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徳川おんな絵巻#48
「妖異・鬼火ケ淵の精」(1971年8月28日)

能登・七尾(=ななお)城では、当主・正臣(天知茂)の夜毎の忍び歩きに家臣たちが頭を悩ませている。黒頭巾に身をやつし、愛馬にまたがった御前様がふらふら向かう先は、いかがわしそうな連中がたむろする、ひとよんで地獄宿。住人らしい、怪しさ満開の徳丸(天本英世)の手引きで束の間の戯れに身を委ねる御前にはかつて、忘れられない女人がいた。

それは2年前、白鳥ただよう水辺を写生中に見染めた、笛を吹く美しい女・おりん(加賀まりこ)。写生目的で城へ連れ帰り、その後妻にすると宣言した御前は、「おおい待ってくれよ~、うふふ、捕まえてごらんなさ~い」ごっこ(誇張)をしている際にぽっきり折れてしまった笛を嘆いている彼女のためにせっせと国中の笛を集めてやったりと甲斐甲斐しい。だがおりんは悲しく頭を振るばかり。御前の笛にはどうやら満足らしいのだが、ってそういうノリの話ではない(18禁な暴走すみません)。

素性の知れぬおりんを快く思わぬお局様・歌野(宮内順子)が家臣・刑部(外山高士)と結託し、ある嵐の夜、御前に内緒でおりんを絞殺、死体を木箱に入れて鬼火が淵に沈めてしまった。愛妻の突然の失踪に心を痛めた何も知らない御前はそれ以来「おなごも、人も、わしには信じられん・・・!」と、自らが描いたおりんの絵姿にニヒルで物憂げな視線を注ぐ毎日だったのだ。しかしその絵というのがちょっと笑っちゃうような可愛らしい画風で、リアクションに困った・・・いや、仮にもし天っちゃん作だったらと思うと迂闊なことはいえないなと。

今では「御前と一夜を共にした女は変死する」という呪われた噂(か真実かは本編では分からない)まで背負い込んでいる御前だが、ある夜、徳丸が見つけてきた女がおりんそっくりなことにびっくり仰天、アカネと名乗るその女を徳丸共々城へと迎え入れる。性格はまったく違えども、彼女がおりんの亡霊ではないかと戦々恐々の歌野が御前の寝所をそっと覗き込むと、見覚えのある髪型と着物に身を包んだおりんの姿が! 響き渡る物悲しい笛の音に苦しむ歌野。

翌朝、精神に異常をきたし物置で力なく震える歌野を発見、近寄った御前の耳に聞こえてきたのは、「苦しい、ここから出して」との愛妻おりんの叫び。飛び込んできた刑部が歌野を殺害するが、声は犯人暴露にまで及び、ようやく真相を知った御前は、急ぎ鬼火が淵から木箱を引き上げる(運び上げられた木箱の下敷きとなって刑部死亡)。だが、鎖が巻かれていた箱の中に遺体はなく、白い羽根が一枚落ちているだけだった。

帰城後に問いただすと、実は私は白鳥の精で、写生に訪れた殿に心を奪われたのだと告白するおりん=アカネ。笛が折れたために白鳥に戻ることも叶わず、幽界から抜け出すためには御前のお命を頂戴しないといけません、そう続けるおりんにその気マンマンな御前だが、徳丸の妨害で彼女の姿は忽然と消えた。なぜ邪魔をするのだと怒りにまかせて徳丸を斬り、笛の音に導かれて鬼火が淵に向かった御前の目の前に再びおりんが現れる。

おりんの手招きに応じようとする御前の背後になぜか愛馬が現れ、彼を止めようといななく。はっとする御前だったが、何度かの葛藤の末、遂におりんの白い手を取ってしまった。そりゃあ、(正体は白鳥の)加賀まりこVS(もしかしたら正体は天本英世かもしれない)馬だもの、勝負は最初からついているようなものだ。霧の中に消えてゆく二人をじっと見つめた後、頭から血を流しながら狂ったように笑う、なぜか生きていた徳丸。実のところ、おりんよりも徳丸の正体が無性に気になるクライマックスだった。お前やっぱりあの馬か? それで御前さまラブだったというわけなのか徳丸よ。若い尼と偽りわざと年増を用意していたし。・・・もしや御前と一夜を共にした女を殺していたのも彼だったりして。ああ愛あればこそ(って、そういうノリの話でもない)

*しかし最初に馬上の御前が徳丸と会って話しているシーンが(影だけだが)あったので、徳丸=馬じゃないのかもしれない。

*寝所でのシーン、手の添え方や身体の角度など、カメラワークをきっちり計算に入れた天っちゃんの動きが実に美しかった。さすがに手馴れている。

*脚本は宮川一郎氏。こちらも手馴れている(天っちゃんの魅せ方に)。

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| TVドラマ(時代劇)::徳川おんな絵巻 | 12:36 AM | comments (x) | trackback (x) |
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