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隼人が来る #15
「追われ者の掟」(1973年・S48・1月18日OA)

腹痛で倒れた河童の喜八(「き」は七三つの「き」:左とん平)は、「私は医者じゃない」と言いながらどう見てもそれらしき風貌の男・小川宗順(天知茂)に救われた。百姓や寺子屋の子供たちから「せんせ〜い♪」と慕われ懐かれているこの宗順、医術の腕もたいしたもので、喜八と落ち合えた秋月隼人(主役:高橋秀樹)も目を見張った。ところが侍を見かけると周囲が過剰反応、「せんせいはワシらだけのせんせいじゃ!」「せんせいを護るんだー!」と彼を必死に匿おうとする。

実は宗順は、さる藩で御典医を務めていたのだが、そこでもたぶんモテモテだったのだろう、ひとりの女性を巡ってある武士の反感を買い、斬りかかられたところを逆に斬り殺してしまい、武士の弟二人に仇として追われる羽目になったのだ(問題の女性は自害したとのこと)。行き倒れたおゆき(光川環世)を救ったことで村に居ついた宗順自身は、ライフワークである蘭学書の翻訳が済むまでは死ねないと思いつつ、いつの日か仇討たれる運命を享受していた(そしてそんなストイックな宗順におゆきさんはもうメロメロ)。

一方、諸国見廻役である隼人が今回この地を訪れたのは、病弱の幼き藩主に代わって親族でもある自分が実権を握りたい、との家老・溝口光貞(神田隆)の申し出の是非を調べるためであった。なんの支障もなさそうだったが、「殿様は毒を盛られているのでは…」と疑問を持っている藩主付きの老女の願いを聞き、薬湯茶碗を喜八に盗ませて、宗順の元へ持って行かせる。

茶碗に付着した成分を調べた宗順は、患者(それが殿様だと彼は知らない)を連れて来いと喜八を急かした。隼人は溝口の目を巧みにくらませて殿様を城から拉致、宗順に診せたところ、腸がねじれて緊急手術が必要だという。設備もないこんな場所で、と一度は渋った宗順だが隼人たちの励ましで手術を決行。しかし、彼を長兄の仇とつけ狙う日引兄弟(兄の裕太郎役は江守徹)、そして溝口率いる刺客たちも村に迫っていた。

手術の場に乱入した日引兄弟は、人助けに懸命な宗順に躊躇し(ついでに村人たちに捕縛され)、溝口たちは(いちおう主役なので)隼人がひとりでばっさばっさと成敗。そうこうしているうちに殿様の手術も(マスクなし・焼酎ぶっかけ・麻酔なし・ギャラリー大勢という凄まじい条件のなか)無事成功した。

手術を終えた宗順は「もう何も思い残すことはない」と、ようやく完成させた翻訳本をおゆきに手渡し、日引兄弟との果たし合いに臨む。しかし喘息の発作に襲われた兄・裕太郎(江守さん)が薬湯の世話になったうえ、先ほどの件もあって兄弟の剣は重い(「さあ、どこからでもかかってきなさい!」と言いつつまるで隙のない構えを取ってる相手のせいもある)。

と、そこへ隼人が颯爽と現れ、おもむろに宗順の髷を切り落とした。これを持って国に帰れ、そう諭す隼人に兄弟はほっとしたように頷き、おゆきを筆頭とする村人たちは、大切なせんせいの無事に心から安堵するのだった(ラストは、命を救われた殿様からの御典医の勧めを断って、村の医者として子供たちと仲良く戯れている宗順が映っておしまい)。

*脚本がいつもの宮川一郎さんだけに、とにかくせんせい、モテすぎ。 みんな寄ってきて離してくれないんだもんなあ。まあ良い漢だから仕方がない(←贔屓目)。ただ追われ者になった経緯は、「宗順、おしのさんをワシに譲ってくれい」「いや、おしのさんは…」「お前なんかに渡すものかあ!(シャキーン)」「お、おやめ下さい! あっ(ぶすっ)」「おのれ…宗順(がくっ)」ってな風にジェラシーMAXの日引長兄のひとり相撲だったのだが、肝心の宗順のおしのさんとやらへの愛の有無がはっきりしていないのでいきなり感が漂っていた(彼女が自害したのは、もしかして日引兄が好きだったからという可能性もあったりして)。

*せんせい恋しさのあまり、彼を殺しにきた日引兄弟にメスを持って突っ込んでいった情熱家のおゆきさん。光川さんってどこかで見たことあるなあ…と記憶を手繰ったら非ライ第1シリーズ#31「兇悪の報酬」の「殺してやるわ、会田を…!」のあの彼女だった。なんだか納得。(非ライの方が数か月後)。

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| TVドラマ(時代劇)::その他(ゲスト) | 12:07 PM | comments (x) | trackback (x) |
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