2011,08,05, Friday
『関東やくざ嵐』 (1966年・S41)
梵天一家の小頭・尾形菊治(鶴田浩二)は、敵対する組の親分の愛娘・お絹(桜町弘子)と恋仲だったが、それが災いしていざこざが起き、彼女の目の前で父親を刺殺する羽目になって刑務所へ。6年後、務めを終えて戻ってみるとお絹は消息不明、亀吉親分(加藤嘉)が寝たきりの梵天一家は、背広を着こんだクールな代貸・柳五郎(天知茂)が跡目を継いでいた。 金に糸目をつけぬ柳は余所を蹴散らして土木業を発展させていたが、その強引なやり口と古参の子分をないがしろにするやり口にカチンときた菊治は杯を返上。亀吉の口利きで、人徳者で知られる丸高組の親分(村田英雄)の元に草鞋を脱いだ彼は、文字通りガテン系の世話役・ゴンさん(山本麟一)とやりあったりして汗と泥にまみれて仕事に精を出す。 そんな頃、対照的にインドア派の柳は料亭でお絹をじわじわと口説いていた。借金がある上に弟・勇(金光満樹)からの金の無心も続き困惑していたお絹だが、愛しの菊治と再会、今度こそ駆け落ちをと願うものの、渡世の義理に絡められた菊治が煮え切らないでいるうちに、柳に連れ去られてしまう。着流しの上から豪奢なガウンを羽織った柳に(見えない位置でだが)襲われて泣き崩れるお絹。不憫に思う亀吉親分は彼女を逃がそうとするが、柳に爺さん呼ばわりされた挙句、枕への華麗な蹴りを決められてショック死した(だがさすがにそんなダルマ落としで死んでしまうとは思ってなかったらしく「い、医者を呼べ!」とひどく狼狽している小物っぷりが可笑しい柳である)。 丸高組から奪いそこねた仕事を巡ってドンパチを仕掛けてきた梵天サイドとの揉めごと真っ最中の菊治は、お絹と親分のことを聞いて怒り心頭。柳の命令で菊治を狙いに来てゴンさんの妹(宮園純子)を撃ってしまい動揺する勇と、ライフルを腰に差して戦闘態勢のゴンさんを引き連れ梵天一家の本部へと向かう。 (天津敏さん以下)コワモテな手下をそろえて準備万端のはずの柳だったが、菊治との最初の一発で相撃ちになり、最後は二度刺しされて絶命するのだった(後のお絹姉弟とのなんやかんやのシーンで転がっている死体は本人かどうか不明)。 *『博徒』のネオ博徒ぶりと『顔役』のちゃっかりウッカリぶりを足して二で割ったような梵天一家の三代目。出番は少なめとはいえ、悪役の務めをしっかり果たしていた。…しかし鶴田さん、殺すときはいつも容赦ないなあ。
| http://www.amachi.info/blog/index.php?e=560 |
| 映画::東映 | 11:42 PM | comments (x) | trackback (x) | |