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『白線秘密地帯』
『白線秘密地帯』(1958年・S33)

トルコ温泉のナンバー1・みどりが客に絞殺され、その客も次の日射殺体で発見された。うだるような暑さの中、田代(宇津井健)ら警察の必死の捜査により、モグリの売春行為が目的の「SSS」と称する秘密会員組織の実態が浮かび上がってくる・・・!

開襟シャツでドロと汗にまみれてアクションを繰り広げる宇津井さんを始め、トルコ嬢のひとり・トミ役の三原葉子ねえさんも屋外での激しいキャットファイト付きという、暑い最中にみんな汗だらだらで頑張っている姿が印象的な映画なのだが、夏物アイテムがおよそ似合わない天っちゃんはというと、地下深くの部屋で背広をかっちり着込んでアンニュイにくすぶっている腺病質な支配人・久保木役。

「SSS」組織の新宿の拠点であるバー・ファンタジアを任されている久保木は、玉ころがしの政子(荒川さつき)が連れてきたウブな娘たちに因果を含める(=強引に手をつけちゃう)役目を担っており、初めは激しく抵抗していた娘さんたちがみる間に彼にイチコロになってしまうテクの持ち主なのだそうだが(生憎そこは映らない)、どうやら心と身体が相当参っているらしく「だから女ってヤツは嫌いなんだ」とニヒルに吐き捨てる男である。

やがてサツの手入れがあり、いきなり起こる銃撃戦。「マスター、頼むから(支配人室に)入れてくれ、お願いだ!」弾を撃ちつくして喚き続ける手下をあっさり見捨たニヒリスト久保木(男ってヤツも嫌いらしい)は、隠し持っていた拳銃をこめかみに当て、組織の掟(多分)を自ら実践してのける。メインストーリーと全然関係のないところで(故に宇津井氏や葉子ねえさんとの絡みも全くなし)いつもながら強烈なオーラを放っての幕引きであった。

*「白線」の読みは「ばいせん(ぱいせん)」かと思ったらDVDケースによれば「はくせん」で良いらしい

*長らく『火線地帯』DVDのジャケットだった(今度のBOXセットでも「火線・・・」の内側に小さく載っていた)写真は、実はこの映画の1シーン(こんな感じ

*拳銃の隠し場所はこんなところ。ゴルフなんかするようには見えなかったけど。

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| 映画::新東宝 | 11:44 PM | comments (x) | trackback (x) |
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