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悪銭(ぜに)
悪銭(ぜに)(1963年・S38・8月6日〜11月26日OA:全17回)YTV 22:15-22:45

原作:福本和也
音楽:南安雄
出演(ラテ欄クレジット順):
#1:宮城まり子、益田喜頓、芦屋雁之助、小山明子、天知茂
#2:北あけみ、天知茂、芦屋雁之助、小山明子
#3:天知茂、芦屋雁之助、山茶花究、小山明子
#4:天知茂、山茶花究、小山明子、芦屋雁之助
#5:天知茂、小山明子、芦屋雁之助、石井均、北あけみ、谷晃、初音礼子
#6:天知茂、小山明子、芦屋雁之助、北あけみ
#7:天知茂、小山明子、芦屋雁之助、山茶花究
#8:天知茂、芦屋雁之助、山茶花究、北あけみ
#9:天知茂、小山明子、芦屋雁之助、山茶花究、春風すみれ、曾我廼家明蝶
#10:天知茂、小山明子
#11:天知茂、芦屋雁之助、山茶花究、北あけみ
#12:天知茂、小山明子、芦屋雁之助、山茶花究
#13:天知茂、小山明子、芦屋雁之助、山茶花究、北あけみ、曾我廼家明蝶
#14:天知茂、小山明子、芦屋雁之助、北あけみ
#15:天知茂、小山明子、芦屋雁之助、山茶花究、北あけみ、曾我廼家明蝶
#16:天知茂、小山明子、芦屋雁之助、北あけみ
#17:天知茂、小山明子、芦屋雁之助、山茶花究、北あけみ、谷晃

(初回の解説)
日本テレビ今夜10時15分からは、新しく登場する連続ドラマ「悪銭(ぜに)」の第1回。これは、すべてが金で支配される現代機構の中で、そのウラをかき、鋭い頭脳と冷酷な行動で悪を悪とも思わずゼニをつかもうとする男の姿を活動的にえがく。主題歌はアイ・ジョージが歌う。
登場人物はすべて悪人。端役のひとりにも善人は登場しない。専門的な経済知識をもって会社乗っ取りをたくらむ高梨卓二(天知茂)、高梨の部下で、おのれの悪の才能にめざめ、高梨を倒して跡をつぐ六角(芦屋雁之助)、高梨に復讐を誓う田井杏子(小山明子)らがからまりあって悪の物語をすすめて行く。
(以上、朝日新聞縮刷版より記事引用)

*原作は、ガンの特効薬を巡って大手製薬会社や学会と駆け引きを繰り広げる六角の話がメインだった。高梨は既に乗っ取った会社をまんまと六角に乗っ取られ、ヒモ状態で悶々と暮らしている状態で、特効薬の件でも六角に横槍を入れるもいまひとつピリッとせず、「意外とスケールの小さい悪人」だの「往年の秀才ペテン師の面影はどこにも残っていない」だの言われ放題。しかも過去に色々あった杏子さんとは(今でも好きなんだけど)一度も接触がない上、愛人のところへ元・奥さんが押しかけてきて3人で川の字に寝る羽目になり、挙句の果てには(ネタバレ失礼)「誰にも渡さへん、殺してやる!」と愛人に刺されてドブの中で変死、という惨めな最期を遂げてしまうのだった。

とてもラテ欄のようなトップ・クレジットの役柄(と出番)ではないような気がするのだが、ドラマは別展開だったのかもしれない。(ドラマが1963年、初版本が1965年、ということは、原作はドラマの後日談、という可能性もあったりして?)

(2009.2.19追加)
*「悪銭」の前作にあたる「悪の決算」(1963年)を読んでみたところ、どうやらドラマはこちらを元にしている模様。とはいえこっちの高梨も女難で、愛人の弟に刺されて重傷を負っているうち、六角になにもかも奪われてしまうトホホな末路をたどっていた(そしてそのあとヒモ状態で「悪銭」に続く)。

[茶の間の茶] (週刊TVガイド 1963.10.4号より)
【250万円のタイトル・バック】
日本テレビ「悪銭」のタイトル・バックには本物の札束が毎回登場し視聴者を唸らせている。「いったい、あそこには、いくら位あるのかしら?」と気になる仁もあろうかと問い合わせてみると、なんと250万円也とのこと。
撮影の際、局の経理から現ナマを借り出したのだが、局の手持金はあいにくと60万円しかなく、それでは迫力がないというので、わざわざ銀行に出向いて差額を借り受け、文字通り250万円のタイトル・バックの制作と相成ったわけ。
ただし、制作費はフィルム代と交通費だけというから泣かせるネ。
※(2009.9.2追加)朝日新聞大阪版より引用
【登場人物は悪人ばかり】 雁之助主演で連続ドラマ
読売テレビ系で「悪銭(ぜに)」という連続ドラマが始まる。今夜から13回。原作は大阪出身で経済推理小説を得意とする福本和也の「悪の決算」だが、登場人物がすべて、程度の差はあるが悪人ばかり、という作品だ。
ドラマはまず東京から始まるが、すぐ舞台は大阪へ移る。主役は六角(芦屋雁之助)という男。父親が会社を乗っ取られて自殺したため、■然(*漢字不明)と悪の道に踏み込む。はじめは、鋭い頭脳でつぎつぎに経済的な悪を働く高梨(天知茂)の部下となるが、ついには高梨以上の大悪党となってしまう。
ほかに、2人の参謀格になる綿抜(山茶花究)、美しい顔の下に高梨への復讐心を秘めているヒロイン杏子(小山明子)、高梨を愛し、憎む美代(北あけみ)などがレギュラーの登場人物。なかなか多彩な配役だ。北あけみはテレビの連ドラ初出演で、映画のほうの仕事が詰まっているのに、ぜひ出たいと希望したそうだ。
また毎回ゲスト出演がある。今夜は宮城まり子が高梨の妻、益田喜頓が文真堂、江見俊太郎が村松課長という役で、それぞれ出る。
演出の荻野慶人ディレクターは、これまで「大阪野郎」「ごりがん人生」「C調紳士録」「女体」とあまり“善”といえない一連の作品を手掛けてきたが、「今度はもっと思い切って背徳的な、悪党のドラマにする」という。脚色は藤本義一、音楽は南安雄。
*さすがご当地というべきか、大阪版が一番詳しいようである(やはり「悪の決算」が原作なのか)。主演=雁之助さん、という記述もいかにもだが、原作からすると正しいと思う。

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| TVドラマ(現代劇)::その他(シリーズ) | 09:14 PM | comments (x) | trackback (x) |
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