2009,03,12, Thursday
「海の男」*放映回不明 (1966年・S41・5月25日日OA) NET 21:00-22:00
出演:天知茂、小畠絹子、菅井一郎、井上昭文、清水元、細川俊夫、高木均、沢本忠雄、信欽三、小川真司ほか 【海の男を熱演する天知】(以上、朝日新聞縮刷版より引用) *面会に来て涙ぐむ妻(小畠さん)との写真あり( 「五十年の光芒」 に載っているのと同じ) *1962年10月に開始した社会派ドラマへのゲスト出演(途中で休止などあるので、通算何回目かは不明←というか、数えてませんでした)。とにかく熱演の文字が光っているが、一見かたくなで孤独、その実は情に篤い…という十八番のキャラクターだけに熱の入れようもひとしおだったに違いない。
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2009,02,26, Thursday
浮草(1964年・S39・1月5日OA)CX 22:00-23:00
演出:土屋達一郎 出演:柳永二郎(駒十郎)、藤間紫(すみ子)、加賀まりこ(加代)、杉村春子(お芳)、岸田森(清)、宮口精二、西村晃、殿山泰司、天知茂 昭和9年と、戦後は昭和34年に故小津安二郎監督によって映画化された作品。ドサ廻りの旅芸人一座を舞台に、その生活と哀観を描いていくもの。(以上、週刊TVガイドより引用) *小津監督の「浮草」は未見なのでなんともいえないが、このメンツの中では年齢的に岸田さん(息子役)に一番近い天っちゃんの役柄が気になるところだ。ぎりぎりでも一応名前が載っているから、少しは目立っていたのだろうか?
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2009,02,24, Tuesday
悪の紋章(1965年・S40・10月7日〜翌3月31日OA:全26回)NET 22:00-23:00
【本誌に連載の異色小説】(以上、朝日新聞縮刷版より引用) 【汚名を着せられた警官の復讐】天知茂と愛京子主演(以上、週刊TVガイドより記事引用) *放映リストはこちら。 *OP映像収録ビデオあり(東映TVドラマ主題歌大全集(1))。 *映画ではショボクレ(「鉄砲犬」ごろ)を演じながら、テレビではすさまじい復讐鬼。そのギャップが凄い。「次郎長…」などと違って外見から想像しやすい役柄ではあるが、見られないのは辛い…どこかに埋もれていないかなあ? *原作について(2008.4.30) とある死体遺棄事件の捜査に関わった警部補・菊池正明は、麻薬運搬、恐喝、その他いろいろ罪をでっちあげられ刑務所に送られた。2年後、出所し名前を「稲村清一」と変えた彼は自分を陥れた人物(元妻を含む)を執念で突き止め、報復を誓う。かつての先輩刑事・松野は、再出発を棒に振り過去に囚われたままの菊池=稲村を憂うが、彼の決意は変わらない。徐々に荒んでゆく菊池=稲村の心を唯一和ませてくれるのは、偶然の出会いから懇意になった女性・節子の存在。だがその彼女も実は……。 「モンテ・クリスト伯」的とはいえ、よりいっそう壮絶で救いのない、とにかく読中・読後がずっしり重い話だった(しかも借りたのが、映画のスチールが文中に挿入されている版で、ものすごく目つきの怖い山崎さんの顔で余計に気分が滅入ってきた)。こんなのを朝から読めた当時の朝日新聞、すこぶるディープである。 ところで、この作品しかり「雲霧仁左衛門」しかり、山崎さんと天っちゃんはコワモテという部分で同じカテゴリの人といえそうだが、このふたり、決定的に何かが違うような気がする。具体的にどう、とは言いづらいのだが、たとえばゲンと弥藤次(「無宿侍」)はキャストを入れ替えられないと思うし、頭に懐中電灯差して村人を無作為に殺しまくる役(「八つ墓村」)なんてのは天っちゃんには無理じゃないか、そんなふうな違いである。役者としての力量云々というレベルの話は置いておくとして(そんなものを語り出すと分が悪そうだし←失礼)、動物的な凶暴性、とでもいうのだろうか、平気で理性をぶっとばせる、ホントに怖い人間の狂気を醸し出せるか否かで両者の間には境界があるように感じる。 