2006,11,24, Friday
#58「兇悪の母」(1974年・S49・11月7日OA)
銀行勤めの夫、結婚間近の娘、高校3年の息子と和やかな家庭を築いていた主婦・文江(小畠絹子)の幸せは、ある朝コワモテの刑事(=会田:天知茂。同伴は右田刑事)が訪ねてきたことで崩れ始める。 彼女の夫・一郎は裏金の横流し容疑で事情聴取を受けた後、料亭で青酸カリを飲んで死亡。ご丁寧に特捜部あてに抗議の遺書をしたためての自殺に疑問を持った会田は文江に接触を図ろうとするが、彼女は頑なに沈黙を守る。面倒をみようと約束してくれた一郎の上司・小沢(戸浦六宏)を頼り、子供たちと生活を立て直そうとする彼女だったが、まもなく娘は縁談を断られたショックで自殺、母の卑屈な態度に反抗した息子は小沢に刃物を向け、傷害の現行犯で逮捕された。 一方、会田たちは黒幕が小沢で、一郎は利用され抹殺されたと睨んでいた。だがそれを裏づけるには一郎が遺した証拠のメモが必要で、文江の協力なしでは手も足も出ない状態だった。そのうち、小沢の息のかかった弁護士(中条静夫)のはからいで息子は釈放され、文江の元へ戻った。ああみえてフェミニストな会田は「おっかさん」には特に弱いようで(それとも相手が小畠さんだから?)、社会悪を糾弾できずに悔しい思いをしながらも文江母子のちいさな幸せを願ってみたりするのだが、すっかりグレた息子は今度はチンピラ相手にひと悶着起こし、人ひとりを殺してしまう。 文江が必死に守ろうとしたものは脆くも崩れ去った。俺がこうなったのはお袋のせいだ!と文江に食って掛かる息子を「お前は自分の痛みしか分からんのか!」と髪を振り乱してボコる会田に触発されたのか、文江は証拠のメモを手に、レストランで一家団欒を楽しむ小沢の元へ行き、彼の息子の首に刃物を突きつけた。息子を助けたければ夫に仕組んだように遺書を書いてお前も死ねと小沢に迫る文江だったが、間一髪で駆けつけた会田の説得(というより協力)により流血の事態は回避、小沢たちの悪事は明るみに出ることになったのだった。(昭和ブルースは当然♪この世に生んだおかあさん〜♪の2番)。 *小畠さんと二人っきりのシーンが結構多く、シリアスな展開なのに新東宝時代を思い出してニヤケてしまった。 *多々良純さんの居酒屋にて、とん平さん・葉山良二さんと3人でしみじみ飲んでるシーンが2度ほどあるのだが、3人とも息が微妙にずれているというか空回りしていて、見ているこっちまで脱力する。 *(2007.8.5追記)戸浦さんが家族団らんで食事していたレストラン・ストックホルム、まだ営業しているようなので今度行って見たいような(出刃包丁持った小畠さんが来ると怖いが)
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| TVドラマ(現代劇)::非情のライセンス2 | 04:08 PM | comments (x) | trackback (x) | |