2006,03,01, Wednesday
『新選組始末記』(1963年・S38)
近藤勇=若山富三郎に憧れて新撰組に入隊する若者(山崎=市川雷蔵)が主役だけれど、天知茂=土方歳三のワルぶりが予想以上。そもそも、元・行商人にはぜったい見えないから天っちゃん。 近藤さんに目をかけてもらってる山崎クンが憎くてたまらない土方(そりゃあ雷蔵の方が美剣士だし、背も高いし←これは余分)、近藤さんに内緒であの手この手で山崎を追い出そうとするイヤミな感じが非常に板についていた。雷蔵相手に「ふふん、甘いなボーヤ」なんて言い放てるのはさぞ面白かったろう(実はこの 2人、実年齢は同じ)。 板についていたといえば、会合場所を吐かせるために敵を捕まえ、竹刀やら五寸釘やらロウソクやらでがしがし拷問するときもやたらと嬉しそうにみえた。さすがだ(何がだ)。ところがせっかく場所を吐かせたのに、土方の陰謀で組を追い出された後も密偵として頑張っていた山崎クンが得た情報とは違っていて、「俺は山崎を信じる」と近藤さんに言われてしまう。結局正しかったのは山崎クンのほうで、最後は「俺の負けだよ、山崎」と和解したようなシーンがあったが、土方、目は笑ってなかった。 ラストシーン、新撰組と共に生きることになってしまった山崎クンをじっと見つめる、捨てられた恋人の悲しい表情に、彼らの行く末を暗示させていたが、個人的には、拷問されながらちゃっかりウソを吐いた虫の息の男がこれから土方にどう料理されるのかがたいへん気になるラストでもあった。
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| 映画::大映with市川雷蔵 | 11:53 PM | comments (x) | trackback (x) | |