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非情のライセンス 第2シリーズ #92
#144「兇悪の孤独」(1976年・S51・7月22日OA)

藤丸商事の手形パクリ事件を捜査中の会田(天知茂)は、レストランで旧知の女性・柏木節子(葉山葉子)と再会した。節子はかつて会田が四課にいた頃に殉職した先輩刑事・柏木の一人娘。妻子ある男性と道ならぬ恋を続けている彼女には孤独の影がつきまとっている。翌日、パクリ屋・恩田(高野隆志)の焼死体が発見された現場で再び節子を見かけた会田は、彼女のマンションを訪ねた際、妙な少年が外をうろついていることに不審を抱く。

少年の名は竹沢宏(川代家継)、近所で続く連続放火事件の犯人だった。節子に落し物のコンパクトを届けに来た宏は、死体があった現場で彼女と一人の男を見たのだという。非難するでも強請るでもなく、ただ人に言えぬ秘密を持つ孤独な者同士が寄り添うように親密になるふたり。しかし、節子の不倫相手で恩田殺しの実行犯である垣沼利夫(柳生博)は、「あの晩のことは誰にも言わないから、彼女(=節子)を幸せにしてやれよ!」と甘っちょろいことをいう宏がうっとおしい。

放火容疑で捕まった宏は会田たちの取調べを受け、垣沼をおびき寄せることに同意したが、節子の関与には黙秘を続けた。会田は節子のマンションに向かい「も人の心は分かるつもりです。いや、分かるように心がけているつもりです」と彼女の良心に訴えかけ、落としの名人だった先輩の娘を自白させるに至った。

大株主の工藤栄之助(竜崎一郎)の命によりわざと自社の手形を恩田にパクらせ、欲を出した恩田を殺した垣沼は、目撃者である宏を抹殺しようとし、特捜部の手で逮捕された。自分の寂しさを、間違った男で埋めていた。そう自嘲する節子に会田は言う。
――そんな思いを埋めるのは他人じゃない。自分しか、ないんじゃないかな。
(昭和ブルースは1番)

*またまた会田のモノローグ付き(原点回帰?)。「ボク」という一人称が聞けたのは珍しい。

*第3シリーズで同僚になる柳生さん、前回(#70「兇悪の秘め事」)は被害者だったが今回は悪人。リバーシブルな人なのね。

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| TVドラマ(現代劇)::非情のライセンス2 | 10:19 PM | comments (x) | trackback (x) |
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