■ADMIN■
ADMIN ID:
ADMIN PW:
■CATEGORIES■
■POWERED BY■
BLOGN(ぶろぐん)
BLOGNPLUS(ぶろぐん+)
■OTHER■

徳川おんな絵巻#8
「嫁地獄」(1970年)

同じ側室である実の姉より先に殿(葉山良二)の子を身籠って姉に憎まれ、子供も早死にしたか何かで殿の不興を買って国で幽閉されていた側室(お紋の方:中村玉緒)を妻に貰い受けた藩士、神尾新八郎(天知茂)。このへんのいきさつは#7「お妾拝領仕る」が詳しいようで・・・見逃して残念。

殿のお手つきを拝領した新八郎に対する風当たりはきつく、城では同僚たちからさんざん陰口を叩かれ、家では母親がネチネチとお紋をいびりまくる。新八郎の眉根の皺は深くなるばかりだ

しかし「こんな嫁貰ってやっぱ間違いだったかなー」なんて後悔するヤワな新八郎ではない。「人の噂は七十五日、俺たちの心がしっかり結びついてさえいれば良いのだ」「俺は今が一番幸せだ。なぜだか分かるか・・・そなたがいるからだ」などと低音ボイスでストレートにお紋さんへの愛を表現、彼女の目にも嬉し涙が光る。なんだか羨ましいぞお紋さん。

ところがそのアツアツな様子を障子越しに覗き見していたイヤミな鬼姑が、殿の側用人(日和見主義の悪いヤツ・阿部徹)と結託し、とんでもないことを計画する。持病の薬を取ってきてくれと姑に言われ街外れの薬草園に来たお紋は、ここで殿ともう一度褥を共にしろ、でないと新八郎を不義密通の罪で(つまり貰い受ける前からデキてただろと言いがかりをつけて)切腹させるぞと、側用人に脅迫されたのだ。視線の先にはすでに用意された寝床が。ぱきん、と手折られるリンドウの花のアップが彼女の運命を物語る。

城から戻るなり、「お紋はもう帰ってくるまい、今度こそ立派な嫁を貰えばよいのです」と母親に事情を知らされ、新八郎は激怒。平然と豆を炒ってる母親に刀を抜きかけるも必死に自制し、お紋を探しに薬草園に赴く。乱れた寝床で呆然としている彼女を発見、あまりのことに近くの竹林に駆け込み顔を伏せる新八郎。追い討ちをかけるように「あなたの手にかかって死ぬためにお待ちしていました」と小刀を地面に置くお紋。苦悩度MAX(眉根の皺MAX)の新八郎、どうする! お紋を殺して自分も死ぬのか? そういう悲恋話なのかこれは?

だがそこはそれ、我らが天っちゃんだ。怒りは竹にすぱーんとぶつけ、「さっさと湯浴みしてこい、出歩けば泥がはねることだってある」というような実に味わい深い台詞を口にすると、お紋さんと一緒に帰宅する。どうしても嫁になど頭を下げられないという母親は家を出てしまい(最初からそうすりゃいいのに)、二人っきりの甘い生活が始まることに。耐え忍んだ末に掴んだ幸せ。

ここで終わればめでたしめでたしなのだが、数ヶ月後、お紋の妊娠が発覚。大喜びな新八郎とは裏腹に顔を曇らせるお紋。実はどっちの子供か分からないのだという。殿とはあれ一回きりやん、その前後(「後」は知らないがたぶん)ずうっと新八郎と一緒やん!と見ている方は思うのだが、跡継ぎがなかなか出来ない殿は懐妊を知り「お紋の子は自分の子なのだあ!」と全く自分勝手に決め付ける。

殿や重臣たちが列席する法事に呼ばれたお紋は、腹の子が誰の子なのか霊前で告げよと迫られる。予の種だと言えと強要する殿。と、そこへ飛び込んできた新八郎が、夫である自分の子に決まってるときっぱり告げる。それでも駄々をこねまくる殿の前で刀を抜く新八郎。刃を妻に向け「あらぬ疑いをかけられたまま生まれる子は不憫。子の母と共にここで成敗いたします!」と(むろんそんなつもりは毛頭ないのだが)叫びながらお紋を連れ出し、そのまま行方知れずに。風の噂によれば上方で親子三人仲良く暮らしているそうな、というナレーションと共に、赤ん坊を抱き上げてご機嫌な新八郎夫婦が雪の中に映って消える。

「おんな絵巻」なだけに、お紋と実姉の確執、側室たちの醜い争いの姿も描かれているのだが、新八郎さんのすこぶる良い漢(オトコ)ぶりにひたすらうっとりな話だった。

| http://www.amachi.info/blog/index.php?e=445 |
| TVドラマ(時代劇)::徳川おんな絵巻 | 12:34 AM | comments (x) | trackback (x) |
PAGE TOP ↑