見慣れてしまったせいもあるかもしれないが、天っちゃん演じるキャラは大体において「何をしでかすか分からない怖さ」というのがない。顔や動きで性格がみえてしまうのだ。それはおそらく、彼自身が肉付けの際、そのキャラのすべての言動に理由を持たせてしまうからではないか、と思う。人を殺すのも、悪事を働くのも、天知キャラには相応の動機がある。悪なりの理性がある。だから怖くない→マダムやお子ちゃま層も安心して惚れちゃう、という図式が成り立つんじゃなかろうかと。 ・・・そんな彼が、半ば狂気に導かれた稲村をどう演じ切ったのか、すごく興味がある。ほんとにOPしか映像が残っていないとしたら残念だ。
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2009,01,23, Friday
スター劇場 「愛の誤算」(1970年・S45・1月6日〜3月3日OA:全9回)MBS 22:00-23:00
原作:三浦綾子「自我の構図」(以上、朝日新聞・読売新聞より記事引用) *友人の陰湿なジェラシーで人生が大きく狂う画家の役。画家ってことは絵も描いたのだろうか? “曽吉が生きていた”という展開は原作にはないので、ドラマの収束の仕方も気になるところだ。
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2009,01,17, Saturday
「自供の背景」(1965年・S40・3月12日OA)TBS 21:30-22:30
出演:本郷功次郎、天知茂、影万里江、河津清三郎、野川由美子、北沢彪、富田仲次郎、江見俊太郎 *社会秩序の守り手である検事の活躍を描いた1時間シリーズ(原作:高木彬光、大映テレビ制作)。本郷さんや藤巻潤さんが検事役みたいなので、ゲストの天っちゃんは裁かれる(自供する)側か、どこぞの凶悪刑事のようにどつきまわして自供させた側か、そんなところかもしれない。ちなみに最近ではテレビ東京系列で「捜査検事・近松茂道(無論“もどう”ではなく“しげみち”と読む)」として高橋秀樹主演でドラマ化されている模様。 (2009.7.18追記)*週刊TVガイドより記事引用 作:長谷川公之、監督:富本壮吉*予想をはるかにこえる展開だった…。ただ、明彦は今の地位が惜しくてウソの自供をしてたのか、それとも(密会写真が送られてきたり、インチキ業者を入れてたりといったことから)社長の座も社長の娘も放り出して邦代ちゃんと一緒になりたくて一連の計画をたてたのか、そのあたりの真相はよくわからない。 *わざわざ天知茂と野川由美子がゲストである、と強調しているのは、当時ちょっとだけ2人が噂になっていたから(「孤独の賭け」でデビューした野川さんの面倒を天っちゃんがよく見てあげていたせいで邪推されたらしい)かもしれない
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2009,01,14, Wednesday
雲をつかむ男 #24〜#26(終)(1964年・S39・11月13日〜27日OA)CX 21:45-22:15
出演:(#24)長門勇、天知茂、大木実 (#25)長門勇、小山明子、天知茂 (#26)長門勇、大木実、小山明子、天知茂、香月美奈子、渋沢時子 (#25のあらすじ) パチンコ業界も伸び悩み、弱気になってきた金太郎に、綾子は“娯楽の殿堂”を造れと強く勧める。(以上、朝日新聞縮刷版より引用) *日本のパチンコ王・庭子金太郎(長門勇)の半生記とのこと。たしかパチンコ発祥の地は名古屋だったように思うので、後半でいきなり出てきた天っちゃんはもしかすると金太郎氏の御同輩かなにかで、お得意の名古屋弁でもしゃべっているのだろうか…?(と楽しく想像)
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2009,01,13, Tuesday
アスファルト・ジャングル #21、#23-#26(1965年・S40・8月26日〜9月30日OA)NET 22:00-23:00
