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悪の紋章
悪の紋章(1965年・S40・10月7日〜翌3月31日OA:全26回)NET 22:00-23:00
【本誌に連載の異色小説】
原作は、朝日新聞に連載された橋本忍の異色小説で、悪徳警官の汚名を着せられた社会的に葬り去られようとした一警部補(天知茂)が、出所後復讐の鬼となり、その背後にあるものと対決してゆくサスペンスにあふれたミステリー。出演は愛京子、多々良純、神戸一郎、高城丈二ほか。
(以上、朝日新聞縮刷版より引用)
【汚名を着せられた警官の復讐】天知茂と愛京子主演
「アスファルト・ジャングル」に引き続き、サスペンスタッチで描くミステリードラマ。この作品は37年10月から朝日新聞に連載され、シナリオライター橋本忍の初の新聞小説として話題になったもの。
また39年6月には、新珠三千代、山崎努のコンビで東宝で映画化されている。
悪徳警官の汚名を着せられ復讐に燃える主人公の稲村には、久しぶりの天知茂が登場し、相手役には大阪で片岡プロデューサーが見出したというズブのしろうと愛京子が抜てきされている。
物語は、現職の警官が殺人事件を捜査中、何者から身に覚えのない罪を着せられ、身の潔白を証明できないまま投獄され、出所後、その犯人を追うというもの。
第一回の今夜は、3年の刑期を終えて出所したところからはじまる。
――菊地正明は、小菅刑務所を出た足で旧友の松野の勤務先、塚本興信所をたずねた。
松野は、菊地の前に”塚本興信所 稲村清一”という名詞を差し出し「すっかり生まれ変わったつもりで昔の名前や苗字は一字も入れなかったよ」と菊地に言った。
菊地正明は、きょうかぎり稲村清一を改名し、この塚本興信所で調査員として働くはずなのだ。

10月7日
【復讐の主はすでに死んでいた】
稲村が刑務所を出ての第一の目標は、彼の妻をたぶらかし、彼を刑務所へ送り込んだ直接の加害者、花井への復讐だった。
しかし、花井は数ヶ月前チンピラの谷川という男と口論したことから刺され、すでに死んでいた。
稲村は、花井の親分である三共興業の社長、東善作に会うことを思い立った。三共興業には、花井の弟分、鉄がいるはずだ。せめて鉄でもいれば、いくらかその後の情報が聞けると思っていたが、その鉄も宇都宮の刑務所で服役中だった。
社長の東は世間の不景気をよそに相変わらずはぶりがよく、3年ぶりに訪ねた稲村を何とかかかえこもうとしていた。帰りがける稲村に、東は1枚の封筒を差し出した。中には2枚の千円札が入っていた。
彼は苦笑すると、その封筒を無造作に引き破いて捨てた。

10/22号 茶の間の茶
地のままでやった幽霊役? 神戸一郎
このところ、すっかり演技づいている歌手の神戸一郎、現在NETテレビの「悪の紋章」に出演しているが、この役というのが幽霊。
撮影前、はじめての幽霊役とあって心配していたが、「プロデューサーから地のままでやれといわれたので、思いっきりキザな幽霊になりました。”なんだあの野郎、へらへらしやがって”といわれれば成功だと思う」と幽霊初出演の弁を語っている。
(以上、週刊TVガイドより記事引用)

*放映リストはこちら
*OP映像収録ビデオあり(東映TVドラマ主題歌大全集(1))。

*映画ではショボクレ(「鉄砲犬」ごろ)を演じながら、テレビではすさまじい復讐鬼。そのギャップが凄い。「次郎長…」などと違って外見から想像しやすい役柄ではあるが、見られないのは辛い…どこかに埋もれていないかなあ?

*原作について(2008.4.30)
とある死体遺棄事件の捜査に関わった警部補・菊池正明は、麻薬運搬、恐喝、その他いろいろ罪をでっちあげられ刑務所に送られた。2年後、出所し名前を「稲村清一」と変えた彼は自分を陥れた人物(元妻を含む)を執念で突き止め、報復を誓う。かつての先輩刑事・松野は、再出発を棒に振り過去に囚われたままの菊池=稲村を憂うが、彼の決意は変わらない。徐々に荒んでゆく菊池=稲村の心を唯一和ませてくれるのは、偶然の出会いから懇意になった女性・節子の存在。だがその彼女も実は……。

「モンテ・クリスト伯」的とはいえ、よりいっそう壮絶で救いのない、とにかく読中・読後がずっしり重い話だった(しかも借りたのが、映画のスチールが文中に挿入されている版で、ものすごく目つきの怖い山崎さんの顔で余計に気分が滅入ってきた)。こんなのを朝から読めた当時の朝日新聞、すこぶるディープである。

ところで、この作品しかり「雲霧仁左衛門」しかり、山崎さんと天っちゃんはコワモテという部分で同じカテゴリの人といえそうだが、このふたり、決定的に何かが違うような気がする。具体的にどう、とは言いづらいのだが、たとえばゲンと弥藤次(「無宿侍」)はキャストを入れ替えられないと思うし、頭に懐中電灯差して村人を無作為に殺しまくる役(「八つ墓村」)なんてのは天っちゃんには無理じゃないか、そんなふうな違いである。役者としての力量云々というレベルの話は置いておくとして(そんなものを語り出すと分が悪そうだし←失礼)、動物的な凶暴性、とでもいうのだろうか、平気で理性をぶっとばせる、ホントに怖い人間の狂気を醸し出せるか否かで両者の間には境界があるように感じる。

見慣れてしまったせいもあるかもしれないが、天っちゃん演じるキャラは大体において「何をしでかすか分からない怖さ」というのがない。顔や動きで性格がみえてしまうのだ。それはおそらく、彼自身が肉付けの際、そのキャラのすべての言動に理由を持たせてしまうからではないか、と思う。人を殺すのも、悪事を働くのも、天知キャラには相応の動機がある。悪なりの理性がある。だから怖くない→マダムやお子ちゃま層も安心して惚れちゃう、という図式が成り立つんじゃなかろうかと。
・・・そんな彼が、半ば狂気に導かれた稲村をどう演じ切ったのか、すごく興味がある。ほんとにOPしか映像が残っていないとしたら残念だ。

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| TVドラマ(現代劇)::その他(シリーズ) | 10:12 PM | comments (x) | trackback (x) |
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