2010,03,12, Friday
『女王蜂と大学の竜』(1960年・S35)
三国人連盟の横暴からマーケットを守る関東桜組。ドンパチを好まず、清く正しい任侠道をゆく組長の千之助(嵐寛寿郎)とそのグラマー娘・珠美(三原葉子)だが、連盟の呉(大友純)やショバを狙う土橋(近衛敏明)のいやがらせはヒートアップする一方。そこへ現れ窮地を救ってくれたのが、ラバウル帰りの元特攻、頭が切れる(らしい)ので“大学”との仇名を持つ大学の竜こと広岡竜二(吉田輝雄)。しかし、桜組の幹部・達(沖竜次)が土橋サイドに内通していたことから事態はどんどん悪い方向に。果たして珠美は組を守れるのか!? さて、クレジットは両サイドに余裕のある好位置につけていながらgooのあらすじにも名前が出てこない駒形金竜(天知茂)は、アラカン組長に付き従って和服姿で登場するそのスジの人。よく見ると右頬にえげつない刀傷があるこの男(画像)、組員たちから「叔父御!」と呼ばれていて、血気にはやる若衆に「静かにしろい! 組長の命令があるまでは、勝手な真似は許さねえ!」と啖呵を切って瞬時に大人しくさせる凄腕である。“叔父御”というのは「親分と五分五分の兄弟分」らしいから、若いのに立場も上等だ(アラカンさんと兄弟分!) ところが敵の陰謀により、派手な出入りが起きる前に進駐軍に引っ張られてしまうので出番はあっという間。あの刀傷はアラカンさんを庇った時のもので、それがきっかけで盃を交わすことになったんだろうか、きっと元々は一匹狼でぶいぶいいわしてたに違いない、それよりどさくさに紛れて珠美姐さん(竜とラブラブ)が4代目になってしまってあの後どうなるんだろう、などと色々想像を逞しくする(しかない)役柄ではあった。 *オカマっぽい挙動やらウケ狙いの寄り目やらをしてのける吉田輝雄さん、ずいぶんこなれてきたようだ(似合っているかどうかは別として)
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| 映画::新東宝 | 11:05 PM | comments (x) | trackback (x) | |