出演:高城丈二、天知茂、根上淳、広瀬みさ、ロミ・山田、野川由美子 (初回4/8の記事)(以上、朝日新聞縮刷版より記事引用) *出てると思っていなかったが、後半の数話に名前が載っていた(友情出演の類?)。#23のあらすじからすると、牧の味方っぽい「国吉」=天っちゃんではないかという気がする。しかし原作にはそういう名前は出てこないのでどんな役なのか不明。 *(2009.9.2追記)8月26日付朝日新聞大阪版夕刊にあらすじが載っていた。 #21あらすじ: 国選弁護人として徳次の弁護を引き受けることになった国吉と協力して頑張る牧の姿を描く。(上記の「勇次」=「徳次」だと思われる) 同枠の次回作「悪の紋章」で主役を張ることになった天っちゃんの顔見せとしての出演、とみて間違いなさそうだ。
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2009,01,01, Thursday
リアルタイムで観ていた作品は、そのあとで何回観ようが当時の思い出が勝るので価値判断ができません。今観ると笑っちゃうシーンがてんこもりだとはいえ、当時はとにかくカラスが不気味で義眼の伊東四朗が怖くてパノラマ島ちょっと行ってみたいかも、なんてことを思ってたりして(人間花火を見損ねたのは悔しかったなあ)、お正月(2日)からめくるめく土曜ワイドの世界をじっくり堪能していた小学生でした。こんな番組をゴールデンタイムに3時間も放映していた80年代、やっぱり素敵です。
明智センセイの出番は意外に短いのですが、変装が2回あるほか、硫酸の池に落っこちて芸達者なところを魅せてくれます。ヒロインの姉となにやら深い関係があったようで、彼女そっくりのヒロインにも心を動かされている様子も見逃せません(表情動きませんけど)。 *芸達者といえば小池・コロンボ・朝雄氏。怪しさ満開の新興宗教の教祖をアノ声とアノ顔で熱演されておりました(そういや小池氏、天っちゃんと同年生まれな上に、同年に亡くなってるんですね)。 【明智先生ファッション劇場】:(話とOPが濃厚なぶん、相対的に地味めです)
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2008,12,30, Tuesday
#202「あゝ兇悪! さらば会田刑事」(1980年・S55・12月4日OA)
引退まであと6日と迫った矢部警視(山村聡)から、女子中学生・真山百合子(小野はるみ)が幸せに暮らしているかを調べろとの単独指令を受けた会田(天知茂)。「もし不幸せだったら、俺が引き取る」と言う矢部の真意を図りかねつつ彼女を尾行すると、物々しいボディガードに囲まれて百合子が帰宅した豪華料亭から、思いがけない人物が姿を見せた。15年前に1度だけ会った女(第1シリーズ初回参照)・真山由比(加賀まりこ)――かつて見逃してやった彼女が、百合子の母親だったのだ。 ボディガードは公安の連中だと矢部に聞かされ、おまけに「あの子はお前の娘だ」と言われて会田は驚く。あの時お前が由比を逮捕していれば生まれるはずはなかった、だから百合子は俺とお前の責任で生まれてきた子なのだと矢部は続けた。そんなとき、ボディガードの一人が事故死に見せかけて殺される。遺体安置所になぜか公安局長と共に姿を見せたのは、由比のパトロンで近頃羽振りの良い総会屋・秋山(田中明夫)だった。非常に胡散臭いものを感じ取った会田は「間接的な父親としてあの子を守る義務がある」と由比に会い事情を問い質す。由比はしらばっくれたものの、会田を本当の父かと問い「18歳になる3年後(1983年11月2日)、本当のお父さんからプレゼントが贈られてくるの」と無邪気に言う百合子は、なぜだか化学式を落書きしていた。 会田が忠実に暗記して帰った百合子の化学式(核酸)は、15年前に自殺した化学者・早崎の癖を踏襲していることが判明。“生化学者からみた食糧問題”をテーマにしていた早崎は突如蒸発、見つかった時は廃人同様で、ある夜夫婦で死んでいるのが見つかったのだという。以来、夫妻の8か月になる娘・真理子は行方不明になっていた。もしや百合子は「早崎真理子」なのではないか、そして「廃人」というキーワードから、かつてジャンキーだった由比が関わっているのではと推理した会田の元へ、またしても百合子のボディガードがディスコで刺殺されたとの報せが届く。 