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『宿無し犬』
『宿無し犬』(1964年・S39)

ハジキと喧嘩は滅法強いが、女に弱いお調子者の一匹狼・鴨井大介(田宮二郎)は、高松にある母の墓地をゴルフ場に変えた大興組とひと悶着。そこを彼らのライバル、沼野観光社長(佐々木孝丸)に見込まれ神戸にやってきた。

沼野の店が火事になり、その保険金を受け取った帰り道、鴨井の前に奇妙な不精髭男(天知茂)が現れた。「君のボディガードや」抜け抜けとそう宣言した不精髭は彼の後を尾けてくる。ちょうどその時、高松で出会った大興組と訳ありの美女・麻子(江波杏子)に遭遇するのだが、不精髭はなぜか彼女と関わり合いになるなと言い「そのうち火事見舞いに行くからな」と不可解な台詞を残して消えた。

そんな折、鴨井がナイスバディの柳子(坂本スミ子)と働いていた沼野所有のモーテルが放火された。予告通り焼け跡に、しょぼくれたコートの不精髭が姿を見せる。沼野の保険金詐欺をほのめかした彼は、飯場にいた鴨井を銃器不法所持で引っ張ろうとした。「お前、デカやったんか!」

捜査一課の刑事・木村準太(改めて天知茂)は鴨井に、(うどんと麻子の居場所をエサにして)沼野と青井(水島道太郎)の線を洗ってくれと持ちかける。青井というのは沼野の片腕で、鴨井の良いハジキ仲間だったが、モーテルの保険金を持ち逃げして大興組に匿われた男(それはすべて沼野との策略だったのだが、大興組は青井をゲットすると沼野を射殺し、結局寝返った形になっているややこしい男)。同僚を青井らしい男に消された木村は、なんとしても青井の身柄を確保したいのだと言う。鴨井は麻子会いたさに渋々協力することに。

鴨井がホの字の麻子は、大興組の康市(五味龍太郎)の女とみられていたが実は彼の姉だった。康市は姉の身の安全のためそれをひた隠しにしていたものの、お前には出来すぎた女だから青井に譲れと組長の佐伯(須賀不二男)に命じられて苦悩。麻子を連れて逃げようとしたところを組員の瓜生(デビュー作?:成田三樹夫)たちに襲われ、ついでに事情を知らない鴨井にも追われて海へドボン。翌日浮かんだときには死体になっていた。

実際は組員たちのドスを喰らっての刺殺だったが、鴨井の前以外では俄然キレものぶりを発揮する(しかも標準語に切り替わる)木村は、沼野の出方を探ろうと“水死”として発表させた。おかげで自分が麻子の大事な男を殺してしまったと落ち込む鴨井。しかし、連れて逃げた麻子と木村の言葉から真相を知った彼は、康市の骨でひと儲け企んでいた沼野から骨を奪い返すために、青井とのサシの勝負を決意する。

サシのはずなのに沼野やらミッキー瓜生やらが押しかけ乱戦になり、青井は味方サイドにやられて死亡。残りを単身でやっつけた鴨井の背後から、パトカーのサイレンが聞こえてきた。逃げて、と抱きつく麻子を「アイツ(=木村)の月給あげたらなイカン」と諭した鴨井は、木村の手錠を潔く受けるのだった。

*“犬シリーズ”第1弾ゆえか、途中から妙にシリアスで湿っぽい展開になってしまい、鴨井のあっけらかんとスカした魅力が花開いていないのが残念。とはいえ、“しょぼくれ”(とは1作目では呼ばれていないが)こと木村刑事の懐深いキャラは最初っから全開である。ふらりと姿を見せて「俺は君(=鴨井)より色男やと思ってるんやが」(ほんとにそう思う←贔屓目)なんて言いつつ鴨井をやんわり手玉に取り、タイヤを頭から被らされて逃げられてもヤンチャ坊主を見る優しい目で見送っていたかと思うと、本業では眼光鋭くキレ者。刑事としては会田@非ライより優秀なんじゃないかとさえ思えてしまうその余裕のある態度が、ルックスと相まって実に魅力的だ。

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| 映画::大映with田宮二郎 | 11:45 PM | comments (x) | trackback (x) |
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