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非情のライセンス 第2シリーズ #86
#138「兇悪の流転」(1976年・S51・6月10日OA)

カントリー・エレベーターを巡る製作会社―農業庁間の収賄事件の渦中にいた農業庁の役人・小畑が、チンピラにくだらないイチャモンをつけられ刺殺された。2年かけて追っていた小畑に死なれた会田(天知茂)は怒り心頭、一課の嫌味もなんのその、独自捜査に乗り出す。

チンピラは日東会の黒沼(富田仲次郎)の息がかりで、どうやら黒沼に殺人を依頼したのは、収賄の件が漏れては困る製作所長・岩崎(加賀邦男)らしい。岩崎宅に宣戦布告しにいった会田は、彼の娘・留美子(森田=現・五十嵐=めぐみ)から「ハンス」と揶揄されている岩崎お抱え運転手の村田勇吉(仲谷昇)の姿にデジャブを覚えた。それもそのはず、小畑や岩崎たちの密会の場に居合わせ、尾行していた会田に気づき鋭い視線を投げた人物だったのだ。

会田は村田に証言を求めるが、戦時中に岩崎に命を救われた恩義から、彼は頑なに知らぬ存ぜぬを繰り返す。陸高(陸軍高等師範学校)出で中尉だった村田を一兵卒の岩崎が利用したのが真相のようだが、厳格なまでに律儀な村田はどこまでも岩崎を護ろうとするのだった。

一方、岩崎は黒沼に殺人の件で脅迫され、口止め料として3000万を要求されていた。「ヤツ(=黒沼)は君の陸高の同期だろう、まけてもらってきてくれ」実にえらそうにアゴでこき使われたにも関わらず、村田は黙ってナンブ式自動拳銃を掘り出して黒沼の事務所へ赴き、アンタは処世が下手だねと鼻で笑うかつての部下に銃を向けた。

会田が駆けつけた時には既に、村田は組員たちの手にかかり事切れていた。現状を見るや否や全員を撃ち倒し(←ただし半殺し)、村田の銃をそっと胸に収めると、会田は死んでいる黒沼に自分の弾を3発ぶちこんだ。そしてその足で岩崎宅へ向かい、彼に逮捕状を突きつける。「ハンスがお父様の事を喋ったのね!」この親にしてこの子ありな留美子の言葉に会田はキレる。「ハンスと呼ぶな!村田さんは立派な人だ!」

本庁の霊安室では、男手ひとつで育てられた父想いの村田の娘・美和子(小野恵子)や友人(ケーシー高峰)が泣き崩れていた。そこへ橘(渡辺文雄)と手錠で繋がれた姿を見せた会田は「黒沼を殺したのは俺ですよ」と村田の手が汚れていないことを主張。カラクリに感づいている橘も、今回ばかりは会田の取った行動を黙認するのだった。

外を歩く会田の脇を通りすぎる村田の霊柩車。
『ふと、死んだ親父のことを思い出した。
たぶんそれはあの律儀な男のせいだ。
生き方の下手な男だった。
ま、そういう俺も、生き方はうまくないがね……』
(昭和ブルースは4番)

*仲谷さんといえば#17「兇悪の誇り」のヒースクリフ英吉(←勝手に命名)が印象的だったが、今回のハンス村田もかなり強烈だった。舞台の人だからか、なんとなく横文字が似合うんだよなあ。ちなみに当時の奥様・岸田今日子さんの出番は今回はさすがになかった。

*#55「兇悪の花道」では悪人の父に反発し、殺し屋とほんのり良い仲になる令嬢を演じていた森田(五十嵐)めぐみさんが、今回はよく似たシチュエーションながら典型的なイヤミお嬢様になっていて、いつもの役柄とのギャップに驚いた。おまけに(情報を聞き出すためとはいえ)彼女にモーションをかけまくってた会田にも目が点。
「こうみえて結構サマになってるじゃないか、君と俺」
「意外とワルね、貴方って」
「美人に弱いだけさ」
なーんてセリフをこのカップルから聞こうとは…!

*10歳やそこら(推定)の息子にまで“生き方の下手な男”との印象を植え付けて(原爆で)死んだ会田の親父さん、気になる存在だ。

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| TVドラマ(現代劇)::非情のライセンス2 | 10:28 PM | comments (x) | trackback (x) |
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