現場には捜査一課の橘(渡辺文雄)らがいた。“グレーの背広を着た目つきの鋭いがっしりした体格の60くらいの男が娘を連れて行った”との目撃者情報を聞き、会田はそれが矢部であると直感。はたして矢部は、会田のマンションに百合子を保護していた。少女の寝顔に安堵した会田だが、傍らの直筆メモを見て顔色を変えた。 「あの娘を守るために秋山と刺し違えるつもりだ 俺の身に万一のことがあったら 後はたのむぞ会田 真山百合子はお前の娘で 俺の娘だ しっかり育ててくれ 矢部」 尾けてきたらしい橘に百合子を託し、秋山邸へ急ぐ会田。しかし、一足遅く矢部は連れ去られた後だった。総理から真相を聞き、秋山に銃を突き付けた矢部だが、秋山と由比のどちらか一方でも死ねば事が公になると脅され、百合子を想って断念したのだ。会田のマンションでは押しかけた公安相手に橘が頑張っていたが、会田は由比から矢部の居場所を聞くために百合子を手放した。 明け方近くになって、河原に放置された車内に縛られている矢部をようやく会田は発見。だがドアを開けた途端、時限爆弾が時を刻み始めた! 「俺のせいだ…俺がドアを開けたからスイッチが!…俺がそのスイッチを!」 「違う、しっかり聞いてほしかったからドアを開けさせたんだ」 パニック状態の会田を諭すように静かに真相を語って聞かせた矢部は、それでも「イヤだ! 俺はイヤだ!」と駄々っ子のように繰り返す会田を「責任をとるんだ、会田!」と蹴とばして前へ進めさせる。放心状態で頷き、踵を返した会田の背後で、矢部を乗せた車は轟音とともに炎に包まれた。 白昼、公衆の面前で自己紹介するなり秋山を襲った会田は、書類のキーを手に命乞いする彼の額に弾をぶちこむと、その足で由比の元へ。15年前、真理子が貰うはずの“遺産”欲しさに早崎夫妻を殺し、真理子を百合子として育てたのは彼女と秋山だった。 「会田さん、今度こそ…本当に捕まえてよ」 百合子を母親として愛していた由比の気持ちに応えることを約束し、会田は彼女に銃を向ける。そして閑静な邸宅に、銃声が一発響きわたった。 矢部が死んだ場所で、「真理子=百合子」である証明書類を灰にする会田。真理子宛の父の遺産とは、食糧問題を解決する人間改造計画(腸を半分にして人間を小型化)のあらまし。人類を二分化しようと画策した秋山のような人物を出さないためにも、唯一の遺産相続者「早崎真理子」はこの世にいてはいけない。いたいけな15歳の少女に、そんな重荷を背負わせるわけにはいかなかったのだ。 「部長は事故死、秋山と由比を殺したのは、現職警官の三角関係のもつれ…」 橘は“会田の娘なら自分が面倒をみる”と百合子を預かった。西井刑務所の門前で、手錠姿の会田に「母さんを返してよ! あんたなんか…あんたなんか死刑になればいい!」と叫ぶ何も知らない百合子だが、ただ黙って頷いてみせた橘に微かな笑みをこぼし、会田は兇悪の門へと入ってゆくのだった(昭和ブルース新録1番の終了と同時に門が閉ざされ、「完」マーク) *「この俺に、悲しみを引きずりながらどこまでもさまよい歩けというのか――」(予告の台詞) 部長と会田、会田と橘の愛と友情ここに極まれりといった感の最終回。第2シリーズの最終話同様、橋本脚本はどこのSFドラマなんだ、ってな壮大な(荒唐無稽ともいう)スケールのテーマを扱っているものの、ぐいぐい引き込まれてしまった。 *ただ、この3人がやたら良い味を出す一方、あとの特捜部メンバーが完全に蚊帳の外。非ライは群像ドラマではないとはいえ、あんなぞんざいな扱いされるなら出てなくてもよかったんじゃなかろうか。というより、部長ったら可愛い会田さえいてくれればそれでよかったのねと思えばよいのか?(二人の子供も出来たし! ←茶化すな) *しかし、あのまま6日後に矢部さんが円満退職したら特捜部はどうなる予定だったんだろう…まさか会田が昇進? (ってことだけはなさそうだが) *(2010.12.8)本文中の「凶悪」を「兇悪」に変更しました(ご助言ありがとうございます) *(2010.12.9)秋山を襲ったのは「白昼」でなく「夜」ではないか、との質問をいただきました。株主総会が行われていたビル(ホテル?)