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雲霧仁左衛門 #3
「ああ無情!運命峠」(1979年・S54・7月17日OA)

名古屋へ向かう松屋(金田龍之介)とお千代(大谷直子)に付かず離れず同行している雲霧一党が島田宿に差し掛かると、因果小僧六之助(江藤潤)の人相書きが出回っていた。おまけに折りからの雨で川止めとなり、雲霧仁左衛門(天知茂)は、旅籠に泊まらぬよう仲間たちに通達する(自分が誰よりも怪しげな虚無僧スタイルだったからかどうかは不明)。そんな中、“雲霧”を名乗る強盗が宿場に現れたという噂を耳にして眉間を険しくしたお頭は、ワシにも血が騒ぐときがある、と自ら率先してニセ者探索に動き出した。

一方、雨で熱を出したおみつ(池上季実子)は寺子屋の先生・沢田喜兵衛(安井昌二)に介抱されて彼の家にいたのだが、怪しげな賊が沢田を付け狙い始めた。どうやら彼は、賊のひとりの兄の仇らしい。旅芸人を名乗るおみつから“道中世話になった梵論師(ぼろんじ)さん”だと紹介されて沢田の危機を救ったお頭は、その賊こそが雲霧を騙る偽者たちだと知るや否や、4人をばっさり斬って捨てる。

雨は止んだ。ところが、ニセ雲霧を切ったのは誰なのかが不審だと言い出した役人のせいで川止めは解除されない。その上、六之助が隠れていた家の母子はかつて火盗改めの高瀬俵太郎(三浦洋一)の父に世話になったことがあるという因果な事実が判明、六之助を発見した息子は江戸へ馬をかっとばし、高瀬を呼び寄せようとしていた。

密かに舟を用意し、脱出を図ろうとする雲霧一党。だが、おみつに死んだ娘の面影をみた沢田は彼女に留まってほしいと懇願、妻を凌辱された彼の不幸な身の上にシンパシーを抱いたらしい梵論師さん(=お頭)は、ここで沢田殿と一緒に暮らすが良かろう、とおみつに命じる。おみつに相談されたお千代が松屋の目を盗んで「ワタシだってあの娘を育ててきたんです!」と談判にくるが、おみつの本当の幸せを想うお頭の決断は覆らない。

しかし出発の朝、舟の隠し場所には既におみつがいた。お頭の言いつけに背いてでも一緒に行きたい、そう訴える彼女に、親の心、子知らずだなと言いながらも涙目になるお頭。かくして雲霧一党は、からくも逃げてきた六之助も合流して、名古屋へと向かうのだった。

*エリちゃんやっぱり社長さんが忘れられないのね!(ってそれは「野望」)なオリジナル展開の第3話。「普化僧というものは、何人の前でも天蓋をとらず、たとえ親兄弟に行きあおうとも挨拶せず、俗にある時は名を名乗らず…」とか言いつつ露出が多かったお頭、松屋さんともじっくり顔見せ完了。“繋ぎ”の際の読唇術めいた会話法が盗賊っぽかった。しかし正直、六之助をなんとかしたほうがいいと思いますお頭。

*「合計13回の放送で、人を殺すのは4回、それもよくよくのことでしかたなくです」(殺陣師・安川勝人さん:番組徹底ガイドより)とのことだが、今回のアレですでに殺生が2回。ペース速いですお頭。

*はじめて次回予告が。「お千代づくし」(=お千代さんの見どころいっぱい)なのかと思っていたら「お千代色くづし」だったのか…。

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| TVドラマ(時代劇)::雲霧仁左衛門 | 12:08 AM | comments (x) | trackback (x) |
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