2007,12,30, Sunday
#92「天下を占う大姐御!」(1985年・S60・1月26日OA)
甲府藩ではここ最近で年貢の取り立てが急増、農民たちは生活苦にあえぎ、若人たちの藩政への不満は極限に達している。 「この奸賊め、天誅だ!」 甲府城から出てきた裃姿の城代家老・平岡監物(天知茂)はいきなり若侍に襲われ肩を負傷した。藩主・柳沢吉里が病弱で引き籠っているため、監物と大目付の根津主水(北町嘉郎)が増税の元凶と憎まれているのだ。だが、付き添っていた根津たちにメッタ突きに遭う若侍に向かって「愚かな奴だ…」と呟く監物の眼は、なぜか哀しみに満ちていた。 事件を目撃した御庭番の半蔵(荒木ストロンガー茂)は吉宗(松平健)に報告。窮状を知った上様は自分が行くと力強く宣言、爺(有島一郎)や越前(横内正)、それからめ組の人々をも引き連れ、ほぼ慰安旅行のノリで甲府を目指す。甲府へ入った途端、怪しげな占い師の尼僧・妙締(特別出演:淡谷のり子)に呼び止められ「この町に入ってはいけない、命に関わる危険が」云々と諭される上様だが元気よく歩みを進め、若侍・滝沢隼人(大場順)を助けた。隼人は改革派のリーダー的存在で、家老と大目付を排除し、江戸家老の柳沢帯刀(遠藤太津朗)を擁して藩の立て直しを図ろうとしていた。 監物宅に奉公している彼の恋人・香織ちゃん(内山みどり)を送りがてら、上様は問題の監物に会う。なぜ増税で藩民を苦しめるのか、との問いに監物は盆栽をいじりながら、木を助けるためには花も実も落とさねばならん、わしはこの鋏だ、切られる身にとっては憎かろう、だが幹を枯らす訳にはいかんのだとコワモテに似合わぬ落ち着いた(そして意味深な)答えを返すのだった。 御庭番ズの調べによれば、どうやら大目付の根津がボスを裏切って(だめじゃん北町さん)江戸家老の柳沢とつるみ、ある目的のために軍資金を貯め、藩民の恨みを監物に集中させようとしていることが判明。しかしその時には隼人ら若侍と農民たちは踊らされているとも知らずに一揆を決行しかけていた。上様は辰五郎(北島三郎)に頼んで民衆を足止めさせたものの、隼人たちは香織ちゃんの制止を振り切り根津の屋敷を襲い、一網打尽に。 恵林寺にいた監物に会った上様は彼の真意を問う。貴方は根津らの背後にいる人物を知りたいがためにあえて奸賊の汚名を被ったのではないのか、そう図星を指された監物は、黒幕が尾張大納言であること、尾張に甲府藩の実権を握られては幕府存亡の危機に繋がるとみたためだと告白、「だが“心頭滅却すれば、火もまた涼し”とは申せ、凡夫の身には辛い…辛い毎日でござった…!」とただでさえ辛そうな顔をさらに歪めて床に突っ伏す。実は陰腹を切っていたのだ。 吉宗の正体を知っていた監物は、自分の命と引き換えに甲府藩の庇護を懇願、上様の肯きに安心したようにぱたりと倒れ、帰らぬ人となってしまった…(あとは北町っちゃん&エンタツさんが成敗され、監物サマの心を知った隼人たちが仲良く墓参、実は隼人くんの母だったのり子姐さんも現れてめでたしめでたし、上様一行は富士山を見てニッコニコ、のハッピーエンドだがもはやそれはどうでもいい) *淡谷のり子さんとのブルース対決(違)は、タイトルその他で彼女に華を持たせつつ、その実は天っちゃんのワンマンショーだった。殺陣が無く(冒頭もやられっぱなし)ひたすら耐えてる監物さまが最後に見せる決死の覚悟が泣かせる。こういう“静”の人も力みなく演じられるお年頃になってきたのに、数か月経ったらもう…と思うと残念だ。 *香織ちゃんの“ご家老さま”発言を聞いた隼人の台詞「あんな奸物は監物で十分だ!」…もしやこのシャレのために名前が「監物」だったのか? *そういやまた予告編をチェックするの忘れました(泣)…ご覧になった方、どんなだったか御教示下さると嬉しいです。 *(2008.3.23追記:再放送でめでたく予告編チェック。300回記念作品!ということでタイアップ先のホテルや素の格好でロケバスに乗り込むレギュラー陣が映ったりしていたが、果たして天っちゃんは甲府まで行ってるんだろうか?)
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| TVドラマ(時代劇)::暴れん坊将軍 | 12:33 AM | comments (x) | trackback (x) | |