■ADMIN■
ADMIN ID:
ADMIN PW:
■CATEGORIES■
■POWERED BY■
BLOGN(ぶろぐん)
BLOGNPLUS(ぶろぐん+)
■OTHER■

非情のライセンス 第2シリーズ #27
#79「兇悪の炎」(1975年・S50・4月3日OA)

町屋界隈を見込み捜査中の会田(まだトレンチ着用の天知茂)は偶然、ステージ歌手のジョージ・川井(立花直樹)を刺した直後の主婦・斉藤芳江(原知佐子)と鉢合わせた。ジョージのファンである娘の光子(石川えり子)がそっくり貢いでしまった芳江の大事な両親の遺骨探し・供養のための防空頭巾貯金20万を取り返そうと揉みあってのことだった。

ジョージの傷は浅かったが、芳江はそのまま行方不明に。光子から事情を聞き、“戦争”“空襲”のキーワードで寝てた子が起きてしまった(←橘さん談)会田は、東京大空襲の際に亡くなった両親の遺骨を探しだしたいと思いつめていた、という芳江に思いっきり感情移入、矢部部長(山村聡)に休暇届を出して、戦争を知らない14歳・光子を連れて消えた彼女の足跡を追う。(「お前の過去が過去だけに今度のセンチメンタルジャーニーは辛いぞ」と会田をやんわり心配してあげてる矢部さんがいい感じ)。

慰霊塔を訪問したり、空襲で娘や兄弟を亡くした人々(丹阿弥谷津子さんら)の悲惨な体験を聞いたりするうちに、30年前の真実がいまさら何よ、とうそぶいていた光子も「戦争なんて大嫌い…!」と叫ぶようになる。そこへ、ビルの解体現場から空襲当時のものらしい白骨が2体見つかったとの知らせが舞い込んだ。芳江は必ず来るはずだと確信した会田は光子と共に現場へと向かうと、はたして芳江はそこにいた。

その白骨は別人のものらしかったが、同じく犠牲になった者に変わりはないと供養を申し出る彼女の両親の遺骨への渇望は和らいでおり、涙ながらに光子に謝った。そしてそんな芳江に手錠をはめた後、おそらくこれを言わんがために彼女を追ったのだろう会田は、静かに声を掛けるのだった。
――私の両親も広島の原爆で死んだんだ。やはり、どこでどうして死んだのか影も形もない。もちろん、骨もね…(昭和ブルースは1番)

*非ライの“重さ”は、背後に戦争の影がつきまとうからなのかもしれない。主人公の設定といい、これほどまでに「戦争」の文字が重々しく圧し掛かる刑事ドラマってのは類をみないのではないだろうか(だからその設定が消えた第3シリーズは物足りないのかもなあ…)実際の映像がらみの体験談、「君のような少女がイカのように死んだんだ…!」などの生々しいセリフが胸に迫る。エンディング手前のいつもの泣けるBGMで芳江と光子の涙の抱擁、そして会田の言葉が終わると昭和ブルースのイントロ、あげくに光子の「おかあさーん!」、3段構えで涙腺を刺激されまくった。

*原作にも「兇悪の炎」という作品があるがまったく別モノである(本放映時にはまだこのタイトルの話は無かったのかも)

| http://www.amachi.info/blog/index.php?e=265 |
| TVドラマ(現代劇)::非情のライセンス2 | 03:26 PM | comments (x) | trackback (x) |
PAGE TOP ↑