、タイアップ先=皆生グランドホテルで会田(天知茂)を見つけて驚いた。これは俺のヤマなのに・・・とちょっとご機嫌斜めな後輩を、お前もう素性バレてるだろ、俺は俺で動くからなとさらっとかわす会田だが、部屋に戻ると誰かが彼の荷物を探った形跡が(あんたもバレてるよ)。冒頭の砂丘の女・坊城美和(嵯峨三智子)の差し金である。 元婦警の美和は5年前、自分を強姦した政治家の戸沢浩之助(潮万太郎)の車を狙撃。運転していた加西は、銃声で駆けつけた同僚を撃ち殺し、彼の政治資金を奪って逃げたのである。それ以来ペアを組んで悪事に手を染めてきたが、唯一の後悔は戸沢にとどめをさせなかったこと。戸沢が今度鳥取入りするという情報を聞きつけた二人は、今度こそ彼を殺すつもりでいた。 二人を尾行途中、坂井は加西に撃たれた。彼を見舞った会田は、警官としてのモラルを失った加西に激しい憎悪をたぎらせる。その様子に坂井は、会田が来た真の目的(まあタイトルで激しくネタバレしているとはいえ)を薄々察し、まさか・・・といぶかしむ。 性懲りも無くガードの婦警に色目を使いながらホテルに来た戸沢を、物陰から睨み付ける美和。彼女もここで彼を護衛していたときに襲われたのだ。戸沢の娘を拉致して盾にした加西に坂井は動きを封じられるが、戸沢本人は会田が外へ連れ出していた。戸沢に銃を向ける美和だが、弾は出ない。激しく憎みながらも、もはやこの男のために自分の手を汚すことはできなかった。 会田が俯く美和に手錠を掛けた瞬間、背後に潜んでいた加西の銃が火を噴いた。咄嗟に撃ち返した会田によって加西は絶命。しかし被弾した美和もまた、会田の足元で事切れた。怪我をおして駆けつけた坂井の咎めるような視線を背中に受けながら、会田は言うのだった。 ――これが俺に与えられた命令だ。 (昭和ブルースは1番) *フランス映画みたいな渋い冒頭からぐぐっと惹きつけられる旅情編。しかし、警察の恥部ともいえる極悪警官があの茶ァさん、おまけに色ボケの戸沢は宮口さんの義父・潮さんなので、内輪の宴会のかくし芸みたいな雰囲気もあった(梅八さんもいたしなあ)。 *ショルダーホルスターは誰が付けてもサマになるものだが、会田が付けてた日にはもう理性がどこぞへ吹っ飛ぶかと思った。 *坂井さんを見舞ってから、テトラポットの上で海に向かって銃をぶっぱなす姿もやたらとカッコいい(たとえ弾層が回転してなくても許す)。 *ひたすらイケていたとはいえ、海岸そばを歩く会田(特にED)だけはいつもと比べてえらく歩きにくそうで、やはりあの靴(どれだよ)では砂地はキツイのだなあとしみじみした。
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| TVドラマ(現代劇)::非情のライセンス2 | 03:00 PM | comments (x) | trackback (x) | |