内での出来事でしたが、射殺直前の画面で窓の外が明るいことを確認しました。矢部さん爆死が明け方、秋山射殺後に由比の所へ行った時もまだ明るかったので、時系列上からみても「白昼」の記述のままでも良いと判断します。 *(2010.12.9)矢部さん退職の日、カレンダーには「4」に○がついていた記憶があるので4日後では?との質問をいただきました。確認したところ、浦川(左とん平)が丸を付けたのは12月「8」日、そこから「いち、に、さん…」と「ろく」まで(12月2日まで)遡って数えていましたので、6日後ということにしました(放送日は12月4日なんですけども)。
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2008,12,29, Monday
#201「兇悪の誘拐・恐怖のカーテレフォン」(1980年・S55・11月27日OA)
女性からのタレこみ情報により、農協強盗殺人犯のひとり・須藤真澄(整形後が辻萬長)を追っていた会田(天知茂)と山路(柳生博)。路上で須藤らしき男を発見したのは良いが、車で逃げようとする須藤を車から降りて追いかけようとした会田と須藤の車に生身で体当たりしようとした山路の連携ミスのせいで(はないがそう見えた)女子高生が巻き添え死、おまけに車を丸ごと爆破してとっ捕まえた須藤は「もうすぐ大手を振って出て行ってやるさ」とあくまでふてぶてしい。 まもなく山路の元へ「娘を預かった」という脅迫電話が届いた。18になる純子(五十嵐知子)が、ボーイフレンドの良一(川代家継)と共に須藤の一味に拉致されたのだ。逆探知不可能のカーテレフォンから、人質と須藤の交換要求を出してくる石岡(大谷朗)ら一味。「あのとき、須藤の野郎、ぶち殺しときゃよかった…!」会田が兇悪極まりない台詞を兇悪な顔で吐いたところで後の祭りである。 我々はお前たちの要求を呑むことはできない、そう気丈に犯人に告げる山路も、上層部の“何があっても須藤は釈放しない(=人質は見殺し)”という選択に内面の苦悩を隠せない。拳銃つきつけてでも、と総監を諌める気まんまんの会田に経験者(第2シリーズ最終話「兇悪の終焉」参照)の矢部警視(山村聡)は「お前はどうしても俺をクビにしたいらしいな」と折れて再度の交渉に向かおうとしたのだが、そこへまた石岡から電話があり、なんと良一が国務大臣の孫であることが判明、上層部の指示は手のひらを返したように須藤釈放へと変わった。 須藤は大手を振って出て行ったが、人質は時間になっても解放されなかった。そもそもなぜ一味は須藤をそれほど必要としたのか――。会田は北里(小野武彦)と村井(高田洋)の協力で冒頭のタレこみ女性・井上英子(清水まゆみ)の居場所を突き止めた。英子が持ち逃げした須藤の鞄には、人数分の偽造パスポートと韓国への密航の割符が入っていたのだ。やがて須藤が仲間を連れ、出前に身をやつし英子を訪ねてくる。それを待ち構えていた会田の「5秒やる。死にたくなかったら喋れ」との脅しをせせら笑ったせいで須藤は本当に5秒で射殺され、びびった相方はアジトの場所を吐いた。 急ぎアジトへ向かった会田と山路だが、純子と良一は既に冷たい骸と化していた。石岡と残党(三夏伸・きくち=帰マン=英一)を射殺後、拉致され犯され殺された娘の亡骸を抱き寄せる山路に、会田はかける言葉もなかった――(昭和ブルースは新録2番) *非ライならではの非情クオリティで繰り広げられた山路さんの悲劇、なのだが、#13「兇悪の唇」で「肉親は妹しかいない」発言があったせいで急に降ってわいた娘(と奥さん)設定に違和感を持ってしまったのがマイナス。もっとも、今のメンバーで妻子持ちにできるのは彼しかいないからなあ。 *非情といえば、久々にギンギンに非情な会田が見られるのが特筆事項。ホントに撃っちゃうとは思ってなかった…でもそこまでしたのに結局人質が助からないのも非ライならではだ。
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| TVドラマ(現代劇)::非情のライセンス3 | 03:10 PM | comments (x) | trackback (x) | |